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魔剣士 フリッツ に 4人が投票した。
竜の子 ダリア に 1人が投票した。
魔剣士 フリッツ は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、魔王 ケテル、エンフェルケスーカの渡り人 ナジ、戦士 アルシェス、竜の子 ダリア の 4 名。
── 神樹 ──
[「癒しの葉」が使われた頃、小人は神樹の枝に腰掛けていた。人間達が歩んでいるであろう方面を見ながら。
小人は、>>7:116すごいんだね、という言葉に無邪気に喜んだけれども。すぐに引き返したくなったあの地を、人間達は進んでいるかと思うと、神樹にすがるような瞳を向け、その幹に頭を擦り寄せていた。
「癒しの葉」が使われれば、びくりと頭をあげて、使われた事を感じ。もう一枚葉を生やそうと試みたが、木は応えてくれなかった。
葉を生やし、遠い地を歩き、小人の魔力はすっからかんになっていたのだ。
木々を渡り歩き蜜を吸おうにも、その体力も無い状態だった。]
── 神樹 ──
[そうして、どれ程の時が経ったのか。
女神は、小人と再び出逢っていた。]
どうしましたか?
彼らの事が気になりますか。
[女神は問いかける。
そうして幾つかの別の話をしたろう。
この地の、他の状況を。もしも、他の地廻りたいと望むなら、もう一度送り出す事はあるかもしれないけれど。
その時は、神樹の地に在る木のどんぐりをお守りに持ってか。留まる事は出来ても、地に触れる事無く、風の乗った旅をしたろうか。**]
― 魔王城・玉座の間 ―
魔王様、最期の一人も城前に着いたようです
[フリッツを下し、扉の向こうから現れたダリアを視界に入れることなくエンフェルケスーカの渡り人は魔王に進言していた]
何やら面白い武器を持っているようですが、
……放っておきますか?
[フリッツが此処まで無事にたどり着けたのは"ナジ"の施した術の影響もあるだろう。
ダリアが扉の前にたどり着けたのはそれこそ魔神の手引きだろう。
では、今光の剣を持つアルシェスはどうだろうか。
霧化した毒の水に犯され城門から玉座の間まで一人で踏破しなくてはならない。
それこそかつての"勇者"たちが行ってきたように、だ。
アルシェスはたどり着けるだろうか。
誰も仲間がいない、一人ぼっちの状態で**]
[濃密な魔の気配。
凝縮された死の呪い。
魔神の影響が薄れた今、魔の地の最奥は容赦なく少女の命を削る。
ざらりと。左腕が白い砂と変じ。
半顔もまた、風に吹きかけられたように形状を失った。
――それでも、すべてが消えて散らなかったのは、枯れた実を口にした影響によるもの。この瞬間にもじりじりと命が死の呪縛に削られ続け、あと一息魔の力が強まれば、忽ちに霧散してしまうだろう。]
[呪の視線。
魔の視線。
――黒ずんだ滲みのような、致死のそれが向けられれば、今度は胴の半分が砂となることになったか。
少女は、堪えるように目を瞑った後。]
……あなたが、まおうさん?
[絞り出すように、問いかけた。*]
― 魔王城・玉座の間 ―
畏まりました
それでは魔王様は此方でゆるりとお待ちください
[魔王の言葉を受け"ナジ"は首を垂れ一礼をした。
其れは魔王自ら戯れる相手でもないということだろうか。
其れならば"ナジ"は自らの手で始末しようと思うのだ。
頭を上げれば>>10程よく溶けた少女へと視線を向け、
目を細めて見やる。
在れに殺意はないようだった。
では何故、どうして訪れたのか。
勇者候補ではないようなそんな気配しかない者を、
物珍し気に眺めるとやがて背後の空間にエンフェルケスーカへと続く亀裂を生み出し、
その中へと落ちていった]
[視覚からねじ込まれる嫌悪の感情。
喉元までせりあがった正体のない何かを、ひとつ飲み干す。
荒れる呼吸。跳ね上がる鼓動。
――深呼吸をすれば、また命は少し削れて。]
あの、
……わたし、あなたとお話がしたくて
ここまで、来たの
[遠慮がちに。窺うように。
感情の知れない彼の顔を、じっと見て。*]
……いい、ですか?
