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それに、ヨダカさんの料理はいつだって美味しかったから!
知ってる?美味しい料理を作る人に、悪い人はいないんだよ?
[なんて冗談を言いながら、口の端を小さく持ち上げてみせた。
アタシが出来る精一杯の笑顔を見せてから、もう一度真っ直ぐにヨダカさんを見つめた。]
……いつも、アタシの背中を押してくれてありがとう、ヨダカさん。たくさん、元気を貰ってました。
アタシ、この島が消えても、頑張るね。記憶が消えても、思い出が消えても、絵本はきっと描き続けるからさ。
…もし、どこかで見つけたら、読んでくれると嬉しいな。
[そう言うと、また不器用に微笑んでみせたんだ。]
>>319〜 アンダーソン
早足で、あの夜。
彼の隣へと立った、その場所へ行けば。
遠目にもすぐにわかる、彼の姿に。
嬉しそうに、それが当然のように、彼の隣へと並び立つ。
「まさか、島の放送ジャックするのは思わなかったので…びっくりしましたよ。
でも、…先輩らしいと言えば、らしいですね。」
何故だか彼の前では、自然と口の端が上がってしまって。
もう。一度その灯が吹き消えてしまった自分たちの存在は酷く朧げだけれど。
「さっき、聞きました……。進化させる時間、なかったなぁ………」
なんでもないような彼の口調に、自分もなんでもないように頷く。
「……まるで正反対ですね…でも、だから。アンダーソンと僕だったのかな……。」
なんでもないような彼の口調に、自分もなんでもないように頷く。
「……まるで正反対ですね…でも、だから。アンダーソンと僕だったのかな……。」
助けられなかったあの子を。助けられているのか。助けることが出来るのか。
やっぱり僕にはそれは願いで。本当にどうなるかなんてものはわからないけれど。
「僕は、僕さえいなければ、きっと。僕を捨てた僕は。あの子を救えていたんだと、手を伸ばすことが出来るんだと。思っていたんです。
僕という、臆病で不要な存在がいなければ……」
それは、今も。やっぱり不安で。それはどうしようもなく。きっとずっと、付き纏うものなのだろう。…けれど。
「さすが、ナガオ先輩ですね。」
彼の。願いのような、祈りのような。その不思議な魔法に。泣きたくなるくらい嬉しくて。
「先輩は……アンダーソンは、僕のヒーローです。」
「……副部長。アンダーソンとOH2クラブ…そんな世界もあったのかな……きっと、一緒にやるなら楽しいですね。」
もう、叶うことがないこの世界でのあったかもしれない日々に、少しだけ残念そうに目を細める。
「僕は、もし僕が、元に戻って。手を伸ばすことが出来たとしたら。それはきっと、誰でもない。アンダーソンといて、アンダーソンの。誰かを助けたい、そんな言葉を、背中を、一番近くで見ていたから。……そのおかげなんです。」
だから。助けたいという気持ちごと、捨てられた彼も。もう捨てられることなんてきっとないと。胸を張って。
確かにアンダーソンは、ナガオアサギは、隣にいるカワモトリツを、助けてくれたのだから。
>>373 カネコミズキ
「……いや、困るというか……色々腑に落ちたっていうか、驚きすぎて言葉も出ないというか……」
眉を下げて苦笑する。そんなハフリベを、腕の中からカネコさんが仰いだ。
高いところで月が冴えて光っている。頭上から差す月の光は様々な事物の影を長くのばし、ほんのりと淡く辺りを染めていた。
ハフリベを見上げる彼女が、その中で一番綺麗だ。
彼女がハフリベにして欲しいことが、手に取るように分かった。
カネコミズキがずっと欲しかったのは、使い古された言葉でも、無責任な大丈夫でもなかった。
薄い唇が、やさしい形に笑みをつくる。抱き締めていた腕をほどいて、夜風にすらすらと揺れる髪に覆われた、ちいさな頭に手を置いた。
節くれだった広い手で、そっと彼女の頭を撫でる。
そして。
ミカヅキネコではなく他ならぬカネコミズキに。
「よく頑張ったね」
彼女が求めて焦がれていた、
送る言葉を贈ったのだ。
>>386 タニグチ
[友人からの、肯定の言葉。
それはこんなにも自分に自信をくれて、自分を勇気づけてくれるものなのかと。
ただただ、心強く、頼もしく思う。]
私も!
