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階段を上って、「おかあさーん、いるのー?」って声をかけるでしょー
そしたらね、廊下の突き当たり、奥の部屋からまた「はぁ〜い」って聞こえたんだー
男の子はそっちに向かって歩いて行ったんだけどー
その時、玄関が開く音が聞こえたのさー
「ただいまー、○○、帰ってるのー?」
それはお母さんの声だったのさー
男の子は階段を下りて母親の所に行こうとしたんだけどー
その前に、ちらっと後ろを振り返って廊下の奥を見たのさー
そしたらね、奥の部屋の扉がぎぎぎ、って音をたてて少し開いたんだってー
そんで、白い顔の女の人がこっちを見ていたらしいよー
はい、おしまい
さて、じゃあこの話をしよう
ある学校にはね、不思議な人が校門に現れるって言われてたのさー
その人はしわくちゃな手に青い包み紙に包まれた飴玉がいっぱい入ったバスケットを持って、顔がかくれるよーなローブを被ったおばあさん
通称「飴玉ばあさん」
飴玉ばあさんはねー
生徒に飴をあげるんだよー
ゴルフボールくらいの大きさの飴らしいんだー
で、その飴はこの世のものとは思えないほど美味しいんだってー
それだけじゃない、その飴を貰って食べた人は誰もが成功した人生を送れたらしいよー
でもね、ばあさんは誰にでも飴をあげる訳じゃないのさー
ひとりぼっちで、寂しそうな人にあげるんだ
だけどさー
そんな得体のしれない人からもらった飴なんて、やっぱり食べたくないでしょ?
食べずに捨てたヒトのほーが多かったらしいよー
だけど、まー味やら効力が知られてるって事は食べたヒトがいた訳だよねー
その食べたヒトは、飴のあまりの美味しさに感動してねー
その飴の味を再現したい、と思ったんだってー
で、飴玉ばあさんを探すんだけど、飴玉ばあさんは一度現れたヒトの前には絶対に現れないのさー
それで飴を食べたヒトはその飴の味を再現しようと料理の勉強して、最終的にフランス料理の一流シェフになったらしーんだー
まーそれはともかく
そんな噂が立つとさー
やっぱりみんな飴が欲しくなるじゃないー
毎日校門には多くの生徒が集まったんだけどー
飴玉ばあさんはそんな人たちの前には現れないんだよねー
で、ここで主人公になるのはとある男の子
男の子はねー素直になれないツッパリ系と言うかー
まーちょっとひねくれてる子だったんだよー
表面上は飴に興味を示さなかったんだけど、本当はほしくてほしくてたまらない、そんな感じ
毎日こっそりこっそり校門の前で飴玉ばあさんが来るのを待ったのさー
そんなある日の事だった
「おまえさん、ひとりかえ?」
男の子に声をかけたヒトがいたのさー
それこそ、彼が待ち焦がれてた飴玉ばあさんだったんだー
飴玉ばあさんは飴が欲しいか、って男の子に問いかけたんだー
でもね、男の子は素直じゃないからさー
いらないって答えたんだよー
飴玉ばあさんはそんな彼に笑いながら、素直じゃない子は好きだと言いながら飴を勧めた
でも男の子は素直じゃないからほしいとは言えなくってねー
でも、男の子はほしくてほしくてたまらない訳だー
それでね、ついに飴玉ばあさんのバスケットに手を突っ込んで、飴玉を盗んで逃げだしたんだ!
ばあさんは「飴を返しておくれ!」と叫んだんだけど、男の子は聞く耳を持たない
走って走って、家に帰ったんだー
家に帰った男の子はね、飴玉の包みを開いてひとつを口に含んだんだよー
その飴のおいしいことおいしいこと!
あっと言う間に食べ終わってしまってねー
残りの飴玉の包みは2つ
男の子は、少しだけ……と思って、一つの包みを開いて口に放り込んだ
その飴は本当に美味しくて、ずっと味わっていたいほど
でも、飴だってずっと食べていられるものじゃあない
やっぱり二つ目の飴もなくなっちゃったわけだー
少しだけ、少しだけ……
男の子は最後の包みを開いて、飴を口に入れた
美味い!\テーレッテレー/
その時なんだなー
男の子の部屋の扉をノックする音が聞こえたのさー
男の子は親が夜食を持ってきたんだと思って、こー言ったのさー
「勉強をしてるから、夜食はいらないよ」
でもね、帰ってきた返答は違うんだなー
「返しておくれ……」
しゃがれた声、どう聴いても親の声なんかじゃない
飴玉ばあさんの声だったのさー
「飴玉を返しておくれ……」
男の子は怖くなったんだ
でも、飴玉はもう食べちゃったわけでしょー
男の子は居留守を決め込む事にしたのさー
でも、扉をたたく音は止まない
「返しておくれ……飴玉を返しておくれ……」
扉には鍵がかかっているから、中には入れないはず
男の子は息を殺して、必死に耐えた
するとね、不意に扉をたたく音が止んだんだよー
男の子は助かった、と思った
「……飴玉を返しておくれ……」
今度は耳元で声が聞こえた
男の子はびっくりして、後ろを振り返った
そこには飴玉ばあさんがいたのさー
部屋の扉は開いちゃいない、
じゃあこの飴玉ばあさんは一体どこから?
「飴玉を返しておくれ……」
飴玉ばあさんはひたすら飴を返すようにせがむんだー
男の子はね、たまらずこう叫んだよー
「飴はもうない!食べてしまったんだ!」
そうするとね、飴玉ばあさんはおかしそうに笑ったんだ
そしてこう言った
「飴玉ならあるじゃないか、そこに」
飴玉ばあさんが指したのは、男の子の目だったのさ
……レーティングの関係があるから話はここまでね
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