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「おいどこに行く! 逃げる気か!?」
まさか。あいにく小物の相手をしているほど暇じゃないんだ、今は。
ゲームが始まる頃にまた来るといい。その時にはそっちのこと、思い出しているかもしれないから。……じゃ。
[次の瞬間、私は光に包まれ1Fから立ち去った。
雪は、数秒後には止んでいることだろう――**]
―― →2Fへ ――
/*
NPCの名前……最初はKAGENUIにするつもりだったけどやられ役なのにこの名前は贅沢すぎるだろってことで影からの連想でthe shadowに。
― Babylon 1F ―
[ 少年を見送る。>>54]
……。
[ 補佐AI達を見た。さっきまで鼻歌を歌っていたpierrotはもう歌っておらず、素知らぬ顔。seraphは変わらず不動のまま。]
いきましょう。
[ 雑多な資材置き場としか見えないフロア。空のダンボール箱や意味のない紙類が散乱していたり、廃棄処分間近といった感じのパソコンモニタが▲に山積みされていたり、壁状に箱を積み上げていたりと様々で、物陰に隠れながら攻撃を仕掛ける事も出来そうだった。
一応歩く場所は確保されている。資材と資材の間を、更に歩む。ゆっくりと、確かに。]
[ どれ程歩いただろう。ゴミ置き場を模したポイントに差し掛かった。そこにひっそりと少女が眠っていた。名前は、]
NO NAME ?
[ ゴミの中に咲いた花のように可憐な少女。周囲を見回すが、人影はなかった。まるで誰かが、人が居ない場所にこっそりと置いたかのように。横たわる少女に近づく為、使い物にならない板を踏む。]
『おいおい注意しな。
無闇に近づくと、さっきみたいに危ない目の一歩前に陥るぜ。』
[ pierrotからの忠告。]
分かってる。
でも…
[ 横たわる少女が気になった。]
( エントリーネームが表示されない?)
[ 姿を確認しているのに名前が表示されない(NO NAME)事に疑問は感じたけれど、それよりも少女の顔立ちに意識が向いていた。]
( 私は、この子を……ううん、知らない。
だけど、この子に似てる誰かを知っている気がする。)
[ 近づいても少女は動かないようだ。細っそりした指先を、正体不明の少女へと伸ばす。seraphは傍らから離れようとはしなかったけれど、触れるのを止めようとはしなかった。]
眠っているの?
[ 右手の指先で少女の前髪に触れ、少女の頬にあてた。少女の青い髪が薄い影を作っている。少女の傍らに腰を下ろし足を不揃いに伸ばす。]
あなたは、―――――
[ この少女は誰と似ているというのだろう。]
… … 0 1 …
[ 呟きがこぼれおちる。意図した呟きではなかった。
01。電脳世界をあらわすバイナリ(0と1)を指すようでもあり、誰か、何かの番号にも思える。]
あなたは、だぁれ?
[ 頭を傾けて問いかけてみても返事はなく。]
動かないみたいね。
開始までこのままでいるのかも。
[ 少女は、動く事も話す事もなく、まるで花開く前の蕾のように凝っとしていた。
一度目を瞬き、そぉっと立ち上がる。目の秒針がWを示す。pierrotが、少女に近づいてから立ち上がるまでの様子を、注意深く眺めている事に*気付かずに。*]
/*
順序間違い。
[ 少女は、動く事も話す事もなく、まるで花開く前の蕾のように凝っとしていた。
目の秒針がWを示す。一度目を瞬き、そぉっと立ち上がる。pierrotが、少女に近づいてから立ち上がるまでの様子を、注意深く眺めている事に*気付かずに。*]
― Babylon 3F ―
あー、楽しかった!
[しばらく後、上機嫌で笑顔を見せる少年の姿がそこにあった。
紅に染まった空間――その端では、別の紅色が空間を跨いで広がっていた。
果物の形をした化物が、その中心に転がった塊に群がっている]
バックアップはあるのかな?
