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―― 《格納庫》 ――
[動作確認後、修理してくれた男が掛けてくれた言葉の、気まずそうな微妙な間。思い返す度に居た堪れなくなるが、一先ず今はその気持ちは置いといて。
告げられた治療費の内容に、見せられた先ほどのパーツに、え?と一度瞬いた]
いいのか?
……いや、まあ、おっさんがそれで良いなら。
[こんなものどうするのか、なんて思ったりもしたけれど。
特殊なパーツをも手際良く扱ったこの機械の腕の主に渡ることは、不思議とそれ程嫌にも感じなかった]
[イルの歪んだパーツは、今まで取り換えられてこなかったもの。
良く見ればうっすらと黒い頭蓋骨のマーク――結社のマーク――が浮かんでいるのが見えるだろう。
そのマークは何かの魔力を帯びてでもいるかのように、時折ちらちらと輝きを放っている]
[その後、名乗りを受けて]
ん。スコル=アンダーソン……な。
ああ、俺は……その、さっき、言った、通り。
改造人間 イル、でいい。
[肩書らしきものをつい口にするのもおそらく結社のせいか、と思う。
また微妙に顔を背けて、今度は身体の向きをも外の方へと変えた]
じゃあ、俺はもう行く。
その……また会った時は宜しくな、スコルのおっさん。
[こうして、格納庫を後にし、廃墟の街並みへと]
─シームルグ 〜何に追いつかれたのか─
……ん。
[どこかで聞いた少女の声に、青年は顔をあげ、メイドを振り返った]
ジュリエットさん?
あの声って……。
「本日、交戦直後にご主人様が撤退した戦闘の、ジンロボの搭乗者だと思われます」
……ですよね。
うわああ、わざわざ市長?自ら届けに来たのか。
[困ったように、ぽりぽりと頬を掻く。
とはいえ、ルッカに留守を任されている以上、放っておくわけにもいかないだろう。
搬入口まで降りると、コンパネの前に立ち、予測をつけて扉を開いた]
……シートの上へどうぞ。
[バレない方に賭け、腹をくくって、ゆっくりと開いて行く扉の向こうを見つめた]
そうだよ、でっかいメカマリオンだよ!
[ルッカ>>337に向かって、少年が自慢げに言って胸を張る]
どんな武器って?
えーっと、怪獣をどかーんってブン殴って、倒せるようなやつっ!
[少年は頭の中で爆発しているイメージを伝えようと、勢い込んで答える]
「うぉっほん」
[博士が横から咳払いして割り込んだ]
「メガマリオンは、元がマリオネットだからな。
指を細かく動かすような武器には向いとらん。
それに、さすがのテルオくんもいきなりメガマリオンで射撃戦は出来んだろう」
えー! 勝手に決めるなよー!
[と、博士と少年の二人でわいわいとやっていたが、そこに少女の冷静なツッコミ>>339が突き刺さる]
あー! そういえばっ!
[少年は本気で忘れていたらしい]
「ふむ……実はそこも問題でな。
実は今の所、メガマリオンの移動手段は、機体そのものを走らせるしかないのだ。
一緒に連れて来させるべきかどうか、悩む所ではあったのだが……」
[操縦者の少年がさっさと行ってしまったので、色々説明する暇がなかったらしい]
/*
いや、忘れてた訳じゃないんだ。
話を挟むタイミングを見失ってただけで……
てーか、正直全然頭回ってないっす。ロボットの扱いなんてわかんねーんだ、オレ。
まぁ、武器なら大体説明でなんとかなりそうだからね…
[少なくとも、さっぱりわからない魔力よりはまだ口頭説明できる分楽だった。]
殴って使える武器ねぇ…
…大型ロボット用のパイルバンカーで良い?
アレなら一発毎にリロード要るけど、
装甲貫通力は折り紙つきだし打撃のオプションとして扱えるから操作も簡単なはずよ。
…後は、狐夜社の水無月用のドリルとか。
[思い当たる限り、簡単に扱えそうなものと言えばその二種類で。
ドリルの方は腕に装備する形だから、常時回転させておけば問題ないだろうと割り切った。]
…と言うか、武器より先に飛行装備でも準備したら?
水中戦とか空中戦仕掛けられたらフルボッコじゃない。それ。
ありがと。
それじゃよろしく頼むわ。
[修理工の様子を特に気にした様子もなく、拡声器越しに告げて、抱えてきた作業ロボットを示されたシートの上に横たえる]
みんな、搬入先はさっき聞いた通りよ。
くれぐれも輸送艇の船体に傷つけないように気をつけて搬入しなさい。
[続いて連れてきた作業ロボット隊にも指示を出し、各々が作業に移るのを確認してからコクピットハッチを開き、修理工という青年の前へと飛び降りる]
さて、修理の前に挨拶ね。
あなたが、宿を探してるって修理工でしょう?
