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[>>0:204 共感を呼び起こすようなその話術に、他の少年らだけでなく青年兵らもとりこになっていく風景を目の当たりにした。
だからか、何なのか、つい口を挟んでしまった。]
逃げるだなんて、そんなこと……
軍人は、戦場で死ぬことこそ義務ではないのですか?
[——返事はあっただろうか。
あえて思い出さないようにしていたことだから、ぱっと出てこない。
彼の部下か誰かが、「ヘレス艦長」と呼んだから、当時のレディは危機感とともに彼の名を胸に刻んだ。*]
[そして、運命のあの日。
静まり返った研究室で、レディ扮する少年兵は必死に端末を操作していた。]
くっ、……!
[手はず通りに秘密回線のロックを解除して情報を帝国軍に送信できると思ったのに、まるで蜘蛛の巣のような美しさと繊細さをはらんだ暗号は、どうしても突破することができない。
そのとき、背中に声がかかって、桃色の髪をふりみだしながら振り返れば、椅子の上に少年がいた。]
お、終わらな……
あ、う、うん、ごめんね、起こしちゃったね……?
[もう「終り」かと思ったが、幸いこちらのしていたことに気づかれなかったようだ。
よりにもよって子守唄をねだられる始末だ。
——こいつが寝静まったら、あの端末ごと盗んで脱出するしかない。
勝手に判断して行動することを心に決めたレディは、ごくりと生唾を飲み込んだあと、赤髪の少年に答えるべく、口を開いたのだった。**]
【子守唄】
作詞 ユター(偽名)
作曲 ユター(偽名)
おやすみ おやすみ
もうねなきゃ
だって えっと 研究所はねむってる
あと えっと 椅子もねむそうだ
これはゆめだよ そうさ ぜんぶゆめ
かんねんして おやすみ
ばいばい ばいばい
[だが、その途中。
こちらに向き直り問いを投げかけてきた少女に、首を傾げる。
どうして彼女が、私が隊を離れた理由を気になるのだろう――と、思ったが。]
んー……まあ、いいですよー。
そのうちお話します、ねー。
[別に隠し立てするような事でも無いので、快諾。
ただ内容的にあまり子供に話したくないことなので、ちょっと表現を考えつつ後で話すことにした。]
— 現在 —
[未熟で、消し去りたくとも消し去れない過去のことが頭をよぎる。ため息をつきたいが、ここで「レディ」の皮をぬぐことはできない。
>>252 ディタの小声に、平常心装ってうなづいた。]
レディ、こっちのかわい〜服きてみた〜い♡
それにー、よく分かんないけど〜
衣装の替えがないと〜、バイオ☆テロテロが発生したら〜
アクシデンツ!対応できないかもしれないし〜。
[やんやん☆と両腕を振った。ここが舞台の上ならば、まばゆいCGが飛び散っているはずだった。
そして衛生状態を良好に保つことは必須だ、この地にはどんな危険なウィルスがひそんでいるのか分からないのだから。]
おもくないっすか?
[1人で戸板をあてがったり、首を捻っている氷の女王様>>255をみつけて近寄ってみる。
手は邪魔にならない程度に戸板に添えて。]
壊れたものの修理するには補修パーツがないってヤツっすか。
まいるっす。
なんか軽いわりに丈夫で、変形の効く素材とか、簡単に接着できるシート状のものとかあれば便利なんすけど。
[自身の望むものが、地球には「ダンボール」と「ガムテープという雑貨に代表されることはもちろん知らない。
戸が開き、窓ガラスが開き>>226、かなり涼しくなった部屋で同じく途方にくれていると
>>265、水を所望されたので、急いで部屋に引き返し、
「危機管理業務お疲れ様っす!」と一言添えてグラスを手渡した。
[ジキルの中ではグノの転倒も勇気ある探索の初手だととらえていた]
― 101号室裏手 ―
[101号室の透明な扉の前に来ると、サンシアが扉を叩き、中に声を掛ける>267間に、軍服の襟をただし、帽子をかぶり直す。
ドアはやはり自動ではないようだ。軍人らしいきりりとした表情を作り、大家が空けてくれるのを待った]
突然の来訪で恐れい―……
[と、口火を切ろうとしてはたと気づいた。
ミスティは我らの素性がばれるのはまずいと言っていなかったか?