[独り言ちながら、塊の傍らにしゃがみ込む。
しばしそうして食餌風景を観察していたが、飽きたのか立ち上がった。
赤黒い空間が収縮して、元の緑色が戻って来る]
そろそろ他に行こう。
まだ行ってないのは、2Fと4Fと……
[呟きながら、ワープゾーンに入る。
選択したのは、2F]
/*
>>51後、没act
「HurtfulHeart Tobeyと話が続くようなら、pierrotからひょんな提案が持ちかけれるかもしれない。*」
/*
&>>51後没原稿
『ちぃといいかい。』
[ そこへ割って入ったのは、さっきまで鼻歌を歌っていたpierrotだった。]
『HurtfulHeartさんよ。ロッテの目玉はくれてやっても良いぜ。』
…な、
[ 補佐AIの裏切りとも言える言葉に、固まる。]
『ただし条件がある。
1つ目は、お前さんの協力だ。
そして2つ目は、参加者の総数が20人以下になった時に、お前さんに目玉を渡す。どうだい?』
[ 暗に、勝敗を一歩譲るような言葉だった。]
―― Babylon 2F ――
遠い昔の物語、捕らわれのお姫様は塔の上――
[複雑な通路を何回か右に曲がって少し直進した先に、現在私がいる部屋はあった。
今は廃れて久しい「紙の本」がぎっしりとおさめられている棚が並んでいる部屋――書庫だ]
ずいぶん手の込んだ作り方をしている――どうせ読む者などそんなにはいないだろうに。
[御伽噺の記された「本」を書棚に戻すと、次に隣の棚にある分厚い「本」――百科事典を手にとった]
――まさか武器に使えとでも?
[角で殴ったら相当なダメージを相手に与えることができそうだが]
……誰がこんな重い物をすきこのんで装備するか。
/*
トビー戦勝手考察
ECLATANT‐化け物、踊り子さん‐トビーで分断される構造になると相性が悪そうだ。
さっさと化け物を氷結するに限る、か。
― Babylon 2F ―
ここは、迷路の階層かな?
[2Fへ辿り着くなりそんな感想を漏らした。
複雑に組み合わさった通路に、そのような印象を受けたのだ。
少年らしく反応するように設計されたAIは、ちょっとした探険気分で通路を辿っては、部屋の中を覗き込み始めた。
マッピングなど意識していないので、その道順はでたらめだ]
この部屋は――あ、先客がいた!
[ばたん、と扉を開けると、本がたくさん並ぶ部屋に辿り着いた。
そこには金色の髪の、初めて見る人物がいた]
/*
ぬっちゃけECLATANT‐トビー、踊り子さん‐化け物ならまだ相性良さそうだが、前に出たがりだからなあ妖精さん。
さて席を外してた隙にトビーがこっち来たぞー!
[百科事典も書棚に戻すと一息をついた]
いずれにせよ、あまり戦場にはしたくない場所ではある、な。
[そして、呟いた通りのことを地図の片隅にメモした。
きっとさっき読んだ御伽噺の内容が、失われて久しい子供時代を思い出させたから。
そう。私の中ではまだ、子供時代は終わっていない。失われただけで。
その時扉を開ける音がした]
『ああっと! さっきの男の子だ!』
[扉を開けた人影を見て、ECLATANTが〈prism〉を表示中のフレームから文字通り抜け出してきた]
『こーんーにーちーはっ』
[そしてその場でくるりと一回転してみせた]
あっ……きみは。
[フレームから飛び出して来た妖精を見て、驚きを示すように瞬く]
ちょっと前に見掛けた妖精、だよね。
[くるりと一回転する姿に、無邪気そうな微笑みを見せる]
その人が、きみの……ええと、ご主人?
[メインのプレイヤーを指す適当な言葉が思い付かず、そんな訊ね方をする]
……ご主人、か。そう言われれば確かにそうだな。
[ECLATANTに代わって私は答えた]
だが私はECLATANTに私のことを「ご主人様」などと呼ばせる気は毛頭ない。なぜなら私は彼女の製作者にして主人である以前に、一個の名前を持つ人間だからな。
……もっとも電脳世界の裏側では、もう一つの名前の方が通ってしまっているのが現状だが。
[顔を知っていたせいか、思わず妖精に向かって話し掛けていたが、答えたのはメインプレイヤーの方だった]
そこの妖精は、ECLATANTというんだね。
それで、あなたの事はなんと呼べばいいのかな?
世界の裏側では有名人みたいだけど、表の名前も裏の名前も、ぼくは知らないんだ。
[興味を引かれている事を示すようなきらきらとした瞳で、女を見詰める。
この部屋には壁と天井が設定されているので、中央のホログラムは見えない]
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