― 魔王城・央の間 ―
[魔王城を真面目に攻略しようとすれば通らなくてはならない部屋が五つ存在する。
その部屋にはかつて主が存在していた。
四天王と呼ばれた魔将たちはそれぞれ東・西・南・北、
そして央の間を守護していた。
部屋は五つあり守護する魔将は五体居た記憶があるが
"四天王"だ。
彼らを倒さねば奥に進むことはできない。
道中出向いてきて倒した者も居たかもしれないが
今、"ナジ"が居るのはその内の一つの部屋であった。
その部屋は岩盤の中をくり貫き綺麗な半球の形をした部屋であった。
その中央で、アルシェスが訪れるのを待ち続けようか*]
[僅かに薄れた濃い魔の気配。或いは、刺すような殺意。
それでも、少女は一定の距離を保ちながら、魔王の後についていき。
彼が玉座へと腰掛ければ、立ち止まった。]
――――……、
[僅かな身じろぎ。
無事だった箇所に付着していた白い砂が、部屋に散った。]
わたし、ダリアといいます
まおうさんは、……まおうさん、でいいのかな
[それが名前であるのか、名前ではないのか。
まずはそこを確かめるように、少女は首を傾げる。*]
― 魔王城・城門 ―
[決意と共に振り上げた剣はかつての勇者の振るう剣に受け止められる。
その動きは一介のの戦士としてならば優秀だったかもしれないが]
そんなものじゃないでしょ……腕、鈍ったんじゃないの?
[挑発は無意味と知りつつも、不敵に笑むのは自身を鼓舞するため。
数度打ち合い離れる動きも、俊敏さでは少年が勝ったが、着地の足が縺れてたたらを踏んだ。
守兵はその隙を見過ごさず、体が傾いで空いた脇腹を剣が薙いでいく。
滑る液体が脚まで伝い落ちるのを感じつつも、どうにか体勢を立て直した]
[その頃には騒ぎに反応してか、他の守備に回っていた魔軍兵が周囲に集まり出していた>>0。
過去の因縁などお構いなしというように、長物の武器が突き出され、魔法弾が飛ばされる]
……この……!
[光の剣の強度なら、魔法の幾らかは受け止められるか。
しかし熱波や余波を消せるものではなく、皮膚は焼け、凍り、切り飛ばせなかった槍の穂先が鎧を突く。
しかし今だけは、少年はかつて勇者と呼んだ相手を見ていた]
きみの前で、きみに恥ずかしい戦いは、したくないんだ。
[痛みを堪え微笑む、きっとそれは最後に残った矜持だった。
そして少年は、光の剣を正面に構え、守兵の懐へ飛び込むようにしてその心臓部に一撃を突き込んだ。
交錯した剣が左肩を抉るが、今はそちらには視線を向けず]
さようなら、勇者さま。
……僕はきみのように、格好良く戦い抜くことは、出来そうにないよ。
[くずおれる守兵の身を盾代わりに、少年は剣を持ち替える。
手にしたのは生命を吸い使い手を癒す魔剣。
そして少年は、周囲を見据える]
先へ進む、一歩を稼ぐために、斬る。
[この先やるべきことを確かめるように呟く。
動かぬ守兵を蹴とばすようにして、虎型の魔物が行く手を塞いだ。
少年は一歩踏み込むと、魔剣で魔物の左前肢を深く斬る。
僅かな熱感と共に傷が塞がるのを感じるが、同時に暴れる魔物の爪が少年の腕を引っ掛け新たな傷を作る。
魔物の首を狙うために一歩、背後で振られた剣を避けるためにまた一歩。
命を永らえ足掻こうとする様は、殺戮を伴う不格好な舞踏のようであっただろう。
それでも、魔物と魔軍兵を引き連れながら、少年の行軍は続く]
