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[主不在の保健室の棚を勝手に漁って持ち出した青緑の氷嚢に、水と氷を詰めて来た道を駆け戻る。
怪我の治りを左右するのは、兎にも角にも速さ。
数分早く処置が出来れば、数日早く治るのだ。
繊細な作業をこなす衣装係の彼女にとって、指の怪我とは一大事であるはずだった。
10分は経っていないだろう、講堂へ戻れば、マイカは頭の上に手を置いて、更にペットボトルを握っていた。]
…、っは……
……氷嚢。
当てて。
[息を整えながら、作ってきた氷嚢を突きつける。]
…保健室は、こう言うの頼りにならないから。
病院、行って。
うん、ケイ先輩が思う演出でいいよー
いつも、素敵な舞台を作ってくれるもんね
[彼の言う「古典系」がどんなものなのか、自分には定かにはわからない。だが、彼の今までに作ってきた舞台は、自分のイメージを超えたことはあれど、異なったことはない。
だからどんな舞台になるのか分からなくても、ケイ先輩に全幅の信頼を寄せていた。
期待してる、と言われれば、はーい、と元気よく返事を返す。]
重くなんて感じないよぅ
ケイ先輩に期待してもらったからには、頑張らないとねー
[信頼している先輩からの期待。それには全力で応えないと、と彼の言葉を心に刻む。
とりあえず、今日の夜は少なくとも5回は台本を読むことにしよう。]
―部室→―
[さっぱりでいいよ。彼の反応が予想通り過ぎて、逆に微笑ましくなって笑みが緩む。……気が向いたら詳しく話すよ。心の中で呟いた言葉は聞かれなくっていい。
彼の眩しい笑顔を見て、くらっと揺らいだ。でも]
卒業する前に話せてよかったわぁ
[ぽろりと漏れた本心と安堵は隠せない。と。それと同時ぐらいに。
後ろにぎぃと倒れた扉。らしくない短い悲鳴をあげて、よろけた。思わず左手を彼の手にのせたまでは、条件反射。]
―幕間 可愛い後輩たち―
[柊 真琴は非常に印象深い後輩の一人だ。最初は長身で何処か迫力がある子だと思っていたが、そのイメージはあっさりと塗り替えられることとなる。彼が衣装や道具、それも特にふりふりだったりメルヘンな可愛いものを見つめる瞳は、秘めたる(ときどき溢れだしている)情熱を感じさせた。しかも器用で努力家で、自分で好きな物を生み出す力には目を見張るものがある。
…彼の才能が最も発揮された舞台の一つが、去年の新歓公演だろう。あの華やかな舞踏会の場面は、彼の執念があったからこそより輝きを増したのだ。
たった一度だけの表舞台。自分の衣装を手がけてくれたのも、彼だった。脇役にも拘らず丁寧に作り込まれた装飾は、彼の苦労がしのばれた。
その力を貰ったから、私はより高く舞えたのだ。
まさか、新しく演劇部の仲間に加わった愛らしい後輩が、
再び自分が舞台へ立つことを望んでくれているとは知らず。
衣装を作りたいと願ってくれている、健気な想いも知らず。
けれどもし、彼女が私を彩ってくれるのならば。
――私はもう一度、舞えるだろうか*]
[見送る視線に気付くことはなく。
胸に残るのは、後悔。艶のある黒い髪に黒曜石のような瞳。それがどうしても、重なってしまって。
―これでは妻にも、光虹にも申し訳が付かない。
答えの出ない自問自答を繰り返す。亡くなった彼女の面影を追いかけているのかそうでないのか。
明日会う時にはいつも通りに、と心に決め、光虹が戻っているかもしれない部室には戻れず、屋上への階段を昇った*]
村の設定が変更されました。
よーしいい子だ。
そんないい子には後で肉まんでも奢っちゃろう。
ただーし、本番前夜はちゃんと寝ること
俺は全力でやるけど、ホタルが体調悪かったらホタルの魅力を伝えきれないだろ?
舞台に全力で取り組むことは信頼してる。けど、何度も言うからな
ホタルの体が舞台の準備出来てるように、体調管理とかはちゃんとすること
[再びわしゃわしゃと髪を撫で、コツンと額をくっつけて約束してから、携帯の着信に気づく]
ま、口うるさい先輩の説教はこれくらいな
なんか用があったら講堂の隅で休んでるから呼んでくれ
【2年】 ムツキは、村人 に希望を変更しました。
―空き教室―
[イースのことは物腰穏やかな優等生と言う印象であり、
あまり人を疑うことをしないこの元副部長は、
彼にとって最も騙しやすい人間の内の一人だろう。
…更に言うならば彼の印象は、個人に対するそれよりは、
葵と仲が良かったな、といった方が大きかったかもしれない]
おや、疲れはためると大変だ。
特に季節の変わり目は風邪をひきやすい。気を付けて。
休むなら、温かくするんだよ。
[当然、彼の内心の悩み>>226にも気づかない。
ただ心配そうに彼を見つめている]
何か飲み物でも、買ってこようか?
[無論、校外の自動販売機で]
村の設定が変更されました。
/*
ひっ。
後輩と全然絡めてないことに危機感はあるのだがベニちゃんが聞いてない。空き教室どこなんだろう……会えないかな…後輩愛でなきゃ(使命感)
[ホタルから離れてそばにいたムツキに声をかける]
ムツ、ちょっと俺休憩。もし寝てたらむっちゃんの体温であっためて
[冗談交じりに告げつつひらりと手を振り、舞台から遠い講堂の隅へと。
座りこめば携帯を取り出してメッセージを返す]
『実力は信頼してるけどな
今回は俺が演出だからちょっと神経質になってんのかも
待ってる』
[赤髪の友人>>207へはお巫山戯やサボりに対する小言もなく待つ旨とほんの少しの心情を漏らす。
黒髪の友人>>225のメッセージを読めば少しだけ考えて]
『りょかい。なんか疲れてたりしたらゆっくり休んでいい。
なるべく早めに打ち合わせはしたいけど、信じてるからさ』
[二つ上の先輩に懐いていた友人はこの一年真面目だけれどどことなく楽しめていないように見えた。
自分の思い過ごしならいいけれど、無理に立ち直らせるよりは自分から楽しめるようになればいいななんて考えて。
だからこそ、休みたいなら休んでいいとも取れそうな言葉を返す]
【2年】 ケイは、おまかせ に希望を変更しました。
―1年前 教室>>221―
[返ってきた声は、彼女らしくないか細いもの。
濡れている頬に、気づかない訳がない。
胸が締め付けられる思いがしつつも、
出来るだけ穏やかな表情を崩さないようにしながら、
そっと彼女の傍まで歩を進めていった]
……大丈夫。私はいつでも、ベニの味方だよ。
ベニのことが、大好きだからね。
[こんなときに限って、気の利いた言葉は出てこない。
だから告げるのは、真実いつも想っている言葉。
ぎゅっと彼女の手を両手で握って、静かに笑う。
彼女が飛びついてくるならば、
受け止めてよしよしと頭を撫でるだろう]
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