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研究者の娘 アリシア は、ギーク ジャンクス を占った。
次の日の朝、自警団長 ヘクター が無残な姿で発見された。
《★占》 ギーク ジャンクスは 人間 のようだ。
……そして、その日、村には新たなルールが付け加えられた。
見分けの付かない人狼を排するため、1日1人ずつ疑わしい者を処刑する。誰を処刑するかは全員の投票によって決める……
無辜の者も犠牲になるが、やむを得ない……
そして、人間と人狼の暗く静かな戦いが始まった。
現在の生存者は、“蒐集家” ヴァレリア、“鋼の左手” ダンテ、公安 リュミエール、コールガール ソーニャ、神父 クリストファー、苦学生 メディクス、新参ナース リーン、研究者の娘 アリシア、カルテット メノミリア、ギーク ジャンクス、“烏” ケビンの11名。
コールガール ソーニャは、ギーク ジャンクス を能力(守る)の対象に選びました。
ー回想/スラム街路地裏ー
[電話の着信を告げる振動に、少しだけびくりとして携帯を取り出す。
ディスプレイで仕事用の回線にかかってきたことを確認すると、通話をONにした。]
はい。もしもし?
あら、貴方? お久しぶりね。
[電話の向こうから聞こえる声に、わずかに頬を緩めた。]
ええ。いいわよ。嬉しいな。
バートラムホテルで良い?
ええ。
[唇は笑みの形。褪めた色の瞳は伏せられていた。]
ー回想/バートラムホテルー
[仕事が終わると、馴染みの客は手早く服を身につけた。]
相変わらず忙しいのね。
[客の素性を詮索することはない。
自分の電話番号を知っていると言うことは、他者からの紹介を得たものであると言うこと。
それ以上の保障は求めていなかった。
それでも、馴染みの客の場合、相手の方から話す言葉でその素性を伺い知ることが出来る。]
最近物騒だから、過労死しないようにね?
[ベッドに寝そべったまま笑うと、男は真面目な顔でため息をついた。
少し嗄れた声でぽつりと話す。]
都市の、閉鎖……?
Masqueradeの為に?
……そんな話も出てるの。
政府は街ごと病気を潰そうとしてるってこと?
乱暴ね。
ねえ、こんなこと私に話していいの?
私がMasqueradeに感染してたら、その話を聞いて逃げ出すかもしれないわよ?
[楽しげに唇をゆがめると、男は眉間にしわを寄せた。
苦々しい顔で、言葉を吐き出す。
その言葉に、薄い色の瞳が柔らかく笑んだ。]
……そう、ありがと。
[そのまま素っ気なく出て行った男を見送り、窓の外へと視線を落とす。
眼下には暗い川。映す瞳にも*光はない*。]
―回想・Bar"Blue Moon"―
[何事もない、普通の日々のように。
姉御や後輩たちと語らったり、笑いあったり、どぎまぎしてみたり。
そんな中で感じる、ひとつの苦しそうな眼差し。
どんなにフツウを装ったって。
どんなにフツウの頃のように笑えることができたって。
もう、後戻りはできなくなってしまったのだと、その眼差しに告げられているように、思えた。]
[でも後戻りなんてできなくたっていい。
12の時に失った父。
ボロボロの顔半分、厭でも記憶に留まり続ける痣の形。
なぜこんなことになったのか、わからなかった。
そんな少年に、母は無表情に告げた。
「殺されたのよ」と。
仇を追うため。仇を討つための力を得るため。
そのために始めた情報屋。
そしてこの前、ある雨の夜に出会った一人の男。
利用できる力は得た。あとは、討ち果たすまで。]
…後悔なんてしてるわけ、ないっすから。
[そう、ぽつりと呟いた。]
[聞こえる明るい歌声。
心は、ひと時の安息に戻される。知らないうちに、ちょっとばかしメノミリアのメロディを口ずさんでいたが。]
……なーんかその調子、真面目に行ってますぅって言いたげだなぁ、ミリア?
