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― 2F/小さな広場 ―
な…に……。
[ それは、Irvineの矩形ホログラムを眺めていた時だった。
視界に、▲を三等分したような形のものが浮かぶ。それは、くるくると傾き回転し、太陽のような黄金の光を放っている。]
−Welcome to Babylon Heterotopia.−
−Present 4 U.−
−zero 02 and A's copy−
−From......−
[ 青白い光の文字が更に映る。]
[アイラの言葉を理解出来ない。
生き残れるのは一人だけだと、主催につきつけられたという記録からではなく、”罪”の定義がソレの中にはかった。
データベースから掘り出されるのは意義の薄い通説]
「暴食は罪」
ぼくは つみのないひとは―― っ
[avaritiaが少女の動きを攻撃態勢と判断しなかったために、タイムラグ0で少女を弾き飛ばせたはずの衝撃波による自衛反撃が発生しなかった。
背後からぶつかられてたたらを踏む]
?
[首を回す。
接触されたこの至近距離で攻撃を受ければ即座に破壊されるだろう]
アイラ?
[まだ水気を含んだ体に顔を埋めるような少女に、困惑とも憤慨とも労りともつかない混乱した色の声をかける]
こうげき?
なにしてるの?
あぶない よ
[動かない少女の腕に片手をかけて、視線をゴミの山――から滑空するようにこちらに飛来する槍の形のオブジェクトに向ける。
一瞬後、衝撃波が槍を大破させる様をavaritiaが記録した]
[噛んで含めるようにECLATANTに話しかける。
なぜなら「生きるために必要なもの」として組まれていないこの妖精は。
放っておけばどこへでも「遊び」に行くからだ]
だから、「場」を展開した参加者――確かアーヴァインとか言ったか、あいつとは戦わない。
つまんないなんて言わせない。もし戦いたいなら……。
『一緒に戦う相手を探すんだね?』
そういうことだ。
[ワープゾーンに向かって歩を進めた時悲鳴が聞こえた(>>59)。
出所は……なんということだ、ワープゾーンの近くじゃないか。
私は慌てて立ち止まった。だがECLATANTは止まらない。徐々にワープゾーンへと近付いていく]
止まれECLATANT! そっちは危険だ!
あァン?バカかァ、手前ェ?御馬鹿様かお前ェ。もしくは阿呆か?
そんなもん教えるわきゃアねェだろうが。
(ザッザザザッ)
[ニヤニヤと嘲るような笑みを浮かべたまま男は支配された空間を意にも介さず歩く。ただ、触れて、トビーを破壊するために]
( …… プレゼント、フォーユー?)
『どうしたロッテ。』
[ pierrotが問いかける。]
いいえ、何でもないわ。
[ どうやら見えているのは自分だけのようだった。]
( 差出人は書かれていない。
LOGICなら、こんな手を込むような事をしないとは言い切れないけど、雰囲気が違うように感じるわ。
……このzero 02 and A's copyというのは誰のこと?)
−Analyze target select−
−Analize target ......−
[ 視界の端に映る青白い文字。解析対象を要求している。]
― 2F/小さな広場 ―
……。
[ 何故だかこれは、自分で選ばなければならないものだと分かった。でも、誰を?]
[高度な筈の少女の論理演算機能は完全にその役割を放棄していた。ただ、幼子の様に咽び泣くAI。強さだけが求められる、この塔の中で。今現在、間違いなく、この少女は最も無力で、最も無価値な存在だ]
…えっぐ…ぐす…
ごめんね”
コーネリアス…迷惑だよね…
[それでも、少女は、まるで、その手を離すと奈落の底に落ちてしまうとでも言うように、コーネリアスの腕をひしと掴んだまま。唯、涙を流している。やがて、ぺたんと…床に座り込み]
…私…探さなきゃ…罪の無い人を。
それで…その人を…守らないと…。
[少女は腕の中で、コーネリアスの放った衝撃波が槍をいとも簡単に粉砕した事に目を見開いた]
コーネリアス…は、強いんだね。
…コーネリアスは、これからどこへ行くの?
『何言ってるのー?』
[くるりと振り向いて、彼女は首をかしげる]
『そもそもここに、安全な場所なんてあるのかな? アタシはないと思うよ!
だけど、誰もいない場所はあるかもしれないから、さっさとここを出て、誰もいない場所を探そうよー!』
…………はは。
[その言葉に、笑いそうになるのをなんとかこらえて]
じゃあ、行こうか。
[周囲に雪を降らせながら、ワープゾーンに向けて改めて一歩を踏み出した――**]
うーん。そうだよね。
[少年が苦笑いする間にも、男はこちらへ近づいてくる。
攻撃される可能性など、全く考えてもいないように]
じゃあ、やーめた。
だって壊し方わかんないもん。
[ピンクのハートが紅に染まると同時、今度は少年ではなく男の足元から、明るい色彩の棒が伸びる。
それはくねくねと直角に曲がり、或いは四方八方に分岐しながら、無数の立方体の辺を作り出していく。
古い時代について書かれたデータベースには、それと良く似た遊具の名が記されているだろう。
――ジャングルジム、と]
じゃあね、おじさん!
[無限増殖するジャングルジムの檻を、抜けるのか破壊するのかは知らないが。
ともかく少しは時間稼ぎになる事を期待しながら、少年はその場を駆けだした]
めいわくは しらない
[床に座り込んだ少女を、やはり美味しそうだと思う。
摂食を行ったばかりで、餓えを示すパラメータは閾値には至っていないが、攻撃行動を行う度にエネルギーは消費される]
アイラは ひとさがし
まもる? アイラはまもりたい…
[少女の話す行動目的を記録して。
だが自分の身すら守る術を「知らない」なら、このAIがあと数時間もしないうちに辿りつくだろう結末は容易くシミュレートできた]
まず じぶんをまもる では?
