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[手のなかの石を、落とし主に返す旅は
終わりを告げる。
短い、短い旅だった]
……私も、アップルパイいただきにいこうかな
[大事そうに、手の中の石を握り込んで
少女は、ホールへ向かう
道中、レイスとオリガの姿を見かけただろうか?]
[がう、とパイのひとに一声吠えると、
テラスの手摺りの方へと向かう。]
[のっしゅり手摺りに前足引っ掛け立ち上がり、
どうやら下を覗き込もうとしているらしい。
が、片足が使えないもんだから、うまくいかない。]
うー。
…………っ?
[ふと、背筋がぞくりとするような冷気を感じて。
眉を顰めながら、襟巻をきつめにしつつ]
窓も扉も、閉まってるはずなのに…。
おかしいな。
[席から立ち上がり、確認しに窓際へと歩いていく。
やはり閉まったままで、不思議そうに首を傾げた。
その時、更に冷たい風が背後で吹いて肩が震えあがる+グー+]
なっ…!?
[目の前で風に乗って舞う雪。
キーラに雪玉をぶつけられた寸前の感覚を思い出す。
次の瞬間 3(3)
1.どさどさどさ。頭上から雪の塊が降ってきた
2.ぴきり。襟巻が凍りついた。
3.きーん。直接被害は受けなかったが、作業鞄が雪まみれに]
[また雪玉でもぶつけられるのだろうかと覚悟したが、
雪は最初からなかったかのように掻き消えて
背筋に感じた寒さもじんわりと溶けるように無くなっていく]
さっきのも、何かの悪戯だったのかな…。
[とりあえず何もされなかったことに安心して、
元いた席に戻る。
ホールにいた他の皆は大丈夫だったろうか?]
………………。
[しかし腰掛けようとしたところで、
椅子の傍に置いていた作業鞄が真っ白になっていることに気づく。
表情が一気に引き攣った。やられた…]
―2階廊下・とある部屋の前―
[べきべき どしゃあ]
………?????
[何かひしゃげるような、
そして壊れたような音が室内から響いた。]
[そろり。
鍵は掛かっていないようなので、勝手に部屋の中を覗く。]
……な。
んだありゃ。
[変な言葉の区切り方になったのは
綺麗な内装の部屋、その隅に在ったベッドの上。
煌く星の光を受けて更に光り輝く…大きさ49(100)cm程もある……先端に羽根の生えた、たまご状のガラス細工を見つけたから。
それが18個、ベッドも潰れてしまうはずである。]
[パイのひとにこくり頷き、
持ち上げてもらったなら、
狼の目にも地上の光景が見えただろう。
手摺りに乗りあげ、じっと下を見つめて、瞬いて――]
がう!がう!
[尻尾を振って嬉しそうに吠えた。
それはもう、いまにも飛び降りかねない勢いで。]
[門の前にて]
…どうして開かないの――?
[とりゃっ そいやっ と門を力いっぱい押してみたが、結局びくともしない。あろうことか、なにか不思議な「術」のかかっている手応えすらする]
――誰かさんに、弄ばれてるのかね?
[肩をすくめ、それと戦うのを諦める]
おっと……。
[一瞬、落としそうになったが、何とか持ちこたえた]
こういう危険もある……
聞いている……のか?
[抱えたそれに呟きながら、微かに溜息**]
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