サカエちゃん大好きー!
[嗚呼、私は。
これからも大丈夫だ。
元の人格と共に、一緒に、歩いて行ける。
そんな確信を持って。友人に笑顔を向けた。]
>>367 イノマタ
美味しそうに飲んでくれる様子を見て、微笑する。
「良かった。センセイに喜んでもらえたら、アタシも嬉しいわ。
もう新作が見られないのは残念ね……と、いうか、本当にね?持っていきたいくらいなのよ。
アナタのお話は読んでいると心が温かくなるから。
でも、持っては行けないから……それなら、ピョン太にあげたいなって」
許しを貰い、ほっとして、ピッ、と姿勢を正して敬礼した。
「ありがとう。きっと、あの子も喜ぶ。
アナタとご近所さんで嬉しかったわ、イノマタちゃん」
>>390 イノマタ
「…………ありがとう」
謝るべきなのかもしれない。私のせいなんだよって。
君達の居場所を奪ったのは私。そう言いたかったけど、きっと許されてしまう。
それは駄目なんだ、私は許されない。
罪の十字架は私が背負うから、本当の君は幸せでいてね。
あれだけ優しく真綿で包んでいたのに。最後の最後で、密かに突き放す。
そして、それを表にも出さずに微笑んだ。
「それは餞別だよ。私はイノマタくんしか知らないから。だから、それは君のもの。
……さて、そろそろさよならだ。ちゃんと帰り道に気を付けるんだよ」
元の人格に戻った後、その人生が君にとって幸せなものでありますように。
勝手に幸せを願うよ。
私は、私のやりたい様にやるって決めたから。
イノマタの背を最後まで見送った事だろう。
>>389 ミズタニ
頬杖をついて隣を見ていたが……とびきり甘えた瞳でこちらを見つめるヒナの視線から逃れるように、目を閉じて眉間に皺を寄せた。
「……あのさ、ワザとやってる?」
困る。
「……婚約者に捨てられた哀れな男に勘違いさせないで欲しい。
無防備すぎるって前も言った」
「……嫌いじゃないってことは、嫌いじゃないってことだよ」
最後の抵抗だった。
全ての記憶と、かけ違っていた認識を取り戻して、気付いたことがいくつもある。
合宿と称して二人で行った北海道旅行。
男二人で動物園で年甲斐もなくはしゃいでしまったり、目をあからさまにとろんとさせた梶先輩の「さっぽろテレビ塔に行きたい」という我儘に付き合ったり。
真夜中に散歩に出た先で偶然見つけてしまった心中死体を、二人で埋めたりもした。まったくもって完璧なプランニングである!
