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[テラスには、黒髪の青年が居たか]
あ、ごめん、ごめんなさい!
[冷静な彼女には珍しく焦り声
ドアノブを抑える手は緩めない]
卵、卵がね……ちょっと、ね……!
[『足を生やして襲ってきた』とは、さすがに言えなかった**]
[リディヤから身を翻し、オリガの元へ歩みを進める。
去ったラビへ、ぐる、と狼らしい鳴き声を上げてから
再びオリガの腕にもぐりこみに行った。
なんだか、この姿になってから、甘え癖がついてしまったような。
普段はすっころびそうだったり足がつりそうなことも
何故か、何のためらいもなしに、できるのだ。]
ぐる。
[短く鳴いた**]
[そう答えてから、少し間を置いて。
明るめの声で少年へと語りかける]
さあ、今から立ち上がってみようか?
大丈夫、転んだりしないように支えてるから。
[肩を掴ませたままで、小さな身体を
もう一方の腕でしっかり支えながら。
ゆっくりと、屈んだ体勢から立ち上がり始めた**]
ひゅう。 ひゅう。
つめたい風と雪の子は、どこかへ帰っていったみたい。
しゃらん、
微かに、鈴の音が空の彼方で響きました。
喉が渇いた
…そういえばアップルパイもあるって
[食堂へ
だれかそこにいたら…誰に会ってもにっこりと笑いかけて
まるで初めて会ったように挨拶をかわす]
[ホールの中でみたガラスの卵にはうっとりと溜息をついたり、足の生えた卵には笑いながら追いかけられたり]
あははっ 面白いね
――まるで、楽しい夢みたい
お母さんや…カーチェちゃんや…
村のみんなにも 見せてあげたいな
きっと みんな 驚いて
大笑いするよ、きっと
― 2階、たまごのある部屋 ―
ふむ……こう、きた――か。
[そこに隠れていたのか、探し出されていない12人以下のうちの一人のミニメーフィエが、家具の隙間から這い出てすやすやと眠っている現場に出くわした]
ここで眠るということは――どういうことなのだろう、な。
[意味のない問いかけ。その場に誰かいたとしても気にした様子もなく、そっとそのはぐれメーフィエを撫でる]
ここで見る夢は――
[そんな呟きを漏らしながら、しばし時を過ごす**]
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