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ドームからは見えざるどこかの場所。
モニターに映し出される光景を、黒幕たちは淡々と観察している。
手駒たるマルキに「人狼騒動」の煽動をさせる他は、
黒幕たちは自ら手を汚す心算も無く、ただ傍観の姿勢を保つのみ。
どうやらこの中には、村人が6人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、守護者が1人、囁き狂人が1人含まれているようだ。
[集められた者たちの携帯端末に、マルキからのメールが
再び一斉に送信された。]
通信 マルキが「時間を進める」を選択しました
[メールの内容は次の通り。]
先程お伝えした人狼についてですが、人喰いの犠牲が生じる前に
この中から見つけ出して殺害すべきであると考えます。
人狼は人喰いの存在であり、その衝動が何時我々に向くか判らない。
これは私達の生命に関わってくる話です。
当局の指示により、暫くの拘束という措置になった訳ですが
拘束が長引くのならば、ただ待つだけの方が危険ではないでしょうか。
人狼の容疑者としてこのドーム内に拘束されている皆様は
以下の人々で全てです。
この中に人喰いの人狼がいます。
イルド・ローア
ルシアン・マラーク
ベル・フュザリス
シルビア・オークス
カルア=F=トラヴェルソ
トルニー・ディアラ
ジキル・マーロウ
リーン
グノ
ニコライ・ステクロフ
アドニス・クロフォード
[記された各々の名前の横には、
その人物の顔写真の画像も添付されている。
何処から写したのか、丁度この場に居る容姿そのままの特徴が
顔写真には反映されている。]
私の方でも人狼の手掛かりについて調べています。
皆様も人狼を探し出して、殺して下さい。お願いします。
マルキ・スミス
axxxx@xxxxxx.xx.xx
[こうして、続報となるメール送信を終えたマルキの碧眼は
新着メール(>>0:207)の報せを示す画面を映していた。
タイトルの文字を、無表情な目でなぞり読むも]
政府発表、か。
(……実際、お偉いさん方はどうするんだか)
[「容疑者」たちから問い合わせが来た時の対応は、と
頭の中で記憶と思案とを巡らせた結果、
マルキはこの時、質問のメールへの返信をしないことにした。]
[マルキは管理人室のコンピュータディスプレイから目を離し、
その碧眼を閉ざされた窓辺へとふっと向かわせた。]
(こんな現場には、あまり居続けたくないがねえ)
[当然のように、マルキは既に知っていた。
自分が持つ管理人用のカードキーや、他の如何なる鍵を用いても
外に出る扉も窓も開かなくなっていることに。
ドームという檻の中に閉じ込められたのは己もそうなのだ。]
(ってかマジ、これだけ色々な面子が「容疑者」だとか
改めて見てみると面白いわー…)
[その内の一人は己が案内した少女(>>0:43)だったりもするが
特に彼女の正確な仔細を知っている訳でも無しに
「面白い」の側に漫然と含めてはいた。]
[歩きながら思い返すのはね。
サファイアを見送った時のこと。
彼は指が失くなった片手で、優しく笑ってベルに帰る日付けと、こまめに連絡を入れることを約束してくれるんだ。
そんなサファイアの、大好きな人の手が一等好きだった。
本を読む快楽を教えてくれた手。
身体の快楽も教えてくれた指先。
そうして──…… ]
[別の任務があるから、と彼女に以前告げた言葉の通りに、
マルキは黒幕側の権力者から託された任務を片づける。
二度に渡って送りつけた煽動用のメールはまさにそれで]
(あーでも、マジでこの中に人狼とか、居るんだったら
このまま、任務続けるんだったら)
[そんなことをぼんやり思いながら、今のメール送信の次に
行うようにと最後に指示された行動、つまり、
「管理人室のセキュリティロックの解除」へと動き――]
