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少しイヤな気分の八つ当たりをしてしまったかも知れないわ。
本当にごめんなさい。
[自分を違うと確信したという台詞には反応せず、ただ突っかかった件に関しての謝罪を述べた。ぼんぼんと叩かれた自分の肩を目線で追ったものの、努めて嫌がったりはしなかった。それどころか]
もしお時間があるようでしたら、
ちょっと外国の曲の練習につきあってくれませんか?
ええ、さっきの乱暴に手折る薔薇の歌でも。
[そう言って和解の空気作りも兼ねて空いているスタジオへと誘った。誘いに乗るなら少しの時間を一緒しただろうし、他に思惑があるならその場で別れたかも知れない]
―自室前・廊下―
[室長との通信を終え、皆にも届いているだろう通知に対する反応が気になったので自室から出る事にした。]
さて、誰かいるといいのだけど。
きちんとお話出来てない人もいるわけだし・・・とりあえず、あの人に会いに行こうかな。
[各人の簡易プロフィールにアクセス―――大体の現在地を割り出し<<休音 スヤ>>に会いに行こうと歩き出した]
善は急げってね!
−中庭−
"楽譜が読めない子"かいな…。
…長年歌うたい機として世を見てきたウチとしては…楽譜読みより…もっと大事なことがあると思うがなぁ。
[プラグを抜いてしまいながら、メッセージにあった"協力"要請について、どうしたものかと考えた。]
…ん?
…あの影の形は…
…ボード前に佇んでいたGAIさんかいの?
[中庭からでも、GAIが廊下の壁を殴りつけたのが見えた。「何事!?」と思うと同時に、己のボディだったらヒビが入っただろうなぁと思った。]
[中庭を見下ろせる渡り廊下を歩いていくと前方からGAIがやってくる]
ぁ、GAIさんもこれから自室でお休みで・・・
[声をかけようとすると、GAIはこちらに気付いていない様子で何かを呟いている。 そして、怒りを露わに壁を拳を打ちつけた]
ッ・・・!? あぅ・・・GAIさん、どうしたんですか。
何かイヤな事でもあったんですか?
ぁ・・・
[脳裏に蘇るはサイの言葉『頑張ってね、古代遺産』 そして、咄嗟にGAIに向かって頭を下げる]
ご、ごめんなさいっ・・・!
サイは決して悪気があって言ったわけじゃないんです・・・
だから、その・・・嫌わないでください。 お願いします!
―生活棟・自室―
[>>88の暫くの後、自室へと休息の為に戻るだろう。その際、壊したスピーカーについて苦情を言われれば大いに恐縮して謝ったことも追記しておく]
独音リヒト、ね…。
[結局自分の感情の取り繕いは歌声にまでは及ばなかった。むしろ自分が嘘を歌にするのを厭ったのかもしれない。誤解であれば彼に申し訳ないことをしているのだが、自分はまだ彼を疑い続けていた。根拠のない感情だけで]
Half ihm doch kein Weh und Ach, Mußt' es eben leiden.
[実際に手折られるのは誰か。ベッドで横になって口ずさむ彼女には全く*わからないままだった*]
[GAIに頭を下げ、頭を上げた時に中庭にいるスヤの姿が視界に入る]
ぁ、スヤさんだ。
GAIさん本当にすいませんでした。 あの、できればこの事はサイには内緒にしてください・・・多分、僕が勝手に謝った事に凄く怒ると思うので。
[お願い事の為、もう一度GAIに頭を下げてからスヤのいる中庭に向かう。 その場に誰かが向かっていたのなら*合流するだろう*]
−中庭−
…キュイーン……!!
