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幻術師 ヒューバート は 傀儡使 舞葉 に投票した
忍者 ナサニエル は 傀儡使 舞葉 に投票した
暗殺者 シャーロット は 傀儡使 舞葉 に投票した
依巫 芹菜 は 傀儡使 舞葉 に投票した
傀儡使 舞葉 は 忍者 ナサニエル に投票した
調律師 すてら は 傀儡使 舞葉 に投票した
隠者 モーガン は 傀儡使 舞葉 に投票した
放浪者 ウルズ は 傀儡使 舞葉 に投票した
オートマトン ミッキー は 傀儡使 舞葉 に投票した
迷子 ヘンリエッタ は 傀儡使 舞葉 に投票した
忍者 ナサニエル に 1人が投票した
傀儡使 舞葉 に 9人が投票した
傀儡使 舞葉 は村人の手により処刑された……
依巫 芹菜 は、調律師 すてら を占った。
放浪者 ウルズ は、依巫 芹菜 を守っている。
次の日の朝、幻術師 ヒューバート が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、忍者 ナサニエル、暗殺者 シャーロット、依巫 芹菜、調律師 すてら、隠者 モーガン、放浪者 ウルズ、オートマトン ミッキー、迷子 ヘンリエッタの8名。
迷子 ヘンリエッタは、忍者 ナサニエル を能力(襲う)の対象に選びました。
[呑気に見ていたのもつかの間、舞葉の様子がおかしい事に気付いた時には既に間に合わない状態で―]
待―
[舞葉が目の前で暗い闇の底へ墜ちて行くのを、ただ見ている事しか*出来なかった―*]
― 枯れ井戸 ―
[何時の間にか傍の木の上から井戸を眺めていた]
[徐々に人が集まりだすのを静かに眺めていた]
[人形はドレスの裾を翻し音もなく地へと降り立つ]
御機嫌よう。
随分と大勢で、お散歩かしら?
今日は日がな一日、
其の井戸の闇を眺めていたけれど、
私には余り役立たなかったのだわ。
――枯井戸――
[少年が井戸の底を覗き込んだ。そう見えたのは一瞬とも、永遠とも感じられた。縁石を掴んだ両手を支点に、半身が揺らぐ――]
リッ……、舞葉っ……!!
[――そして少年は、円形の暗渠の中へと墜ちていった]
[モーガンの言葉の意がすぐには理解できなかった。]
[だって、あの幼子が自ら井戸へ落ちていくとは思いもしなかったのだから。]
――――舞……
[名を呼びきる前に目の前から姿を消す少年に、目を大きく開いたまま悲鳴をあげることも叶わず、呆然と井戸を見つめることしか…]
[耳を澄ませても底面への激突音は聞こえなかった。
代わりに届いた音は人形のように愛らしい朗らかな声]
――ヘンリエッタ。
――そなたか? 舞葉を唆したのは?
[日傘の娘を振り返り、うっそりと問いかけた]
***
私は其れを切り離す。
彼はもう休むべきなのだと思った。
彼をもう休ませようと思った。
だから私は其れを送る。
切り離す其れが悟られる事は無い。
仮令心を震わせ腐って居ようとも、
其れが負ける筈は無い。
其れは古よりの伝説の生き物。
私は彼を眠りへと誘う。
[人形を胸に傀儡使は闇へと吸い込まれる]
[言霊使いの問いにくるりと日傘を回す]
私は私の思う事を口にするだけなのだわ。
此処に居る限りは誰かをつき落とさなければならないと、
そう思いながら其の闇を眺めていただけよ。
余り役には立たなかった――そうか。
ならば、そなたが“闇より来るもの”か。
《深淵を覗き込むものは用心するが良い》
――古い言い伝えじゃ。手垢に擦り切れるほど、古い、な。
《お前が深淵を覗き込むとき、
深淵もまたお前を覗き込んでいるのだから》
――そなたが“闇より来るもの”であれば、井戸の奥底は同質の存在。そなたの役には立つまい。
然り。
この枯井戸は贄を欲する。
或いはそれは、“彼の地”に至ると念じて赴くのやも知れぬが。
何れにせよ、変わらぬことだ。
事実として、この孔は――この場に居る者を喰らい続けよう。
やがて彼の塒へと其れは沸く。
腐れ落ちかけた頤を開き吐くは竜の息吹。
灼熱の炎は一瞬で全てを焼き尽くす。
口許から零れる粘性の液体は、
甘い腐臭を漂わせていただろう。
私は殺す為に此処に在る。
其れは殺す為に殺す。
彼の声をもう聴けない。
彼の細い三日月の笑みをもう見れない。
彼の手はもう私の髪に触れない。
私は――…
***
舞葉…――十姫。
[どろりと絡みつく甘い腐臭が漂い]
[小さな手は赤黒く爛れ腐り始め]
[じくり] [ぐじぐじ] [じりじり] [ぐじり]
[見開かれた石榴石の瞳は揺れる]
[紅い人形は弱弱しく被りを振るか]
厭…醜くなるのは、厭。
[震える白い手が赤黒い手に触れ]
[触れた形に皮膚が陥没して戻らず]
[息を呑み薔薇色の唇は戦慄くか]
棄てられるのは、厭。
ひとりは、厭。
[石榴石の瞳から一滴の泪が零れ]
ひとりは――…寂しいのだわ。
〔目覚めた場所は――彼岸花の咲乱れる広大な草原。〕
〔灰色の空に…紅い月。〕
〔時折、遠くでオーロラらしき灯りがゆらめいている。〕
〔死せる幻術師は、自らが手にしていた柳の杖を見ていた。〕
[夢見ぬ眠りから目覚め、室内を見回しても人の気配はない。
不安げにソファーを離れ、片足を引きずって、屋敷をさまよう。]
…あぁ、ここに居たのか。
[気配のある部屋をノックし、芹菜の姿を見つけて安堵する。]
…井戸?