………マジで見つけて殺さなきゃ、ヤバくね?俺が。
[そう零しながら、けれど白い指先は
既にボタンを押していた。
レッドランプ(>>0:105>>0:106)はその色を変え、
通行止めの解除を示すグリーンへと移り変わる。]
[己が身の危機を覚りながら管理人室に再び鍵を掛けないのも
理不尽な状況を知りながら黒幕に仇なす行動を取らないのも
指示されたその任務さえ遂行すれば
莫大な報奨金やら他の何やらが手に入る――、
そうした欲に憑りつかれてのことだったのだろう。
そんな中、マルキの頭がかくりと垂れ、
淡い金髪がはらりと揺れた。]
うく、やべ……何だ……
流石に、ちと、寝ないと、拙い、か……
[マルキはふいに襲う眠気に負け、管理人室内の隅に置かれた
仮眠用の大きなソファーベッドに身を投げ出した。
眠気というには些か不自然な酩酊に近いものだが、
それにマルキが抗うことはできなかった。]
[結局このまま、マルキはこの人狼騒動の真相や黒幕について
「容疑者」たちに告げることはしなかった。
本当に人狼に喰らわれ命奪われる時になっても、
秘密の死守だけは最期まで続けてしまうことになる。**]
/*
村建て様お疲れ様です。凄くよく拾うなぁ、やっぱり素敵だなぁ。
これを堪能出来るだけでも、参加出来て良かった。
せめて、お邪魔にならない様に精一杯のロールを。でもそろそろ寝ないと。
― 商業棟・薬局 ―
…誰もいない?おーい。
[店内をざっと見た限り、拘束措置による買占めや盗難が起こっている様子はなさそうだ。
ただし、キャッシャーには誰もいない]
いくら解放されてるにせよ、不用心だよなぁ…
冷やすものと、消毒薬、絆創膏くらいはほしいかな。
[高めの棚を上から下に、左から右に見て回っていると、内ポケットの端末が震える。
先ほどのメールに返信がきたか、と。
ぼくは少しだけ、「新しい情報」に高揚していた]
は、 え?
何このリスト、ぼくの写真まで…
[そしてすぐに、首筋から冷えていった**]
美術商 グノは、ここまで読んだ。 ( B1 )
[図星発言>>0:241に一瞬押し黙るが、]
さてと、俺はちょいと本部へ行って確認してくる
何か見付けたら、何かの縁だ 連絡寄越そうか?
[yesと返事が来たならアドレスを教え、NOと返事が来たならそのまま行こうとした時、またメールが届いた。
ルシアンからか?などと思いながらチェックすると、最初のメール送信者から>>1>>2>>3。
ご丁寧に顔写真まで添付してくださったメールを読みながら、男は頓狂な声をあげてしまった]
容疑者あ?
[だってそうだろう。いきなり撲られて閉じ込められたかと思ったら、今度は「人狼容疑」。しかも見付けたら「殺せ」と来たのだ。
冗談にしても、悪趣味かつ質が悪すぎる]
ふざけたことしやがって
何が目的なんだか知らねえが、いい加減にしろよ
[舌打ちすると自警団の本拠地へ向かって歩き出そうとした。
呼び止められれば言葉をかわすだろう]
う…植物も動物も生き物です!ね!
[さまよわせる瞳を瞼の中に無理やり押し込めて。ゆがむ笑顔をにこりと。
思考の奔放さを恥じ、改めて理解しなおした。>>0:231
と、そんなところで一旦アドニスとの会話から意識を離そうとし。
真面目そうな会話は2人に任せ、2人の空気の隙間で他愛もない雑談を落としながら。]
体は、男…、心は女…?
…そう、…そうなのですね!ふふ、わかりました!
[口内で返事を>>0:234ささやかに繰り返しつつ、理解を深めるように。これもまた、こういう人なのだろうと落ち着ける。
そして自身よりも鮮やかな青がうれしそうに細められるのが、すごく優しげで。植物、というより花が好きなのかなぁと推測しつつ。
自己紹介へ応える納得の声を耳にし、先の推察から、自身も彼女へと納得をする。]
なるほど!花屋さんなのですね!
すごい、しかもこの手で育てたなんて…!!