半ば無理やり連れられたとはいえそれなりに充実してしまった合宿で、よりによってその日に、先輩は死んでしまった。
風呂からあがって帰ってきた客室で首を吊る先輩を見た時は、何かの冗談かと思った。
宮地に対する当て付けとすら思った。先輩は自分を追い込んだ宮地啓を、心の底から怨んで死んだのだと。
だけどきっと梶先輩は、他ならぬ宮地に赦されたかったのだろう。
先輩は、幼い頃の経験で死ぬほど傷付いていた。
だから、普通ではない人生の中に、ほんの些細な普通が欲しかったのだ。そこに神性なんて見出さずに、本当にただの後輩でいれたら。
あの林道で手を差し伸べられた時点できっと普通なんて無理だったけど、だけどもっとちゃんと宮地が先輩のことを理解していたら、先輩がこんな形で赦しを乞うことはなかった。
それは暴漢を殺したことよりも、死体を埋めてきたことよりも、宮地にとって何よりも罪深いことだった。
宮地啓はそろそろ先輩を赦さなければならない。自分のことだって、赦さなければならない。
だから、きっとこの島がなくなることは、宮地にとっても必要な過程だったのだろう。
ところで、ハフリベケイが棄てられたことで今、現実世界に存在しているのは、自分を梶悠だと思い込んでいる宮地啓だ。
その事実を改めて認識して、突如これからハフリベが迎える現実的な問題に直面する。
「………」
梶先輩だと思い込んで過ごしている宮地啓は、きっと、先輩の意思を継いでビジネス死体遺棄を続けていることだろう。
時間に厳しかった先輩に倣って、厳格なスケジュールのもと死体に土をかけている。
梶先輩の手伝いをさせられていた頃は、気持ちとしてはいつも被害者だった。罪悪感に苛まれていても、人を殺した手応えを感じていても、まだ自分が悲劇の主人公だと思っていた。そうじゃないと耐えきれなかった。
けれど、宮地啓が“先輩”になってから、死体を埋める依頼をすべて自分で行っていたことになる。
数で濃度が決まるとは思わないが、もう言い逃れはできないだろう。
ハフリベがここに来てからどのくらいの年月が経っているかは分からない。
ハフリベは“自分自身”に、「もうそんなことをしなくていいんだ」と言ってあげられるだろうか。
ハフリベケイが宮地啓に戻れば、この島で起きた一切を忘れる。
自分と同じように棄てられた人格たちとの出会いも、そこで得た生あたたかい平穏も、今回起きたこの一連の出来事も、皆の想いも──カネコミズキを抱きしめた夜も。それによって得たものだって、全て忘れてしまうのだ。
だけど、忘れてしまっても。
きっと魂は覚えている。
もしもあとかたもなくその存在が消えてしまっても。
今の自分が死んでしまっても。
覚えていると言ってくれた人がいる。誰かが覚えてくれている限り、この世から完全に消えることなんて不可能なのだ。
────それを他ならぬ自分が承認しよう。
>>384 アリア
まだ肌寒さが残る夜。羽織りを二つ用意して、彼女の肩にかける。縁側に正座をして、ただ真っ直ぐ海の無能の景色を眺めた。傍らには理想の世界を目指した同志がいる。同じ理想を……分かちあった片割れだ。
「………終末の色は何色でしょうね。黒でしょうか。目の覚めるような白でしょうか。……アリアは、元の世界に戻ることに不安はありますか?」
静かな外の空気に妙に緊張し、彼女に質問を返した。その答えを聞いてから、ぽつぽつと自分の話を始めるのだった。
「……アリア。私は、このときを忘れません。君の言葉の一つ一つが勇気をくれたことも。懸命に頑張っていた姿も。こうやって共に理想の世界を目指したこと。
これだけでもう、私の中では”理想の世界そのもの”だったのですよ。それを共有したのがアリア、君で本当によかった」
肩を抱く。遠くの景色を見る。一生忘れられそうにもない世界の崩壊を、この傍らの温もりを本当に忘れてしまうというのだろうか。
元の世界に溶け込む時が近付いている。溶け込んだ時には笑って過ごせるのだろうか。自分を愛せればいいなどと考えながら。
終末が近付いて来るのを待つのみであった。
>>399 マスジョウ
[眉間に皺を寄せているその顔に、しょぼんを眉尻が下がる。]
わざとじゃないもん……
[聞きたい言葉は聞けず。
けれど、嫌われてはいないっていう繰り返しの言葉は得た。それなら……それで、良いのかな。]
わたしはねぇ、ママのことだいすきだよ
