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[フィグネリアが腕をとるなら、また初めのように、
二人並んでキッチンへか、向かうだろう。
妖精に連れて行かれる、そのときまで。**]
― 庭 ―
[そのまま細工を作るためどこか部屋へ行こうかと思ったが。
ヴァレリーやキーラがもっと飾りがあればいいと言っていたのを
思い出して、鞄を肩にかけると外へ繋がる扉を開ける。
ヨールカに飾りを足しに行こうと]
――――あの子の、声?
[聞こえてきた無邪気な声。
もう思い出の中にしかないはずのそれに、足が止まりかける]
[しかし、今の彼の姿は獣だったはず。
自分でも驚くほどすんなりと事実を受け止められたが、
どういう経緯でそうなったのかもわからないままで]
気のせいか…。
[そう首を振って、更に歩くと]
…………気のせいなんかじゃ、なかった。
[彼が、耳と尾以外は人間の姿で、いた。
ひとり、時を巻き戻したように。
なにか言葉をかけようにも、
ぽかんとしたような表情から唇が動かせない。
そんな体勢でどれだけ棒立ちになっていただろう]
サンキュ、恩に切るぜ。
[手伝うと言われれば、ぱっと明るくなる気配]
知り合いは確かに多いなー。
でも、出来るだけメーフィエとキーラとあの犬が一緒に
居る時は席を外すようにしてんだよな。
そんでレイスとオリガが一緒でも。
俺は若者を見守る雑貨屋さァ。
[ふ、と遠くを眺める仕草で呟いた。
それは光の欠片の向こう側の彼女には届かないのだろうが。]
オリガ。
その、これはどういう…?
[現実で言葉がなかなか出ない間。
心の中に湧いた疑問が、青い世界では声に変わる。
もっともつい思い浮かんだだけで、
彼女にだって理由はわからないかもしれないから
返事を期待してのものではなかったけれど]
うぉあああああああああああああああああああああああ!!!!
[混沌だった。故に男は部屋から逃げた。]
[ぱぁん!と菓子が雪崩を起こしたと思えば]
[身の丈11cmのmエーフィエが53(100)人が部屋から逃げ]
[恐ろしい速さで廊下を飛び出して行くたまごが在って]
[その後ろを*06胡麻斑海豹*と*13塩辛蜻蛉*を足したような生物が追い]
[後に残されたのは、12個のガラスのたまごと……
元の大きさに戻った、1cmの天使のたまご。]
…………。
…… まとまらなければ、全部言えばいいだろう。
[自分へ、経験がないと言いながら
高いテンションでアドバイスしてきた相手へ、
アドバイスというよりは、言われたことを言い返すような。
他人事に口出しは得意でもなく、すぐに沈黙してしまうのだが。]
[撫でる感触が面白かったのか、
しばらく、じい、と手のひらを見つめたあと、
灰青の瞳を、黒銀の狼へと向けた。]
撫でていい? 撫でていい?
[弾むように問いかけながら、歩きだそうとして]
わぶ
[転んだ。
二足歩行には慣れていない。]
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