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やっ……やめて、くださぃ……。
[ そう声を上げるのが精一杯だった。逃げようとしても、ジェラトルーデの手はすぐにこちらを捕まえて刺激を与え続ける。
どちらかと言えば中性的な扱いをされているオットーの中から女性らしさを少しずつ引き出し、それをジェラトルーデは楽しんでいるようだった。
くすぐりの刺激に思わず閉じていた眼を開けると、目の前にはジェラトルーデの顔がある。
お仕置きはまだあるのだろうか……。そう思っていると、ジェラトルーデの顔がさっきよりも近づいてきた。 ]
ちょ、ちょっと、ジェラトルーデさんっ……んっ……。
[ 二人の唇が触れ合う。オットーにとっては初めてのキス。思わず固まってしまい、そして顔が紅潮するのがわかる。
自分は恋愛とか結婚とかそういうのには縁が無いであろう、とうすうす感じていたし、誰かとこうしてキスをするのも遠い世界の話だった立場のオットーにとっては、今こうして誰かとキスを、それも女の子とするなんて信じられない事だった ]
[ 「私からのお仕置きはこれでおしまい。……もう一回したいって言うなら、考えなくもありませんけどね……ふふ。」
あっけに取られているオットーの前で、不敵な笑みを浮かべるジェラトルーデ。ジェラトルーデにとってはこうして誰かの唇を奪うなんて日常茶飯事なのだろうか。
そんな事を考えていたが、誰かがこれを見ているのではないか、と我に返り周囲を見渡した。
しかし、不幸中の幸いな事に皆疲れて眠っているようで胸をなでおろす。
あんな所を誰かに見られて、学園で言いふらされたりでもしたら恥ずかしい。
そそくさと気持ちを落ち着かせ、再びモニターの中の学園の様子を見つめる。]
/*
すみません、調子に乗って変なロールを回してしまいました。乱筆乱文ですみません。 お眼汚し失礼いたしました。
*/
[セリナは自室内で、ヴァイオリンを構えていた。
弾こうとしては指が止まる。何度もそんなことを繰り返しては弓を下ろす。]
……。
[心の動揺が、どうしても治まらない。]
…………!!!
[黙っているがフリーデルの気配に気が付いて驚く]
ふ、フリーデルさんこんばんは……。
今日もお元気で何よりです。
[とうとう諦めると、ケースにしまった。]
…ユリウスさまのところへ、行こう…。
[部屋を出て、談話室へと向かう。恐らくは自室には居ないだろうから。
果たして談話室内には、ユリウスどころか誰も居なかった。]
…この時間に無人なんて、珍しい…。
[ぽつりと呟く。給湯室に入ると、冷蔵庫を開けた。
並んだふたつのコーヒーゼリーには、それぞれ作った人間の名前が付けてある。
片方には自分の名前、もう片方にはプルネラの名前。]
…プルネラさま、ご自分では召し上がらなかったのですね…。
[しかし、渡そうとしたであろう相手は、もうここにはいない。
このまま食べられることなく打ち棄てられてしまうのだろうか?セリナの心はちくりと痛んだ。]
副寮長 カーミラは、ここまで読んだ。 ( b12 )
[冷蔵庫の扉を閉める。
紅茶でも淹れようか、そう思うが、どうしていいか分からない。ティーセットは見つけても、紅茶自体が行方不明だ。]
……。
[諦めた。
手持ち無沙汰のまま談話室に戻って、一番隅のソファーに沈み込むと、そのまま目を瞑る。]
[...は、セリナの顔を見ると、微妙な表情を浮かべた]
あ…おばんどすぇ…その、ほ、ほんま昨日はごめんなさいやねん…。うち…たまに見境のうなってまうからな…。
[...話題が暗くなった、と思ったのかすぐに別の話にする]
ば、バイオリン上手やなぁ〜。難しい聞いたけど、どないして弾くん?あははは…。
[朝、君たちは見ただろう。
学校の昇降口の前、通る者すべてを噛み殺さんばかりの、修羅のような表情…
入口の傍で、腕を組んで、入る者出る者すべてを監視していたユリウスを。]
[夕方の見回りと、書類作業を終えた。
何の目的もなく、談話室の扉を開ける。
そこは少し前、数日前まで、たくさんの人に溢れていたが…]
……誰もいないのか?
[静かな談話室に声が響く。]
あ…ごきげんよう、ほのかさま…。
[ほのかの姿を見て、ついと俯く。ちょっとばつが悪いというか、恥ずかしいというか、…ユリウスとのキスを思い出すというか。]
いいえ、その、お気になさらないでください…。
バイオリンは…ええと、こんな感じで…。
[どう説明していいかわからず、構えを見せてみる。]
ユリウスさま…!
[その声が聞こえると、ソファーから飛び上がるように抜け出して一直線に…ちょっとつまずいてよろめきながら…ユリウスに駆け寄り、ほのかの目も気にせずしっかりと抱きついた。]
[...2人の邪魔をしてはいけない、と感じたのか、少し距離をとる]
あ、そや!!今お茶入れるさかいなー。あ、あとお菓子もってきたんよ。
(二人を見ないようにして、いそいそと準備をしだす)
お、セリナ君、居たか……っと。
[ソファーに居た事に気付かず、飛び起きたセリナを見れば、そちらにも軽く手を挙げて挨拶しようとしたが。それより早く、飛びつかれて軽くひるむ。]
こらこら、ほのか君の目があるだろう。はは!
