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イカロスにはなるんじゃないよ。
キミはおひさまの子だけれど、太陽じゃない。
[彼女が太陽ならば、原始の闇より永劫とも思える刻を輝くこともできるのだろう。
希望であり絶望であり続けることもできるのだろう。
けれど、彼女自身が言うとおり、激しく燃えて
消えていくのだろう。]
ああ、ボクが見ていると言っても、
別にキミはボクは見なくてもいいよ。
こう見えて恥ずかしがり屋なのでね。
キミのように眩しい子に見つめられたら照れてしまうよ。
そうだねぇ。ボクが先に行くようなら
少しの間でいい。寒い冬を他の子が凌げるように
暖をとってあげるといいさ。寒い北風に凍えぬように。
その間に、ボクは朽ちていこうじゃないか。
ボクの生まれてきた理由はね。おひさまの子
……腐って朽ちるためだよ。
[カラカラと仮面は嗤う
似たところもあるけれど、彼女と私はまるでちがう。
彼女が燃え尽きるように生を謳歌することを望んでいるけれど、
私は腐り熟して朽ちていきたいのだろう。未練が腐り堕ちるまで] *
[ぺっとり汗で前髪が額に張り付く。
あと少しで抜け出せる、そう思って力を入れようとした時]
――ミズ、キ?
[声が聞こえて顔を上げた]
――……ひっかかった、の。
した、あぶない、から。
[引っかかったまま、花水木を見下ろした]
― 海の見える食事風景 ―
[シンはなんと言ったか。
その話はまた後にしよう。
ともあれ、道化師は立ち上がる。]
……そういえば、感想を欲していたけれど、
感想がほしいなら、
他者を探して振舞ったりはしないのかい?
せっかく美味しいのに、余らすのはもったいなかろう?
[鳴らない鐘がついた杖で、軽く床をつく。
さて、それにはどう答えが返ったか?
そうして道化師はふらり、その場を後にして]
[緩慢な声が返ってくる。
相手を誰とも知らず寝呆けているのだろうか。
のんびりした調子に呆れながらも、
ふと、記憶の中の低い声を思い出し……]
………。
おはよう、お寝坊さん。
………お目覚めの時間だよ。
[記憶の中の真似をして、ちいさくちいさく囁きかける。
春の朝の日差しのような、やわらかな優しい声]
[ヴェルの頭をもう一度撫でると、部屋を出ようと振り返る。
独り言を言っているのはきこえなかったが、その姿を見つめるとすこし首を傾げ]
グレートヒェン?
どうしたの?
[遥――ハル、と呼ばれているらしい少女のベッドに腰掛けているのに声をかけた]
[自分が少女であることを忘れないための予防線。
甘い甘い、お菓子のような女の子。]
冬も、・・・好き。
[暖かさが尊いものだと感じ取れるから。
仮面の手を、ぎゅっと握り締めて
見晴らしのいい丘を抜ける。]
おなか・・・・・。
[夢の世界。
空腹をいうことを意識したことはなかった。
そう思った途端、空腹に襲われる。
きゅう、と小さな音がおなかから鳴った。]
う……。
[くしゃりと顔を歪めて。
傾いでいく体、花水木はきっと小鳥を見捨てないのだろう。
籔が鳴る音、意を決して]
――……っ。
[外れかかっていた左翼をぐいと曲げる。
それと同時に枝から滑り落ちながら。
誤って肘や膝がぶつかってしまわないように。
肩から下へ落下するように体を傾がせて、
両手をぎゅっと胸に抱くようにして花水木の腕の中へ、落ちる]
[ふっと目が開く。
薄暗がりに同化しているかのようなおぼろげな意識が、
見えるもの、聞こえるものをとらえようと、ゆっくり、ゆっくり、回り始める]
………。
[ぱちり、ぱちり。
瞬きを繰り返して意識をはっきりさせながら、浮かべるのは柔らかな笑み。
それから起き上がって、星を売る支度を始めた。
窓は無いけれど。
こんな部屋でも朝が来たかどうかは、分かる]
/*
ところでプロのやりとりからするに、
なぜかミズキちゃんとこっそりお話できることを伏せて、る?
[少女確認中]
………いや、そうでもないな
[ただの、人形に意識を移しているだけの状態。
本体のことを忘れないように、
だけど少女の世界を失わないように。
大人が子供の世界に口出しは基本的によくない。
だけど、大人が子供を導いてあげなくては。
研修医で一人前の大人とはいい難いけど。
子供は卒業した身だから。]
先生。
[眠る遥から視線を上げる]
……少し夢の中の遥と、話してたから。
先生はこれから、戻るの?
ローザに伝言お願いしても良いかな。
遥――ハルの事。
ハル、大事な人ができたら。
一緒にいたい人が、もしできたら。
戻ってこれるのかも、しれない。
そんな人ができるかどうかわからないけど。
――私はそういう事は約束はできないから。
[尻からつるり、草木の中へとダイブ!
腕の中のグレイヘンの背をぎゅっと抱えたまま。
勢い良くついた尻餅に、ぎゅっと顔を顰める]
っっっ〜〜〜〜……。
だ……っ、大丈夫か!?
[少々涙目になりながら、腕の中の小鳥を覗きこむ。
にぱっと笑顔を見せた。]
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