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夢幻の竜騎士 マリア は 少年 ロジャー に投票した。
黒詰 ユージーン は 改造好き シャノン に投票した。
課長代理 マシマ は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
少年 ロジャー は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
記憶喪失 シュウ は シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ に投票した。
シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ は 少年 ロジャー に投票した。
赤貧宇宙人 ニーナ は 少年 ロジャー に投票した。
改造好き シャノン は 黒詰 ユージーン に投票した。
少年 ロジャー は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、課長代理 マシマ が無残な姿で発見された。
戦士ババルウ イター は立ち去りました。
フリーライター アーネスト は立ち去りました。
現在の生存者は、夢幻の竜騎士 マリア、黒詰 ユージーン、記憶喪失 シュウ、シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ、赤貧宇宙人 ニーナ、改造好き シャノン の 6 名。
[ランダムで選ばれたシュウの小型弾は、ナサニエルにとっては最悪の選択肢。]
それが来るか……。
このタイミングで。
[タイミングが悪く、消えなかった小型弾が星をすり抜けてナサニエルの機体に当たる
先程までの攻撃のダメージが貯まっていたため、それでも致命傷には十分]
フルスロットルオン、全速!
『ミストラル』右翼に総出力限定展開!
[現状火力不足の機体。それで重装甲の機体を落とすには如何すればいい?
右翼だけに、橙色の光が集中する。
幾許かの被害は出るが、落とされはしない。
白鋼色のワークス機の様に、体当たりを前提に作られた機体では無く、速度にぎしぎしと機体が軋む]
……――!
[クヴォルフィリアに対して垂直に機体を立てての、後方上空からの秋水一閃。
『ミストラル』を纏ったままの翼を剣とした、体当たり。]
[サンダーエースの弾幕には微動だにせず受け流す。
装甲値が下がっていくが、むやみに動いて翼を傷つけるよりはマシだ。
後ろに着かれるが、それよりもマリアのほうからロックがかかった事を気にした。
魔導砲の弾幕が、烏羽の全翼と、同空域に来ていたアルトキュムラスに集まっていく
全弾が烏羽の居た空間を、爆発がかき消していく]
パージ。
[男の機体は無事だった。
その高い防御力を誇る装甲は剥れ、翼一貫となったが
装甲がなくなったおかげで再び顔を出した死仮面は、後ろに着いたシャノンへ笑うように顔を見せただろう。
そして、端に全てを跳ね返せなかったアルトキュムラスが落ちていく姿が見えた]
―― 南東 ――
[マリアの体内時計が、もうすぐのピットインだと告げる。
だから、私はマリアの魔導砲にありったけのエネルギーを充填させた]
[黒い太陽に対抗して、雲を引き裂く陽光のルーン。
光のシャワーがアルトキュラスムとクヴォルフィリアに降り注ぐ。
それらは一見弧を描くように見えて時間差で次々とホーミングするスピードの速い弾幕]
[出力の上げすぎか、それともアルトキュラスムの堕ち際の攻撃を諸に受けたか、マリアの左肩が派手に跳ね上がり、私はくるくる回った。
精緻な計算がウリのルーン弾幕は、決して私やシャノンを狙わない]
――北エリア/高層――
[間髪入れず、もう一本の、より大きな矢が飛来。
しかし標的は僅かにずれた空間。追い込んだ先を予測演算しその間にエネルギー充填を行なっていたのだろう、と推測。
コクピットの中、少女は笑う。愉しげに、どこか残酷に]
ふぅん。随分と上から目線なヤツだとは思ってたけど。
それなりには、やるんじゃない。
けど――
[無秩序な散弾の渦が晴れ、ナサニエルの機体が姿を現す。
表面には幾多の損傷。恐らくは致命傷とみえた]
ここまで、だね。
[だが。
その時、発生する異常。
少女の左手首。ピシリ、と電撃にも似たショックが走った]
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択しなさい▽
▽ターゲットを選択しなさい▽
[唐突に響く女性の声。
銀色の球体が虹色の彩りに覆われる。
はっとスクリーンを見れば、眼前のナサニエル機も同様に――その周辺空間が、虹色のバリアめいた膜に覆われていた]
な、なに……?