だから、ひできさんのことも、しりたいよ
もとのせかいにもどったら
ななせひなといっしょに、あいにいくから
だからさ、ぜんぶ、おしえてね
それでもたぶん、わたしは
だいすきだよーって、いってるよ
[酔ってるから、難しいことは考えられないよ、なんて。好き勝手に喋り倒す。自分の言いたいことを告げる。
だってそれが、ミズタニヒナだから。]
モリタくんの話して、自分の気持ちに気付いて、元の人格に戻る。私は、私であった。混じり気のない純粋な私。
捨てた私はどうなってるんだろう。
きっと、感情的で真っ直ぐで、ことある事に一喜一憂しているはずだ。そんな想像したら面白くなってふふっと笑ってしまった。
モリタくんから貰った便箋をぎゅっと抱き締めながら、星原を見上げる。そこには星の海を泳ぐ2つの影。
「スゴく不思議」
そう呟いて寝転がる。
「写真。やってみようかな。」
両手で枠を縁取り、空に向ける。
三日月の周りの空は群青色で、綺麗なグラデーションとなっている。チカチカと煌びやかな星々が散りばめられて、まるでシャンデリアだった。
私も、一瞬でも輝ければそれで...。
すっと目を閉じて深呼吸する。
お父さんの様に、綺麗な写真が撮れるといいな。
>>369 >>387マスジョウ
「がんばった」
頭を撫でられ、マスジョウちゃんの言葉を口にします。わたし、頑張れていたんだ。うん、頑張った。
彼のそばに居続けました。努力しました。恋をしたかった。理解しようとしました。愛そうとしました。それは紛れもなく、わたしの意思でした。
自分を褒めます。照れくさいので、ビールを飲みましょう。ええ、もう浴びるほど飲んでやりますとも。閉店セールなのは知っているんですからね。ぐびぐび
「ラッキーガールになれましたね」
つられて手を叩き、頬が緩みます。緩んだと思っただけで、もしかしたら真顔のままかもしれませんが。
「わたしも、マスジョウちゃんが1番です。1番のズッ友です」
面白いことが言えない。そう思うわたしに面白いと言ってくれます。
陰キャで根暗でどうしようも無いわたしを対等に見てくれたマスジョウちゃんは、バーのママでもあり、わたしのお友達です。
「貴方と友達になれてよかった」
わたしの背中を押してくれる人がいる。嬉しくて嬉しくてたまりません。
みなと話し終えたどこかの時間。
ピョン太を弔うことにした。ビショップの役割だったアマノにも一緒に来てもらうようにお願いしただろう。
店の裏で、枯葉を集めた。ボロボロになってしまったピョン太をそっ、とその中心に置き、張り紙用の紙の残りに火をつけて、空に送った。
イノマタから許可を得たら、後で絵本も数冊、ピョン太への手向けとして空に送ってあげた。
ピョン太との思い出を思い返しながら、手を合わせる。
(ピョン太。ずっと一緒に居てくれたのに、酷い仕打ちしか出来なくてごめんなさい。
ピョン太と一緒にいた時間は、香坂秀輝にも、マスジョウヒデキにも必要で、宝物。
今まではピョン太と二人きりだったような気もするけれど、この島で捨てられた『俺』を好きでいてくれる人は居てくれたことを知りました。
もうすぐ、俺もピョン太と同じように消えてしまうけれど。どうか、見守っていて欲しい)
>>354 カワモト
[これは、きっとアタシの初恋だった。
初恋は叶わないって、誰が言った通り、この恋が叶うことはないのかもしれないけど。
笑顔のアタシを見つけてくれるって約束したから、きっとまたどこかで再会出来ると信じてる。
アタシの言葉に、湯気が出そうなほど真っ赤になった顔はゆでダコみたいで、ちょっと可笑しくて笑っちゃったけど。
それも大好きなんだなぁって思って、少し恥ずかしくなっちゃったのは、ここだけの秘密。
そして、思い出のプリンを2人で食べて、穏やかな時間を過ごした。
残り少ない時間の中で、アタシと一緒に時を過ごしてくれた。それだけで、本当に嬉しかったんだよ。]
────ねぇ、リツくん。
[別れ際、彼との時間が終わる頃。
背の高い彼の腕を引いて、少しだけ背伸びをして。彼の耳元に唇を寄せた。
なぞなぞの理由はわからないんだって、あの時話したみたいに、こそこそと小さな声で。]
アタシの本当の名前はね、"九条 まりあ"って言うんだよ。
[この島の誰にも明かさなかったアタシの名前。
見つけてくれるなら、忘れても忘れてくれないなら、教えたって、いいよね。]
じゃぁ、またね。リツくん!
