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【バグ・シング襲撃事件】より数週間後。
街並や人々の心身の怪我も、ほぼなおった頃だろう。
数日前。
一通の予告状が、とあるカジノへと送られた。
「*月*日、***の品を頂きに参上します」
犯罪ルーキー? それとも愉快犯?
或いは、注目度だけは高い人物?
はたまた或いは、数週間前に捕まったとされる『死神』の手口(暗殺ではなく予告状を出す手口という点においてだ!)を真似た、コピーキャットめいた相手?
今日は、「怪盗」が現れると予告した日。
【ドーム】の日常のひとつだろう、一日が始まる。
どうやらこの中には、村人が3名、人狼が1名、占い師が1名、霊能者が1名、共鳴者が2名、智狼が1名、叫迷狂人が1名いるようだ。
「怪盗」の話を聞きたいって?
な〜ら、今日の代価は少々高い。
懐具合も少々寒い。
[耳利きショーから話を聞くなら、今日は与太話とは違う話が聞けるかもしれない。
神出鬼没な彼は、ドームの何処ででも出会える]
【NPC情報の更新】
【怪盗】 new!
「エンターテイメント」こそ至高
仮に犯罪をエンターテイメントと表現する者がいるならば、
「怪盗」はエンターテイメントとして成ってこそと思っている。
度肝を抜くイリュージョン、常人が考えつかないトリックで鮮やかに物品を盗んでこそ「怪盗」である、的なもの。
「怪盗」を出す場合は、誰かとそっくりに変身する変身能力(顔だけでもいい?)や、辺りを綺羅びやかに彩る幻影的な能力など、これぞエンターテイメント!的な能力を出してみましょう。(今書いたのは一例です)
楽しくRPし、捕まえる時は、うっかりと1発言確保で問題無い。
そんなどこか憎めないキャラを推奨します。
【カジノNPCのイメージ例】 new!
【強面のひとり】
イメージは「旅人ザク(xx)」
カジノでイカサマをやったら叩き出されるが本筋。
「客」と「ディーラー」、どちらもイカサマを行えば待っているのはカジノからの追放か就職斡旋場への切符だ。
【千里眼異能者】
「カジノ」には、種々のイカサマ防止策を設けているが、異能側からも目を光らせている。
常時幾人もの千里眼系異能者が監視室に控えているかもしれない。
その中の一番のボスは「聖者マキリス(xx)」チップのイメージだ。
セキュリティボスとでも呼ぶといいだろう。
【カジノオーナー】
イメージは「支配人ルシアン(メトロポリス)」。
この期に乗じてカジノの名をあげ、がっぽり客寄せ、収益をあげるぞと欲望の都市【P13ドーム】の住人らしく考えている。
尚、特殊チームが違法物品絡みでカジノオークションへ向かう設定を設ける場合、オーナーは違法物品類の話を聞いていないものとしても良いだろう。
何なら、オークションを取り仕切る別人物がいたり、オークション会場となる部屋を誰かに貸したという扱いにするというのも有りだ。**
ー P13ドーム 下層区域大通り ー
[セーガは逃げていた。
兎にも角にも、逃げていた。]
……ーーーっ…ーーー…!