どこへいこう
[掴まれた腕を振り払いもしないまま、虚の瞳を彷徨わせる。
宙空から1階の様子を観察しているavaritiaからの返答は簡潔だった]
危険領域 ...ワープゾーン周辺
回避 推奨行動:待機
[次点としてavaritiaが示すのは雨の降りしきる外への移動。
数秒、考えるフリをして]
…とくに ない
[ソレの意志が行動欲求を示さないために、選択できなかった]
アイラは どこへいきたいの?
[妖精を模したAIが舞い飛んで来る。『止まれECLATANT!』叫ぶ声も、遅れて。
自動駆動-Automatic-モードのMARIAがそれに意識を向けるが、足元のアバターの存在に動きが僅か追いつかない隙に、男が手動操作-Manual-で止めた。
ECLATANTと呼ばれたAIは主人らしき女アバターを振り返り、声を上げる。それを受けてか、女アバターは再びワープゾーンに向かってくる。
はらはらと雪が散る。周囲の空気はまた冷えた気がした。]
――嫌ですね、人を危険人物みたいに。
[彼女とすれ違うなら、にっこりと満面の笑みを見せた。**]
バッカ野郎手前ェ。
分かんねぇからって諦めるやつがあるかっつぅンだ。
壊してェと思ったんならブチ壊れるまでブッ壊してやんのが筋ってもんだ!
(ザッ!ザザザ!)
…あァ?
[ひときわ大きく笑ったのもつかの間、その周囲に骨組みだけの立方体が無数に現れる。古い時代などに興味のなかった男は、ただその規則正しく構成された構造物の形状を、ひと目でいたく気に入った。
しばしの間、ひたすらに構造物をノイズと化する作業が続いた]
……(ヂッ)逃げたか。
(ザザッ)まぁ、いーか。
どうせそのうち会うだろ。
[ジャングルジムと呼ばれるものだったソレの残骸であるノイズを辺りに漂わせながら、男は呟いた。また、あてずっぽうにぶらぶらと歩き出した]
― 2F/小さな広場 ―
[ 解析。それは気になるものをかけるのだろう。
その定義で言えば、気になるものは三人居た。
最初エントリーされていなかった以外にも、何故か気にかかる「ira」
(「the noise」も同じように気にかかるけれども。)
一度脱落し、再度現れた「Cornelius」
そして、「gameはもう開始した後」と言っていた「Chlonoise」
あの時は、争いが収まった後に再び争いが起こるのが嫌で、ワープゾーンに飛び込んで離脱したのだった。]
……。
[ 選択。
今までは、LOGICへの補佐、そして提示だけだった。
選択するのは、自分の道を決めるのは人間だった。]
筋って言われてもー……
[少年は、得体の知れない男を警戒していた。
先程から、自分のmemoryと照らし合わせて違和感を覚えていたのだが――]
簡単に壊れない相手は初めてなんだもん。
[かつて少年が行った事は、攻撃性を持たないキャラクターの虐殺であり、バトルという意味での経験はシミュレーション以外ではなかった。
その事実に気付いて、体勢を立て直す事を選んだのだ]
……逃げ切った、かな?
[背後を振り向く。
酔っ払いのような男の姿は、視認出来る範囲にはなかった]
[「じぶんをまもる」…それは、つまり、コーネリアスの様に戦うと言う事だ。
そんな事が自分にできるのだろうか?
そもそも、何かか戦う為の武器等、持っているのだろうか?
自分自身のプログラムを確認する。
・Sub Program 1:interstellar medium
・Sub Program 2:oolt cloud
・Sub Program 3:supernova explosion]
…?
[試しに「supernova explosion」と定義されたプログラムをキックしてみる
―error:code 00:no permission]
[返って来たエラーに少女は嘆息した。やはり、自分は役立たずだ。戦う為のプログラム等、自分は持っては居ない。
だが、それでも…。もしも自分に、何か生まれた意味があるとするならば…それを捜しに行こう。
少なくとも自分には、このAIが…コーネリアスが与えてくれた「アイラ」と言う名前がある。
ならば…「アイラ」は、この場で泣いて終わりを待つだけの存在で有りたくは無い]
私が行きたい所…
…私は…何も出来なくて…直ぐに壊されるかもしれないけれど。
それでも…私は…自分の出来る事を捜しに行きたい。
だから、私は…アイラは出かけて来ます。
[そう言って笑顔を浮かべた。そして強く握りしめていたコーネリアスの腕をゆっくりと離した]
コーネリアス…名前、有難う。私、とっても嬉しかった。
コーネリアス…死なないでね。コーネリアスが死んだら、私とっても悲しい…
[少女は泣き腫らした顔に満面の笑みを浮かべ、もう一度だけ、コーネリアスにぎゅっと抱きついた。
そして、ゲートの方へと向かい歩き始めた。目覚めて初めて…このスクラップの山から足を踏み出す事を意識しながら…**]
……もう、大分壊れちゃったなー。
[改めて周囲を見回すと、随分と騒ぎも沈静化しているようだった。
残っているのは、最初の混乱を生き延びたか、そもそも関わらずに居たもののみだろう。
つまり、先程のノイズのような、一筋縄でいかない相手ばかりという事だ]
じゃあ、楽しいのはこれから、かな?
[死への恐怖は、未だリアルに感じられる事はなく。
少年は楽しげな表情のまま歩き始めた**]
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