[腕を離して、笑顔で手を振ったの。
また会えるって信じてるから。それに、ハンカチだってまだ返してもらってないもんね?
…ありがとう、アタシの大好きな人。
また会えるその時まで。さようなら。]
>>376 マスジョウ
ママは俺の言葉に応えるように、香坂秀輝を出してくれる。
「香坂秀輝か。ははっ俺も同意見だ!
勿論だぜぇ!俺らの友情に乾杯!」
少しの安堵と大きな喜びを隠して、グラスを鳴らした。
上等なワインのようだったが、まずは一気に飲み干した。
2杯目を注ぎながら、酒の勢いで話し始める。
「香坂とノリじゃなくちゃんと話したのはど変態テロリストゲームのおかげなんだよなぁ。
戻んのは正直嫌だけど、香坂とこうして話せるようになったのはすげー嬉しかったぜ。
香坂は不本意だったろーけどな!あ、男子会のせいでヨダカちゃんが好きだって完全に自覚しちまったのは俺も不本意だったわ。
でもおかげで事故だったけどヨダカちゃんに言えたから、そこも感謝しとくわ。ありがとな。
なんかお互い元の奴と向き合うの大変そうだけど、やるっきゃねーからな。
気張っていこーぜぇ!」
そう言って、再び乾杯を催促する。
最後の男子会は、ワインボトルが空になるまで続いただろう。
>>404のんちゃん
掛けられた羽織はやはりぶかぶかで、袖を通すだけで笑みが溢れてしまう。隣の彼に倣って正座をするが、果たして何分保つことだろうか。
空は満天の星が輝いていて、まさかこれが数十分後には消えてしまう光景だなんて思えなかった。
「終末の色? ……どうだろ、黒か白、なのかなぁ。可愛い色が良いなぁ。
…………不安、は、あるけど。……ううん」
理想の世界の話をする彼の横顔を眺める。瞳の中には僅かに希望の色が覗く気がした。
穏やかに肩を寄せる。自然と抱き返された肩に、ふんわりとした温もりが宿る。こんなに満ち満ちた感覚が、消えたぐらいで忘れるものか。決して、忘れてなるものか。
「のんちゃん」
わたしたちは、大丈夫だから。
「おやすみなさい。またあした」
>>397 マスジョウ
……えへへ、そう言ってくれるとやっぱり嬉しいや。
…絵本はね、アタシもまた描きたいって思ってるから。本屋さんに並んでるのを見つけたら、手に取ってみてほしいな。
…いつになるかは、わかんないけどね。
[記憶も思い出も消えちゃうかもしれないけど。それでも、ファンだって言うマスジョーさんには伝えておきたかったから。
そして、ピシッと姿勢を正して敬礼をする彼に少しだけ驚いて。]
こちらこそ、ありがとう。
……それに、うん!アタシも!マスジョーさんとご近所さんで嬉しかったよ!
