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ー 下層部 裏路地 ー
『いっ、10,000ね。ちょ、ちょっと高いかしら。そんなこともなかったかしら。』
(あ、この反応はもう1桁あげても大丈夫なやつだったな)
[ユウヅキはスタスタと歩きながら電話で話を続ける。一瞬の焦りからこれはかなり安い相場で言ってしまった様だと察したが今はまあいいやと話を切り上げることにする]
分かった、すぐに終わると思う
[ピッと電源を切り、たどり着いた場所は下層区域にある一軒家だ。とても古びた家で、こじんまりとしている。暗い雰囲気からあまり人が近づきそうにない]
[ジリリ、とインターホンを鳴らす]
『……はい』
……〈UROBOROS OVERDRIVE〉の利用する予定だったものを入手した。取引をしたい
『……入れ』
[かちゃん、と扉のオートロックが外れる。ユウヅキは床が汚れることも気にせず土足で上がる。そして…扉を開けた先で待っていたのは]
全員で銃を構えてお出迎えとは随分だな
『そう言いなさんなドンパチ探偵…いいや『幽月の猟犬』さんよぉお前は裏社会では結構有名なんだぜ?』
[目を閉じ、一瞬で気持ちを切り替える]
任せとけって。
おい、狙うのは関節部か動力源だ。
あのタイプなら、動力源は丁度中央部付近にあるんだがなあ……
もし違うとなれば、組み込める場所はそう無い筈だ。
おい、マシンの異能で見えないか?
[エイミーの無茶振りとも言える言を飛ばし]
(気持ち悪……)
[『にぃ』と笑む顔には、すげない感想]
何その二つ名ダサいな。誰がつけたんだシバキに行きたい
『まあまあ落ち着きなさいなぁ、あんたがいつまででもどこまででも賞金首を追いかけ回してムショにぶち込むからこうなるんだよぉ』
[ユウヅキと、部屋の中央に立つ男は会話する。
世間話のように軽々しく。しかし互いに抜け目なく互いを見ている]
『それで……?まさか、本当に取引に来た訳じゃあねえだろぉ?』
そのまさかだ、取引をしたい。
〈UROBOROS OVERDRIVE〉について知っていることを語ってもらおう
[同じく車両後部の窓から身を乗り出すと、助手席から身を乗り出したエイミーの姿が見えた。
後方から迫るのは、通常よりも何故か耐久度のおかしいバグ・シング。
朽ちてもいない、劣化もしてない、むしろ磨き上げられている素振りさえ見える]
(車をぶつけて爆発させれば一発なんだろうけどなー……)
[男は、物騒なことを思い浮かべながらも予備銃弾を取り出し、掌の上にぶち撒ける*]
[組織の名前を出すと男はせせら笑う]
『はぁ?悪いが俺は平社員でねえ、お前さんが満足出来るほどの情報は持ってねえよ?』
だろうな、一般人でも取引に来れるようになってる場所にボスがいるわけないか。だが知れる情報はなんでもいいんだ
[ユウヅキがこの場所を知ったのも詰所の男に聞き出したから。そこら辺にいそうな奴でも知れるような場所にボスがいるなど期待していない。組織のアジトの場所までとはいかなくとも、その組織が何をしているのかさえ知れればいい]
『教えて俺たちタルタロスになんのメリットが?』
タルタロスの寿命がこの事件が終わるまで延びるかな
『それはメリットかい?』
メリットだろう?この僕が見逃してやるって言ってるんだから
『ほうほう……それじゃあ俺たちの答えを聞かせてやろう!』
[ジャキン!と銃を構え直し引き金に手をかける音が響き渡った。]
ふむ、なるほどな
……では力づくで吐かせてやろう
[朱い目が、にいっと笑った*]
[ユウヅキとの通信を切る頃にはウロボン13号は目的物へと辿り着いていた。]
やーっぱり、それがお目当てだったのね。
[ケースに入れられたとあるパーツ。前文明の遺産である機械生命体。以前捕獲されたという一部をとあるルートで手に入れた。未だに解析が進められているが、一つ解明されるごとに世間を驚かせるものばかりだ。]
お目が高いわー。
それを手に入れるのにアタシがどれだけの手を使ったことか。