― 魔王城 ―
[鎧を意味も為さぬほどに壊され、本来なら致死量を超えるほどの流血に汚れながら、やがて少年は城の入り口に一歩を踏み入れた。
幾度もの苦痛と癒しを繰り返したせいか、自分の体が今どういった状態なのか、感覚だけでは認識出来なくなっていた。
痛みだけは全身隈なくあるが、果たしてどれが本当の傷なのか。
もしもダリアという明確に救うべき相手がいなければ、その一歩を踏み出す気力すら生み出せなかったかもしれない]
[しかし、城に踏み込んだ瞬間。
明らかに魔の城にそぐわぬ癒しの力が、少年の身に流れ込んだ>>8:158。
ささやかではあるけれど、それは苦痛を減らし、ダリアにより流し込まれた魔の力を活性化させた。
――どこか懐かしさと、温かな励ましを感じるような、力]
……追い付いて、みせます。
[ぽつり、呟きを落として、少年は再び歩き出す。
魔の者の蠢く城の奥へと*]
―― 北部・魔王城 ――
[玉座の前には段がある。
絨毯の中腹…今は絨毯など残っていないが…から、玉座の段前辺りまでは、高熱で溶けた様相か。先程の戦闘の有り様を物語る。]
好きに呼べ。
[視線のみを呉れる。*]
── 魔王城 ──
[元より、魔神は城門の守兵を倒す事があればそうするつもりだった。守兵と戦う最中に行う場合もあったかもしれない。
虎型の魔物を殺したとて。
魔王城の内を彷徨うのは、更に強い魔物だ。
自分の身体の状態が曖昧>>22であろうと、魔物は、一対一で礼儀良く襲い掛かるという事は無い。
勇者の動きを止め、その牙を首元に突き立て、脇腹を抉り内臓を溢れさせ、手足を削ぎ、頭蓋骨を破壊せんと襲い来る。
無数の毒矢は、身体に突き立てられんとし。
破壊鎚が如き豪腕が巨体から繰り出され、潰そうとするだろう。
停まれば、集中的に攻撃が行われ、胸部の肋骨を折ったり、内臓を傷つける事もあるかもしれない。]
― 魔王城・玉座の間 ―
うん
わかった
[頷く。
少女が立っている場所は、丁度、熱によって溶けた跡がある中ほど辺りだったか。足の裏に張り付くどろりとした粘り気のある残滓には、まだ熱が残っている。
――魔王様、と彼を呼んだむらさきのひとが亀裂に消えていく様を見れば、驚いたように目をまるくしたが。
瞬きの後、赤い衣の彼へと視線を戻す。]
えっと……、
[魔王と呼ばれた彼は、多くの動きを見せない。
それは視線然り、表情然り。緩慢に、気だるささえ浮かべて。]
………、
まおう、さんは、
人間を滅ぼして
世界を滅ぼして
……すべてが、憎くて
神樹のある場所も滅ぼそうとしているというのは、
ほんとうの、こと?
[女神に言われた言葉を、確認のように口にする。
それは、疑問というよりも。
彼の口からはっきりとした言葉を聞きたい、という、少女の望みゆえだったか。
彼へと向ける視線は、――恐怖のそれではなく。
誰もいなくなった部屋の中と同じように、静かなままで。*]
― 魔王城 ―
[癒しの呪を受けたことで、少年の意識は周囲を見渡せる程度にははっきりとしていた。
物陰に隠れつつ奥へと進む。
交戦の痕だろうか、時折魔物の死骸やまだ新しい血痕を目にすることもあった。
中程まで進めば更にその数は増え>>8、半ば道標のようにすらなっていたかもしれない。
だが、その頃には、そんなことを意識していられない程にうろつく魔物の数も増えていただろう]
どけっ、……どけぇっ!
