情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
[森までの道中、特に話すこともなかった。
男から聞き出せることもなければ、自分よりも少女が話し出すのを待っている方が好ましい。
そう思ってのことだ。
再び広げた傘が、灰を振り払う。
あれほどに緑豊かだった森も、今はこの灰のせいで。
誰にも気付かれない程度に、ため息をひとつ。]
……。
[揺らしていたしっぽを止めて、背筋をのばしてじっと足下を見つめた。
優先すべきはどこにあるのだろう。
守秘義務なのか、目の前の彼女のことなのか。
迷う。
迷うけど、でも、]
……どうせ、もう……。
[どうせ、
とっくに、
どこも亡い。]
[恐る恐る此方を見つめるナデージュが、
何を考えているかは想像がつく]
…私の仕事だ。
私は好きでやっているのだから、
気にすることはないんだよ。
[穏やかにそう告げて。
年頃の女性にそうするのもどうかと僅か悩みつつも、
そっと触れる程度に彼女の頭を撫でた]
少し準備をしてくる。
ゆっくりしていってくれると良い。
[客人二人へそう告げて、自分のカップを持って立ち上がる]
[やがて、森が間近になる。
その中にひとつ、色彩。手紙狂いの姿だ。
軽く手を挙げて挨拶。]
なんだい、捨て猫の真似でもしてるのかい?
[悪戯っぽく笑う。
いつもの表情を作る。
それができる内は、そうしていたい。]
――そう、パース、この子なんだけどね――
[少女を認めてから疑問に思われるだろうことも考えて、先に話し始めた。]
[壁に寄りかかる友人と擦れ違う折、じっと彼を見て]
ランス。
[零れた声は、
思っていたよりずっと心配そうなものになってしまった。
何かを言いかけて、問いかけて、躊躇って]
…お行儀が悪い。
羽も痛める。
[とん、と彼の肩へ一度手を置いて、そのまま部屋を後にする]
……。
[ナデージュに頭を撫でられるのは、これが初めてではないと朧に思う。>>40
彼女がまだ、がんばらなくても声を出せた頃のことだったか。
けれど、それだけ。
むしろスーの方から名前で呼んでもいいのか訊ねたことも忘れたまま、
機嫌よさげに足をぱたぱたと踏み鳴らした]
[やがてカモミールティーと、パンとスープが運ばれてくると]
…いただきます。
[挨拶だけはきちんとしてから、競う相手がいるかのように素早く食事に手を伸ばし、
腹を満たすことに勤しみ始めた。おおむね黙々と]
まいそう。
…また、はこぶんだ。
[周囲で展開される話題も朧に把握しつつ。
灰しかない裏庭と違い、灰に埋もれつつも墓石のある墓地。
酒場の主人も、あそこに運ばれるようだ。
おとなりの家の人達みたいに。料理屋さんのおくさんみたいに]
[ドワイトさんに頭を撫でられるのは、どれくらいぶりのことでしょうか。
まだ教会で暮らしていた頃、何度か撫でて貰った記憶があるのですが。
立ち上がる背中を引きとめようと思ったのですが、その背中にかける言葉は思い浮かびませんでした。
言葉が浮かんだとしても、声は出ないのですが。
だからわたしは、ありがとうございます、と、心の中で呟くのです。
何度も、何度も、噛み締めるように。
そうしてまた、考えるのです。
わたしに何ができるのか。
残り僅かな時間を、わたしはどう生きるべきなのか。
そっと、左頬の包帯に触れます。
―――最近、灰化の進みが、早くなってきたように思いました。]
[思考は、歪んでいる。
死んだ人は墓地に運ばれるから、
墓地に運ばれていない両親は死んでいない、と。
どこかの国のどこかの街に、“おしごと”のために出かけていった両親。
東の村の結末も、北の街の惨状も、
他の場所の滅んだ経緯も耳にしていないかのように、
否、耳にしたとしても既に―――忘れて。
彼らが帰る日をひとり、待ち続けている]
[アルカの店で買い物をした。
"こんな"世の中になってから、流通は麻痺し、貨幣での交換は殆ど成り立たなくなってしまった。ある者は物々交換、またある者は労役、ある者は慈善家の真似事をして自分を満足させている。
そしてこの店は――かつて成り立っていた当たり前の再現を望んでいた。
幾ばくかの銀貨と引き換えに、僅かな食料を手にして、男は自室のあるアパートメントに足を向けた]
[息を吸って、吐いて。
歌うように、童謡を詠むように、言葉を紡いだ。]
さあ、星《エステル》は 降る 降る
灰色に落として 蒼穹を創ろう
……。
[目を閉じて、開いて。
ふ、と脱力したような笑みが漏れた。]
昔、ある「手紙狂い」が請け負った仕事がね。
そりゃーもう、不思議だったんだって。
まあ、私らみたいのに来るモノは、人に言えないモノの方が多いんだけど。
内容は、荷物を運ぶことと、口伝の“手紙”。
[首をふるふるとふるってから、ずれたキャスケットの位置を直す。
その仕草のせいで、表情は隠れただろうか。]
灰色翼人に会うがよろしかろう。
貴重な生き残りがいるからねえ。
……それと、魔法のことならポラリスかスーだねえ。
ただ、スーはもう危うい。何か情報が得られるかどうか……。
[本心としては、壊れかけの子はそっとしておきたいところだが。
この狭い村、少ない生き残りを巡れば、どうせたどり着いてしまうだろう。]
……ふふ、何の因果だろうねえ。
[今作る笑みは、苦いもの。
どうして苦いのか、もはや己にも分かるまい。]
[一人になれば、足取りはやや覚束なくなる。
他人が見ていない分、気をはる必要がないからか。
自室へ戻る途中、窓から見えた灰の降る空。
先ほどの鳩の姿が重なって見える]
――――――…嗚呼。
[そして今日はパースが村に来て10周年だったと思い出す。
通信屋の姿を始めてみた時、
男はもう十分に大人だったが、
それでも思わず問うてしまったことがある。
『私宛の手紙は、届いているかい?』
少年兵をしていた頃の記憶は曖昧で、
それ以前の思い出はほとんどない。
生死を彷徨った折に、
其処までの命を置いてきたかのように]
[…届くはずはないと分かっている。
家族や故郷の記憶はない。戦友はみんな死んだ。
名無しの手紙は届かない。
死者は手紙をよこさない]
ああ、それと。
エラリーにも会えばいいんじゃないか?
時に想像力というものは、関係のない部品をつなぐ糸になるだろうよ。
それに、彼の創作意欲も刺激されるだろうからね。
[馬のしっぽをしゃらしゃら揺らして、出せる情報をそろえて並べ、にこりと笑った。
それ以上は、今は何も言うつもりはないと言わんばかりに。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新