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─ 地下通路 ─
やったなアロール、これで蜘蛛が地上へ出る事はなくなったな。
[アロールからの火炎放射によって巨大蜘蛛2体は子蜘蛛もろともに炎に包まれている。>>22]
ん・・・?
[すぐ近くに何かが崩れるような音がする。
天井に穴が空いて光が漏れている。]
アロール、ここから出られないか?
[まさかその穴こそ>>0:698だとはすぐに気づかなかった。]
はぁ?もう一回お願いしまわっ
[聞き返そうとした所で、また大きく方向転換して、手に力を込めなおす]
い、今のなんですか〜?
[なんか通りましたよね〜?と、聞き返そうとした言葉は塗り替えられた]
箱…でした〜?全然見えませんでした。
って、あら。
ここに来てこいつらですか〜。
一旦、片付ける?引き返し…ても、あいつが追ってきてる可能性が高いですよね〜。
……うん?
[窓の外に向けた視線が、路地に異質な光景を捉えた気がした。
二つの人影――その片方は、なにか、微妙に浮いていたような]
……気のせいか?
[目を擦ってみたが、とうに通り過ぎたあとだ]
─ シェルターの外 ─
[目線の低さが幸いした。
物陰に隠れた小さな体が見えた。]
ね。
ベリニ、あそこを見て。
犬……よね?
ゾンビじゃないよね。
[問いかけて、]
おいで。
[荷物から少しだけれども食糧を手に乗せて、そっと近づこうとした。*]
……おい、貴様、いまのを見たか。
[車を操っている男が、余所見をしていたかは判らないが]
……そういえば、貴様、名は?
いつまでも貴様では、収まりが悪い。
私はヴァルター。"輝く湖畔"のヴァルターだ。
[と、訊ねたからにはと、自分から名乗った]
>>29わかんないけど、>>30馬で引く箱みたいなヤツだったと思う。追いつけるとは思えないけど、何かあるかもしれない。
[田舎暮らしが長すぎて、馬車という単語すら出てこない。
ともあれ、縋りたい思いだった。]
やつが来たらお仕舞いだ。
ギリギリまで近づいて何とかして抜けるしかないぜ。
俺がこけそうだったら玲子さんは回避してくれ―。
[速度を緩めようと思えば、悪路故直ぐにボードは止まる。
緩急をつけて抜く作戦に出ると、伝えた。]
馬で引く箱…?
[曲がる時に、しっかり見ていれば車だと分かったのだが、残念ながら見逃し、更に馬で引く箱とか言う証言のせいで少女にとって当たり前のそれは少女の中で完全によく分からぬ異物へと姿を変えた]
らじゃりました〜。
出来ればこけないで下さいよ〜。
自分を犠牲にするのとか、よくないし、つまらないですからね〜。
[作戦を了承すると、三度、しっかりとマッカラーに掴まりなおした**]
>>34へへっ…そうかい!
しっかり掴まってくれよ!
[自己犠牲を求めたわけじゃないが、弱気の虫が這いずっていたのは確かだったろう。腹を括るように、ぎこちなみ笑みを浮かべる。]
─ ??? ─
お父さん!! お母さん!!
どこなの!どこにいるの……!?
[真夜中の空が、茜色の炎に明るく染まる。
崩落した瓦礫の山の中に唯一人、眼鏡の少女が居た。]
! お母さん?
待ってて、今助けるから……ッ
[コンクリートの下から覗く、焼け焦げた母の手。
だが、退かそうにも少女の力ではびくともしない。]
やだ……やだよぉッ……
死なないで!!独りにしないで…!!
[嗚呼……こんな時、兄が居てくれたら。
けれど、その願いは決して彼に届く事はない。
三日前に、政府から戦死の通達が届いたのだから。]
お母さぁんッ!!
[少女は、瓦礫を退かすのを諦めて。
母の手を掴み、思い切り引っ張った。]
………… ぇ
[次の瞬間。
少女の目前にあったのは、ねじ切れた母の腕。]
お かあ さん …… ?
う そ ……
嫌あああぁああぁぁああぁ…ッ!!
[泣いて。叫んで。どれだけの時間其処にいただろう。
不意に、少女は背後から肩を叩かれる。]
[顔を上げて、周囲を見回せば。
見知らぬスーツ姿の男達が、少女を囲んで居た。]
………… だ れ ?
[男の一人が手を伸ばし、少女の腕を捕らえ。そして……]
[地上へ出る方法を模索している。>>35]
ワイヤーアームなら届くかもしれないな。
[どちらかが台にならずとも私ならジャンプして上から引き上げる事は出来そうだ。]
・・・まて、生体反応がある・・・。
[デバイスに一体の生体反応を示す。
だがしかしもぞもぞと動く影が何体か見えるかもしれない。]
こいつっ!
[急ブレーキのタイミングでハンドルを握ってきたゾンビの腕を右手で叩き落す。掴んだままの手がうにうに動いていたので、ソレを掴んだ。]
これでも食って共食いしてろ!
[ゾンビの真っ直ぐに突っ込んで、正面の頭にそれに掴んだ腕をナイフのように突き出す。やわらかい肉同士が弾けとぶと、勢いそのままに残った図体を足で押しのけた。]
─ 南西地区:研究所への道 ─
………ッ
[隣の男のサブマシンガンの音で、女は我に返る。
……気付けば、頬に一筋の涙がこぼれていて。
誰かに見られただろうか、急いで袖で拭き取った。**]
俺は帰りたいんだからお前らも家に帰れよ!
[足元の砂を蹴り飛ばして、遮る二体のゾンビの視界を奪おうとする。効果があるかはわからないが、怯んだと決めつけた。]
そうだ投げるもの、うーー
くっそーこれでも食ってろ!
[ゾンビの片方に未開封の缶詰を1つ投げる。
両足の太腿を3割ほど削ると、自重に耐え切れず倒れた。
すかさず隙間を縫うように地面を蹴り飛ばす。]
─ 地下通路 ─
《分かった、ならナビに…》
[ ナビに頼もうとした時、ナビから生体反応の言葉を聞き、電子の声が途切れた。其方へ意識を向けた為だ。
ナビを見、次いで、蠢く影を見る。]
彼等にとって大義名分なんて戦争を始める為の理由でしかない。
利益の為に勝ち取る勝利でしか無いんですよ。
[>>25 戦場は戦士の者だと語るヴァルター。果たして、この街に彼の言う戦士は生き残っているのだろうか。とは言え、神父は口にしなかったが。生物兵器を作るテイアと戦場で戦う戦士に神父は違いはないと考える。
神父は愉しめればどちらでも構わなかった。]
貴方の話しは説得力がありますね。
まさか実際に目にして来た様なリアルさがある、なんてね。
[>>25 ゾンビ達に支配された世界の末を想像してみる。海に囲まれた島・峻険な山岳地帯に残った人々は助かるかも知れない。だが、孤立した集団では文明を再建出来ない。
文明として終わりと語るヴァルターの話しはやけに生々しく感じられる。ヴァルターの生きる世界がどんな道を辿ってるのか神父は知る由もない。けれども、神父は冗談でも口にした様にくすくすと喉を震わせた。]
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