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聞いたか、――。
[いつしか足を止める。彼の目の前には他と変わりのない無骨な墓石。生者に語りかけるかのように、彼は話しかける]
隣村で騒がれていたあの噂、
この村にも伝播してきていたらしい。
[白い息と共に淡々とした口調。白い毛皮に隠れたその表情にも感情らしいものは窺えない]
こんな退屈な村は嫌だと旅に出たお前が、
隣村から凍った骸となって戻ってきた今頃になって、だ。
白い村が嫌いだと、緑のコートを着こなしてたお前はどう思う?
あの噂。気になるんじゃないのか?
[墓石に刻まれた名前はまだ新しく、はっきりと文字と為している]
ああ、そうか。
[暫く黙り続けた後、微かに眉を動かして言葉を続けた]
ここにはまだ、噂は届いていなかったか。
[村外れの墓地。しかも普段そう人が来る場所でもない。人の気配も、影も、言葉も、まだ何も届いていない]
出たらしい、――が。
[だから彼は報告した。墓石に伝える最初の人間になるべく。]
お前が死んだ原因の、な。**
/*
やあ。村建てです。
いろいろと開始時期がぐっちゃんぐっちゃんになったりして、申し訳ありません。
実はこれちょっと面倒くさいセットだったんですが、すばやい対応をしてくださった瓜姫様に心より感謝です。
無事村建てできて ほんとうに よかったよ!
あとは無事に開始して無事に終わるのを祈るのみでござる。
今回はあんましダミーを動かす気はありません。
さて、誰で入るかな。
フィグネリア が参加しました。
フィグネリアは、呪狼 を希望しました。
― 自宅 ―
[女は昼なお暗い部屋の中、
ロッキングチェアーの心地好い揺らぎに身を任せている]
ねむれ、ねむれ……
ははのみむねに……
[その唇が囀るは子守唄。
そっと下腹を撫ぜ、愛しげに眸を細めながら。
キィ…っとなる椅子の調べに合わせて、
唄を歌う]
早く早く……。
逢いに来ておくれ。
あたいの可愛いあかちゃん……。
[腹を撫ぜる手は、優しく慈しみに富んで。
この身体に宿る命への愛に溢れている]
[女は村の男と手と手を取り合い、
この退屈な村を逃げ出したのは何時の事だったか。
あの頃は、まだ若く。
愛する人さえいれば、どんな所でも幸せになれると思っていた。
そう。こんな退屈で辺鄙な村ではなく、
刺激に富んだ喧噪姦しい街にこそ、
幸せは有るものだとばかり]
[だけど、逃げ出した先で知ったのは。
裏切りと絶望。
ずっと一緒だと誓い合った手は、何時しか他の女へと絡められて。
帰らぬ男を待ちながら、
眠れる夜に枕を濡らし続けた事を知る者はいない]
[幾月幾年。
帰らぬ男を待ち続けて。
涙が枯れた頃に、女は漸く村へと帰る決意をする]
幸せは……あの人と共に、街にこそ在るのだと思ってた。
けれど……。
[眸を縁取る長い睫毛を震わせて]
幸せは、此処に――――
[いつの間にかこの胎の中、宿っていた命。
それを育む場所は、街ではなく生まれ育ったこの村だと。
裏切られ、ぼろぼろになって初めて理解する]
[身勝手な娘だと言いながらも、
受け入れてくれた両親の優しさに感謝しながら。
女は産まれてくる命に逢う事だけを夢見て、
今日もロッキングチェアーに身を揺らす]
ねむれ、ねむれ……
ははのみむねに……
[村に忍び寄る噂など知りもせず、
子供の為の子守唄を口ずさみ*ながら*]
/*
はい、どうも。はまたんでつ。
また濃いネタで登場ですよ。ぐへへへへ。
今回は狼たんを希望して、
子供を産む為に人を喰らう狼……っつーロールをやろうかと思っています。
上手く役職取れると良いなあ。
オリガ が参加しました。
オリガは、霊能者 を希望しました。
―宿―
[窓から見える湖は、今日も凍っている。
決して溶けない湖と、決して動かない水車。いつもの光景]
そうね、いつもの光景ね。
[何も変わらないわ、と呟いてしまうのは、どこかに嫌な予感を抱え込んでしまっているせいか。その嫌な予感が、『何』とは、はっきりと言えないのだけど]
[客室の窓を開け放つ。
冷えた空気に、薄い金髪が揺れる。
ベッドを作り直すためにシーツに指をかけて、吹き込んだ風のむこうをしばし見つめていた]
……何も変わらないわ。
[もう一度呟くと、自身の職務へと埋没するべく**]
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