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理世さん……
貴女は…
僕を、殺す気ですか……っ
[編み上げられた髪も。
紺に花吹雪くさまの浴衣も、赤の帯も。
その袖から伸びる手から伝う巾着も。
投げかけられた声を更に彩る音を奏でる下駄も。
――それら全てを包括しうる、その色付いた笑みも。
彼女の制服とジャージ姿ぐらいしか知らない純な想いが、艶やかに変じた姿を見惚れれば。
言葉に詰まって、喉を鳴らしたのち――いつかと同じセリフが出ても仕方がなかった。]
僕は私服を丹念に選んだら合わせるの大変ですし、浴衣のほうがリーズナブルだったからですよ…
これ自体は父親のお下がりなので、遺伝的に似合うんでしょうね。
それより……理世さん…
その……浴衣が似合って……いえ、浴衣を来た理世さんぜんぶが…素敵です。
[赤らんだ顔でこんなこと言えるつもりなかったけれど。
見上げた視線でかろうじて、自分が受けた衝撃を伝えることができた――いつか、言えなかった言葉と同じ単語を。*]
― 例大祭 ―
[紺の浴衣に辛子色の帯、黒のストローハットで浴衣と共布の巾着を持って待ち合わせの駅へ、着いたのは白石さんより遅れること10+10(10)分]
ごめん、待った?
[こちらをみた白石さんにドキッとして一瞬固まる。
浴衣になるとガラリと雰囲気が変わって]
かわいい……
[思わずつぶやいた。*]
……。
ほんとに、それを言うなら私の方だわ。
私の心臓、これ以上早くなったら壊れちゃいそう。
う、嬉しくて。
[あなたに素敵と思われるのが。
見上げた彼の視線から、逸らせぬまま
私も顔を赤らめ、告げる声はじわりと喜びに滲む
私服は合わせるのが大変、と言っている君
それは彼の理屈もあるのだろうけれど
きっと、私が浴衣を着るから。合わせてくれたのだ、
と、思ってもいいかしら]
お父さんのお下がり。でもきっと
それを着た大樹君のお父さんを写真とかで見ても
この浴衣での私の印象は、もう。
大樹君しか、考えられなくなっちゃった。
[と、はにかんだ時。ぷるるる、と電車の発車の音
改札口から流れるようにやって来た人混みも少しすき
これなら、一緒に歩いても人混みには到着するまで
巻き込まれは、すまい
――手を差し出せば紺色の袂が、揺れる
まだ人は、まばらにはいるけれど
それでもあなたと私、手をつなぎたい*]
エンジェル(Angel)
試作品624号。スティッチの従姉弟というより、女性型のスティッチのような姿の試作品。
全然待ってないよ。
[言葉遣いもなんとかかんとか、気を抜かなければ敬語がでないくらいになった]
……っ。
[つぶやかれた言葉に、息を飲んだ]
当麻くんこそ、似合ってます。
[気が抜けた。片手を差し出して]
ちょうど、電車が来る頃です。
[もう片方の手には既に神楼駅までの定期券*]
― 波止場のベンチで >>252 ―
優しくしてほしいって思う前に、優しくしてもらったように思うんだけど
[それが、どうやら同情から始まってたらしいということは、さきほどようやく分かったことなのですが。でも、きっかけは何しろ優しくしてもらったことには変わりはないのです]
...そうね...
[思えば、部活の下見もダンスもラーメンも、わたしが催促して(部活は勝手について行ったのだっけ)一緒にいたんだっけか。
それから、しばらく、何も話さないで、ずっと日没を眺めてました。しゅんが気を遣ってくれたのだと思いたいです。おかげで、少し頭も冷め、落ち着いてきました。
そんな時、]
[夕焼けが終わり、夜の帳が降りる頃、波がちらちらと点滅し始め、やがて、CGでも貼り付けたのではないかと思われる光のヒダになっていきました]
夜光虫?
[ロスの海では見たことのない風景でした。何かの偶然で今日見られたらしいです]
そうなんだ...綺麗ね...
ありがとな、そうだね、行こうか
[差し出された手を握り、少しゆっくりとした足取りで
ホームへ行くと、ちょうどいいタイミングで電車がきた。
ホームにも電車にも浴衣姿の人があちこちにいる。
この状況が照れくさくて、なかなか言葉がでない。
>>325]
[早起きした甲斐もあり、そんなに待たずに食事にはありつけた。
普段はあまり撮らない、と前置きしつつ盛りに盛られた海鮮を写真に収める]
すごくない? これで600円って。
学校でジュースまでつけたら同じヨ?
[金にがめつい方ではないが、安くて嬉しくないわけもなく。
本当に、他愛ない時間を過ごす]
そ。 あんまり反抗期って感じじゃないもんね、アンタも。
[昨日のような踏み込んだ質問などもないまま、市場を少し見て回り。
そばのカフェで少し休み。昼も過ぎた頃]
そろそろ行く?
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