[表情には出ないけど、声だけはうんと明るくして応えたつもり。
そして、きっとこのカクテルがなくなるまで。
マスジョーさんと楽しく最期の一時を過ごしたんだ。]
海風香る岸辺を歩いている。一歩ずつ、素足で砂を踏みしめて。
そこに私の生があったのだと、脳裏に刻みつけたかったから。
ポケットに入れたサングラスをチラリと見た。新しい呪いは、一生捨てられない予感がしている。
昔からこうだ。あの人との思い出も抱えたきり。
それでも、大事なのだから仕方ない。
しばらくは何とか歩けそう。
一応の目標があるから。でも、すぐ自分を見失うんだろうな。
……いや、私は目標に目標を見つけてこれからも生きていく。
死ぬのは簡単だ、生きる事に比べれば。
あの日、踏み台を蹴る間際であの子が来なければ。きっと私は死んでいた。
「そのことは感謝しなければならないのかもしれないな……」
遠く彼方を見つめた。きっと、あの世界が私を待っている。
「────さようなら」
決別の一言と共に、私の意識は闇へと飲まれた。
>>388 ニシムラ
少女に返ったように柔らかく笑った彼女から、お返し、というように彼女の着けていた花の飾りを頭に載せられる。
「え、わ、わ、似合い、ますかね…?」
目をぱちぱちと瞬かせながら不安そうに見た彼女の姿は、伏せられた睫毛の一本まで綺麗で。
彼女との道はここで別れるけれど。
最期に彼女の幸せをそっと考えてみたりした。
>>405 ミズタニ
相変わらず。
彼女の言葉は、甘えん坊で、理想論で、でも、その言葉に偽りも計算もないということは、すぐに分かる。
無垢な声と言葉に苦笑して、彼女の頭を胸に抱き寄せて、ぽんぽん、と撫でる。
「わかった。降参。
あのね、ダメ。俺は、ヒナちゃんが弱点らしい。
もう、なんだろうな。勝てないんだよ、きみには」
最初に彼女をみて、ゲームに負けてしまったのも、もしかしたら必然だったのかもしれないな、なんて気持ちになってしまう。
もともと、お天道様に弱いのだ。
「……待ってる。きっときみは来るだろうと思う。
七瀬雛が、香坂秀輝の所に来てくれるって信じて、向こうに行くよ」
これじゃあ、王子を待つ姫のようだ。
でも、こういう……信じて待っていられる安心感があるなら、女々しい自分も悪くないのかもしれない、なんて思ってしまった。
ママと最後の別れを告げて、ヨダカと別れを告げた浜辺に戻る。
捨てたサングラスはなくなっていた。
手の中で音がする。
掌を開くと1枚のメッセージカードがクシャクシャに丸まっていた。
男はそのままメッセージカードを海へ投げ捨てた。
それはヨダカに言えなかった、もう一つの告白。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
ワタシが描いた魔法使いのお話は、幸せを探す物語。
それは、必ず幸せになる終わりだとは限らなくて、けれど、幸せは皆の心の中にちゃんとあるって伝えたかった。
だから、ワタシはこれを描いたんだと思う。
この小さな島での物語は、なにも思い出すことは出来ない。そもそも、電話が鳴ったことすら覚えてないんだって。
あの星の綺麗な夜の事も、きっとあの子は忘れちゃう。受話器を置いた後に、あの子の宝物だった水色のオルゴールを壊したことも、そのきっかけも、全部忘れちゃう。
でも、でもね。ワタシ、思ったんだ。
小さな世界に閉じこもってたのはワタシ自身だったんだって。
この島で、色んな人に出会ったよ。みんなね、ワタシの絵本が好きだって言ってくれたよ。ワタシの名前を褒めてくれたよ。素の自分を出しても、誰も笑わないでいてくれたよ。
ワタシの笑顔が見たいって言ってくれたよ。
だからさ、もう少し頑張ろうよ。
我慢することはもうやめようよ。
大丈夫。あの子が忘れても、ワタシはちゃんと覚えてるから。幸せの物語をちゃんと覚えてる。
今のあの子がどうなってるかなんて、今のワタシには何も分からないけど。
ワタシはね、少し自分が好きになれたよ。
ほら、ワタシが帰ったらさ、まずは笑顔の練習をしなくちゃ。
口の端をあげる所から初めて、目を弓なりに細めるの。あ、半目はダメだよ?ブサイクになっちゃうからね。
約束したから。
見つけてもらうんだって、約束したから。
……大丈夫。ワタシがいる。
あの子の幸せには、やっぱりワタシが必要なんだって、今なら思えるから。
オルゴールさ、また買いに行こうよ。
可愛い桃色のオルゴールがいいな。今度こそ、本物の宝物を。
そうだなぁ、曲はやっぱり────
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
先輩と、アンダーソンと。
また会う約束はしなかった。
それでも、きっと。
頭の中で会話が出来たくらいのことがあったのだから。
また会うことだって。
約束なんかなくたって、
記憶もなくなってしまったって、
そんなの、僕たちになら、余裕で突破出来ると思いませんか?