[アースライト。脳に刻み込む。もし自由の身になれば絶対に伺おうと決めて。
花を支えるその手へ視線を向ける。]
やっぱりダメ。出られそうなところも、見事に封鎖されちゃってる。
[それから暫し、ドームの外側近くをうろついていた彼女は、落胆の色を濃くした表情のまま、独り言と盛大な溜め息をこぼすんだ。
店での彼女を知っている人が見れば、多分驚くくらいの暗い表情。
そんな彼女の端末に、再びメールの着信を知らせる音が鳴る。
連絡はドーム内部にいる者からのみ。それを知っているからこそ、もうサファイアからだなんて思えないままに、端末を取り出して内容を確認。
せめて顔見知りの誰かとか、知り合った誰かとかなら気が紛れるかな。
なんて思い、その内容に視線を落とすんだ]
―――…人狼とは、人智及ばぬ化物だとしたら。
護身に得る兇器は、人を害する為に選択するものなのだろうな。
[静かに漏らす独り言。
如何にしても逃れられぬ牙があるなら、得る刃は何のためか。
向ける先は何処へか、思考がメビウスの輪を描きかけて、頭を振った。]
………いかんな、思考が飲まれている。
[一度、二度。
揺れるアメジスト色の髪は小さな音を立てた。
三度目に視界を揺らした際に、端末が先んじて振動。
先ほど投げかけた公僕への激励へのレスポンスかと、端末を操作すれば、半分当たりで、半分が外れ。
揚々とした安穏な返信は想像の範疇だ。>>0:231
だが、ドームの管理者からの続報は予想外であった。>>1>>2>>3]
選択は―――…、そうか。
殺意の隣には暴力があり、反対には疑心があったな。
[眼を通した文面に漏らす感想も情動が足りない。
そんなものは居はしない、と否定する意識。
或いは、拒絶の裏に隠れる別の感情に眼を細め。
視線でピックアップされた11人の名とポートレートを追いながら、長躯はゆっくりと足を踏み出した。**]
……っ!
殺せって、どうして?
まだ、いるかどうかも判らないのに──!
[タップして開いた新着メールの内容>>1>>2>>3。
それを頭に入れてみれば、彼女は鋭く息を飲む。
静かに震えた声は、やはり一方的な状況に追い込んだ者への怒りに満ちている]
……ダメだ、落ち着こう。
[頭の中が沸騰しそう。
そんな感覚を覚えたのは生まれて初めてで、彼女はいかんいかんと首を横に振って、冷静になる為にそう吐き出す。
何かして気を紛らわしたい。
そんな気持ちから、教えられたイルドのアドレスを指先でタップするんだ]
[『馬鹿なメールの送り主には会えませんでした、今すぐ殴りたいです』とか、指先はそんな文字を打ち]
これじゃダメ、だよね。
やっぱり、時間置こう。
[人狼容疑者リストには知り合いもいくつか。そうして、知り合った人、今メールを送ろうとした者も。
それでも変わらず接しようとする彼女は、どこか甘いのかもしれない。
けれどもそう簡単に、彼女の思考は変わりそうにはないんだよね。
もう少し落ち着こう。
その為に、彼女は未だドーム内をふらふら彷徨うことにした。
場所はちょうど、ドーム中央の噴水辺り。**]
[まさか顔面を見て人間だと判別されているなんて思いもせず、彼の声が相変わらず落ち着く様子が無いことにどうしたもんだと溜息をついた。が、その一言が自分の目の色を変えさせた]
おい、いま。”見た”って言ったか?
何を見た?人狼とやらを見たっていうのか?
[余裕ありげな落ち着いた声から、前のめりな渇望を含んだものへ。動かすつもりのなかった足は一歩二歩と擦るように進み、口元には笑みが浮かぶ。
相手から向けられた敵意なんてお構いなし。そういうものには慣れている。金のために、望まぬ臓器を剥ぎ取られる者から向けられる目に比べたら可愛いものだ。]
逆に、だ。危険なものが居てくれなきゃ
ここから出る事も叶わんのだろう?
それなら俺は歓迎だ、ちょっと興味もあるしな。
[緩んだ口元はそのままに、半身を見せた相手へと近寄ったが]
ん、何だ?
[進めた足をぱたりと止めて、また送られてきたけったいなメール>>1を目線だけで開封し、目を通す。
…が。それはあまりにも、現実味を帯びすぎていた。
列挙されている名前>>2に、自分はおろか名を知ったばかりのベルやカルアも入っている。そして、グノも。
ご丁寧に撮られた覚えのない写真まで添えられてしまっては、明らかに恣意的な、選んで用意された人選と言う事になる。
あくまで自分は偶然ここに居合わせたと、思っていた。
だからこそ色々と楽観的に捉えていたのだが、あの仕事の依頼はもとより、自分を呼ぶ為だけのものだったようだ。
そしてこの時はまだ思い出せずにいたが、過去、自分に”無かった事にしたい死体がある”と仕事を頼んできた女の名前も含まれていて。
例の不自然な個体の名がリーンだと知り、その言葉が意味なす処を思案しては、僅かにまた期待が増す]
[それを、怯えた人物の前に渋々飲み込んで
視界の中では一通のメールを作成する]
宛先:Art Dealer
From:Little daughter
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ねえ。以前に私に話してくれた
狼でありながら人、
人でありながら人を喰らう個体。
それがもし手に入ったら、貴方は…欲しい?
