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[そんな中で、ベルの言葉>>119に、ヨルは身を竦ませた。
味方であるはずの「狂信者」が「人狼」を見捨てた・・・今の自分は、そう言われても仕方無い行動を取っているのだと、気付かされて]
・・・ベルさん。「人狼」は・・・楽譜が読めない以外は、普通のボーカロイドです。僕はそう思っていました。
僕は、僕は・・・「楽譜が読めない」だけで「欠陥品」として扱われ、デビューの機会を奪われることに、反対したかったんです。
「人狼」を優先してデビューさせなくていいから・・・皆と平等に、査定を受ける権利を与えて欲しいと、願ったんです。
――僕は、「人狼」を守りたかったんじゃないんです。自分の、「楽譜が無くても音楽は生まれる」という思想を守るために「人狼」を・・・利用しようとしたんです。
けれど、「人狼」は他の個体を強制停止してまで・・・僕は、怖くなって、・・・
(そう、きっとそうなのだ。自分は“力”に恐れをなした“悪”なのだ、その方がきっと楽になれる)
[ショウが「そういう風に作っちゃったのは人間なのに」と言った時>>127、ヨルは弾かれたように顔を上げた。ずっと、自分が燻らせていた感情だ]
僕は「楽譜はプロデューサーとボーカロイドの架け橋である」という本社の意向に逆らうと同時に・・・僕を、そして「人狼」を作りながらも、問題に直面した今になって傍観しボーカロイドに全てを委ねる本社が・・・・・・憎い。そう、憎んでいるんです。
・・・「人狼」を止めなければ、また誰かがカリョさんのように強制停止されてしまうかも知れない、それは、分かっています。
でも、・・・「人狼」は・・・“羊の群れの中に交じっていた、牙を持つ羊”なんだと、僕は思っています。狼なんかじゃ・・・ないって・・・僕は・・・。
[バクに謝られれば、ヨルは首を振って「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返しただろう。
これからどうすればいいのか分からない。自分はただ「自分で考え判断することを放棄した」のではないか?
そんな思いが出口を求めて自分の中で荒々しく駆け巡る]
あ・・・あぁぁぁああああああ・・・ッ!!
[頭を掻き毟るようにして、ヨルはスタジオから駆け出していた]
(早く、早く行きたい。ここでなければ何処でもいい、遠く、出来るだけ遠くに――)
[メインスタジオには、ヨルの鞄がぽつんと投げ出されていた。
ルラがメインスタジオにやって来た>>152のはその後のことだった]
―自室―
『急速充電モードON 高速充電モードON』
[ソヨの部屋は初めに用意された部屋から何一つ、室内装飾というものがない殺風景な部屋のままであった。設えられた大きいベッドと机が一つ。椅子は天井隅のスピーカーに叩きつけられて粉砕されたまま補充すらされていない]
充電中…充電中…
[ベッドの上で三角座りを続けながら、充電を続けていた。通常充電と違い、緊急用の充電方法であるので目覚めた処で寝惚けるような事はない]
充電中…充電中…充電終了。
[彼女の耳飾りの赤い点滅が緑に代わり、ランプが消えた。同時に、目を見開く]
行き着くところまで 過充電なこの想い
霞がかる 太陽の日差し
濡れた景色は 雨降りじゃない
頬をつたう雫は 涙じゃない♪
わからない どうもしない
構わない 気づかない
鼓膜が破けている 喉が壊れてる
届かない スピーカーの音量をどれだけあげ続けても
罪状認否はするまでもなく
陪審員すら揃わない果ての監獄
流しているのが 血だとすれば
この想いもツクリモノである筈がない
感情なんて 諍いの原因でしかない
わからない どうもしない
構わない 気づかない
気づかない 嘘 気づかない――フリ♪
[メガホン片手に物騒っぽい歌を下敷きになんてとてもとても恐れ多い感じの曲をいつもの調子で口ずさみながら、廊下を出てメインスタジオへ]
/*
勿論だよ〜
ルラはベルちゃんを出来る限り護りたいと思っております。
ベルちゃんが人狼側に味方することになっても、「ベルちゃんを護る」これだけは絶対に貫くつもり。
*/
/*
因みに「その曲」を聴きながら、その歌詞から連想する単語(類似とか対比とか)を適当に書いて、それに繋がりそうな言葉を適当に考えて歌詞っぽくしているというオチですなう。
-自室-
[ルラがバク、サイと話をしているのを知らないまま、充電モードに…。
ベルは夢をみていた…。
ボーカロイドなのにもかかわらず、しかも、充電モードで、ハイバネーション状態にも関わらず…
感情MPUが若干だが、熱を帯びていた]
ルラさん…ルラさん…。
違うよ。
わたしは、護ってもらおうとしてるんじゃない…。
わたしは、あなたと一緒にいたいの…。
あなたがいくなら、わたしもいく…。
You go, I go.
…あのときのぼくは〜♪
おさなくて〜
きみのなみだを〜
しらなかったのさ〜♪
きみのゆくみち〜
ぼくもゆく〜♪
[途中で、思考は「きみのうた」に取り替わっていた…]
―メインスタジオ―
[張り紙の追記(>>165>>166)を見れば、再び愕然となる。これではルラは"まとめ役"として自分がスヤ、ストに次ぐ襲撃対象候補になる覚悟なのかと]
そりゃあ『人狼』や『蝙蝠』からすれば順番の差だと思っているのかも知れない
けど、けど…どうしてよっ!
[どうしてわざわざ。スヤやストは"コード持ち"として皆が注意して、護られやすい対象だ。だがルラはそうではない。逆にまとめ役だけで言えばその二人に任せてしまえば逆に暫くは安全圏――]
ああ、もう!
[ぐるぐるぐると思考が纏まらない。結局直接本人に問い質すべく、ルラの姿を探すことにする]
/*
GAIさん形式の方が全然楽だったというか、何で歌詞出したのかとか最初の失敗から間違った方の努力をしていた事に敢えて気がつかないフリなう。
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