[無表情のままだが、その速度は全力疾走。
とにかく早く走れるだけ走る。後ろは振り返らない。というか振り返っている余裕はない]
[走る場所は下層区域の大通り。当然ながら人目は多い、逃げている彼の姿を見かける者もいるだろう。
その後ろから追いかけている者の姿を見て『なんだいつもの事か』と日常に戻る者も少なくないだろうが]
『待て貴様ァァァァぁぁあっ!!!』
[走る、とにかく、はやく、はしれ]
[大通りから脇道に逸れる小道を見つける。 あの先は確かスラム。 あまり行きたくないけども、こんな場所ではいつまでも振り切れないだろうと判断し角を曲がろうとするだろう]
[ギギイイイ!!!見事なドリフトを決め路地に入ろうとし…*]
─ 下層区域大通り ─
いいぞー、やれやれー。
[ドンパチ探偵がセーガを追い詰める光景>>3を通行人が見遣る中。
そう煽りながら通過して行く小柄な姿が一つ。
止めないのは、止める理由が無いからに他ならない。
足を向けるのは、セーガが曲がろうとしていた角>>2の先。
ケラケラ笑っていたのは2人からも見えたかもしれない**]
─ 中層区域 ─
『あと数日したら予定していた仕事が終わる。
その後にでも』
[ヴェスから返答があった>>6ことにホッとしつつ、そんな返答をしたが数日前のこと。
今日がその約束の日だ。
外で会うか、ヴェスの自宅を訪れるかはヴェスの判断に任せた]
[以前、ヴェスが「村」を訪れた時、接し方を誤り軽い言い合いになったことがある。
その時言われた『気持ち悪い』と言う言葉は、事前に妻から話を聞いていたにも関わらず、ハロルドに強く突き刺さった。
それでもハロルドはヴェスに関わろうとする。
妻の願いでもあったし、何より自分自身がヴェスの力になりたいと思っているからだ。
未だ距離感が分からずにいるが、諦めない頑固さをハロルドは持っていた]
『もう直ぐ着く』
[約束した時間、約束した場所の近くまで来ていることを端末で伝え、ヴェスの下へ**]
― 事件から3週間後 自宅 ―
[朝。
コーヒーの香りが鼻をくすぐる。タイマー付きのコーヒーメーカーは実に良い仕事をしている。イルマはベッドの上でううん、と伸びをした。気持ちのいい目覚めだ。
今日はカジノのシフトが入っている日だ。週2日のこの日を、イルマは心待ちにしている。
イルマが初めてカジノへ行ったのは1年程前の事。知り合いについて戸をくぐり、たちまちカジノに魅了された。
賭ける人々の熱気、華麗なディーラーの手さばき。テーブルにつく、チップを触る。それだけで胸が高鳴った。
見よう見まねでベットする。賭ける、外れる。外れる、当たる。落胆と快感。ゲームごとに激しく上下動する感情。
イルマはすっかりやみつきになった。一時期は他の楽しみの全てをうっちゃって、カジノに入り浸っていた。]
[しかしそれも短い期間。
たまに大当たりはあるが、明らかにカジノ側が得をするオッズになっている事にイルマは気づいていた。貯金も目減りしている。
それでもカジノは離れがたい。
そこで、イルマはディーラーになる事を決めた。
熱気あふれる勝負の場を取り仕切るのは、実際に賭ける時とはまた違う快感を味わうことができた。イルマは趣味と実益を兼ねた最高の仕事を手に入れたのだ。
とはいえ、ディーラーを本業にすることはしない。
週2日。それが情熱を維持するのにちょうどいい距離だとイルマは考えていた。]
[今日のシフトは午後からだ。
イルマは英気を養うべく、優雅な午前を過ごそうとしていた。
コーヒーを飲み目を覚ますと、フルーツ入りのシリアルをボウルに入れる。ヨーグルトを乗せれば完成だ。
もぐもぐと口を動かしながら、イルマは端末を眺める。
数日前、カジノから連絡が届いていた。
なんでも怪盗から予告状が叩きつけられたとか。怪盗はカジノの客として紛れ込んでいる可能性が大いにある。各従業員は注意されたし、と支配人ルシアンの名を添えて締めくくられていた。]
また死神のまねっこでしょうか?
[最近その手の輩が多いようだ。死神のまねにしてはいたくシンプルな予告文を見直して、肩をすくめる。
今日は怪盗に予告されていた日だ。
おそらくは悪戯なのだろう。
だが。イルマは微笑み、シリアルを飲み下す。
いつもと違う一日になるかもしれないと、ほんの少しの期待を胸に。]**
ー 回想 ー
『……そっか、わかっ、た。』
[ヴェスの言葉を聞いてその日は出かけるのをやめる。>>4
何が『嫌い』なのかは分からないが、あまりいい状態ではないのだろう]
[その日は、ヴェスのリクエストに答えセーガは身の上話をした。そのことばの順序は割とバラバラだったが、まとめるならこうだ]
『いつも? 仕事、してる。配達の』
