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なんだ、もう帰るのか?
[その場を辞するナデーシュに、そう声をかけはするが、引き留めることはしない。]
明日の朝、準備ができ次第、ドワイトと酒場へ行く。
少しでも穏やかな天気であるよう祈っていてくれ。
[それから、食器の片付けをするために、台所へ向かう。
水はあまり使えないので、余程の汚れでない限りは、布で拭い落とすのだが、その布もだいぶ汚れてきてしまった。]
[ゆっくりしていると、両親との色付いた思い出ばかりが浮かんでくる。
紋様よりも高度な魔法陣の書き方を教わった思い出。
留守を預かる身となった自分に両親が告げた言葉]
おしごと。
…おしごと、がんばれば。
かえってきたとき、いっぱいほめてもらえる。
………でも、おてがみ、こない。
[壊れ始めた後のスーにしては珍しく深刻な表情で、
真面目なことに思いを巡らせ始めていた。
両親が手紙一つ寄越さないことを気にし、
パースに自分宛の手紙が来ていないか訊くのを忘れていたと気付く。
気になる。けれど。
森に近付く意志はすっぽりと抜け落ちていて]
[だから、だろう。
ナデージュがこっちを向いて首を傾げた時、迷わずこう言えたのは]
さかば。ついてって、いい?
パースがまだ、もりにいかないで、のこってるかもしれないから。
[それから、残さず飲み食いした証の、空のカップとお皿を、
調理場へと片付けると]
しさいさまに、ごちそうさまでしたって、いっといて。
じゃあね。
[ひらひらと手を振ると、ナデージュの後をついて歩き始めた。
時折眠そうな顔を見せるのは相変わらず。
パースがいないと分かれば、床に座り込んでうとうとし始めるだろう**]
[布の、少しでも綺麗な箇所を探して食器を拭いていれば、スーも空になった食器を運んできてくれた。]
ありがとう。
分かった、伝えておく。
───気をつけてな。
[ひらひら振られる小さな手に、こちらも緩く手を振り返す。]
[外へ出かける心算でローブを羽織ると、先に礼拝堂へ。
すっかり寂れてしまったオルガン、無残にひび割れた窓。
隙間からは灰が吹き込んでくるから、
此処に長くいることは出来なくなって久しい]
――――――…神よ。
[その言葉を、あまり人前で使うことはなくなった。
かつり、かつりと乾いた足音が空間に響く。
天井には色あせた、ステンドグラス。
星空を舞う天使が彩られたもの。
単純に綺麗な作品だと思っていた。
だけどそれ以上に何か、強く惹かれるものがあった。
これに似た光景を、遠い昔に見たような気がする。
それは少年の頃、
死を目の前にして見た幻想だったのだろうか。
澄んだ澄んだ星空の元、空から降る灰色の―――…]
[ひらり―――…]
[―――ひらり]
[そして男は気が付いた。
夢想でも過去の記憶でもなく、まぎれもなく今、
灰色の羽根が舞い降りてきたことに。
ステンドグラスの欠けた隙間から落ちてきたそれは、
男の足元にふわりと留まる]
……っ。 …!?
[漸く我に返って天井に目を凝らせば、
ステンドガラス越しに蠢く何かの姿がある]
[その影は何処か楽しそうに跳ねるように、
天井の上を横切って行き、そして]
―――――――どん、ぐしゃり。
[見えなくなったと思ったら、大きく歪な音を立てた]
[音がした瞬間に、血の気が引いていくのを感じた。
灰を被ることも厭わず、
正確には其処まで気が回ることすらなく、
教会の外へ飛び出せばすぐに音の正体と対面できた。
壁には血が飛び、地面には血だまりができていた。
その中心で蠢く生物はもはや人の姿を殆ど保っていなかったが、
それでも相手のことを間違える筈はない]
ギュルスタン!!