これ……!?
[狼狽した声をナサニエルへと向ける。少女が取り戻した“記憶”の範疇には存在しなかった事態。何が起きているのか分からないといった口調で]
ナサニエル、あなた一体、何を組み込ん、――!?
――北エリア/高層――
[ナサニエルの機体を覆う虹色の膜。
黒騎士の左手首でも同様に、『禍珠(フォルスコア)』が虹色の輝きを帯びた。互いに共鳴するかのように、色彩のダンスが激しさを増し――真紅へと転じた]
何故、後ろをそう簡単に取らせたか、わかるか?
それは、一番防御力が高いのが、後ろだからな。
[男はサンダーエースの体当たりをむやみに避けようとはせず。
そのまま流した。
後部から突撃してくるサンダーエースの翼剣に、烏羽の全翼が切り裂かれていく。
だがその翼剣は、死仮面の笑みを止めることはなかった。
サンダーエースの翼剣は死仮面の口のようなところで止まる。
近くで見るシャノンには、砲から出ている黒い光に翼が留められたのを見るだろう。
遠くで見るマリアや観客には、サンダーエースの翼剣が死仮面の口に真剣白刃取りをされたように見えるだろう]
さて、痛みわけでタイムアップか。
[男は、ブラスターをリミッターを外さず、熱さが機体を駆け巡る程度のものを吹き付けると、堕ちるかのごとく、戦線を離脱していった]
[マリアの両腕が真っ赤に染まる。
対峙する前から動かなかった右腕。弾けとんだ左腕。
真っ白になったマリアはぱさりと私の背中に倒れこみ、水晶の瞳を閉じた。
ナノマシンを運ぶ液体、血液の著しい減少]
[多くのナノマシンを失って、そのお陰か、それとももともとピットインまで持てば良かったのか。私の頭の中で回り続けていた音楽が止まった]
[私はマリアほど精度のない瞳で堕ち行く雲をぼうっと視線で追った。私よりうっと上手く風に乗り、動いていた機体]
(……アンギャルド)
[上手く気流がつかめない。
ぐぐ、と私は高度を下げる。ピットインの時間だ]
(――はは)
(次に私が落とさないといけない、私を殺すかもしれない機体の名か)
[私がゆっくり視界を回すと、目に入るのはサンダーエースの翼剣を受け止める黒い鳥]
[どちらも堕ちていないことだけ確認して、目を閉じる]
[時間切れ。ピットに着陸するときは地に足はつかない。転がるように胴体から腹をずった**]
――北エリア/高層――
[慌てた様子で全方位センサを呼び出し、周囲の機体状況を確かめる。球体スクリーンに映し出されたのは、推力を失って墜落していくマシマの機体]
どうして――わ、たし。
起動言語(トリガー)、使って、ない――
[それでも、白鋼の機体が墜ちていく姿は紛れも無く、“核”の停止によるもの。沈黙した少女へと、大会本部のアナウンスが届いた]
『間もなく、インターバルに入ります。
各機は弾幕兵装および近接兵装への施錠を行い、本部までコマンドログを転送してください。受領が遅れた場合、規定のペナルティ対象となります。繰り返します――』
……ナサ、ニエル。
[生まれた疑惑。今までの彼の口ぶりと状況からして、恐らく意図して発動させたものではない、とは思えたが――確認はしておく必要があった]
……今の、あれ――まさか、あなたが、やったの?
