812 凍れる水車と奇跡の夜
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居候 リディヤ
……すみません……私
パニーニ、いただいてきます……。
［甘いものの匂いに囲まれていたせいか
さすがに辛いものを取り入れたくなって］
［その場に居る人達へプリャニキと
ホットミルクを勧めて、
黒狼の頭を一頻り撫でてから
恥ずかしそうに、こそこそと調理場を辞した**］
― →ホール ―
居候 リディヤ
［てのひらに乗せると、脳裏に浮かぶのは
首から薄桃色の輝石のペンダントを
掛けていた自身の姿
今は、それのかわりに林檎のブローチが
身に付けられているけれど］
［色は異なるけれど、この小さな粒も
だれかのとても大事なものに違いないと］
［ぎゅっとてのひらに握り込んで］
居候 リディヤ
――――――――……？
［何かを捜すように、きょろきょろと辺りを見回して］
きの、せい……？
［首を傾ぎながら、ホールへと入っていった**］
【念】 森の魔女 アリョール
あたしのおばあちゃんまでは、
空を飛ぶとかもできたらしいけど……。
[ぱっと目に見える魔法が使えないのは、くやしい。]
たとえば――やったことあるのは、
縁結びとか、食べ物を腐らせないとか、森で熊に襲われないとか、試合に勝つとか―
[はて、効いたのはどれだったか]
森の魔女 アリョールは、ここまでよんだことにしておこうかな。 ( B20 )
【念】 森の魔女 アリョール
ところで、二人は知り合いなのよね？
さっきの職人やショートヘアの娘とかも
知り合いだったみたいだし…
ここってもしかして、単純にあたしの住んでた場所とは違うってだけなのかしら。
それとも、全くぜんぜん、あんたたちにとっても違うの？
[机でもあるかのように肘をついて、お茶ばなしのノリで尋ねたのだった]
雑貨屋 ヴァレリー
んん、げふんっ。
ま、まあそういうわけだから。
[あの時、この教会と似た場所で起こった事、
あの後の永い時間の事。
全てを年輪に刻んで、覚え続けた。]
それでだよ。
別に俺にゃプレゼントしてー！っていう奴はいねぇよ。
もしも見つかったら、ちゃんと完成させて……
またどっかに放り投げるんだよ。
もう、売れねーし。
[誰かに、と問われると苦笑して手を振り振り。
ついでに首も横に。]
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