『仕事するのには、難しい言葉は、いらなかったから、勉強して、なかった。 地図が分かって、住所が読めて…着払い料金、計算できれば、いいし』
『今の、仕事は、10の時に、上司に拾われて、始めた』
『10の時に、 母さんが、死んで。 それ以来、ずっとこう』
『能力、制御出来なくて。 俺は危ないんだなって…
誰とも目を合わせなかったら…一緒にいなかったら…大丈夫って、ずっと、人、避けてた。 仕事以上のことは、いいや、って、思って、た』
[一つ一つぽつりぽつりと語った。
その様子は事も無げで、それが今まで当然だったと言わんばかりの口調。]
『考えて、いたく、なかった。ずっと…寒かったから』
『指示に従って、きっといつか『いいこと』があるって、それだけ、だった』
[考えていたくなかったのは、なんだったろうと少し首を捻る。何もかもを冷気に閉じ込めていたせいで『どれ』 が拒絶されていたのかよく覚えていない]
『だから、スティーブが、凍らないって、言ったのは
びっくりした。 イギーが寒がらなかったのは、いっしょに、ごはん、たべたのは、すごく…あったかかった。 特殊チームの…ヴェスは、知ってる、かな。 その人が、俺の能力見て、カッコイイって言ったの……しんじられないくらいで』
『あったかいなって。』
[そう言う話を、 時間をかけて話した。
途中で疲れてしばらく黙り込んだりしたが、頑張って言葉を選んで…なんとか伝えきったろう**]
― 上層 カジノ『パラダイス』 ―
[時刻は朝。
だというのに、『パラダイス』は楽し気なネオンをきらめかせ、エントランスには人が出入りしている。楽しげに、しょぼくれて、怒って。表情は様々だ。
24時間営業のカジノは珍しくない。『パラダイス』もその一つ。
ドームが甚大な被害をうけたとはいえ、カジノから客足ははなれない。むしろ、こんな時だからこそ一攫千金を狙いに来る者も多い。
その『パラダイス』に一人の男が訪れていた。本日行われるオークションの主催者だ。
彼は支配人となにやら打ち合わせをしているようだ。
往々にして、カジノというものは裏社会とのつながりがあるものだ。『パラダイス』もご多分に漏れず、犯罪組織との協力体制があった。闇オークションに会場を貸出すのもその一環。
支配人としては、滞りなくオークションを開催したいところだが、そこへあの予告状である。
男は支配人にしっかりと警備をするよう言い含めた。何かあれば組織の面子がまるつぶれだ。
支配人は二つ返事で受諾すると強面の男を呼び、なにやら指示を出し始めた。]**
― 下層区域大通り ―
[イルマは思い立って下層区域に現れていた。
いつも賑やかなこの区域に、何やら大きな声が響いている。]
あらぁ。
[必死にこちらに走ってくる男がいる。
あらあらと見ていると追手が男に飛び蹴りをかました。ぽーんと男の身体が吹き飛び、イルマのすぐそばに降ってくる。]
……配達人さん?
[イルマは男の顔を見てぽつり、つぶやいた。
どうやら彼は逃げなければならないらしい。
追手の男はといえば、とてもいい笑顔を浮かべている。]
逃げるといいのです。
[配達人>>5に小声で伝えると、イルマは念動力で追手の身体を捕縛した。追手は全身をがっちりホールドされるような感覚に陥るだろう。
解除するには物理的に、もしくは異能でホールドを解除するか、人垣の中から念動力を行使するイルマを見つけ出し、能力を使えない状態にするか、だ。]**
― 回想:事件から10日後 中層 ハンバーガー店 ―
[しばらくベルとお喋りを楽しむうち、スターライトバーガーが運ばれてきた。
最下段にはキャベツとチリビーンズ。その上に三段に積み重ねられたハンバーグをとろとろのチェダーチーズが包む。上段には目玉焼きと焦げ目のついたベーコン。それらをふっくらとボリュームのあるバンズではさみ、二本の星形ピックで倒れないよう支えてある。
隕石もびっくりの丸々としたシルエットが、ポテトの山に埋まっている。
早速切り分けようとナイフフォークを手に取る。フォークで分厚い分厚いバーガーを押さえ、若干眉を寄せる事3秒。カトラリーを脇へ置き、手でバーガーをつかみ上げる。
バーガーごしにベルと顔見合わせ、にんまりと笑んだ。]
それでは失礼して……あむっ。
[イルマは思い切りスターライトバーガーにかぶりついた。
スイッチオン。周りの目など知った事ではない。]
んんん……!
[唇を肉汁で濡らし、イルマは恍惚の表情を浮かべた。
一口、また一口、止まらない。ひたすら口を動かし続けること十数分。スターライトバーガーは綺麗になくなっていた。]
あぁ、美味しかった……。
[イルマは口を拭うと、ポテトとコーラをつまみながらお喋りの態勢へ移る。ベルが食べきれないようなら残りも頂戴するだろう。]
ところでベルさん、何か嫌な事でもあったんです?
