1727 怪談短歌村 〜妖怪たちの百物語〜
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ゆらゆらと歩く先々 ミチオシエ
俺は確かに死んだと思った
( 2 ) 2016/08/07(日) 00:08:19
遠い夏 池で出会った ヒロシ君
今年は息子が 遊んだらしい
( 3 ) 2016/08/07(日) 00:13:25
玩具に本 通学鞄 お洋服
亡き子の望み 次はトモダチ
( 4 ) 2016/08/07(日) 00:15:48
「この路は往かず戻れ」と 砂地蔵
聞かず進むや あしあと十二
( 5 ) 2016/08/07(日) 00:22:41
空蝉の ぽたりぽたりを踏みしだき
梢仰がば 君がぶらりと
( 6 ) 2016/08/07(日) 00:41:28
「冷蔵庫 開けて食べてね」
母の声 中から聞こえる その冷蔵庫
( 7 ) 2016/08/07(日) 00:48:43
肝試し 騒いで坊主に叱られた
とぼとぼ帰る 藪の廃道
( 8 ) 2016/08/07(日) 00:52:08
「夢か?」と問へば 「夢よ」と応える
それでも良いよと ただ泣く初盆
( 9 ) 2016/08/07(日) 07:55:21
緑濃き 沼の底より 浮かぶ泡
ひとつひとつに 口が付いてた
( 10 ) 2016/08/07(日) 08:12:11
夏祭り 見知らぬ顔が 母と言い
もう逃さぬと 我の手を引く
( 11 ) 2016/08/07(日) 09:21:50
朝焼けの二千年蓮 揺るる香や
混じる一輪 手招く指、が
( 12 ) 2016/08/07(日) 09:51:51
>>10
身を投げし 若い男に 口づけて
紅を刷きたし うたかたの恋
( 13 ) 2016/08/07(日) 09:59:12
さぁすくえ 騒ぐ金魚に 人の顔
すくえ 救えと 地獄の祭り
( 14 ) 2016/08/07(日) 19:45:07
( 15 ) 2016/08/07(日) 21:01:54
なぜ笑う 紅い振袖 知らぬ顔
祖父の葬儀の 写真の端に
( 16 ) 2016/08/07(日) 22:33:45
>>16
障子紙 長い板間に土間の蔭
とたとたとた。 と 見知らぬ跫
( 17 ) 2016/08/07(日) 22:46:48
青白く 叩けば光る 海ホタル
妻の背中に べっとりといる
( 18 ) 2016/08/07(日) 23:12:57
オークション 出したタンスに 値がついた
ようやく日の目を 見る僕の骨
( 19 ) 2016/08/07(日) 23:46:54
我を見て 甘えて鳴く猫 応えれば
「おかえりなさい」と 初盆の夜
( 20 ) 2016/08/08(月) 07:47:52
「痛くないようにしてね」と耳掃除
火葬の扉の奥で聴こえた
( 21 ) 2016/08/08(月) 10:00:58
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