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変わってる……?
[普通を目指してきた自分が、
この短い間に何度その言葉を言われただろうか。
少し困った顔で頬を掻いた。]
自分では解らないんだけどな。
どっかおかしいか?俺。
…!
私と、つながってしまっているの?
ふふ。やっぱり「彼」は、完璧に成功したわけじゃ、なかったのね。…まあ、当たり前か。それにしても、驚いた。
さて。
[目の前に置かれた紅茶をすする。
…きっちり時間と分量を計ったのだろう。
そんな味がした。]
まず、どっちから説明して欲しい?
あ、お菓子も食べていいわよ。
最高とは言えないけど、ちょっといいお菓子よ、これも。
なら、ラミアについてまず聞かせてもらいたい。
今のHMとは使われている技術が違いすぎる、
たとえあれが実験機だとしても、だ。
それに、敵対しているHMも同じくオーバーテクノロジーの塊。
一体、ラミアや他のHMは何なんだ?
[紅茶を置く。]
…HMは私が作った。それは知っているわね。
でも、「ラミア」は違うわ。
驚かないで聞いてね。
あと、嘘はついてないわよ。
「土掘ってたら、出てきた」のよ。
──…ッ
[動揺している。長い髪を揺らして、一度上目にフィリップを仰ぎ見た他は、白い面に浮かぶ表情は無い。ただ、リルの様子には気付かず、サラに対して質問を畳み掛ける様子のらしさに、少しだけ笑みを浮かべようとした。]
・・・・・・
[驚く、というよりも思考が追いつかない]
冗談はやめて欲しい。
なら、その土から掘って出てきたHMは誰が創ったんだ?
インターフェースであるリルも土から発掘されたとでも言うわけじゃないだろう。
それに、その土から掘って出てきたHMが何故僕にあんな記憶を・・・・・・
[はっ、と息を呑む。
見せられた記録の日時は、B.C.
・・・・・・ 紀元前]
そ、そんな馬鹿な!
[興奮の余り、勢い良く立ち上がる。
机に両手を突き、だん、という音が部屋の中に響き渡る]
どこかのSF小説みたいに、古代文明があれを創ったとでも言うのか!
なら、あの記憶は!記憶の主は!!
[なら、僕は一体]
…ダメ。眠い。
本当は、あなたに色々なことを教えてあげたいんだけど…
私はサラ。サラ・ミラー…
あなたのパートナーのいとこ…ということになっているわ。
また、会えることを願ってる…
愛してあげて。フィルと…
彼、を
それはそれで、納得できないな。
俺の安全が保障されるとも限らないじゃん?
まぁ、いっか。
本当にアレなら言ってあげてもいいよ。
その代わりなんか、報酬をおくれ。
[安全が保障されるなら受けない手はない。
HMの情報がもらえる可能性があったり、なおかつ爺からも報酬をもらえるだろうし]
[サラ・ミラーと言う名と、フィリップの従姉弟の関係にある「と言う事になっている」。それは既にデータとしてリルの中に存在しているが、思念が繋がったと言う事実とは遠い表層に過ぎないだろうと、認識する。]
…… ……、
[投げかけられる言葉への混乱。]
、嗚呼
ま、待て。
[ また、会える事を願う ]
[ 愛する ]
[ フィルを ] [ 彼を? ]
行くな、まだッ──
[眠りに落ちて行くらしき、サラの思念を追おうとする。]
さあ、ね。
誰が作ったのかとか…そういうことは調査中だったわ。
ただ、あれが何かと戦うために作られたこと。そして、「リル」とあなたがいればあれは動くこと。
それはほぼ間違いのないことだわ。
そして、あなたの記憶…
ね。ふふ。
記憶は、信じなさいな。
記憶だけが、自分の証明…
報酬だの安全だのめんどくせえな
[視線を右へ左へと振り子のようにしていたが
息をひとつ吐き出して首を傾げる]
なあ、ジジイ
報酬だの何だので頭使ってるよりも
こいつ引っ張ったまま揃って殴りこみに入ったほうが早くね?
[花紺青の眸を一つ二つ瞬かせながら
とても力に訴える手段を進言する。
尤も円城寺の意見を聞く気はなさそうだ]
・・・・・・ それはつまり。
僕とリルが、古代人という事になるぞ。
[汗が頬を伝う。
記憶と今の話、整理が追いつかない]
そして、戦っているHMもまた古代の兵器。
何故敵対している?
奴らは人類にとって敵か?それともラミアが?
もしくは、双方とも違うのか?
報酬か。がめついヤツじゃのう。ああ、シェルナ。そうはやるでない。
青年、これでどうじゃ。
[懐から札で分厚くなった財布を取りだし、まるごとポンと渡した。
そして、とても悪い笑みを向ける]
これだけ渡すんじゃ。声明を朗読くらいはして貰うぞ。
「我らは世界の終焉を止める者なり。義によって立ち、この世の終わりを望む者を討ち滅ぼさんとするものなり。
此度、その脚がけとして貴社を陥落せんと望む者なり。
その代表ポルッカ・ヘヴンベルの名において、貴社Endeavourへ、ここに宣戦布告を行う」
……とま、こんなとこじゃかな。
ああそれとな、これだけは言うておかねばならぬ。
[今思いついたように、今それにやっと思い至ったかのように、口にする]
正義は我らにある。ワシの勘じゃ。
[快活に笑いながら、あっさり言い切った**]
[気が付くと、両腕で自身の身体をキツく抱いていた。
目の前が暗い。だが、現状のおのれが一体何をどう認識しているのかが定義出来ない。]
……──
フィル。
ラミア含む、HMに関しての
サラの言葉は嘘では無い、ぞ。
[少しだけ言葉を挟む。
挟んでから思い出したように、ヘッドセットに指をのばして、おのれが培養槽に居た時、実験データを管理していた研究者のコールナンバーにアクセスした。紅茶と菓子では無く、生体育成に使われた薬剤を求めるコールを。]
おい、ジジイ…正気か
[分厚い財布の登場に流石に目が丸くなる。
それだけ危険なことをさせる気なのかと
尋ねるような視線は老人へと向かうが、
その次には報酬を求めた青年のほうへと向かう。
依頼した声明を一通り聞いて、思わずといった風に
派手な溜息がひとつ零れた]
…随分ぶっ飛んだジジイだな、まったく
[その思考に対する理解が及ばず、肩を竦めるしかない**]
私たちと、「古代のHM」が対立しているのは、善とか悪とか、そんな大層な理由があってのことじゃないわ。
私たちがあれを確保して調べようとしたら、あちらさまから攻撃を受けたのよ。
…でも、あれは危険だわ。
「ラミア」は発掘された時、無力だった。
でも、他がそうだとは限らないし、事実そうだった。
そして、「ラミア」は現代では考えられないほどの威力を持った兵器にもなりうるものだった。
意味は分かるかしら。
…私たちは、なんとしてもあれを手に入れるか、無力化しなくてはならないのよ。
そしてそれは、あなたの記憶にも関わることかもね?
[ちら、と上目遣いにフィリップを見やる。]
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