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村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
────16:26 P.M.
ケイオス・ヘキサ、D層第348区。
街は見た目どおりの平穏を保っている。
が、少し注意して眺めると、街都のあちらこちらにここでは見慣れぬ姿。
魔導特捜、呪装戦術隊、ふわふわと上空に漂うは依代から離れ偵察中の妖術技官か。
彼らの間に漂うは、一種異様な雰囲気。
──まさか。
──今になって。
──『再び』
奇妙なことに、街行く人々はその異常を感じ取ることなく通り過ぎる。
──黒杖捜査官によって。
動揺する彼らの中央に、一人の男がじっと正面を見据えている。
と、彼に若い呪装戦術隊の隊員が駆け寄った。
──『【消毒薬】の設置、完了いたしました』
[その言葉に、男は頷く]
ご苦労。
……全く。この年になってまた、こんなことになるとはな。
D層とは言え、数千の市民と引き換えに吸血鬼一匹を葬るか。
[男のぼやきに答えるものは無く]
……総員に告ぐ。
作戦決行は24:00。最終調整及び区画の封鎖、急げ!
[声に、集まっていた隊員が散る。その姿を見つつ]
……数億の命には代えられん、か。
しかし。
[呟き、男は封鎖区画へ入っていった]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
牧師 ネル が参加しました。
[最後の一言を唱えた時、視界の端に金色の小さなものを認めた]
[「沙弥尼」と呼ばれる人口の精霊。街を浄化する人造霊。
祈りの声に引き寄せられでもしたのだろうか]
この小さき精霊にも祝福を。
[彼はそう言うと彼女にコインを投げた]
[コインに付着した雑霊を食べ、彼女は手を合わせ祈る]
『なむからたんのとらやーやー』
[祈るために祈る彼女らの『祈り』は純粋そのもの]
[彼はその様子に微笑み、教会の大扉を開いて通りを見渡した]
[太陽の恩恵から程遠い街を、艶やかなネオンが照らし出す]
[やがて祈りを終えた沙弥尼が開かれた扉から漂い出て行った]
村の設定が変更されました。
領主の娘 ゲルダ が参加しました。
[水銀灯の後ろから魂の欠如した少女は聲をあげた]
なむからたんのとらやーやー
[両手を合わせてあどけない笑み]
[小首を傾げている]
なむからたんのとらやーやー。
なむからたんのとらやーやー。
なむからたんの……
[ぽわん]
[目の前の沙弥尼が弾けて眠る]
……とらやーやー。
[―沙弥尼は108回目の祈りを唱えて消滅―]
[いつものようにパンと安ワイン、わずかばかりのフルーツを買い、紙袋を抱えて街を歩く]
おっと、すみません。あぁこちらも申し訳ない。
[一歩すすむ毎に人にぶつかり、その度に頭を下げるものだから足は遅々として進まない]
……やれやれ。
[やがて人混みに疲れたのか、道の端に寄ると紙袋を傍らに置き、一息]
私、向いてないんですかねぇ、この教区。
着任以来三ヶ月、迷える子羊が訪ねて来たことなんて一度もなく。
D層の教区は落ちこぼれの吹き溜まりとはよく言ったものですが……。
――おや。
[溜め息を吐く足下に半ば溶た浮遊霊]
安息の安らぎを。
[祝福の言葉に浮遊霊は動じた様子もなく足下を這い回る]
[よろめいた先は牧師の足元]
[半ば解けた浮遊霊と汚い汚物の乾物の半ばに手をつく]
なむからたんのとらやーやー。
[ぱたぱたと手をはたくと両手を合わせる]
[無垢そのものの表情を向けた]
看護婦 ホリー が参加しました。
大の男がいつまでも泣いているんじゃないわ。
好奇心だけで下に行ったりするのがいけないんでしょう!
[痛みを訴え続ける男に娘は指を突きつけた]
[威勢良い怒鳴り声が小さな診療所に響く]
[患者はその男一人だったけれど]
近所迷惑なのよ!
[衝立の向こう側から笑い声が響く]
[我に返った娘は恥ずかしそうに下を向いた]
[やがてその日の診療も終わり]
[娘は帰路に着く]
……興味本位で最下層に来るんじゃないわよ。
[思い出すのは昼間の若い男]
[歩きながら苦い顔で小さく呟いた]
『なむからたんのとらやーやー』
[聞こえてきた声にふと顔を上げる]
[けれど当然そこにいると思った沙弥尼の姿はなくて]
[代わりにいたのは一人の少女だった]
[いきなり足元に飛び出してきた少女に驚き暫し硬直]
[少女は汚泥に塗れ、なおも手を合わせ祈る]
……え、えーと。
だいじょうぶかい?
[おっかなびっくり、少女へ話しかける]
行き倒れ メルヴィン が参加しました。
[路地裏。]
……。
[眩いネオンが極彩色の影を落とす。
くるり、指先で巻き取る包帯。]
こんなもんか。
[呟く。
青年のは顔半分と左腕まで包帯だらけ。
乱暴に巻いたそれには妙な文字も見える。
たん、と腰掛けていた塵箱から降りて
雑踏へと歩みを進めた。]
[少女の向こうには男がいて]
[微笑みあっていたかと思えば二人で紙袋を取り合うようで]
[その紙袋から娘の足元に転がってくるオレンジが一つ]
……プッ。
落とされましたよ、牧師様?
[教会に通ったことなんてなかったけれど]
[その姿を見ればどんな人物かは分かったから]
[拾い上げたオレンジを手に笑いながら声を掛けた]
[やはり、無垢な笑顔につられてしまう]
[林檎を抱える少女に対し]
おなかが空いてるのかい?
参ったな、それは私の大事な食料なんだけど……。
いや、でも『施すべき相手に善行を拒んではならない』と主も仰っているし、ああぁもう仕方ない。
…………あげるよ、それ。
[林檎を指差し、微笑む。若干引きつってはいたが]
[少女の笑みはどこまでも無垢で]
……沙弥尼の真似、似ていたわ。
[その笑みを眩しそうに見ながら]
[自分には浮かべようの無い笑みに羨望を抱いた]
[だから告げた言葉には僅かに皮肉が混じった]
……ん。
[転がってきていたのは丸いもの。
青年はそれは拾い上げた。]
なんだこれ。
[果物。
何故こんな所に落ちているのやら。
蹴られでもしたか少し抉れていた。]
[少女に林檎を譲るのを見て]
[人が良いなと思いながらオレンジを手に牧師へと近寄る]
はい、今度は落とさないように気をつけてくださいね。
またお食事が減っちゃいますよ。
[笑みには悪戯っぽく笑い返しながら]
[手にしたオレンジを差し出した]
……ん。
なんだ、お前。
[膝で這う少女。
無垢な表情を浮かべた白い貌を無感動に見下ろして、
青年は小さく問う。
右手に果物を持ったまま]
[オレンジを差し出した彼女の言葉に更に深い苦笑]
ははは……、以後気をつけます。
腹が減っては神の教えを広めることも出来ませんからね。
いや、ありがとうございます。
[改めて礼を述べ、オレンジを受け取った]
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