>>370 カワモトくん
「……そう、だったね。
思えば、ずっとそうだったかも。
でもね、それはぼくが、カワモトくんのこともっと知りたくて。
カワモトくんに、ぼくのこともっと知って欲しくって。
だから、話しかけてたんだと思うよ。
ぼくたちがこうやって話すのはきっと最後だけど、
ぼくはカワモトくんと友達になれて本当に嬉しかった。
本当に、ありがとう。
もしカワモトくんがいいって言ってくれるなら……
ぼくは、もとに帰ったとしても、カワモトくんのこと、探したいなって思うよ。」
ごめんねは、言わないよ。
ぼくが望んだことだから。
きっと、きっと。もとの世界でも、また会えるって信じたいから。
そう言って、カワモトくんに背を向けた。
[それは、星が綺麗な夜でした。
1人の少女は、星に祈ったのです。
『幸せになれますように。』
その祈りは、永遠に叶うことがないと思っていました。
けれど、漸く。その時がきたのです。
随分と時間がかかってしまったけれど、
祈った願いは星に届いて、そして────]
¨*•.¸¸☆*¨*•.¸¸☆* ¨*•.¸¸☆*¨*•.¸¸☆* ¨*•.¸¸☆*¨
"くじょう まりあ"
著者名にそう書かれた絵本が、本屋さんに並んでいるのを、いつか誰かが見つけるかもしれません。
絵本のタイトルは、『幸せのしま』。
あの有名選手がまさかの絵本?!だなんて、そんな煽り文句の書かれた絵本を、きっと。
ハッピーエンドで終わる物語を、きっと。
輝く星に祈りを込めて。
少女の小さなその夢は、遂に叶ったのでした。
めでたし、めでたし。✩.*˚
この島での出来事を、忘れたくない。そんなふうに願ってもきっと無理なことは分かっていた。あるべき姿に戻る。そうだね。それがきっと、正しい。
……なんて綺麗な言葉で締めくくるには少々ぬるすぎます。激おこだったんですから。
わたしは還りたいなんて思っていなかったのです。
運命的な出会いを果たし、クソッタレなゲームに巻き込まれ、命を懸けた闇のゲームは単純な椅子取りゲームなんかではなかった。
けれど、後悔はないんです。ええ、ありませんよ。そんなことすると、隣の彼に怒られそうですね。
瞳を閉じて静かに、静かにつぶやきます。
「さよなら、エセミオ」
そして、世界にさよならを告げます。とびきりの笑顔で。
「さよなら、初めての恋人」
そこに愛があったのか、
誰も知るよしはなかった
>>417 マスジョウ
[抱き寄せられて。その胸の中で温かさを知る。
続けられた言葉に、ふふ、と笑った。]
わーい、勝った!
[ぎゅっと抱き着いて。最後のその瞬間まで、甘える。]
ふふふ、待っててね!
走っていく! すぐに行くからね!
[そんな未来を思い描いて。
ミズタニは笑顔で、その最後の時を迎えることだろう。]
「もう、あたしともサヨナラかぁ」
厳密には違うのだろうけど。
行ってきます?ただいま?
「ま、大丈夫だよ。思ったより、平気なもんだしさ」
強がりではなく、心の底から言えた。
次、目を開けた時は何が見えるのだろうか。期待しながら目を閉じた。
世界は光に包まれた。
街灯の光だったかもしれない。
一軒家の光だったもしれない。
星の光だったかもしれない。
月の光だったかもしれない。
それら全てが煌めき、輝いていた。
魔女はこの世界を創るとき、当たり前のように最後も想像していた。
みんなの人格が全て拾われたとき、それがこの島が必要が無くなる時で消える時だ。
「そんな時は、明るくみんなのこと見送れたいいな。」
そんな先代の言葉を、消えゆく最後の魔女は引き継いだ。
三日月猫は「物理的な意味じゃないよ」って笑ってた。
侵略者は「分かってるよ」って笑ってた。
世界の最後、意地っ張りな猫たちはお互いの頬を抓っていた。
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