[おめぇに限って、んなわけねぇだろ、とでも言いたげに後輩に楽しそうに詰め寄る。]
まあ、後輩ちゃんの無実証明はメディ次第ってコトだ。
もっとも、俺の件で手一杯かも知れんが…ね。
[にぃやり。
メディクスが背負っている、もうひとつの重い荷については知る由もなく。]
[マスターがアリシアを呼ぶ声が聞こえれば、きょとんとしたが。]
へぇ、リュミ兄様が、ねぇ…。
[本当に付き合ってるんじゃ…とは言えず、ただ端末越しのやり取りにそれとなく耳を傾けた。よく聞こえなかったけれど。
賑わいの中、仔犬を抱いて静かに店を後にするアリシアに気付けば、何も言わずにそっとその姿を見詰めて。
しばらく店の面々とからかったりからかわれたりを続けた後、お先にっ、と陽気に告げて、少年もドアを開けて店から出て行った。]
―回想・了―
/*
…そういやどこで見つければいいんだろ(おまえ
赤側のみんなに聞いてみようかな…でも聞いちゃったら村側バレバレ…あーでも結社員COしてるから別にいいのかな、かな。
そしてデフォは先輩。…勘弁してくださいランダ神様!
/*
そういえばちょっと試してみたいことがあったのでした。
今日のケビン君の運勢は?悪ければ悪いほど寄生されちゃう可能性アップ!かも☆
{02女教皇:逆}
― 回想・Bar"Blue Moon" ―
[マスターにフードを頼んで、近くのテーブルへと移動しようとするが、胡椒が多めのオニオンスープには満足をしたのかカウンターへと向かいおかわりを要求した。]
おかわりー。
マスター、おいしいよー、オニオンスープッ!!
仄かに香る、たまねぎハーモニ〜♪
[受け取ったおかわりのオニオンスープ片手に今度こそテーブルに移動しようとすればケビンの詰め寄りに合い、ほんの少し涙目になる。]
うぅ〜っ。ちゃんと学校……行ってないかも…あれ?
あたしはケビン先輩よりずーっと真面目だもーんっ。
とにかく、メディ先輩に話を聞けばいいもんね。
[テーブルには注文したナポリタン、ピーマン抜きが届けられた。
いただきまーすっという言葉と共にフォークを握った。]
/*
投票デフォがソーニャ。
護衛デフォがケビンセンパイ。
うーん、両方とも明日考えればいいかなぁ。。
うにゅーん、うにゅーん。
[フォークでくるくると巻き取りながら、パスタを口えへと運んでいく。
Barと呼ばれるところで、がっつり食事をするものなのか周りを見回してはみるが、分からなかったので考えることをやめてみた。
誰もそんなことをしないなら、自分が最初でいいではないかと、という結論に至る。]
むー……。
今日は家に帰れるかなぁ……。
[またもぼんやりと考えながら、ナポリタンは減っていく。
気が付けば、アリシアがいなくなっており、ケビンも店を出ていくところだった。]
マスター、ご馳走さまぁっ!!
また、来るねーっ。
[マスターはどんな思いでこの言葉を聞いたのか。
Barには似つかわしくない客は店を後にした。]
―→自宅方面
― 自宅前 ―
[こそりと自宅の様子を伺う。
自分を銃撃してきた男たちの様子を探るためだ。
ぱっと見たところ、誰もいないように見えた。]
……大丈夫だよねっ、多分。
お風呂入りたーい、携帯も持ってかないとダメだし。
[こっそり隠れるかのうようにして、自分の部屋へと。]
―→自宅
― 自宅 ―
[若干荒らされた様子があるが、気にしない。
携帯端末をチェックすれば、アンサンブルのメンバーから連絡があったようだった。]
あー……なんだったんだろ?
あ、メールで入ってる。
[それは暫く練習は休みにしようというもの。]
えっ、えぇっ?!なんでっ、なんでっ??
[理由は、自身が銃撃された噂がメンバーの耳に入ったことだったが。それに気付くことは、できずにいる。]
…ふーん、べ、べつに、いいもんねーっ。
あたし、1人だってべつに。
[気分を紛らわすかのよう、シャワーを浴び。
布団に飛び込んだ。]
― 回想終了 ―
― 早朝・自宅 ―
[今朝は何故か自然に目が覚めた。
昨日戻ってきたことを男たちが気付いているかもしれない。
この間は助かったが今度は銃弾に倒れることも十分に考えられる。]
早めに家を出たほうがよさそう…。
忘れ物ないようにしないとなー…。
あ、パパのも持って行っとこう。
[小さなケースと携帯端末。
それから、いろいろな音楽データをカバンに詰め込む。]
あ、リーンにも後でメールしなきゃなーっ。
確か楽器ケースに入れといたはずだし。
[そろっと家を出て行く。]
― 路地裏 ―
[家からこそこそ、隠れるようにして出かける。
何も悪いこともしていないのに、何故追いかけられなければならないのか。
全く納得がいかなかった。]
今日は学校行こうかなーっ。
でも行っても、センセに怒られるだけかも。
じゃあ、街でサックス吹いてるほうがいいかなっ!
