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―前日・深夜/イライダの部屋の中―
…ふふ。本当にこのヤギ可愛い。ミーネに見せてあげたかったな
ミレイユの美味しいナッツケーキも
皆にも食べさせてあげたかったわ…
[ミレイユの作ってくれたケーキ>>67の甘い香りを思い出して微笑む。服の隠しから、アミルに貰った、赤い糸で藁を束ねた小さなわら細工のヤギ>>0:179を取り出して、ぽつり呟いた]
……カーク。…アデル、カタリナ、ラヴィ…。
ユーリエ、アルフレッド、カシム、ミーネ…
[床に跪き両の掌を組んで瞳を閉じれば、
神の名の代わりに彼らの名を囁き、常の就寝前の祈りを捧げる。
それは、この6年間 資料室でイライダが何度となく読み返した
報告書>0:165にある、9年前の北の国の小さな村での、
人狼騒動の犠牲となった孤児たちの名だ]
ごめんなさい…っ。ごめんなさいね…。
大丈夫、必ず敵はとるわ…あと一人だもの。
必ず見つけだして、この手で殺すから…待っててね…。
[人前では決して涙を見せないイライダの頬に、
枯れることのない哀しみと悔恨の雫が零れる。
薄れることのない滾るような憎悪に任せて、ぎりと唇をきつく噛む]
……私だけ生き残って、ごめんなさい…ごめんなさいね…。
[薄皮が破れ滴りかけた血雫を、
小さな赤い舌でなぞる様に舐めとれば。
馴染んでしまった血の味に、胸奥が疼くように痛むのを堪え、
暁色の瞳をぎゅっと固くつむった]
―翌日・昼間 廊下―
[小さな欠伸を片手で覆い、廊下を歩く。悪夢を見たくなくて、
ポイズン・リングの睡眠薬代わりの白い粒薬>>0:10>>0:11を飲んで眠れば。常からの睡眠不足と疲労のせいもあったのか、
起床したのは既に昼近くだったか]
……あら、珍しい。お客様かしらぁ。
[廊下の窓から、建物の向いにある玄関先で、
テレーズ>>43が、客人らしき男女と話しているのが遠目に見え。
男の方に見覚えがあるような気がして瞳を凝らせば]
……シュテファン?
[イライダに剣の型を教えてくれた結社の狩人>>0:15。
6年ぶりに顔を見た、血の繋がらない口煩い兄のような人>>0:36
である、シュテファン・イエーガーの姿。
思わずのように名前が唇から零れた*]
― 朝 ―
[少し早めに食堂へ顔を出せば、そこには早起きなミレイユの姿があった>>70
イライダはまだ起きてきていないようだ>>79
やはりまだ具合は良くないのか。
彼女へ朝食を運ぶ旨を告げ、昨日の昼と同じように取り分けた。]
…………。
[ノックしても返事が無く、彼女はまだ眠っていた。
朝食を置いておいても良いが、起床時間によっては冷めてしまうだろう。
何もせず立ち去ると、結局自分の部屋へ運び、普段朝食を食べない女は少しだけ頂いた。]
でも、皆は人狼なんかじゃないですよ。
[当たり前のように言って。
考え込む時の癖の、眉を顰めたいつもの顔をする。]
それじゃあ。
カップは食事の時にでも持ってきてください。
私じゃなにも手伝えないみたいだし。
もし何か新しいこと分かったら教えてくださいね。
ありがとうございました。
[いつも通りに過ごす事にして。
テレーズにお礼を言って、資料室を後にした。*]
本部に知られていないなら。
此処を終わらせた後にも幾らでもやりようがありますからね。
[赤く揺らめく瞳を一瞬、細め。
楽しみましょう、とその場を後にした。*]
─ 食堂 ─
[やけにくたびれているせいで、食が進まないのが悔しい。湯を飲んで温まり、ちまちまと残り物>>70の方をつつくに留める]
客、どっから来たんだかなー。
[食堂への道すがらが、ちょうどテレーズが案内していた頃合いだったか。来客らしいとは見ていたが。後で誰かに聞いてみよう]
なんなんだろう。
護衛かなんか付いてるなら、お目にかかりたいもんだが。
[ちょっと聞いただけだが、何やらただ者でないらしい。佇まいなり普段の構えくらいは見てみたいものだ。
持ち込まれた信じがたい話>>#0―>>#4を知るのはもう少し後のこと。とりあえず、程見て様子をうかがいに行こうかとマグをゆっくりと干した]
センセがめっちゃ色男スキルたけーです
えっとどこれからうしようかな。シュテファンさん狩人すぎてwktk
―朝・自室―
[私は机へと向かっていた。
今日も暗いうちから起きている。昨日はきちんと寝たものの、やはり続きが気になってしまって。
……早起きだから徹夜ではない。
でも昨日の今日だから、一応朝ご飯は時間通りに食べにいった。おかげで今日は心配されていない。はず。
そのあとは雪かきを少しだけ手伝い、訓練場の彼を見送って。
頃合いを見て下がってきてからはずっと机へと向かっている。
しかしこれは、私の日常でもあった。]
よし、と。
[そんな朝からの勉学で、昨日渡されたものはほとんど読み切っていた。
キリのいいところまで終わったので、読み切ったものを抱えて資料室へ。他の人も読みたいかもしれないから。]
― 昼前 ―
[外は雪かき>>54,>>62が必要なくらい積もっているという。
肩掛けを羽織り浴室の掃除をしていれば、少し外が騒がしくなった。]
ま、私には関係ないけど……。
[その時は特に気にかける事は無かったが、掃除を終えて浴室から出てくれば、テレーズが二人の男女を連れて歩いていた>>43]
あ……。
[女性の方を見た時、軽く口元を抑えた。
すぐに何でもないという風を装い会釈したけれど。]
そう……“憑狼”ですか……。
[テレーズから事情を聞いたなら>>#0,>>#2,>>#3,>>#4、一瞬だけ眉を顰め、それから「ごゆっくりどうぞ」と告げると、足早に自室へと戻っていった。]
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