ルッカから聞いてるかもしれないけど、あたしがその宿を紹介した市長の明朱佳よ。よろしく。
……あ の こ と は 気にしてないから。
[告げてにっこりと微笑み、握手を求めるように差し出した。青年が躊躇うようなら、自分からその手を取りに行って。しっかりと握手]
ところで。どういうつもりか聞いてもいいかしら?
[にこにこと、笑う表情には、一点の曇りもなかった]
いや、ぶん殴って倒せるなのに射撃武器の事とか普通わかんないっての。
てか、メカマリオンだっけ?そっちで指を動かす練習はしてたの?
そういう経験ないなら、投擲武器にしときなさい、悪い事はいわないから。
[と、じと目でテルオに突っ込み。]
えーと。どこからどこまで突っ込めばいいのかわかんないんだけども、とりあえずメガマリオンはひっぱってこい、話はソレから、ね?
武器の選択だって実物見て合う物紹介してもらった方がいいんだし。
[言い終わるころには、なんだか遠い目になってしまっていた。]
改造人間 イルは、人狼教神官 になれるよう、再び天に祈った。
ぱいる……?
[さっきも聞いた気がする名詞に、少年は首を傾げる]
なんだかよくわかんないけど、すごそうだな!
[と、両手を握って期待の眼差し。
ドリルの方は、さすがに少年でも知っているので、言わずもがなだった]
飛行? って、メガマリオンも飛べるの?
[ルッカの提案に、少年は博士の方を向く]
「うむ……。まだ開発段階だが……。急ピッチで進めさせよう。
助言感謝するよ、お嬢さん」
[と、博士は頷く。今すぐという訳にはいかないらしい]
おう、なんだか興味深そうだからな。
[良いのかと訪ねられれば、素直にそう答える。
同規格の《パーツ》…と同じ形の《ソレ》は、けれど、確実に何かが違う。
違いが招くのは、純粋な好奇心と、知識欲]
おう、イルで間違い無いのな。
──覚えておく、今度は故障しないようにしろよ!
[一言多い見送りの言葉を送り。
彼が《格納庫》を後にするのを見送った後
──ポケットの中の《ソレ》を取り出して。]
[コンパネの前から離れ、とりあえず修理プランをいくつか考えながら近づこうとしていたところへ、赤毛の少女市長>>346。
「あ の こ と」と含みを持って言われると、困ったような微笑みで、手を腿のあたりでモジモジと]
どういうつもり?
[強引に取られた手に、少女市長は固いものを感じただろう。
サイズこそ小柄ではあるが、指程度なら潰せそうなペンチが、いつの間にか青年の手にあり、少女の指を軽くつまんでいた]
君こそ、ずいぶん無防備じゃないかな?
僕の目的も解ってないのに、接触するなんて。
/*
とりあえず魔法設定 ラスボスVerとNotラスボスVerで分けたほうがいいかしら。
一応できてはいるんだけど・・。うーん。ドッチにも効く伏線は張ってある。
…赤が見えるかどうかと流れできめるかなぁ。*/
──イルが居なくなって暫くの後・《格納庫》──
[取り出した《ソレ》を指で転がして、唸る。
決定的に違うのは、刻まれた黒い頭蓋骨のマーク。
マークは何かに反応しているのか、時折静かに輝きを放っている。
──唸っている理由としては]
──何のマークなんだか…こんなん、見覚え無えぞ?
それなりに"部品"についての知識はある、と自負しているが、その自分が知らない、何かのマーク]
しかも、輝ってるけど…よォ。
[そして、理由の分からない明滅、魔力感知センサーでもあれば話は別だが、生憎、肝心のセンサーは手元には無く。
解決する兆しの無い謎を二つ抱えて]
──どうなってやがんだ? コレ
[再び、唸った]
いや、メカマリオンの指は動かないよ。
殴り合いばっかりだから、指は使わないんだ。
[と、エリー>>345に少年が答える。
メカマリオンの事なら、博士より自分の方が詳しいと言わんばかりだ]
それに、さすがにマニュアル操作で指まで動かす事は出来ないよ。
もし動かすとしたら、それ専用のコマンドを使うしかないんじゃないかな。
[マリオネットから発想を得て生まれたおもちゃの、そこが限界だった]
あ、うん、じゃあ連れて来るよメガマリオン。
……悪戯されてないかな?
「さすがに何かあれば、センサーが反応するようにはなっているが……」
[メカマリオンからメガマリオンに進化する過程で、少年の知らない機能が色々と追加されていたようだ。
ともかく、メガマリオンを動かすために、一旦元の地点まで戻る]
[>>350過剰反応しすぎたかな、と内心つぶやく。
少女がカマをかけただけなら、トボケる手もあったのにと]
(やっぱり、僕はこういうのには向いてないなあ)
[と、苦笑をこぼしつつ、少女の出方を見る]
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