[ベルが一区切りついたのを見計らい、切り出した。]**
【予告状】には「怪盗」らしいもの。
(例えば、洒落たアノニマスの顔マーク、シルクハットもひとつあしらわれていたかもしれない)
【ともあれ、カジノはこの予告状を大々的に公表した】
狙いは見事当たってか、賞金首になった「怪盗」を狙いに来る者、面白そうだと物見遊山に向かう者、関係無いとばかりに普段通りにカジノを訪れる者。
カジノ周囲に張り込む者と、様々だ。
何にせよ、普段よりも数割、そのカジノの客は多くなっただろう。**
[ガッ!!!]
なっ?!!
[ズザァァァァア!!!!]
[突然の、全身ホールドされたかのような感覚に足がもつれ見事に転ぶ。 >>16それはもう、顔面から。ズザザザ!と。]
ぐ…ううぅ…!き、きさまぁ…!!!
[グギギギ…!と顔を上げる。
ホールドされているのに何故顔だけ上げられるのか、根性である。細かいことは気にしてはいけない。
探偵は、液体操作の能力を発動させ、外套の裏に仕込んでいた硝子の水瓶を破裂させ水獣を展開する。]
今に後悔させてやる!!!!行け!!!
[ガァァア!!!と青年に襲いかかる水獣たち、まあそりゃ人垣のほうに突撃していくわけで。 わぁー!と人垣はパニックになることであろう]
[探偵はとにかく拘束から逃れようともがき、物理的に無理そうなら空間制御能力で自身の周りの空間だけ異能無効させて拘束を解くだろう**]
『今に後悔させてやる!!!!行け!!!』>>20
……!!!
[そう思っているのも束の間。 ガシャンと何かが割れる音と共に展開される水でできたどうぶつ?たち。 一斉にこちらに向かってくる。]
………っぅっ……ーーーーー!!!!
[口をすぼませ、ヒュウ!っと冷気を吐き出す。
その音は口笛にも似たもので、水のどうぶつたちの一部を凍らせた。]
…っ、あり、がと…っ、!
[その間に青年はまた大通りの方へ駆け出して、どこかで路地に曲がって行くだろう]
[残った水獣は彼を追うもの、探すもの、そのまま人垣の一部にダイナミックに飛び込んで元のただの水に戻ってしまうものさまざまだ。**]
[都市では毎日小さい事件も大きい事件も起こっている。
予告状が届いたというだけではある為か、見ている番組では大々的にピックアップされてる訳ではないが、ニュースのひとつに「怪盗」が現れるというカジノ『パラダイス』の光景と、カジノオーナーへのインタビューが数秒流れた]
……
[茶を一口啜る。
流れてゆくニュースでは、襲撃事件での話は既に下火とはなっていたが、街並がほぼ再建したような話や、今回の件で新たな建築技法や特殊建材などが開発や改良されたような話も流れていたか]
そういや
あいつ最近大人しいな…
[下層と中層の間に探偵事務所を構える近所の探偵>>0:36。
ユウヅキについては、ここ最近、話こそは外に然程出てないのでスティーブ経由でしか耳にしてないが、思えば、ドンパチを派手にぶちかましている様な音が聞こえていない]
……少しは、大人になったのかな
[セーガとスティーブの依頼を受けているようだし真面目にこなしているのだろう。
どことなく寂しいようなものを感じながらも成長したのだろうという方向で思った**]
― 事件から10日後 中層 ハンバーガー店 ―
[イルマが到着してから間もなく、ベルもハンバーガー店へと到着する。]
あっ、イルマちゃん
待たせてごめんなさい。ちょっと寝癖が酷くて。
あれ、そのバッグ新しいやつ?素敵な柄だねー。
[いそいそとイルマの対面に座ったベルの髪は未だに少しはねたままだ。店員が来れば復唱するようにイルマと同じものを頼んだだろう。]
でねー、今回は変なお仕事で変な相手の人に当たっちゃって…
って、もうハンバーガーきちゃったね。
[話を始めようとしたのも束の間、驚きの速度で提供されたそれは、持ち上げればベルの顔を半分は覆い隠すほどの巨大ハンバーガーだった。気持ちばかりの野菜と圧倒的な存在感を放つパティがチーズを挟んで2枚も並び早く食せと言わんばかりに肉汁を垂れ流している。]
この肉を全面的に押し出す感じが今日の私にはぴったりだったの。
えへへ、いただきまーす。
[大口を開けてかぶりつく。幸福を噛み締めるように何度も噛んだ後、ゴクリと飲み込んだ。]
はぁー、幸せ。
やっぱり食事とイルマちゃんは私に幸せを与えてくれるんだなぁ。
[今朝までの倦怠感が嘘のように笑うのだった。*]
く る な あ ぁ ぁ あ ぁ あ あ !!!!
