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しょく、じ。
[恐らくは、ダニールもどこかで人を食って生きていたのだろう。
むしろ、食われる側である人だったレイスには、想像もつかない。
そして、その黒銀の獣を見やり、ぽかんと口を開いたまま
きらきらと目を輝かせて、そーっと手を伸ばしてみる。
ダニールが嫌がらなければ、撫でてみるつもり。]
[せーのっ せーのっ という小声の後に、重く鈍い衝撃音。二階の踊り場から落ちる音――]
…………くそうっ…!!!
箒に跨らないとダメっていうの!?
今時レトロな箒を持ってる人なんて居ないでしょう!
[一撃離脱!**]
[金の瞳を、正面から見る。
普段は臆病に目を逸らす自分が、その瞳からは逸らさない。
金色は、それがもうレイスにとっては憧れの象徴。
その色が、生きた色で光るのに、魅了されないはずはなく。]
ねがい。
[後について繰り返すように、その言葉を呟き。
ぎゅ、と手を握り締める。]
[ぎゅう、と手を握る。
ずっと手を引いてきたオリガの手も一緒に。]
オリガ。
ダニールは、怖く、ないから、ね。
[きっと、女性には大きな獣は少し怖いかも、と。
彼女が気にしないならば、良いのだけれど。
そして、小さな声で、何かを呟く。]
―おれも、もし、なれるなら。
けものに、なってみたい。
[小さな赤い欠片は、それを拾ったけれど。
聲を聞くものたちにも、よく聞こえないくらいの大きさだった。]
[ 目を細め、少し眉間に皺を寄せる。
くらり、と身体が傾き、少女の手を離れ
両手を雪の上に付いた時に見えたのは、獣の手 ]
きゅ、う
[ ――灰青の、けもの。
何か怯えるように尻尾を巻き、耳をへたりとせて
なおかつ、なんだか情けない泣き声が、出た。**]
[ささやき声に帰る反応や、小さな声に。
肩が揺れたり、眉が日頃よりずっと、一般的には普通に動いたり。
鼓動と共に揺れる、双つの光。]
もどる?
狼?
[狼に変身する、というイメージが沸かず、首を傾げる
人間とかも聞こえたけれど
飼ったペットの犬を野生に戻すのか、と
ぼんやりと思っていた]
(でも犬は野生に戻れないんだけどね…)
わあ!
[声があがった。
ふたりにはずっと聴こえていたであろう、子どもの声。]
すっげー!
レイス、かっこいい!
[灰青のけものへと伸びる、小さい手。
耳と尻尾は狼のままの、
ぼさぼさの金髪に左だけ開いた灰青の瞳の、
10歳くらいの少年がそこにいた。]
[全裸で。]
すごいよキリル!
レイス、すっげーかっこいいよ!
[はしゃぐはしゃぐ。
自分が人間の姿になってることには、まだ気づいてない。]
―ホール―
[男はアップルパイを2(3)個口に咥えたまま、
置物と化した天使のたまごをじっと凝視していた。]
―――――――……。
[ぶつぶつと囁きながら、
此処ではない何処かの誰かの姿をその中に
見つけようとするかのように。
また、少しばかり前のやりとりを思い出してもいた。]
― 玄関 ―
……おかしいな。
なんで雪を払っても元通りにならないんだ、これ。
[頼みにヴァレリーがどう答えても、ひとまずは
頷いて別れただろう。
外にまで出ることはせず、正面出入り口で
鞄に降り積もった雪を落としていく。
しかし鞄の形が現れても、表面は霜が降りたように
ガトーショコラ状態。おまけに払ってもびくともしない]
中身は…?
[開きにくくなった鞄を無理矢理こじ開けるようにして
確かめるが、幸い中のものは凍りついていなかった。
その時、再び背中に吹きつける冷え切った風 +チョキ+]
え、そうなの!?
うそー!
[どんくさい、と評した言動と
かっこいい顔というのが、どうも頭で繋がらない]
ダニール先生は! かっこいい?
一緒に居るんでしょ?
[姿は見えなくて良かったです
これでも一応女の子なので
さすがに男の子の全裸は見せない方が良いのです]
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