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[料理をしながら幼い時のことを思い出す。
いつも思い出の色彩は暗い色をしている。
手に持った玉ねぎは誰かが持っているのを眺める物だったし。自分が触れるのは段ボールで運ぶ時だけだ。味だって碌に知らない。
兄は偶に両親の眼を盗んでくれたけれど、見つかったら私が怒られる。しょうがない食べた私が悪いんだから。
魔法が使えない役立たずの私が悪いんだから、最低限役に立たないと。
人は魔法が使えるか使えないかにまず別れて、使える人はそれだけで使えない人よりも上位なのだ。
だって魔法は努力したってどうやったって身につかない。
大多数と同じ凡人の私は、同じ凡人の中でも魔法という+αがない分劣る。
だから当然なのだと思った。思って、いる。
兄の魔法が妬ましく思う事もあったけれど、
それ以上にオルガンの調べや私を心配して撫でてくれる兄の優しい手が傷ついたら嫌だった。
だから兄がいつからか魔法を使うのを止めたのが心苦しかった。]
[私の状態に気づいて両親が流石に周囲から非難を受けて、
子供置いて逃げたのが幼いころ。
孤児院に来てからこれが楽しいということかと知った。
楽しそうな良い子が、孤児院の大人にとって役に立つ子であることも。
もっと大人になれば魔法がなくても誰か必要としてくれるだろうか。
役に立てるんだろうか。]
[汚れた色の玉ねぎの皮をベロンと流しに捨てた。]
僕はこう見えて、身体は丈夫なんですよ。
[強がってみるが、くしゃみをしながらでは格好付かなかった]
……踏んだり蹴ったり、ですか。
僕もそれくらい、思い切った方が良かったでしょうか。
[冗談半分に答えを受け取りながら、此方も軽口を返す。
流石に普通の人相手に無理矢理踏んだり蹴ったりしたいとは思わない。…多分]
そうそう。今日はアレクシスとセシルが、
スープを作ってくれるそうです。
きっと、温まりますよ。
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ソロールも表で挟んでいった方が良いのかな?と思いつつの……。
決めてたのは、役に立つことが存在意義である、という認識の子というだけの。
えっと、エリィゼはここかな…
[ミツルがいる部屋は礼拝堂である…そこに祈りを捧げている女の人が1人、ミツルは礼拝が終わるまでイリアに話しかけないだろう]
[食堂を出入りする人に軽く挨拶を交わしながら、
食卓に座り先ほどのことを思い返す。]
…美味しいって食べてもらえるのは嬉しいですね。
次に作る時は、せめて口を付けてもらえるようにしないと。
少し長めに勉強しましょうか。
[皆が自分の料理を食べて喜んでくれる。
そんな未来を想像しながら、夕食の時間を待っていた。]
…ジロさん。
[上着を返してもらい、食堂へと付いて行きながら。そっと背中に呼びかけた]
先ほどは魘されているようでした。
もし、気分がすぐれないなら。
オルガンでも、聞きに来てください。
少しは夢見も良くなるかも、しれませんから。
[クロロは、エリィの屈託のない笑顔を見て、なんだかあたたかい気持ちになる。]
うん。僕は花が触れないから、エリィが綺麗な造花を作って僕にくれた時には、凄く嬉しかったんだ。
僕が触れても壊れることのない花、それを作れるエリィは本当にすごいと思うよ。
[この花はエリィに貰ってからずっと、肌身離さず持ち歩いている。何か辛いことがあったとき、これがあれば元気になれる気がするから]
[のんびりと孤児院の周りを洋菓子をパクつきながらうろつく。
風は凪ぎ、月明かりが煌々と夜を照らす。]
静かねぇ…
[けれど何か胸騒ぎがする。昼間読んだ悲劇があまりにも心に刺さったからかもしれない。
一抹の不安を覚えながら、アルフは残りの洋菓子を口に放り込んだ]
[>>236から連続して、一連の出来事を思い出す。子供部屋は複数人で一部屋だったから、迷い込んだグレンが鏡を手にしたのはそこまで不思議ではない。部屋から持ち出した、その手鏡そのままに彼が変身してしまった理由は、彼にしかわからないけれど。全くらしくない、水色の可愛い手鏡になったまま、随分と長いこと消息不明だった。その間自分の持ち物の方も見当たらなかった。気に入っていたつもりは毛頭なかったが、身近なものが一つ消えると不安になったりするらしい。しばらく魔法の制御が難しくなって部屋を燃やしかけるなど、自分にとっても苦い思い出である。ちなみに燃やしかけたのが正しくグレンと手鏡のあった部屋だったので、あわやの事態に自分が冷や汗を流した珍しい事例でもある。
彼が鏡の思念を覚えてたら……なんだか癪だなあ。自分の心を見られてたなんて。と考えてから、壁の女神像を見上げる。
僕は、女神さまだなんて信じないよ。自分しか信じない。"貴女"が僕を助けてくれたことなんて、なかっただろう?そっちが干渉してこないなら、こっちだって知ったことないさ、あんたのことなんて。
[独り言のように呟いて歩き出す。]
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