[叫び、剣を振るい、斬り払う。
敵に阻まれ焦りを覚える一方で、より多くの敵を倒せることに、悦びに似た感情を抱き始めていた。
魔剣を振るう限り、敵を傷付けることは苦痛を和らげることと同義なのだ。
だから、無我夢中に進み続けて――]
[――ふと、少年は思考の先の空白に気が付いた。
自分は何処に向かっているのか。何を目指しているのか。
わからない。苦痛を受けてなお進む理由を見失っていた>>24]
[その隙を敵が見逃してくれるはずがない>>25。
気付けば、眼前に岩で出来た巨大な拳が迫っていた。
それは腹部に減り込み、吹き飛ばされた身は背中から壁に激突する]
がっ……
[衝撃で潰れた内臓から押し出されたように、赤く粘つく液体が口から零れ落ちた。
肋骨の幾本かは折れていたか。
立ち上がらなければ、剣を振るわなければ。
出血が、魔王の覇気が、満ちる呪が生命を奪っていく。
だが、死を受け入れるより抗う方が苦痛は長引くというのに、抗う理由を少年は忘れてしまっている]
だ、だめだ……。
[動かない少年の前に魔軍の兵が集う。
剣を警戒する彼らは、遠距離から矢と魔法による攻撃を繰り出す。
条件反射で持ち上げた剣が幾らかの攻撃を弾くが、撃ち漏らした攻撃が少年を削り。
更に、意志の力が回復するより早く撃たれた二撃目が、少年の身に突き刺さっていく]
死んだら、だ、め……。
[何故だ、何故死んだらいけないのか。
本能より苦痛が勝る状況で、縋るものもなく>>26、ただ、それでも少年が死を受け入れない理由は]
……諦めたく、ない。
[主語のわからないその感情だけが、まだ、少年に動く理由を与えている。
ぼやけた視界で番えられる三撃目と、迫り来る巨体を見る少年の体は、廻る魔力によってか僅かに電光のようなものがパリリと光っていた*]
[短い肯定。]
そう、なんだ
[僅かに声色は沈む。
じっと、どのような感情も読み取れない彼の顔を見て。
――一層強く入り込む呪に、更に砂と化したけれど。]
それは、……まものさんの住む世界を、作るため?
それは、まおうさんにとって、……楽しいこと?
[問いかけを重ねる。
乗せられた感情の色は、怒りでも、悲しみでもなく。
先ほどと同じ、淡々と、確認するかのような、静かな問い。*]
[死ね。]
[死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死]
[突き刺さる殺意。
もしくは死の脅威。
闇と魔の巣窟に一人足踏み入れる事。
付け焼き刃では勝てぬ練度の者が出て来るのも、そう遠くは無いか。**]
―― 北部・魔王城 ――
世界を滅ぼす為だ。
[魔王は短く告げる。
魔王の近くでもあてられる以上の呪は今は無いだろう。
興味の消失や他意は無いが褪めた眼差しは竜の少女から逸れ。
竜の少女の次の問いはあったか?*]
[一瞬、苦痛を無視した加速度で体が動く。
それは《kiihtyvyys(加速)》の力の無意識的な発動だったかもしれないが、記憶のない少年には体が弾かれたように動いたとしか感じられなかった。
ともあれ、それにより矢が急所を貫くことは免れる。
少年は身を引き摺るようにして、どうにかその場を離れようとする]
[物陰に身を隠し少し息をつこうとした少年だったが、それを目敏くも発見する兵があり、動き続けることを余儀なくされる>>34。
剥き出しの殺意が身を苛むが、それを振り払うように剣を振るう。
相手に僅かにでも負傷を与えれば、それによる回復で得た猶予を移動に使う]
[そして、いつしか少年は半球状の部屋>>17へ辿り着く。
それが主のある部屋だと意識することはなく、退避場所を求めるように転がり込むこととなるだろう*]
― 魔王城・玉座の間 ―
[魔王と呼ばれる彼から返った答は、肯定でも、否定でもないもの。
短い言葉は、ただ事実のみを示している。
――じっと見つめても、彼の心が分かりようはずもなく。
視線が逸れれば、少女も僅かに視線を伏せる。]
………、世界を、滅ぼして
[分からない。
――でも、もしもそれが言葉通りの意味であるのなら。]
まおうさんも、……滅んで、しまっても?
[彼女が過ごした砂漠の物語のように。
人も、町も、竜も。全て――。
文字通り、『世界』が滅んでしまうのなら。
人も、魔も、境なく。そこに彼自身も例外には含まれないのではないかと、――少女は、問う。*]
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