[男はボロボロになった翼を風に乗せ、ピットに舞い戻る。
少し思うところがあるが、男は烏羽の全翼を何かを言うことはしなかった。
それは心うちにしまいこむ。
「黒ピチー、魅せるねえ。
クヴォルのスポンサーの1人がシンケンシラハドリ、スバラシー!!!とか言ってたわよー。
さて、フィリアはこの天才のあたしが直すから、どっかにいってなー
休みが終わるまで戻ってくるんじゃないわよ?」
男は、やや渋った顔を見せつつ、ピットから外へと向かっていく。
烏羽の全翼は、また羽ばたけるのだろうか**]
[ばきばきと機体の壊れる音、衝突に伴う酷い振動。
それがどちらの機体の物かは判らない、実の所両方なのだろうが。
機体が停止した所でそろりと目を開ければおどろおどろしい形をした主砲の目前。
黒い光と橙色が拮抗するような形でサンダーエースが止められていた。]
……うぅ…。
[けれど、砲撃は無い。
ふと計器を見れば、折り返しであるロングピット。
アナウンスが跳ねるような心音を上書きして、耳に届く。]
[スラスターを逆噴射させ、クヴォルフィリアから機体を外す、全て終わってみれば――冷や汗で手の平がぐっしょりと湿っていた、今落されていないのは唯の幸運だと。判る。]
[震えが、抜けない。
回りも、見えていなかった。
がつりと横殴りに風防を、叩く。
自分が、不甲斐無さ過ぎる。
そのままアナウンスに従い、軋んだ機体をピットに投げ込むまで、一言も喋りはしなかった**]
―時間軸少し前・北側空域最上層―
―――いた。
[戦闘空域をほぼ縦断し、ようやく見つけた。黒い騎士だ。他二機の戦闘機型BFと戦闘を行っている。
次は、あとを追ってくるはずの二人に座標を知らせ、必要であれば機先を制する。
…それだけだ。恐れることなんかない、怖いことなんて何もないと自分に言い聞かせた。それでも鳴り出しそうな歯の根はぎゅっとかみ締めて、体と、機体と、戦意を、そこに留めておくことに専念する]
…っ…ぁ…ぅ…
[その、視線の、先で。黒騎士と共闘しているように見えた白鋼の機体が、赤い光に、包まれる。
優勢に見えたのに、なぜ?と、理性が疑問を投げかけるが、それどころじゃない。こわい。こわい。こわい。
それでも。何のために、その空域までやってきたのか、何のために、共闘する二人を危険の中に置き去りにしてまで、ここまできたのか、その一念で、その場に踏みとどまった。一部始終を、その目で見届ける。そのことに、集中した。体の芯からあふれ出してくる震えは、パイロットスーツごと、ぎゅぅっと抱きしめて押さえ込む。そのからだが不意にほぅっと暖かくなったのを感じて、不思議に思う。
フヅキだった。フヅキが、パイロットの体温管理機能を作動させて、暖めてくれている。
それを支えに、じっと体をその場に押し留めて。そして、白鋼の機体が落ちていくのを見届けて、改めて、ウィリーとシャノンに繋がる通信回線を開こうとする。
大会本部からのアナウンスを受信したのは、そのときだった]
…フヅキ。
全弾幕兵装を停止、以降、施錠ならびに報告処理をお任せします。
機体制御をすべてマニュアルに。
…戻りましょう、フヅキ。
[眼下では、一足先にコマンドロックを終えたと思しき黒騎士が、ピットへと降下していくのが見える。その背を見送り、心底ほっとする。
誤魔化す必要がなくなったのだから、もうガマンすることはないだろう。全身の力が弛緩した。だって、怖いものは怖いのだ]
…けれど、いずれは墜さねばならん相手であります…。
[いつまでも震えているわけには行かない、と、背を伸ばした。ウィリーのコアを止めさせるわけにはいかないのだし…と決意を新たにしたところで、また別の不安が鎌首をもたげた。
二人は、無事だろうか]
無事だと、いいのですけど…
[小さく呟き、機体をピットにふわりと着陸させる。
そこからは、一人の仕事だ。もとより整備スタッフなどいないし、各所に何十年も昔に廃れた技術が平気で組み込まれたリトルアースは、仮に人手があってもなかなか手伝ってもらうわけにはいかない。
それに、フヅキの中枢には、誰にも手を触れてほしくなかった。
と、なれば、否が応にも自分ですべての整備を終えなければいけない。
それに加えて、この機体損傷だ。
ピットインタイムが長く設けられているとはいえ、果たしてすべての補修を終えることができるだろうか。幸い、資材面ではきわめて…それはもう、機体自体を組み上げたときと比べてさえ遥かに…潤沢ではあるのが救いだった]
フヅキ、特に損傷の深刻な部分、作業を後回しにしやすい部分を優先的に各部部品の強度を再計算。
組み替えられるところは組み替え、省けるところは省いていきましょう。
それと―――アンリミテッドコードの使用を前提とした再設計ならびに改修も、可能であればそのように。
[告げながら、パイロットスーツのバイザーを被り、そこに映し出される情報を頼りに作業を進めていく。
あわよくば、二人の安否確認や、例の黒騎士のパイロットにも、直接面会することが出来るだけの時間が残ると、いいのだけど…**]
……あれ?
