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[湖面の様子を見ていたが、何かが浮かび上がってくる気配もなく]
んー、やっぱあかんのかなぁ。
あれ?
[千秋先輩からのメールを見ると、ぱっと顔を輝かせて。
返信するよりも先に、おそらく先輩がいるであろうバス停の方へと駈け出して]
千秋先輩!!
[先輩を見つけたら近くに人がいようがいまいが、気にせずに抱き着こうとするだろう]
ど、どうしても彼にからみたくて…!
ごめんなさい!!
あれ、羽柴。
直ぐ近くにいたんだ、ね……ってうわわ!
[人目も憚らず抱き付こうとする羽柴を、慌てながらもしっかりと受け止める]
羽柴分、補充、だし、
私分、補充?
[ぽんぽん、と頭を叩きながら]
[ぼーっと、しかしなぜか殺気だってぶらぶらしていると、また女性に話し掛けられる]
あ?どういうしゃべり方してんだよ。
きりはれってなんだよ知らねーよ。
[まず相手に対する印象は、でかい。先程会った藤田もかなり大きい方だと思ったが、こちらはその更に上を行っていた]
……お前、旅行参加者?
[片言の日本語を喋ってくるということを冷静に考えるとその結論が導き出されて]
そういう意味じゃ、間違いじゃねえ。
バスできゃーるかなて思ってたんで、見張ってました。
[へへ、と笑いながら先輩をぎゅうっと抱き締めて]
ん、千秋分補充。
充電しとかんと、電池切れてまうねん。
[嬉しそうに瞳細めて、先輩に懐いている]
う…
[いつまで経っても呼び捨てされるとドキ、としてしまう。卑怯だと思っている技の1つだ]
電池切れになっちゃうのは私も一緒だけどさ。
でも、もうちょっとこう、周りの目というか、そういうのも……
[気心知れている生徒会室の時とは違い、完全なる公共の場ではやはり少し恥じらいは強いようで]
きりはれ しる ない?
[でかいと思われているとは露知らず、見下ろす形で会話を続ける。
しかし、この反応は同行者ではないのかと思い始めた矢先]
Yes!
せんせい わたし よぶ
わたし りょこう きりはれ せいと いっしょ
あなた いっしょ?
いま ここ せいと いっぱい!
みんな ネッシー さがす!
[やっぱり同行者だったとわかって、声のトーンがあがる。
不慣れな日本語でなんとか伝えようとわたわた]
[周りの目といわれて、周囲をきょろと見て]
せやったらえぇやないですか。
日本やったらあれやけど、こっち結構オープンですよ?
[そういう問題ではないと知っているが、そんな風に言ってみたり。
もっとも言ってみただけなので、するりと先輩から離れて]
せや、先輩にお土産。
良かったらもらってください。
[ホームズ博物館で買ってきた、ソブリン金貨のレプリカを差し出した。
本来年号が刻まれる個所には、踊る人形が7体並んでいる]
……お前、first languageは?
聞きづらくってしょうがねえよ。
[空気を読まずに無下にそう言い放つ]
英語ならそっちで話せよ、聞き取れる。
……で?
霧晴の連中がいまネッシー探しにバカみてーに興じてる、と。
[霧晴というのはこれまでの話の流でどうやら日本の連中の通う学校のようであるのは感じ取れた]
…俺はイギリスからだ。日本人だけど、霧晴とやらとは関係ない。
それは確かにそう、なのかなあ?
[なんだか納得いかない、といった顔をしてみる。その癖、離れられればちょっとだけ名残惜しそうにもする]
あ、ありがと。
うわ、なんか、すごい、本格的。
[こちらから渡すものが何もなくて申し訳無く感じたので、今度また誰かに聞いて、良いものがないか考えようと思った]
[英語が聞き取れると言われれば即座に切り替えて]
あら、英語できるなら最初からそう言ってよ。
アタシ日本語得意じゃないんだから。
[最初から英語で返してくれれば苦労せずにすんだのに、と若干むくれつつ]
そうよ、ネッシー探してるの。
写真に撮れたらいいなって思ってね。
でも、霧晴の生徒たちだけじゃないわよ?
ニコルとキリク…アンタと同じイギリス組も一緒にきてるわ。
彼らに挨拶でもしにいく?
[多分あっちにいると思うけど、と湖畔の方を指さした]
可愛げがなくなったな…
[自分で英語で話せと言っておきながら酷い口振りである]
俺は英語で話すの嫌いなんだよ。
日本人だから、俺は日本語を話す。
[もちろんこれも日本語で。端から見ると別言語で会話をしているので異様な光景かも知れない]
イギリス組?知らねーな、俺は面識ないと思うぜ。うちのハイスクールからは少なくとも俺だけだしな。
挨拶?いいよめんどくせえ、紳士様ならあちらからご丁寧にやって来てくれるってもんだろ?
[にや、と笑って]
んー…、ほな、これくらいなら許してくれはります?
[素直に離れたけれど、離れ難く思ってはいたので。
先輩の名残惜しそうな表情を見てとると、指を絡めた恋人繋ぎをしようとして]
ちょっと面白かったんで遊んでまいました。
やからあんま気にせんとってくださいね。
[ポケットに入っているもう1枚のソブリン金貨にそっと触れながら笑う。
先輩に渡した金貨との違いは年号部分に刻まれた人形の数、此方は6体だ]
ん、と。
……うん、許す。
[指を絡める行為は、共に歩いている時以外にするとやたらと恥ずかしく感じる]
んーん、羽柴が楽しめたなら私も嬉しいし。
大切にするね。
あーでも次はちゃんと私と遊んでよ、ね?
[ぴ、と指差して言った**]
かわいげ?なにそれ、美味しいの?
[澄ました表情でしれっと応えて]
ある程度は聞き取れるからかまわないけど。
難しい単語は苦手だから、手加減してよね。
[日本人は英語を話すのが苦手だというから彼もそうなのだろうと、勝手に想像して頷いた]
あら、そこはアタシと一緒なのね。アタシは国自体が違うけど。
………確かに放っておいてもきてくれそうな人たちだけど。
英国紳士様はキレたら怖いわよ。
[と嘯いて]
そういえば、アンタ、名前は?
アタシはメリル、メリル・マーティンよ。
[そう名乗ると、よろしくね、と右手を差し出した**]
おおきに。
そろそろネッシー探しに行きます?
[許可をもらえば、絡めた指をぎゅと握って。
そのまま湖畔の方へと歩きだそうと]
仰せのままに、我が姫君?
[指差して言われれば、冗談めかしてそう応えて]
せやけど、人指さしたらあかんて言うたん先輩やないですか。
それはえぇんですか?
[くすくすと笑いながら指摘した**]
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