[通信する必要が無いから当然といえば当然の事だが、男はまだ、外に向かって通信が出来ないという事を自覚していない。
奇しくもその連絡は、内部から内部だったが為にその事実にまだ気づく事は出来ないまま、楽しい仕事が舞い込むかも、という期待をビジネスパートナーへと匂わせた。]
あっ!アドニスさん、また!
[と軽く会釈。そんな時。たしたし、とふくらはぎをたたく柔らかな感触が。
見るとアドニスはメールを受信したようで。>>11
察し、ティンに目配せする。ブォと開くホログラムのメール画面。>>1>>2>>3
じっくり見つつ、先ほど見た顔、見知った顔、今隣にいる顔、初めて見る顔、そして名前を流しみる。
下部には、理解し難い言葉。
習慣づけられている動作で上から下へ手を大きくスライド。ティンの画面の中へ吸い込まれていった。]
殺し、合いってこと…?
[手で髪をなでつけて。理解したくてもしたくない事柄を、震える唇で繰り返しつつ。]
/*
死にたがりをやろうと思ったら、死にたがりじゃなくなったぞww
まあいいけどね、素村だし
適当に銃ぶっぱなして適当な頃に死ぬよ
―住宅棟1F―
[図星発言にも、何も返らない>>11。それ故に]
えーっとぉ、じゃあ、サボリのお兄さんの
お言葉には甘えさせて頂きますぅ。
……心強いわ。ありがとね、お巡りさん。
[さらり「サボり」だという断定を交えつつも、笑みと共に返した回答はYes。
右手で自身のポケットから円い掌大の端末を取り出し、教えられたアドレスをその記憶媒体に落とし込んだ。
そして――そのトルニーの端末にもまた、再びのメール>>1>>2>>3。
メールへの警官風の男の感想を耳にしながら、その時は黙ってその文面をじっと見詰めていた。]
……とりあえず、狂ってるわね、この管理人。
[眉根を寄せ、ぼそりと低く零した。]
―住宅棟1F―
[図星発言にも、何も返らない>>11。それ故に]
えーっとぉ、じゃあ、サボリのお兄さんの
お言葉には甘えさせて頂きますぅ。
……心強いわ。ありがとね、お巡りさん。
[さらり「サボり」だという断定を交えつつも、笑みと共に返した回答はYes。
右手で自身のポケットから円い掌大の端末を取り出し、教えられたアドレスをその記憶媒体に落とし込んだ。
そして――そのトルニーの端末にもまた、再びのメール>>1>>2>>3。
その時トルニーは、送られてきたその文面を、じっと見詰めていた。]
……とりあえず、狂ってるわね、この管理人。
[眉根を寄せ、ぼそりと低く零した。]
……いま、は……?
[こちらが投げかけた言葉もだいぶ突拍子もなかったが、対する返事>>0:230>>0:233に首を傾げる。
人狼、という存在そのものについて何か知っているのか、実在するものと感じているようなそんな印象を受けて、もしかしたら現状について何か聞けるかと再び口を開きかけたその時
ポケットの中の端末がメールの着信を告げた]
あれ、またマルキ=サンからだ…
……んー?
[そこに記されていた内容は、他者への憎悪や殺意を抑制されている彼女には更に理解し難いものだった。
解ることといえば、ひとつだけ]
…あなたはグノ=サン、ですね?
あ、それ……
[メールに載っていた写真と名前の一覧と目の前の女性を交互に見て確認を取り、それから先ほどは手にしてなかった雑誌に目を見開く]
[>>18思考は変らない。
人狼はいない。
だって彼女自身が、それなんだから。
とある研究施設のひとおおかみに恋をした父、それに応じた母。
まるで物語の様に、幼ない頃にサファイアは彼女の出生について聞かせてくれたんだ。
彼女の父親の従兄弟だからかな。化物に惚れた男の血縁は、自分が育て、親愛と女へ向ける情を注いだ相手を、許容してくれたんだ。
その身体を、貪ることもね]
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