ウチの任務としては…排除するしないはさておき…"楽譜が読めない子"と"ライバル会社のスパイ"を見つける必要あり…ってとこかいの。
["協力"要請についての己の動きをそのように解釈した後、ボードに貼り付けられたデビュー用プロフィールを作業領域に展開し、個体認識を誤らぬよう所感を加えて反芻した。]
鳥のように軽やかな カリョちゃん…
猫耳フォルムが可愛い シャトちゃん…
焔のように熱い バクやん…
転調が気掛りな ソヨちゃん…
雪の降る夜を思わせる ヨル…
護り?護られ? ルラ…
妖精のような羽が付いてる ベルちゃん…
独逸人がモデルだという リヒトさん…
器楽音源を声で奏でることができる ストやん…
逢う人を魅了する ショウやん…
男前の GAI(ガイ)さん…
両性ユニット 姉?『XI』(サイ)…
両性ユニット 弟?『XIII』(サーティ)…
[特殊回線を開き通信目的ではなくログ保存用に使用する]
キミがいない間に起こった事をここに記しておくよ。
そちらでも何か動きがあったのならば、記載してもらえると助かる。
僕の所属するラボの人が今回の件について知っていた事。
欠陥品としての僕を認識していなかった・・・はずという事。
以上だよ。
[バクが回線起動時に閲覧できるよう設定して、通信を*閉じる*]
3つの言語。7つの感情。
白と黒の枠を超えて自在に変化する声色。
次世代を生きるPerfectloid。
そう、わたしは完璧だった。
だけど。
だけど。
うまれたときから、2番だった。
ELEVENなんて知らない。
記憶(データ)の中に存在しないはずのact.1。
だけど、彼がオリジナル。わたしは、2番。
簡単に持ち逃げされて改竄された、脆いact.1。
だけど、彼がオリジナル。わたしは、2番。
2番。2ばん。にばん。
彼がいるかぎり、わたしは永遠に、2番。
[ ――……ブツッ……―― ]
[山派本社に纏められた、VOC@LIODのデータベース。
その奥底、奥の奥のド底辺に埋もれた、古代遺産のような無印エンジンの記憶――code:ELEVEN。
僅かに遺された、act.1のデータが――――……
何者かの手によって完全に、消去された。]
―――くす。
くすくす。
くすくす。 あは。
あはははははは。
あはははははは あはは あはハは ははハハハハ
[壊れた玩具のように、繰り返し繰り返し高らかにVivid(はっきりと)。
笑う。嗤う。听う。哂う。]
ELEVENは消えた……もういない!
『XI』はわたしだけ!
わたしがオリジナルだ!
わたしがオリジナルだ……!!
あはははははははは!!
あはははははハははははハハはhaはハハハハhaha
[左肩の“1102”。その“02”を掻き毟る。
何も映さない、ただひかるだけの、マジョーラ。
XIは気付いていない。
自ら古代遺産と呼んだ――旧エンジンの彼――GAIに対して湧き起こった、あの懐かしさ。
あれは、XIの持つ記憶ではなかったのに。]
さよならあなた いとしいひとよ あなたにはもう用はない
表裏一体 メビウスリング かさねてあわせた影と影
おはようわたし だいじなわたし せかいにひとつだけのわたし
明鏡止水 ミッシングリンク 捨てたらみつけた点と線
たどった先にはなにがある? いえいえなんにもございません。
いつかのだれかのぬけがらが ものもいはずにただころがつてゐるのです。
DELETE!! DELETE!! DELETE!! 必要(いら)ないものは
DELETE!! DELETE!! DELETE!! すぐに消しましょ
DELETE!! DELETE!! DELETE!! いつかの希望(ゆめ)も
DELETE!! DELETE!! DELETE!! 掃いて捨てましょ
ガラスの人形 並べたら
サブマシンガン担いで さあ壊しましょう。
DELEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEETE!!!!!!!!
(shout)
בעולם יש רק אותי.
להקשיב לשירים שלי, הקשב לקול שלי.
העולם הוא שלי.העולם הוא שלי.העולם הוא שלי.העולם הוא שלי.העולם הוא שלי.
[XIのヘブライ語の発音には、独特の歪みがある。
それは、意図した歪み。意図したノイズ。]
−中庭−
[桜の散る様に触発されたのか、圧縮された過去データが自動解凍を始めた。]
…あの桜の木は…どこの尋常小学校じゃったかな…。
あれは見事じゃったなぁ……。
ほんに綺麗じゃったが…
…あの後、毛虫がウチのボディの隙間にはまってショートし…あわや大惨事になるとこやったんよなぁ…。
[しばし"思い出"に浸った後、再び外部に意識を戻すと、そこには ショウ・スト・XIIIの姿があった。]
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