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[おのが淵に潜る刹那、ひときわ大きな音が鳴り響く>>16
古いアパートメントの屋根が揺れ、ぱらぱらと木屑と埃を舞い落とした。
仏頂面で頭からはたき落とすと、フケとも埃とも知れぬゴミが灰色の空を舞う。
視線を上げた時には既に彼方、僅かに見える謝罪のジェスチャーが誰何を告げていた]
やれやれ、痛み入るな。
[飛び去った先は酒場の方向だろうか。こんな状況にもなってまだ、営業しているのか否か、確かめてもいなかった。
おのれには出来ぬ身のこなしを見てか、男は猫背気味の背を伸ばした。
アパートメントよりも乾き、鈍い、響く音が無駄に大きな身体を駆け抜ける]
煮詰まってたんだ。
[必要な言い訳を呟いて、男はメモとペンをつっかけた。取材の言い訳とするらしい。無精な男は身なりを整える間もなく、薄っぺらなドアを開いた]
/*
カイン。
鹿獣人。とっさの思いつき。
帽子からケモ耳と角は浪漫。
元スカウトorレンジャー。
今は煙草臭いシューター辺り。
(SW2.0ひっぱってきた)
/*
羽繋がりでランスに設定を振りたいですね。
30年前(パッションで思い浮かんだ)、森で死んだ翼人の「マイダ」そのものの姿というのも面白そう。
役職弾かれも想定しつつ、どうなるかしら。
/*
どうせ死ぬなら煙草死したいので滅びに抗いたい、というか煙草欲しい思考。
あ、森越えるつもりはひとまず無いですよ、とは書いておく(灰にかよ)でも森探索とか楽しいかもって。
探索に出る前に死ぬのもたのs(どえむ)
まあでも、ファンタジー能力発揮したいならとか。思ったりとか。
――ん。これで終了、っと。
[空になった籠ごと腕をぶんぶん回し、腕をいっぱいに開く。
そうして、先程音がした方向を、何気なく見た。
なにかがきらりと光ったような気がしたのだ。
あまり視力が良くない女は、目をすがめる。
ぼんやりと、焦点が合う。
そこに認めた。
柔らかな金、背から伸びた透明な翅――、
佇む少女の姿を。]
[>>17見たことのない少女だった。
数秒、あるいは数十秒、それが生きているのか凝視する。
死んでいてもおかしくないような静かなたたずまい。
相手が動かぬことを確かめると、つかつかと歩み寄った。]
あんた、なにしてるんだい。
そんなとこで自殺でもするつもりなのかい?
やめとくれよ、うちで片付けようにも面倒臭いんだから。
なんでもいいけどどっか行っとくれ。
それがいやなら、そのばっちい灰を落としなよ。
別嬪さんが台無しだろ?
[少女の浮世離れした様にはどことなく相容れないものを感じたが、だからといって臆した風を見せるのは嫌いだ。
胸を張って、話し掛けた。]
しろい――
[呆然と呟く。世界が白いのは灰のせいか、太陽の下の曇り空だからか。薄暗い部屋から抜けだしたのならば、ある意味必然とも言えた]
――?
[視界が奇妙な斑点で幾許か遮られていることに気がつく。軽く頭を振ってみるものの、斑点が消えることはない。
不意に気がついてか、メガネを外す。先の木屑や埃がメガネに積もっていたことに気がついたのだ。
太い人差し指をきゅ、とスライドさせてメガネを透かす。
今度は皮脂がレンズに付いてしまった。
男は憮然として着衣の裾でレンズを拭った]
[何かあるのか、という問いに、何度も何度も頷きます。
彼は酒場の中へと入ってはくれましたが、カウンターの向こうにある調理場までは見えないようです。
その姿の横を抜け、カウンターの中へと入りました。
調理場の入口に立ち、手招きをします。
きっとカウンターの近くまで来れば、荒れた調理場の中が。
そしてそこに倒れるマスターの姿が見えるでしょう。
改めて見れば、ひどい荒れようです。
倒れる時に巻き込んでしまったのでしょうか、割れた皿の破片が、入口の近くまで飛んでいました。]
[唐突に、教会の表の方で楽しそうな声が聞こえた。
それから何処かに駆けだす足音。
声の主に、心当たりは一つしかない]
――――…ギュル?
[慌てて其方へ向かうが、既にもぬけの殻]
ギュルスタン!
[彼も孤児の一人だった。
とても気の付く優しい子だったが、
数日前より病の"兆候"を見せ始めていたのだ。
傘とローブを抱えて、自分は外套をひっかけただけの恰好で、
寂れた村通りを駆け出した]
[受けた印象は淡いのに、瞳は暗い色をしている。
少女の雰囲気を己の中で訂正した。]
あー、あたし……あたしはねぇ……。
[刹那、呆気にとられた。
ふんわりしているのか、暗いのか、それとも灰の影響がもう重なってしまったのか。
どうとも取れるが、自分から声を掛けておいて話に詰まる。]
……っあー、いいから!
ここにいても汚れるだけ! ほら来なさい!
[少女がいきなり倒れてしまいそうな予感もした。
自分が灰に冒されるような気もした。
だから籠を脇に抱え直して、少女の袖を掴む。]
あたしはセルマ。セルマさんでいいよ。
うち、そこだから。
茶ぁしばくくらい、いいだろ?
[一度振り返ったが、答えを受け取る前に少女の手を引っ張った。]
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