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[タリアは、ゆっくりとゲイル>>171の頬を撫でた。
肌理細かい滑らかな膚は、ゲイルの蟀谷から顎へと片頬を撫でる]
[チリチリと産毛逆立つような【 敵 意 】を向けられながらではあるが]
― スラム街・どこか ―
……はあ、つまりこれは交換条件ってやつね?
[ガラクタ造りの家の中でエーディは静かに呟いた。
いざって時の花畑の安全は保障すると、
“集団”の中でも割と顔なじみの方のじーさんの知り合いは言ってくれた。
やり方は知らん。
そもそもこの人が能力を使ったところを見たことがない。
それでも貫禄はホンモノだ。
にやにやとした笑みの裏で、騒ぎの大元さえ導鬼化してしまえば大丈夫、という、
豪快かつ無茶極まりないことを考えていても不思議ではない気さえする。ある種のカリスマ性ってやつか。
だが――もちろんただではなかった。
代わりに自分らの探し物を手伝ってほしいときた]
[ネットワーク上への書き込みという、
基本的に誰にでも伝わる形で危機が知らされるのよりも前、
特定の誰か――つまりはマシン能力者だ――にしか伝わらない信号が、
下層の倉庫街のありふれた電子パネルを通して発せられたという。>>0:92
たまたまタレコミでもあったんだろうか、
エーディが来た時には、電子機器の扱いを得手とする者が、
これまたガラクタを組み合わせたようなぼろっちいコンピュータで、
倉庫街の防犯カメラの映像(おおかたハッキングでもして手に入れてきたんだろう)を必死に解析していた。
誰があの時間に信号を流したのかを調べるために。
例の機械生命体の情報がばらまかれ始めたのは、
この信号が発された直後のことらしい。
偶然かもと言われればそれまでだとエーディは思う。が、“集団”は単なる偶然とは思っていないらしい]
それにしても……、
ずいぶんと手を回すのが早いじゃない。
おまけにわりと真面目に対処に取り組んでるときた。
[これはちょっと意外だった。
いざとなれば踏みつぶされないよう全力で逃げることを考えてるかも……と思っていただけに余計。
ぽつりと漏れた呟きにじーさんの知り合いは応えない。
ただ意味ありげに笑うばかり]
── 下層区域・公園 ──
[ともあれ>>172>>173、食べ終えたアイスのゴミを片付けながら、むっとするような、そわそわするようなものを感じながら、女性とゲイルを見ている]
………………
[女性が喋らずに、ゲイルの頬を撫でている>>179の等を見て、もしかすると話せないのではないかと過ぎりつつ]
ー 商店街 ー
……りる。
[トレインにジト目を送っていると、少しだけ遅れてリルが追いついてくる>>178。彼女からほんの少し距離をとるように1歩だけ下がってから声をかけた。]
……イギー。ホントは、いぎぃなちうす…
……いぎゅなちぅす… …いぐな、てぃ、うす、って、言う、…らしい……。>>0:174
[そう、少年を見ながらリルに告げた。3回くらい噛んだ。]
[イギーに対しては視線を送ることに躊躇いがない。少年は目を隠しているから、目を合わせなくて済む。
触れさえしなければ安全だし…もしかしたら触れても大丈夫なのかもしれないと、荒野での出来事を思い出していた>>0:86]
― スラム街→下層区域 ―
[―――というわけで下層区域を目指して歩き始めた。
エーディの異能のひとつである植物からの情報読み取りは、
どういうわけか植物が多く集まっていればいるほど、精度も範囲も増す。
ちょっとした千里眼気分である。やりすぎるととても疲れるが。
都合のいいことに、倉庫街からそう離れていないところに、緑の多い公園がある。>>63>>126
かつては緑の薄い場所だったが、異能の練習場所として使っているうちに、
だいぶ見栄えが変わっていった気がする。
エーディはおおむね“伸ばしっぱなし”でほっといてるので整備は他の住人がやってるんだろう。たぶん]
[トレインの表情はいつもどおりニヤニヤと胡散臭い笑顔のように見える。だが、内心はずいぶんと久しぶりとも言えるほど極度の緊張を感じていた。]
ハロー、バグ・シング。
昨日は情報ありがとう。はい、飴ちゃんあげる。
俺ちゃんはトレイン、こっちは相棒のポルポ。
[まずは手土産でご挨拶。社会常識だと叩き込んでくれたのは特殊チームのエースだ。]
でもさー、足りない、足りないんだよなー。
もうちょっとさ、具体的に助けになる情報をくれないもんかね?
俺ちゃんダイレクト接続できちゃうし、お話させてくれない?
[そう言って首下に手を当てる。伸びてきたのは接続コード。擬似的にマシン能力者のようになることが可能になる博士の「改造」だ。もちろん人間の脳では限界もあるため、せいぜい多少のデータ受領やイギーとの直接会話程度とはなるだろうが。]*
っ、は、
[喉が震え、空気を求めるかのように息を吸い込む。
ゲイルの異変に気付いた者はどれほどいただろうか。
かつてない意志の奔流に耐え切れず、身体を支える足から力が抜け始めた*]
[少年はトレイン>>188を見上げ、相棒のポルポを見上げ、またトレインを見上げた]
[イグナティウスが、特殊チームやゲイルと接触し、情報伝達したのは【今日】のことである。
【昨日】と言うのであれば、それはまた別件の話もあっただろう。
都市の管理運営、否、特殊チームの一部と接触が完全に無いという訳では無いのだ]
[こくっ]
[前文明の狂った機械という意味の「バグ・シング」と呼びかけられた少年は、頷き、差し出された飴を受け取った。
口を大きく開けて、ぱくりしたかもしれない]
[件の子供の足取りが掴めれば僥倖。つかめなくとも……]
(アイスくらいは買えるかな)
[受け取られずに突っ返されたキャッシュ入りのカードのことを思う。
アイスのことも思う。
甘いものは嫌いではない、しかして今は借金持ちゆえ過度のぜいたくはできない。
そういえばアイスなんてほぼ丸一年食べていなかった]
最後の甘味とかあんまし言いたかないけどねぇ、……。
[食べて後悔するか、食べずに後悔するか?
決まっている、前者だ!
そうと決まれば寄り道だ!]
[飴を受け取ったからではないが、少年は接続コードを手に取ったか。
…………或いは。
モコモコマフラーに差し込めば、何やかんやで接続となるだろう]
[機械による互換性は未だ難しくはあるかもしれない。
その為、会話やデータの受領は、出来てもクリアなやりとりとなると難があるかもしれない]
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