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忍者 ナサニエル に 1人が投票した
傀儡使 舞葉 に 9人が投票した
傀儡使 舞葉 は村人の手により処刑された……
次の日の朝、幻術師 ヒューバート が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、忍者 ナサニエル、暗殺者 シャーロット、依巫 芹菜、調律師 すてら、隠者 モーガン、放浪者 ウルズ、オートマトン ミッキー、迷子 ヘンリエッタの8名。
[呑気に見ていたのもつかの間、舞葉の様子がおかしい事に気付いた時には既に間に合わない状態で―]
待―
[舞葉が目の前で暗い闇の底へ墜ちて行くのを、ただ見ている事しか*出来なかった―*]
― 枯れ井戸 ―
[何時の間にか傍の木の上から井戸を眺めていた]
[徐々に人が集まりだすのを静かに眺めていた]
[人形はドレスの裾を翻し音もなく地へと降り立つ]
御機嫌よう。
随分と大勢で、お散歩かしら?
今日は日がな一日、
其の井戸の闇を眺めていたけれど、
私には余り役立たなかったのだわ。
――枯井戸――
[少年が井戸の底を覗き込んだ。そう見えたのは一瞬とも、永遠とも感じられた。縁石を掴んだ両手を支点に、半身が揺らぐ――]
リッ……、舞葉っ……!!
[――そして少年は、円形の暗渠の中へと墜ちていった]
[モーガンの言葉の意がすぐには理解できなかった。]
[だって、あの幼子が自ら井戸へ落ちていくとは思いもしなかったのだから。]
――――舞……
[名を呼びきる前に目の前から姿を消す少年に、目を大きく開いたまま悲鳴をあげることも叶わず、呆然と井戸を見つめることしか…]
[耳を澄ませても底面への激突音は聞こえなかった。
代わりに届いた音は人形のように愛らしい朗らかな声]
――ヘンリエッタ。
――そなたか? 舞葉を唆したのは?
[日傘の娘を振り返り、うっそりと問いかけた]
***
私は其れを切り離す。
彼はもう休むべきなのだと思った。
彼をもう休ませようと思った。
だから私は其れを送る。
切り離す其れが悟られる事は無い。
仮令心を震わせ腐って居ようとも、
其れが負ける筈は無い。
其れは古よりの伝説の生き物。
私は彼を眠りへと誘う。
[人形を胸に傀儡使は闇へと吸い込まれる]
[言霊使いの問いにくるりと日傘を回す]
私は私の思う事を口にするだけなのだわ。
此処に居る限りは誰かをつき落とさなければならないと、
そう思いながら其の闇を眺めていただけよ。
余り役には立たなかった――そうか。
ならば、そなたが“闇より来るもの”か。
《深淵を覗き込むものは用心するが良い》
――古い言い伝えじゃ。手垢に擦り切れるほど、古い、な。
《お前が深淵を覗き込むとき、
深淵もまたお前を覗き込んでいるのだから》
――そなたが“闇より来るもの”であれば、井戸の奥底は同質の存在。そなたの役には立つまい。
然り。
この枯井戸は贄を欲する。
或いはそれは、“彼の地”に至ると念じて赴くのやも知れぬが。
何れにせよ、変わらぬことだ。
事実として、この孔は――この場に居る者を喰らい続けよう。
やがて彼の塒へと其れは沸く。
腐れ落ちかけた頤を開き吐くは竜の息吹。
灼熱の炎は一瞬で全てを焼き尽くす。
口許から零れる粘性の液体は、
甘い腐臭を漂わせていただろう。
私は殺す為に此処に在る。
其れは殺す為に殺す。
彼の声をもう聴けない。
彼の細い三日月の笑みをもう見れない。
彼の手はもう私の髪に触れない。
私は――…
***
舞葉…――十姫。
[どろりと絡みつく甘い腐臭が漂い]
[小さな手は赤黒く爛れ腐り始め]
[じくり] [ぐじぐじ] [じりじり] [ぐじり]
[見開かれた石榴石の瞳は揺れる]
[紅い人形は弱弱しく被りを振るか]
厭…醜くなるのは、厭。
[震える白い手が赤黒い手に触れ]
[触れた形に皮膚が陥没して戻らず]
[息を呑み薔薇色の唇は戦慄くか]
棄てられるのは、厭。
ひとりは、厭。
[石榴石の瞳から一滴の泪が零れ]
ひとりは――…寂しいのだわ。
[夢見ぬ眠りから目覚め、室内を見回しても人の気配はない。
不安げにソファーを離れ、片足を引きずって、屋敷をさまよう。]
…あぁ、ここに居たのか。
[気配のある部屋をノックし、芹菜の姿を見つけて安堵する。]
…井戸?
