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また誰かとすれ違ったらしい。
なるほどアンケートというものがあったのか。
オレも答えておくぜ。
■1)鍛冶屋の五郎だ。最近叩く刃物に妙に曇りができるので何か不吉なことが起きないかと心配してる。
■2)五郎と気軽に呼んでくれ。略称は五で。
■3)仮23、本24ぐらい希望。ギリギリすぎるのは好きじゃない。
■4)みんなで楽しもうぜ。
14人目、此花 咲久也 がやってきました。
■1)名前の由来は言わんでもわかるだろう。母の洒落っけだと思ってくれればいい。
村に戻ったのは久々だからな。何か変わったことがあったら教えてくれ。
■2)自分を漢字1文字で表すと?
咲or花あたりがわかりやすそうだ。かぶりはないと思うが中々確認できん。指摘してくれ。
■3)まとめ役を置くとしたら、仮決定と本決定の希望時間
仮23時本0時だな。ずれ込みを考えると本は早めが希望。
■4)
昼間は村の外に出るので基本的にほとんど村に戻ることはない。稀に伝書鳩が来る程度だろう。夜明け前には寝るかもしれん。以上だ。
[お社を出たり入ったり。少し落ちつかなげ]
……結局、叔父さんとは顔合わせないまま。
叔父さん…神事には無関心だから、
僕が帰らないの、良く思ってない…よね。
帰るの、怖いな。
[線の細い青年の姿を認め]
あれは…。
咲久也兄さん…?
村に戻ってきたんだ。
ああ、朱里。
ただいま。
[こちらを見る朱里に気づき、近寄った]
…ん。また何か怒られそうなのか?
[少し頼りなげにこちらを見上げる朱里に気づき、何かを察したのか少し困り顔になる。だがすぐに気を取り直すと、その頭に手を伸ばした]
…辛いな。
[ぽん、ぽん]
おかえり。
[咲久也の言葉に、少しだけ泣きそうな顔をよぎらすが
何も無かったかのように、少しだけ笑う]
んーん。大丈夫。
今日は…鬼の力が強くなってるから、
叔父さんも、僕の顔は余り見たくないと思うし。
咲久也兄さん、今度は何日くらい村に居るの?
秋さんも、咲久也兄さん帰ってるって聞いたら
きっと喜ぶよ。
[ざぁああああああああああああ。
風が梢を大きく揺らす。
開いた空間。
閉じた空間。
開いた空間。
閉じた空間。
千の鳥居、万の鳥居が朱く、朱ぁく渦を巻く]
………ッ!
[ふいに吸い込まれそうな気がして、その場に座り込む]
[闇夜に浮かぶ光る球。あたりを煌々と照らす。
今宵は月が近い。手を伸ばせば届いてしまいそう……。
――しかしよくよく見ればそれは政之進のハゲ頭であった。
政之進が大きな声をあげながら現れた。]
あー、いつのまにか寝ちまってたなあ。
なんか喉や頭が痛いがこれも年ってことなのかねぇ。
そういや、気付いたら自宅で布団にくるまってたんだが、
誰かが運んでくれたんだろうか。
不思議なこともあるもんだねぇ。
……。
[しばらく朱里と咲久屋の様子を眺めていたが
くるん、すたっと梅の枝から降り
朱里の肩に手を当てて]
目を閉じて。
息を整えて。
――大丈夫だから。
おう、坊主。ん、あれお嬢ちゃんだっけ。
お腹でも痛いのかい。元気だしなよ。
祭りも近い…祭りじゃないんだっけ。
まあなんだ細かいことは気にせずとりあえず楽しもうぜ。
[肩に置かれた琴葉の手に引きもどされる]
あ…。
[大きく息を吐く。
崩れた足元に地の感触が戻り、肌に冷たい空気を感じ
キツく閉じた目をゆっくり開ける]
琴さん…。
今の………。
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