[正直ドームの調査班にはとっくにバレているのだが、あちらはこれの大元を所持しているためか、半ば黙認されている。]
いいわよ、それ、貸してあげる。
付きまとってくるしつこい男は早めに叩くが吉ってね。
にしてもアナタ、よくできてるのねー、感心しちゃう。
[ウロボン13号は懸命にセキュリティを解除し、まもなくパーツを手に入れるだろう。]
ーVS タルタロス幹部 ー
[ドパパパパパパ!!! と無数の銃弾がユウヅキを狙う。
それを朱い目が視界に捉える。]
『空間制御能力発動 境内発動 指定範囲の銃火器の速度低下。 ……3秒でいいな』
[その瞬間、3秒間だけ弾丸の速度が止まったかのように遅くなる。それだけの時間で逃げられるかよと男達がせせら笑うが]
喰らえ
[バタン!!!と扉が開け放たれて凄まじい量の水が部屋の中に流れ込んでくる!その扉の奥には浴室が見えるが……その蛇口が吹き飛び、すごい勢いで水が溢れているのだ]
[そしてその水はユウヅキをその場からさらう。銃弾の速度が戻る頃にはもうそこにユウヅキはいない
水の中から部屋の中を見据える]
─ 回想・ソノランとの通信中 ─
はいはい、そうくる予感はあったわよ。
ふーんだ、アナタなんかこっちから願い下げよ!
あと、家来るときはお茶とか準備しなくちゃいけないんだから予め連絡入れなさいよね!
[ソノランの素っ気ない返事>>187に不機嫌になって答えた。ただ、案内をすることはやぶさかではないらしい。もてなしの意を伝えて通信を切るのだった。]
室内で戦いを挑んだのが間違いだったな
[部屋の中を水が満たしていく、天井まで。窓の所には氷を張り巡らせて出られないように封鎖する。
何人かは能力を使って脱出しようと試みるが]
『空間制御能力発動 ……この範囲ならばいくらでも封じれるぞ?』
[赤い目が、その能力を奪った。
ユウヅキの支配する空間内で、異能を使うことを禁じたのだ]
[ユウヅキの能力は広いところで使えば使うほど弱くなる ……だが、一部屋程度の狭い空間ならば……彼は無類の力を発揮することが出来るのだ]
[1人、また1人溺れていく 最後のひとりが……意識を手放した]
[バグ・シングの、本来であれば高出力砲にあたるであろう口元へと、掌の上の銃弾達が空間を撓ませ転移した]
──────── 一発だ。
[銃を構え、バグ・シングの口目掛け、撃つ。
連鎖的に銃弾達が破裂し炸裂するか*]
……
………
…………
『…う、うぐ、う?』『な、何が起こって……』
ごほっ!ごほっごほっ!こほっ!!!
うえっ、また出た……まったく…何でこんな血が出るんだ?
[五分もしないうちに組織の者達は目を覚ます。ユウヅキが体内に入った水を取り除いたのだ。そして当のユウヅキは、副作用でまた血を吐いている。範囲も狭く時間が短かっただけあって、爆発から人々を守った時よりその量は少ないが]
さあ、次はどうしてほしい?
爪と皮を1枚ずつ剥いでいこうか?それともいちばん弱いやつから骨を砕いていこうか?ああいやずっと水責めというのもいいかもしれんな? さあ、 どうしてほしい?
[振り返った彼の表情を見て男達は悟った
『情報を渡さなければ…こいつは本気でやる』と]
[ユウヅキは静かにタルタロスの幹部が話す言葉に耳を傾ける。妙な行動を起こすやつはいない。その瞬間にユウヅキが何をするかわかっているからだ]
『俺たちは、〈UROBOROS OVERDRIVE〉と対立してるっつうのはしってるよな?あいつらとは…機械生命体の所有権を巡って争い続けている』
『機械生命体とは何か?まあわかりやすく言うとすげえ兵器だよ…異能者を狙う危険な野郎だが…あいつらを戦力に加えることが出来れば…どんな争いにでも勝つことが出来る。それを再現したり、遺跡に遺された技術を奪ったりしてやり合ってたんだ』
『そうはいっても俺たちは奴らにちょっかいかける程度の弱ぁい組織だぜ?あいつらの組織の規模とは訳が違う。なんせ上層からスラムまでどこかしらに奴らの思想が潜んでいるんだからな』
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