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[口をモゴモゴさせている間、純真なカップル二人からのピュアアイズに攻撃されていたことだろう。
こほん、咳払いをひとつ。]
…彼女サンと会えたのはそれはよかった。
しかし青年、えーと、それはあたしのではなくて、……すまん。
多分「他の魔法」だと思う。
[バツの悪そうな表情を浮かべた。そして]
で!
でも!魔女なのは本当なのよ!
[レイスに力説した後、さらにヴァレリーに向かい]
少なくとも知り合いはそう呼ぶわよ!?
[聞く人は、「語るに落ちている」と取るか、どうか。
彼女をよく知る人間なら苦笑しただろうが、奇しくもここは不思議な世界。
嘘を言っても通用しそうなのがなんだかちょっと怖かった]
…それなりよ。
まだ若いからそれなりには使えるわよ。
[嘘は言っていないのだ。と自分を慰めた]
……へえ、職人さんなの。
[興味深そうに頷いた。まだキーラはそばにいただろうか。解散するまで魔女は話に加わるつもり**]
― 物置 ―
[先程目の前を横切った"なにか"については、
とりあえず害を与えるものではないらしいとわかったので一安心。
その手に受け取ったものは、どこからか現れた
円筒形のガラス瓶の中に入れると鞄へ大事そうにしまう。
そして現在。
おそらく入ったことがないだろう部屋へ
足を踏み入れているのだが]
…………珍しいものは特にない、か。
[どうやらここは物置らしいが、
建物自体が新しいせいか中はえらくこざっぱりとしていた]
一応、地下に繋がってる階段は見つけたけど…。
一人で行くのは、勇気がいるな。
[物置の奥にあった階段も、ひとまずはその先に進もうとしない。
良く言えば慎重だが、悪く言えば臆病な性格だった。
あとでキーラあたりにでも話せば面白がるだろうかと考えつつ]
あ……レイスさん、オリガ。
[物置から出てきた所で、
ちょうど二階に向かっているらしき様子の二人と出会う]
わ、わああ!!
………、わんわん、つ、つうじ、た?
わ、わんわん!!わうん!
[狼の言葉がわかったことに、思い切り声を上げて驚いた。
が、何が通じていたかは、勘違いしていた。]
/*
あ
ご、ごめん兄さん階段上ってテラスとおってこうとしてたんd
どうしよう…えーと
階段を上ったと思ったら降りていた か
わあ、すごい、通じた!
こ、こわく、ない、よ?わんわん!
[やたら嬉しそうに、ふにゃぁと笑っている。ものすごい嬉しそう。]
[逆に、ものすごい怖い人に見えるかもしれない。]
― 現在・キッチン ―
[少年が名を問うならば、自分の名とオリガの名を伝えるつもり。
棚をごそごそと漁るまでもなく、気が付いたら、テーブルには目的のものが、あった。]
…これ、もらってく、けど、
[所謂、酒の瓶である。
キッチンに居た事から、彼も料理人の関係者だと思っているらしい。]
[なにやら黒狼の方を見て、目をきらきらさせたりへらへら笑ったりしながら、そっとその背を撫でる。]
…オリガも、撫でる?
[なにやら、いいことがあったらしい。]
えっ。
つう……じた?
[やっと気づいた。
俺の思考、こいつにだだ漏れ??]
な……なんで!?
おにいさん、俺の言ってること、わかるの!?
[気づくだろうか。
黒狼の口調が、少年時代のものそのままだということ。]
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