[昨日聞いた話を思い出す。
人狼を、井戸へ突き落とせと言い残し、この地の番人は無惨に殺されたと…]
[その場に力無く座り込み、井戸を見つめ続ける]
―――……。
[先程モーガンに言われた言葉が胸を刺すようで、両手で胸元を押さえたまま地面へと目を伏せた]
[いつしか老爺はしゃがみこんでいた。自らの心裡に囚われたかと見える少女に言葉を紡ぐ]
さあ、な。ヘンリエッタよ。そなたがひとりであるか、否か。
それはそなたが決めることじゃ。儂は、知らぬ。
ひとりだと思えばひとり。さにあらずと思うならさにあらず。
何れを求め、如何に動く?
[細身の杖を地面に突いて立ち上がった]
モーガン、闇は此処に在るのだわ。
[濡れた石榴石の瞳は井戸の闇を見詰める]
[貌の半面は見る間にも腐り赤黒くなるか]
闇を見詰めても、判らなかったのだわ。
この先に何かあると信じるのなら、
貴方も此処へ身を投げると良いのよ。
[闇を見据えた侭に濡れた睫毛が震える]
[井戸の淵を握る赤黒い指は感覚がない]
どれだけ想っても…いいえ。
想うからこそ届かないのだわ。
私はもう、醜いのだから。
[皆は井戸へ行ったのではないかと言われ、窓の外を見る。
小屋の一つから、煙が上がっているのが見えた。]
…火事!?
[粗末な小屋は見る間に炎に包まれて。
思わず飛び出す。
思うように動かぬ足が歯がゆい。]
ごめんなさい、
ファーカ、ごめんなさい。
今の私は醜いのだわ、
お父様に棄てられた程に。
心が震えると、
私は腐ってしまうのだわ。
貴方は私を嗤わないで呉れる?
只の人形が心を震わせるなんて可笑しいと、
そうして腐れ朽ちていくのは滑稽だと、
嗤わずに居てくれるかしら?
ヘンリエッタ!
誰がお前を嗤おうか。
お前はいつだって小さく綺麗で可愛く、そして強くて──。
ただの人形ならば心を震わせることすらしはしない!
腐れ朽ちて……私を置いて逝ってしまうのか?
お願いだ……お前が嘆くと同じように
私だって、「一人は厭だ」「寂しいんだ」!!
夜を越えれば朝が来よう。
闇の先には、無があろう。
それは一切が空となり一切が色となる世界。
[少女の傍らへ歩み寄る。同じように井戸の縁を掴んだ]
想う必要など無い。美醜など気にする謂われは尚更あるまい。
私をつくった者は、嗤ったもの。
「人形如きが心を持ち人を想うとは」
そう云って腐れ逝く私を嗤ったのよ。
そしてお父様は私を棄てたのだわ。
酷いわね、酷いわ、酷いのよ。
カーファ、貴女は一人で無を望むのに、
私が朽ちるのを厭うと云うの?
