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ふ、戦争屋どもがそうやって利潤を生みたがるのさ。
貧乏くじを引くのはいつも民間人だ。
軍人が言う科白ではないがね。
[首を傾ければ秋の稲穂色した髪が揺れ、
眼の端に窓の外で動く影を捉える]
上層部との連絡だろう。
人狼どもを追い詰めねばならんからな。
此の村は包囲されてどの道外へ向かうことも叶わない。
それを追う私達もまた動くことは叶わん。
既に伝わっているだろう?
ん?そういうお前は何者だ?
後ろの女には見覚えがあるぞ……。
ははあ。さてはそいつの主人か。民間人がなぜこんな離れにいるんだ?今の状況が分かっているのか……
…お気遣いに感謝します、ジーン。
貴官からの我侭の形…と受け取っておきますよ。
〔何に対してか、手短にも込めるものは多く。
彼方の1件には、喉奥で思案げな声を〕
…ふむ…? 確かに面倒ごとでありましょうか。
少尉が手に余るようであれば、仰って下さい。
此方は、今ヴェンツェル閣下と…あー……
〔見えていますでしょうかね…とは、少佐が激突させた
車両を眺めつつ〕
――村・十字路――
[十字路の中央だけが、闇の帳の中に浮かび上がっていた。周辺を照らし出すはずの白熱灯は寿命が近いのか、電力不足の故にか、ぼんやりとした明かりしか投げかけていない]
……よぉ。
どうして出て来たんだ、“一人目”
[呼びかけは、闇の中からだった。
十字路の交点に立つのは少年の姿――
先刻、診療所で生命を失ったはずの、
彼の姿だった]
……病院に来る患者が
風邪だの擦り傷だけだのになればいいんだがな。
[そう言うとくるりとジーンとニーナに背を向ける。
無線で事の次第を本部へ手短に伝えた。]
……ああ、そういうことだから。
頼んだ。
名乗るのであれば自分から名乗るのが礼儀でしょう。
・・・いいわ、私はこの村の村長の娘、シャーロットです。
理由もなくココに「いられる」と思っているのですか。
件の容疑がかけられている故、
避難しようにもできないんです。
そういう貴方は家を壊してまで一体ココに何の御用ですか。
>>120
後悔ならとうの昔にしております。
そして今も。
貴方がこのように礼儀もなく押しかけ、
家を壊されたのですから。
見習いメイド ネリーは、村長の娘 シャーロット を能力(占う)の対象に選びました。
『……決まってる。
君が殺したからだ。僕を』
[答える少年の表情は哀しげで、声は穏やかだった]
『どうしてなんだ?
どうして――殺したりなんか、できるんだ。
君だって“三番手(サード)”なんだろう!?』
[声が昂ぶり、翠緑の双眸に涙が宿る。少年の瞳が微かな光を反射した]
『……僕たちには。
見えるのに、見えてしまう、のに。
あれが――殺された、人の魂が』
スパイ?
そうですか、調べた所でネズミの一匹出てこないと思います。
この屋敷には、
私とココにいるメイドのネリーしかおりません。
それよりもすべき事、いえ、謝る事はないのですか?
…だと、宜しいのですが。今は叶わぬ、でした。
最も、この様に閉鎖されれば…来る人は少ないでしょうね。
[背を向けるキャロルの様子に一つ瞬きをし…]
[ジーンの言葉には軽く首を振った]
…そんな、大きく言えることではありません。
ただ…傷や病気を治すまでの、お手伝いが出来るだけ、です。
>>106
…カルヴィネン。
こんな所で一介の兵に会うよりも。
あの"少佐"をどうにかしたらどうだ。
…でなければ、私は何をするか分からんぞ。
[そう言って、耳の辺りをトントンと叩いた。
直後、近くに置いてあった棚に穴が開く]
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