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・・・どうも後から来るやつほどみるからにいかがわしいやつが多いらしいな。とりあえず体格か胸のあるやつから調べてみたいな。
[談話室に張り散らしたメモを確認して。]
これで問題ないだろう。また明日くるぜ。
A.D.2007/11/20 執筆者シリル・アクライネン
先週奇怪な姿でロンドンを騒がせた怪人の姿があるデザイナーのデザインした防護服と酷似しているという情報を我が社は入手した。
怪人との関連性は不明だがこのデザイナーが怪人となんらかの関係をもつものと我が社では推測しており以後この線を本命として追っていこうと思う。
っとこんな感じかな。それにしてもあれだけの情報でこの記事を出すのは早いと思うんですけどね。
[逆島あやめは、深い眠りから覚めて周囲を見渡した]
……夜?
眠っているうちに一晩経ったということですか。私としたことが、不覚ですね。
まだ何も情報を得ていないというのに。
[クロスワードパズルの本を見ながら談話室に入って来た]
あんらく…は四文字だわ。
…くるま?…パイプ…?
三文字の言葉何なのかしら。
難しいですわ。
[...シリルのそばの空いている席に腰をかけた]
私も紅茶頂こうかしら。
クスミティのアナスタシアを。
あ、メモがありますわ。
ケヴィン様のみたい。
ん?
あら。てっきり、招待された『探偵』はフランスの方ばかりと思っていたのですが、違ったみたいですね。
今晩は、貴女も招待された『探偵』ですね?
誰か来たようですね。こんばんは、私はシリルとい・・・
[...は誰かが入ってきた音がしたのでそちらに挨拶をしようと向き直った。そこにいた女性が手錠をかけた状態でいるのに一瞬声を失うが]
失礼しました。私は新聞記者のシリルといいます。あなたはどちらさまですか?
[...はケヴィンのメモから顔を上げた]
こんばんわ。
確か昨夜すれ違った方ですね。
え…と、私は「探偵」ではなくて刑事ですの。
神戸美和子といいます、よろしくお願いいたします。
[美和子の注文を聞きつけたボーイが飲み物を運んでくるのを横目に見ながら、あやめは不意に湧き上がってくる渇きを感じた]
[そういえば、眠りから覚めたばかりで何も口にしていない]
私にも飲み物を下さいな。そうね……ブラッドオレンジのジュース。ストローをつけて。でないと、貴方に飲ませて頂かないとならなくなりますから。
[あやめが両手を振ると、しゃらしゃらと鈴のように手錠が鳴った]
私だって、お仕事の邪魔はしたくありません。だから、忘れずに持ってきて下さいね。約束ですよ?
『新聞記者』? ということは、貴女は、この事件のさしずめ『記録係』といったところなのかしら。それとも、『探偵』として呼ばれたのかしら? ふふ、興味深いですね。
そして、そちらは刑事さん……警察の方、ですか。失礼ながら意外です。貴女は随分と洗練された物腰をされていらっしゃるものですから、主催の方の個人的なゲストかと思いました。私の推理もあてになりません。
しかし、日本の警察の方をお呼びするなんて、随分な無茶をするのですね。
[朝、自室で目覚めた後1通の手紙が届いた。
そこには、無理矢理飛行船に乗り込んだ件について、父からのお叱りの手紙であった・・・]
・・・・もうバレてしまったのですね。しかし、飛びだ立ってもいない飛行船から降りろと言われましても困りますわ。
[そして父への返事を認め、一旦町の郵便局まで手紙を出しに向かう。
手紙を出し終え、飛行船乗車口に来た時に改めて自分が場違いではないか?と不安になる。]
(ここにいらしゃる方は、昨日の新聞記者の言った怪盗ルパンを捕まえる為に来られた方ばかり。それに比べて私は・・・ただ飛行船に乗って空を飛んでみたいというだけ・・・これが飛び立てば、私もルパン一味で無いかどうかと尋問を受けるのは目に見えている。嫌でも巻き込まれると思えば、呑気に飛行船を楽しむ事など・・・)
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