私は未だ此処に居て、
貴女を愛しく想っていると云うのに。
モーガン。
私は――…人形なのよ。
完璧を求められるの。
美しく在るのが当然なの。
私が其れを失う事は、
人が其れを失うのとは意味が違うのよ。
心を震わせ腐れたからこそ、
私は全てを失ったのだから。
[老人の言葉に薔薇色の唇が白く成る程に噛みしめ]
其れでも…愛しいと想ってしまったのだわ。
そうね、モーガン。
心を震わせ腐りながら、
私は私の観るべきものを観るのだわ。
[背を向ける老人へと視線は投げず]
[石榴石の瞳は濡れた睫毛が伏せる]
腐る前に貴女を抱き締めれば良かった。
一度だけ、お父様がそうして下さったのよ。
歌が上手だと、褒めて頂いた時に。
とても温かかったの。
今なら判る。
私は、嬉しかったのだわ。
ファーカ、私は貴女が嗤って呉れても、
――きっと嬉しいのだわ。
―――其れでも、わしはお主を愛しく思うよ。
涙を流す、お主のその姿が…。
[ふらり、立ち上がり血色の失せた顔でヘンリエッタへ力無く微笑み]
しゃあろっと、なさにえる…一度屋敷へ戻ろう。
此処に居らぬ者に伝えねばならぬ。
[視線を合わせぬまま、二人へと声を掛け。歩みを進めようとしたところで顔を上げる、徐々に強張って行き]
…風が…
[掠れた声で呟くと駆け出す、微かに漂う煙の方角へ]
嗤いたければ嗤うと良いのだわ。
人形如きが分不相応に心を持ち、
腐れて逝くのは滑稽だと。
けれど私は其の声を聴きわけ、
殺してからこの闇に投げ捨てる。
[絶対零度の静かな声が告げる]
[遠く聴こえる声に瞼を持ち上げ]
[紅く揺れる空に瞳を細めるか]
綺麗…
[無意識のうちに小さく呟き]
燃えているのだわ。
ステラ、貴女が見ているのは誰?
ひとりは厭と駄々を捏ねる子供を、
大人は嗜めるべきなのだわ。
[唇を尖らせふいと彼女の方から顔を背ける]
[駆け出す気配に顔をあげるも呼ぶ声が聴こえ]
[暗殺者へ向き直るより早く腕は伸ばされる]
――…
[どろどろと腐って逝くのに人形の胸は温かい]
[柔らかな肢体に包まれて震える腕は――…]
シャーロット…
[井戸に集まった面々から離れつつ、呟いた]
――それとても、枷。
心が宿るのは、肉にではなかろう。
心が宿るのは、《存在》そのもの。
清浄が不浄へと、聖なるものが穢されたものへと。
生者が死者へと、移り変わるように。
転価する事もまた誉むべきかな。
[井戸を振り向き、白煙たなびく空を見上げ、足元を見下ろした。搾り出すように呟く]
……愚かな、やつ、よ……。
……迷い、迷うて、迷い続けた揚句に果てへと旅立ったか。
――汝、輪廻せしや否や?
[ふわふわと揺れる紅毛を指先で梳り]
誰だって、「一人は厭」。
私だって──、
[同じ、と囁いて小さな体を抱き上げる]
[駆けるすてらの背中を見遣り、少女の言葉に紅く燃える空を見て]
私たちも、行こう。
[少女と抱き、黒い僧衣の後を追った]
今宵は貴女の邪魔をしてしまったわね。
ごめんなさい。
次ぎは貴女が望むならば邪魔をしないから、
想う人を送ってあげて。
けれど、ファーカ、
ひとつだけ覚えておいて。
若し其れを貴女が厭うなら、
若し貴女が望むなら、
私は何時でも貴女の刀に成る。
――うるず!
[前方に見えた銀色の髪へと駆け寄り、身を起こす様子に片手を添えて]
大丈夫か…?
…これは…如何したのじゃ…
[目の前に広がる炎に呆然と呟き]
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