[走り抜けようとした路地裏。
己の足を引っ掛けようとしているのか、足が伸びている。]
なぬっ!そんな罠には引っ掛からないもんねーっ!!
[けれど、明らかな異臭には気付いていた。
鼻が曲がりそうな臭い。]
くっさー……何、なんの…にお…。
[伸びた足の持ち主を確認するかのよう、足を飛び越える前に立ち止まって持ち主を確認した。
ゴミ箱の陰に男の姿は隠れており、近付いて初めて確認ができた。
上空には、黒い鳥が鳴いていた気がする。]
えー……ええっ……!
[思わず、1歩後ずさる。
けれど、壁のある方向に後ずさってしまったのですぐにぶつかってしまった。]
役所のおじちゃん……?
……、え、え、これって、『Masquerade』?
[何度もストリートで怒られた。
男にとの時の面影はなく、右肩から右の二の腕の辺りが腐ったのか、ボトリと落ちている。
首筋には何か奇妙な痣みたいなものが見えた。]
パパ…パパ…。
パパの作った薬、何の役にも立ってないよ。
ほら、また1人月へと誘われた。
皆、月に還りたいんだよ、やっぱり。
[思い出す記憶。
潰した頭。
飛び散る赤。
赤
赤
赤
それから、黒。]
アハハハハ――――、ハハハ―…?
パパ、怖いかも…あたし、怖いかもしれない。
ハハ…アハハ……。
やっばい、生で見ちゃった……。
これ、記憶に焼き付けて、作曲に活かさないと……。
[言いながらも、微かな震えが止まることはなく。
視線も上手に定まらない。
周囲に漂う、腐臭がさらに意識を遠のかせた。]
……ハハ……、アハハ……。
あたしも、あたしも月に還るの、かな……?
[震える声で呟いた。
死体の前、ぼんやりそれを見つめたまま。
時間が経てば、その場に*座り込んでいるかもしれない。*]
ー路地裏/早朝ー
[まだ朝のうちに、ホテルを出る。
川沿いの道を抜け、人気のない路地裏へ。
どこかで鴉のなく声が騒がしい。]
“鋼の左手” ダンテは、コールガール ソーニャ を投票先に選びました。
[鼻を突く臭いが路地に入る前から異変を伝えていた。
生ゴミとは違う臭い。少し薬品の混じったような、腐臭。
普段なら避けて通るだろう道を進んだのは、どこか尋常でない笑い声が聞こえたから。
見覚えのあるミントグリーンの髪がゆらゆらと揺れる。
彼女がサックスを吹いている時も、同じように揺れていた。
でも、笑い声はあの時とまったく違う。少しも楽しそうじゃない。空気の漏れる音。]
どうしたの?
[がくがくと震える少女に歩み寄り、その見つめる先を確認する。]
─早朝・自宅─
[通信端末は、いつもと違う着信音。
寝起きの身体は、すぐさまソレに反応して。
音声通信を受信。
現況を知らせる声は、真剣みを通り越して悲痛なほどで。
非常事態宣言。地区ごとの分割封鎖の話。
…そして、手が足りないとも。]
…復帰、か。
構わないけど…、新しい相方は必要無いから。
[枕元に飾ったままのフォトフレーム。
そこに架けてある二本の鎖を手に取った。
写真の中、寄り添う姿は未だ鮮やかな色。]
…検体が届いてない?
[もたらされた知らせに、思わず問い返す。
輸送していたはずの担当者が行方不明と。
該当地区は、この周辺のようで。]
判った、何か見つけたら知らせる。
[ジャケットを羽織り、部屋を飛び出した。]
……Masquerade。
[その犠牲者を見るのは初めてだった。
なのにそれと分かったのは、その腐敗と首に広がる痣。
Masqueradeは空気では感染しない。分かってはいたけれど、思わず口を押さえた。ごくりと喉が鳴る。]
やだ……。警察に、連絡……。
[振り返って、少女がぶつぶつ呟いているのに気づいた。]
ちょっと!? 大丈夫?
[ぼんやりとした様子の少女の肩を揺さぶり、次の瞬間その手を離した。]
[思い出したのは街で聞いた噂。
『なりたて』はぼおっとしている。
思わず少女から一歩退き、身を守るように腕を上げた。]
“鋼の左手” ダンテは、カルテット メノミリア を投票先に選びました。
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