[墜落していくであろうはずなのに、何の衝撃もない。]
助かった、のか?
[きょろきょろと様子を見渡すと、墜ちていく機体が見えた。
そう、まるで自分がそうなっていた筈の運命を戦っていたはずのマシマ機が受けていた]
馬鹿な、どうして−……!
まさか……。
[今回起こった事象についての最悪の可能性に気がつく。]
一つは墜落しそうな時に、打ち込んだ相手を確実に巻き込み相討ちに持ち込むために打った物が、シュウには使えなかった為に手近なマシマに行ってしまったか、あるいはマシマに誤射したか。
もう一つは、マシマ機のコアのエネルギーを奪ったか。
実際今は機体のダメージの割に損傷が小さいというか、違和感があるようにも思える。
多分父や母は私を守るためにそうしたんだとは思うが……厄介な者だよ。
……生きて、いるか。
[もう駄目だとは思ったが、ぎりぎりで切り抜ける。
それでも墜ちないナサニエルに地上から歓声が上がっているかも知れないが、それを考えている余裕は無かった]
……マシマっ!
[戦闘相手であった機の墜落に目を取られる。]
私の打ち込んだ相手はあの黒い騎士のはずだったが……。
まさか。
[考えたくない可能性。]
墜落しそうな時に、まさか無意識にマシマ機を攻撃してしまっていた、のか?
[自分のBFに大会直前になって乗せた装甲。それはかつて、事故のあった惑星に勤めていた、幼い頃に別れた両親の物とわかった。]
父と母は、私を守ってくれたんだな……。
[しかし、その心中は複雑な物であった。共に戦いたいと思った相手をそのターゲットに選んでしまったのだから]
―― ピット MiddanEdenブース ――
[MiddanEdenブースに、私とマリアは運び込まれた。
べり、と、音を立てて動かぬマリアが私から引き剥がされた。
私はうずくまって目を閉じる]
[小人と人型鼠が大きな担架を引きずってきて、マリアと装備をどこかに運び去った。私の体に小人が上り、機能していない翼を小さな鋸でぎぃぎぃ切り取り始めた]
[私はMiddanEdenのサイトにアクセスをする。
そこには、モニターと称してマリアと私の修復情況がリアルタイムで載せられていた]
(……まやかしばかりだな)
[私は、マリアの損耗情況を思い出して目を瞑る。
あれだけ損傷していれば、おそらくあれは廃棄処分だろう]
[目の前を、眼鏡をかけて白衣を着た妖精が時計兎としゃべる]
【イマイチ上手く動かないねえ】
【ですねえ。
攻撃衝動を高めても、向かうべき相手にいかない。
やはり短期刺激型では複雑な運用に無理がありますね。
戦闘プログラムが容量くいすぎるんですよ】
【シナリオ班は?】
【急ピッチで作業中です。
フロッグスター主任がなんとかなる、と】
【ああ、あの天然人蛙か。
天然は厄介だから監視だけしておくか】
[私は不覚ため息をついて、聴覚をオフにした。
ネットワークにアクセスして、各種通信回線を探る**]
――地上/アンクルおじさんの酒店――
[大会本部近くの酒場の一角は8人の客で埋められていた。
町の修理工場の面々6人と、焼きそば屋台の店主と、少女。
店主は北エリアのスタンドで見知らぬ面々と酒盛りをしつつ観戦していたようで、最年長の男にマシマ機の様子をより詳しく話していた。
――しかしそのマシマ機も墜ちた。もう、両手で数えるくらいしか、飛べる機体は残っていないのではないか。
話の終盤、店主は赤ら顔を少し真面目な表情にしてはっきりと言った。
「赤い光が見えて、その直後に白鋼の機体が、突然動作が止まったかのように墜ちていった」と。
飲んだくれのたわごとと思うことは少女にはできそうもなかった]
[隣のテーブルでは情報通を中心に残る修理工場の面々が「ありえない」墜ち方をした機体の墜落の原因を話し合っていた。
誰が振ったのか知らないが話の内容が、20年前の”事故”により廃棄されたという惑星、そこで開発されていたBigFireにまつわる虚実入り混じった様々な説にまで及んだ頃――]