[人気のないことをいいことに、青年は大きな声を轟かせた。 ゴオオオ!!!と凄まじい音を立てて冷気が一帯を包み、周囲を凍りつかせる。 その悲鳴や冷気の音は狭い路地を反響し大通りや他の場所まで聞こえるかもしれない]
[バギギギギギ!!!!]
……っ…は、ぁ…… …や、やり、す、すぎ…た…
[出来上がるのは、絶対零度の氷の世界。
周り一帯が完全に凍りつく。 壁も地面も当然水のいきものも。 自分の足を掴んでいた水のいきものから足を引き抜き後ろに後ずさる。]
[これで振り切れるか、 と思ったところで]
[ガシャン!!! ガシャン!!!!]
……ーーー…ーーー…!!!
[水のどうぶつだけが砕け、崩れる。 そしてキラキラとした水蒸気にも似たものに変わり…]
………ーーー……マジヤベー…
[シュルン!と 元の水のいきものに元通り。
思わず教わったチャラ男語が出る。 ジリジリとにじり寄る水のどうぶつたち、更に言えば自分で舞台を凍りつかせてしまったせいで実に走りにくい。]
[青年は、どうぶつたちに対峙してなんとか逃げられないか考えていた*]
─ 回想:事件から2〜3週間後・ヤシロ ─
[ある程度資料を読み進め、時間が取れた時にスティーブを誘って人形が売っていた場所へと向かう。
そこにいた店番らしき人物から話を聞けば、売られている人形は手作りの一点物であることが分かった]
同じ形状のものをいくつも作ったりはするかい?
匂いもここでつけてるのか?
これまで作った人形の記録とか残ってないかな。
探すにも画像が無くてね。
[気になることを問い、得られた回答から頭の中に数多ある可能性の中から除外出来るものを削ぎ落として行く。
話を聞けば聞くほど、その人形は事件に関わりがないことが浮き彫りになっていった。
作り手の心が籠もった、この世にただ一つの人形。
そう言う点では珍しいものであり、価値のあるものだったが、例の組織が狙いそうなものでは無いように思えた]
[ヤシロからの帰り道、得た情報から次の手を考える]
この線は消えたか…。
となると、次はこの人形の現在の持ち主を洗う方向かな。
この人形を拾った奴は、少なくともあの現場にいたことになるからな。
[誰が拾ったにせよ、持ち主は拾い主と関わりがあると考えられる。
拾い主が現在の持ち主であることだってあるだろう。
それを辿ることが出来れば、何かしらの情報が出てくるかもしれない]
(…人形が見つかれば、最後に見たものや思念が分かるかもしれないんだよな)
[尤も、それには特定の異能者が必要となってくる。
当時は単なるドンパチとして片付けられてしまったため、実行されなかったもの]
…5年前、活発に活動していた組織があるんだ。
色んな組織と対立してて、何かを掻き集めていたらしい。
[調べて得られた情報>>0:237を掻い摘んでスティーブへと話す。
ユウヅキから報告を受けていたなら、重なる部分もあったかもしれない]
ドンパチ率を考えれば、関わってる可能性が高いと思う。
そっちの方面からも当たってみる心算だ。
[今も活動しているならば組織規模も大きくなっているかもしれない。
手を広げる必要がありそうだ、とリルは眉根を寄せた**]
― 事件から10日後 中層 ハンバーガー店 ―
それでね、そのお客さんなんだけど、すんごく感じの悪い男の人でー。
まぁ突然伺った私も悪かったんだけど、睨んでくるし、言葉遣いもキツいし。
[スターライトバーガーを片手にイルマに愚痴をこぼす。ただ、愚痴をこぼす表情は明るい。ベルの中で徐々にヴェスとのカウンセリングの件は消化が進んできたようである。]
でもね、なんかこう、放っておけないというか。カウンセラーとしてこの人は絶対助けてあげなきゃっていうか。
まだ全然話を聞けてないんだけど、それでもあの人の深い悲しみを感じ取ってしまったところもあって。
[話すうちに徐々に難しい顔をしつつあったベルだったが、ハンバーガーを一口食べれば、また表情は緩んでいく。*]
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