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[火の無い先端を食むパースに、逆にこちらは唇を離した。
本来ならば、健康には決して宜しくない行為を叱るべき所なのだろうが。
何時付けてしまったか記憶に無い噛み跡を目にし、カインの口元に浮かぶのは、自嘲に似た微笑みばかり。
両腕をパースの背に回し、ゆるい檻に、捕まえた。]
どうなったって、良い。
世界が灰に沈んでも、良い。
俺は、もう。
[腕の中に、甘く掠れた退廃を、響かせる。]
救いたかったものと共に、滅びるよ。
[彼がランスなのだろう。
でも、憶えているから名前が沸き出してくるのではなく、
セルマに教えられてから、名前が分かるだけで。]
……………。
[憶えてはいないのに。
分からないのに。
どうして。]
[どうして、胸が痛いの?
傘の取手を持つ指先が震えるのは感情のせい。
無意識に震える喜びの気持ち?]
…………、ランス さん 。
[その呼び方はきっと違うだろうと気付いていて。
一対の翅は蒼穹、灰色の羽根には似ても似つかない。
エステルとして目を開いた時には、もう。
何かを押し出したように根元が血で濡れた翅はあって。]
ぁ…………。
[ぽろり。
涙が零れた。]
―自宅にて―
[…おかしい。
予定していた量の倍ほど入っているビーカーを見て、
ごしごしと寝ぼけ眼を擦る。
…確か、家に帰って調合を終わらせて。
後は、溶液を灰の上から垂らして抽出を…]
・・・あー。
抽出中に寝ちまったのか。
・・・使うには厳しそうだな。この液。
[余分な成分を取り除くため、
ビーカーを二回変えて初めと終わりを取り除くのだけど。
…眠ってそこを忘れたせいで、透明な液は真っ白け。]
…ま、過剰投与で枯らせりゃ問題ないんだがね。
[…白い薬品小瓶に詰めて、のそりと森へと歩き出し。
右の懐に入れたのは、もしもの為の、粉薬…]
研究者 トロイは遅延メモを貼りました。
投票を委任します。
研究者 トロイは、灰色翼人 ランス に投票を委任しました。
[カインは煙草から唇を離したから、なんだ、想定違いかと思う。
彼の自嘲のような表情を見れば、ますます分からなくて首を傾げるけど。
己の体を拘束されて、背に彼の腕のぬくもりを感じれば、紫煙のなごりが目にしみる。
片手に持っていた矢を床に落とす。唇に浮かぶのは笑みだ。]
やれやれ、君に救われてたまるかよ。
けれど、君と死ぬならいいねえ。
君となら、寂しい思いはしないですむねえ……。
[煙草は口から離したけど、服に引っかかって床に落ち損ねている。
こちらの両手を彼の背へ伸ばし、そっと力を込めて、もっと身を寄せようと]
……ごめんなさい、ごめんなさい…っ。
[左手で顔の右半分を覆い、無事な方の目をどんよりと曇らせたまま。
振り返らない。
振り返れない。
唇の隙間からこぼれるのは謝罪の言葉]
[ごめんな――、と。
"カイン"なら、謝るのだろう。
既に生きては居ないカインならば、一緒に死んでやれないことを。
救いたかった、護りたかった世界を諦めた"カインではないもの"は。
今はただ、器の抱く感情に流される。]
[哀れみを感じた。たちの悪い同情。
だから、暗黙の掟を破った。
ふさわしい素材を探し、「世界で一番美しい言葉」を書いた。
本来ならそれは、仲間に宛てて、自分の死期に綴る言葉。
己には読むことができないけど、世界で一番美しい言葉なら、彼を傷つけることはないだろう、と。]
[三たび彼が来た時に]
はい、どうぞ。
[宛名に彼を示す記号が入った、古い紙の手紙を渡した。
中には、「あなたを愛しています」の文字。]
― 回想 了 ―
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