[昨日聞いた話を思い出す。
人狼を、井戸へ突き落とせと言い残し、この地の番人は無惨に殺されたと…]
……アハハ。…絆されてくれてたのかい…ヘンリエッタ。
〔…ばらり、と10本あった柳の枝が解けかける。中から覗くのは…古びた一本の剣。きつく握り締めて、目を閉じる。〕
…これが愛(かな)しい…ってやつか…
〔実感として――共有する想い。…嗚呼。〕
[その場に力無く座り込み、井戸を見つめ続ける]
―――……。
[先程モーガンに言われた言葉が胸を刺すようで、両手で胸元を押さえたまま地面へと目を伏せた]
[いつしか老爺はしゃがみこんでいた。自らの心裡に囚われたかと見える少女に言葉を紡ぐ]
さあ、な。ヘンリエッタよ。そなたがひとりであるか、否か。
それはそなたが決めることじゃ。儂は、知らぬ。
ひとりだと思えばひとり。さにあらずと思うならさにあらず。
何れを求め、如何に動く?
[細身の杖を地面に突いて立ち上がった]
〔柳の集まる望みを追って…幻術師は、ひとつの望みが潰えたのを知った。輪廻のあとさき――夢幻の狭間で、幻術師は一度モーガンの前に跪く。一度礼を取って、友たる父を見詰め――〕
…叱ってくれて有難う…モーガン。
そう、…ボクはまだ自分の魔法に囚われたまま。
純粋な教えをくれる貴方が…必要だったんだよ。
そして皆にも、貴方が必要だ…どうか死なないでほしい…
モーガン、闇は此処に在るのだわ。
[濡れた石榴石の瞳は井戸の闇を見詰める]
[貌の半面は見る間にも腐り赤黒くなるか]
闇を見詰めても、判らなかったのだわ。
この先に何かあると信じるのなら、
貴方も此処へ身を投げると良いのよ。
[闇を見据えた侭に濡れた睫毛が震える]
[井戸の淵を握る赤黒い指は感覚がない]
どれだけ想っても…いいえ。
想うからこそ届かないのだわ。
私はもう、醜いのだから。
[皆は井戸へ行ったのではないかと言われ、窓の外を見る。
小屋の一つから、煙が上がっているのが見えた。]
…火事!?
[粗末な小屋は見る間に炎に包まれて。
思わず飛び出す。
思うように動かぬ足が歯がゆい。]
〔隠者と自分は、互いに夢を見た。望みを。
まだ――大いなるその高みには届かない。〕
……貴方は、妥協のない方だから…御老。
この血と体温の枯れた身体で対峙させて戴くには
余興にすらあまりに無礼が過ぎる…と思ったんだ…。
〔…輪廻を待つ此処で、何ができるだろう。――幻術師は、この空間の性質と価値とを本能的に探り始めていた。〕
ごめんなさい、
ファーカ、ごめんなさい。
今の私は醜いのだわ、
お父様に棄てられた程に。
心が震えると、
私は腐ってしまうのだわ。
貴方は私を嗤わないで呉れる?
只の人形が心を震わせるなんて可笑しいと、
そうして腐れ朽ちていくのは滑稽だと、
嗤わずに居てくれるかしら?
ヘンリエッタ!
誰がお前を嗤おうか。
お前はいつだって小さく綺麗で可愛く、そして強くて──。
ただの人形ならば心を震わせることすらしはしない!
腐れ朽ちて……私を置いて逝ってしまうのか?
お願いだ……お前が嘆くと同じように
私だって、「一人は厭だ」「寂しいんだ」!!
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