[教会の天井から落下したのであろう彼は、
もはや息絶え絶えに弱っていた。
肌は殆ど褐色に覆われていて、
右腕だった場所は歪な赤黒い羽根を持つ翼に変形していた。
発する声は人語ではなく、呻きに近い。
…彼は空を飛ぼうとしたのだろうか。
けれど一側の翼しかなく、地面へ落ちてしまったのか]
[血塗れた魔物を抱きかかえる。
もうギュルに意識はないのだろう。
力なく暴れる魔物は、司祭の肩に噛みついて傷を作る。
そしてきっとそのうち、動かなくなってしまう**]
[ランスさんにかけられた>>84声に、微笑みながら小さく頷きます。
ありがとうございました、と、唇だけ動かしました。
明日の朝という言葉をしっかりと心に書き留めて、わたしは教会を後にします。
勿論、スーさんも一緒>>86です。
わたしのゆったりとした足取りと、スーさんの眠そうなそれとは、
きっと並んで歩くのに丁度良いくらいだったでしょう。
灰の積もった道を二人、並んで足跡をつけられるというのは久しぶりで、自然と口元が綻びます。
酒場に戻ると、先程までいた皆さんはもう、出て行った後のようでした。
わたしはグラスの類を片付けて、カウンターに置かれたままのお金を集めます。
簡単な作業なようですが、全てをゆっくりと、時折休憩を挟みながら行ったため、結構な時間がかかってしまいました。]
[スーさんはどうしているだろう、と、スーさんの姿を探しますが、カウンターの中からはその姿は見えません。
表に出たところで、床に座り、うとうとしているスーさんがやっと見つかりました。
小柄な体とはいえ、わたしの力では抱き上げ、運ぶことはできません。
まだ眠っていないようならば、わたしはその服を引いてスーさんを起こしたでしょうか。
テーブル席の一部に、ソファーのある席があります。
スーさんがそこまで歩けるようなら、付き添っていったでしょう。
スーさんが移動したにしろ、しないにしろ、毛布を一枚出せば、その体にかけてあげます。
それから、一通りの作業が終われば、その傍らに腰を下ろしてその頭を撫でていたでしょう。
子守唄の一つでも、歌えればよかったのですが。**]
[誰もいない食堂で、そっと、痩せた翼を広げてみると、払い切れていなかった灰が、床に零れた。
溜息をつき、箒とちりとりを出し、片付ける。
もう払い残しはないかと、念入りに羽ばたいてみれば、また4(6)枚の羽根が抜け落ちた。]
…………。
[無言でそれを拾い上げる。
みすぼらしいが、どれも混ざり気なく、灰色だ。]
[なんとなく厭な予感がして、鏡に羽を映してみる。]
あぁ……。
[予感は当たっていた。
また、赤黒い羽根が増えていた。
そして、赤黒い羽根は、灰色の羽根に比べ、随分丈夫そうだった。
───生え替わっている。
先程の態度、おそらく友も、薄々何かを感じ取っていたのだろう。
やはり早めに……いや、今この事を伝え、教会を出よう。
そう決めて、箒とちりとりを片付けて、ドワイトの部屋へ向かおうとした矢先───]
───!?
[何かが落下するような音に、慌てて窓の外を見た。
しかしこの位置からでは、窓を開けなくてはよく見えないし、かといって窓を開けるわけにもいかない。
おろおろしていれば、今度は友の声が聞こえてきた。]
な、っ……?!
[たしかに「ギュルスタン」と聞こえた。
不安が、一気に膨らんでゆく。
杞憂であれと祈りながら、薄手の外套を掴み外へ飛び出して、物音の、声の聞こえた方へと急ぐ。]
ドワイト!!
おい、どうした、何が……!
……!!
[駆け寄れば、灰色の世界に似つかわしくないほどの、鮮やかな赤。
それは地面に広がり。
また、友の肩口にも……。]
ギュル!
[友の肩に喰らいついている魔物は、間違いなく、ギュルスタンだった。
肌は褐色に変わり、片腕は翼のようになっていたが……間違いない、あの少年だ。]
ギュルスタン!
よせ! やめろ!!
[慌てて引き剥がしにかかれば、既に瀕死だったギュルスタンは、呆気なくドワイトから離れたろう。]
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