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[――ひらり 翻す衣の裾は水面にえがかれる極彩色の多重円。揺れる衣は黒と墨の間を揺れ続ける色。
――視線こそ茫としておとこに向けられているかすら分からぬが、おとこだけに顔を向けている。当惑、苦悶似る心の揺れ動きに、表情は変化せず。全ての動きが見える程にのろく指が動く――
薄蘇芳の影を指に纏いつかせ懐より取り出した文(ふみ)
然(さ)る陰陽師からの文であり、最期の文だった。彼(か)が遺した識神についての事が書かれている。
都守りしが為、同じく人を守らんが為――辰星(しんせい)と術師の識が織りいだした式神。身体の些少な特徴と形代たる力について、魚のようにまろみ持つ流麗な筆跡で書かれていた。おとこが名をと求めれば]
[ * 辰星 無我 * ――…‥そう、指先で綴るであろう ]
季久さま──
季久さま。
[やがて庭より現われたる男の衣冠はしっとりと濡れていようか──
艶含んで低く囁く声も、姿も、邸の者は一向に気付く気配も無く。]
影居が罷り越しました。
[端麗な笑顔を見せて、*微笑んだ。*]
[現れた気配に気付いても、音は終演を迎えるまでは止まない。
途中で曲がとまれば、周りの者が心配して見にくるからだ。
漸く最後の一音奏でれば琥珀の瞳持ち上げて]
[暫く書物へと目を走らせていた、が]
笛の音だ。外、から?
[手に持っていた書物を小卓に置き、外を覗く。誰かいるような気配を感じるわけでもなく、ただ、笛の音がどこから聞こえてくるのかは見当が付いたのか]
見て来たいが、余り姿を見られるのもな。
どこかの楽好きの貴族が、通りすがっただけかも知れない、か。
誰も彼もが厭な予感という。一人二人なら軽く流せたがな。
いやすまぬ。この件はもう聞かぬよ。
唐の薬はまた。是非とも所望したいものよな。興味もある。
そなた名をなんという?私は橘中将。
確かにこの雨はお互い不都合。日を改めるかよければ今我が屋敷に参るか?
は、はぁ、すいません…
[安堵の息が出かかるが]
は、はい。ありがとうございます…
私の名は…汐、と。言います。
私は、今から橘様の屋敷の方へ…参ることになっても、構いません。
[その名を聞けば、息を呑まざるを得なかったと言おうか。
貴族の家をまわっていれば、何度か聞いた事のある家の名である…
自身の名を告げると、小さく頷いて]
ここか。
[たどり着いたのは立派な屋敷だった。人気はあるようだが、どうも気配が淀んでいるような気がする]
虫の知らせという奴か。任務とは言えどうするか。
[門から少し距離を取り、中の様子を伺っている]
[律も作法もならぬ笛の音でしたが、不思議と琴の音色には沿うているようでした。
軒より落ちる雨音すらも、その楽の音の合いの手のごとく聞こえます。
けれどもそれは、唐突に途切れるのでありました。]
…嘆いて、いらっしゃる。
[かすかな言葉が、笛より離れた口元より零れます。
視線はどこかをじっと見据えているようで、
けれども何を見ているのかは、他のものにはおそらく判らないことでしょう。]
・・・・・・
[先の討伐の時からだろうか。体の異変を感じている。
血が沸きあがるような衝動。破壊という欲望]
まさか、な。
[人食いが伝染するものなのか。それとも本来の姿を思い出したのか。だがそれはまだ自分にとって信じ難い事であった]
違う、某は断じてそのようなものではない。
[女房の方をちらり、と見て、それから庭へとおりる。後ろ髪は紐で結い、傘を被り笛の音がするほうへと]
(声は……めんどくさいからかけないほうがいいか。あんまり出したくないし)
[門へと急ぎ、外を見る。女性の姿のまま外へ出るのは初めてだった]
[立ち上がろうとして、蛆のたかったやわ肉を潰してしまうのは、おとこが弱っている所為だろう。
記憶を失うて以来、おとこは、田舎では、水晶の数珠を片手に屍骸の世話ばかりをしていた。墓穴を掘り、ムクロを地に埋めるところまでを汗水垂らして手伝う墨法衣のおとこに、田舎の者たちは手を合わせ感謝の言葉を絶やさなかった。]
汐と申すか。ほう、その方が。
名は聞き知っている。名の知れた薬師らしいな。
では参れ。入内している姉のご機嫌伺いにぜひ進呈したかったのだ。
色々と話を伺おう。なに、緊張するには及ばぬよ
[指示を出せば供の者が慇懃に汐を扱う。屋敷にても至れり尽くせり。後ほど中将自ら薬について問うがそれをここにくだくだしく記述する必要もなし*]
人の肉は食えない
食ってはならない ・・・決して
二度と。
[何処かから 声が響いた] [低く 地を這うような 声 が──]
[大殿邸に、不穏な影は絶えぬし
野次馬も、訪れるものも後を絶たぬようだ。
中をうかがう気配も増える。
片目を瞑って]
――……、
[何やら言葉を唱える。
枝に結んだ白が淡くひかり、吹いた風が白となったのは
ほんの瞬きの間。
――ああ、厄介だ。
それは唇だけの動きで、声には乗せない。]
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