ちょっと、外の空気を吸いに、行ってきます。
[それだけ言うと少女は手元にあるかごを持って酒場を出た。
かごの中身は差し入れ作戦用に一応作っておいた焼きそば6(6)パックと焼きそばパン4(6)個]
―― 大会本部/格納庫 ――
[アルトキュムラスの機体が、特殊フィールドバリアに受け止められ、搭乗者は一時大会本部建物へ、機体は格納庫へと戻されていた。
アルトキュムラスの健闘、それを讃える拍手が上空では起こっていた。]
「ロジャー、墜ちちゃったね。」
[白兎の言葉に一つ頷く。
インターバル時における、アルトキュムラスの機体整備の補佐要請の不備の指摘。大会運営本部へ補佐要請がなされていない事、年齢が幼い事などからの見落としの可能性を知らされ、もしこの時間ロジャーのBigFireが空に在ったならば、一度グレンが向かうという話になっていた。]
[グレンは格納庫近くにある小型BFに向かう。
途中、誰かからグレンのスタッフ端末番号に連絡が来れば一緒に連れていくかもしれない。]
今から追加資材を届ける。
リトルアースの機体、兵装は現在の部品で補っている。
整備者の腕によるが、念のため、一部適合規格のない部品の代用より、本物《レプリカ》を持っていく。
先程、”本館”から届いた。
[”本館”、それは「大会」が行われている会場(エキシビション施設)から離れた所にある、BigFire学術協会によるBF博物館の事である。
本館施設は、BigFire関連の展示・保管の全てを一手に引き受けている地球最大のBF施設であり、其処から送られてきたものだ。
搬送に都合良い小型BigFireでピットに向かうと、整備中のニーナ、そしてリトルアースの所に行き、その旨を伝えて傍らに*資材を置いた。*]
[男は端末をいじりながら歩く。
目に入ったのは、センパイの記事]
あのセンパイがね。
[男は赤い光について考える。
センパイの機体は、最高速度ではクヴォルフィリア以上。
そして機体の大きさもある]
これは骨が折れるな。
さて、本当に骨が折れてるだろうセンパイを見舞うか。
[男は治療室に居るだろうマシマに、大会のスタッフに言付ける。【死ぬと寝覚が悪い。】
花を一緒にどうかと聞かれ、しぶとさの象徴のようなものを頼んで贈った。]
―― ピット ――
[白兎は、ピットの各ブースを見回している。
じ、と暫し特定の機体を見つめているようだが、その些細な行動は、小さな白兎の行動として特に目をひくものではない。
グレンはリトルアースから一旦離れると、搬送用BigFireから湯気の立っている餃子パンが29個入っている籠を持ってきた。]
大会スタッフのグレンです。
話は本部よりお聞きしました。
こちらは差し入れです。
「クヴォル」がコアに関わる声が聞こえるとか。
何かあれから分かりましたか?
[GRAVEの女史に余裕がある時を見計らい、切り出した。
「餃子の王子」――お前なんか、包んでやる――という宣伝文句で有名な、大会の協賛企業の一つだ。]
(>>24のつづき)
[地上は相変わらず平和だった。
ふと空を見上げると風船がふわふわと浮いていた。
空もまた、平和だ]
……あ。
もしかしてピットって空にしかない?
[だとしたら。
長いピットインの間に兵装交換等をできるくらいの人手があれば選手が地上に降りることも可能だが、兵装交換等を一人でやらなければならない場合、果たしてその選手は地上に降りてこられるかどうか]
……つまり、差し入れ作戦をしっかりと行うには、結局グレンさんの力を借りなければ駄目、ということだね。
[というわけでさっそく大会前に教えてもらったグレンのスタッフ端末番号に連絡をかけた]
もしもし、ダイアナです。ピットに行きたいんですけどどうすればいいですか?
……ええ、参加者に差し入れを持って行こうと思って。
[単刀直入だった]
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