この星の技術レベルで精密なアンドロイドがあるはずが、ない]
あ、あのね、さっきおとうさんたち買い物行っちゃったの。
リリー寂しいから、おばあちゃんの家で待っててもいい?
あ、こっちはサンシアおねえちゃんだよ!
[他愛ない会話から、使えそうな情報でも拾えまいかと]
わあ、それ、字なんだよね?ねえねえ、リリーにも教えてよ!
[サンシアに同調して手書きの表札に興味を示しながら、ノチェロの動きを参考に部屋に上がり込んでいった]*
[ジキルが扉の修理(できていない)に手を貸してくれたこと>>266には、感謝しつつも、「でも、案外重くないのよ」とコメントした。
そう、ぺらぺらの木製の扉は案外軽い。簡単に壊れてしまいそうで、むしろそちらの方が恐ろしい。防音機能もこれでは期待できなくて無理もないと、筒抜けだった声のこと>>180>>183を思い出した]
ああ、ありがとう。
[差し出された、水をたたえたグラス。
受け取ると、透かし見たり、匂いを嗅いだり、慎重に確かめる。
どことも知れぬ星の水を体内に収めるのだ。慎重にもなろうというもの。
勇気ある探索の初手だととらえていることなど知る由もないが、女にしてみれば、この水を最初に飲んだジキルの方が、よほど勇気ある者だと思う]
[スーパーにつけば、レディはまず、衣装の確保に向かう。
人形遊びのようにマネキンに衣装が着せられているのを見れば、その布をめくったり脱がしたりして構造を学んだ。
めっちゃ脱がした。床にマネキンを押し倒してめっちゃ脱がした。
触るなと書いてないのだから良いのだろうと思っていたが、店員らしき人間が怪訝な顔でこちらを見ていた。]
ねーねー☆
これ、何かしら?頭の飾り?
[マネキンは装着していなかった、2枚セットになっている、三角形の白い布地を手に店員へ訊ねた。
大きな穴一つ、小さな穴二つ。頭にかぶってツインテールの髪の毛を穴から出すものと思ったのだが、彼らの反応を見る限りそうでもないらしい。]
……えーーーーーっ!肌につけるもの!?
こんな破れてすぐ脱げそうな布を〜〜〜〜〜〜!?!?
[「パンツ」——その存在は、ひどく衝撃的だった。
人体の最たる弱点部分を、こんな布だけで守るとは……!?
驚きすぎて【ODOROKI-WAR】を思わず歌いそうになってしまったほどだ。]
[修復材料に関しては、「瞬間強力接着剤」なるものを店のものに紹介された。
この地の技術力はたかが知れているようなものだが、パッケージデザインはなかなか、信頼できそうな印象を与えてくる。]
こ〜んなちっぽけなのに、「パンツ」よりエクスペンシブ☆高いのね〜?
[他にも、修復作業用と思わしきものはいくつか購入した。]
[ずーっとずーっと土足であるのはジキルも同じ事である。
ぶっちゃけここに転送されていた全員が同じ事だった。
艦内では泥とは無縁ゆえに、茶色く褪せた畳に一旦玄関を出たグノの靴底からぱらぱらと砂粒が散っていくのが目立っていた。]
そういえばここお掃除ロボットが見当たらないっすね。
[呟いたけれども、一体どうしたものか見当もつかない。たとえノチェロの寝る場所がこの部屋になくなっても、部屋はいくつも開いているわけで、例えば皇太子とは士官学校が同じだとかいってたっけ。
率先して靴を脱ぐ気など今は起こらない]
[もちろん、解放軍らめが食料に変なものを混入させないかのチェックも怠らない。
木の実のようなものや、木の根のようなもの、生物をコールドスリープさせた時のようなにおいに眉根をしかめつつも、]
なんかこれ、あなたにギャラクシー☆激似〜。
[と言いながら、「もやし」と書かれた袋をヘレスの胸にほほえみながら押当てたりもしたものだ。*]
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