まあ何より、元気そうで良かった。
[そう言って、わしわしとセリナの頭を撫でようと。
ほのかへ顔を向けて、]
無事でいることが、私にとって最も助かることだよ、ほのか君。
じっとしている事が嫌なら、風紀委員の真似ごとでもしてみたらどうだ?
見回りが増えるだけで、男は怯むんじゃないかね。
[ぎゅっと思いっきり抱きついて…そしてばっと離れる。]
あ、あのユリウスさま、いいものがあります!
私、頑張りました。
[ユリウスの背後に回ると、背中に両手のひらを当ててぐいぐい押してテーブルのひとつにいざなおうとする。]
そこに座って、待っていて、ください…。
[くるりときびすを返すと、給湯室の冷蔵庫から「セリナ」の札が付いたコーヒーゼリーを取り出して、大切そうに両手でささげ持ってユリウスの前に持ってきた。]
これです!
お……おう。
な、なんだ?何かね?
[いいもの、と言われハテナを一つ。
いや、それよりも、何よりセリナの動作に驚いた。
少し前までは考えられないような、積極的で活発なその動作に対し、何とも言葉に表せぬ暖かい気持ちが浮かんだ。]
[誘われるがままに、一つの席につく。もしや、と漠然とした予想はあったが、持って来られた者は、予想を上回るもので…]
…こ、これは。
セリナ君、君が作ったのか…!?
[驚きの表情で、座ったまま、セリナを見上げる。視線を、コーヒーゼリーとセリナの顔に交互に動かす。]
はい!作りました!
プルネラさまに、教わりました。
[そこで、少し沈んだ表情になるが、すぐに笑顔になって。]
あ、スプーン…。
待ってくださいね、取ってきます、ね。
[給湯室に取って返す。しばらくなにやらごそごそとしていたが…。]
あ、あの、ほのかさま…スプーンはどこにあるのでしょう…?
[申し訳なさそうに、給湯室の入り口から顔を半分だけ覗かせて、ほのかに尋ねた。]
[コーヒーゼリーを視線で気にしながら、]
ううむ、そうだな…。
なるほど二人以上ならば、片方に顔を見られて逃げられるのを警戒するだろうな。
君は、一緒に入れるような人は居るかね?
[ほのかの顔を見やった。]
ほう、プルネラ君に。
彼女…そういう事も出来たのか。
[素直に感心。セリナの一瞬の少し沈んだような表情に、軽く眉を顰めて疑問に持つが。すぐに、戻ったのにこちらも表情を微笑に。]
うむ、頼む。
[給湯室へ向かうセリナを視線で追う。少し後に顔を出したのには、微笑ましくつい、はは、となんて笑う。]
わ、笑っては、嫌です…。
[少し膨れながら、ほのかにスプーンのありかを聞いて、持って来る。
せいぜい四人程度が利用する丸テーブルの、ユリウスの真向かいに座ると、手にしたスプーンで一口分掬って。]
あ、あーん…。
[ユリウスの方に差し出した。やってみて恥ずかしかったのか、顔を紅くして俯き、スプーンを持つ手はかすかに震えている。]
…だ、だめです、か…?
[俯き加減のまま、上目遣いに聞いてみた。]
はへ…まさかユリウスはんって、その…1人でみまわってたん??や、強そやから大丈夫やとおもうけど…。気はつけといてな…。
(…えー?ちょっと待って。万が一、一人で見回っておそわれんなら、ひょっとしてお、男やからとか!?
ちゃうちゃう、そないなわけないやん!!見た途端裸足でにげてまうだけやねん!!
いやいや、プルネラはんとかカーミラはんと一緒に見回ってたんや、うんそうそう。きっとそう!!)
[...は、邪念を振り払った]
[仕掛けたのはセリナのほうだが、素直に返されると…。]
は、はい、どうぞ…。
[震える指先で、ユリウスの口の中にゼリーを運ぶ。
そして頬に手を当てて俯く。耳たぶが真っ赤だった。]
[...は、2人の様子がちょっと恥ずかしくなったのか、懐から眼鏡をだすと分厚い本を取り出した]
あははは…レポートがたまってるの思い出したわ。
『人は何故疑心暗鬼になるんか』やったな。
人有亡鈇者、意其鄰之子、視其行歩、竊鈇也…。
「斧のことだけどさあ、どうやら、隣の家の息子が盗んだようだぜ!!あいつ態度が怪しいんだよ…。ぜったいまちがいないって!!」
ふむふむふむ。
>>56
はう…その自信どこからわいてくるん。うちに100分の1でいいからわけてくれん!?…勉強面の自信はちょとはあるんやけどな…その、内面的なものが(ごにょごにょ)
[ぱく。
口の中で少し転がして、ひんやりとしたゼリーの味を味わう。]
………
美味しい。
[プルネラに教わったとはいえ…まるで、信じられない。とでも言うような表情で一言。]
……
[少し口を開閉させて、中に残った味を感じる。
しながら、ほのかへちら、とだけ視線をやって。]
少し、難しい質問だ。
…そうだ。
"自信は持とうと思って持てるもの"……とでも言っておこうかな?
[どうだ?なんて。]
[ユリウスの様子に、ぷぅと膨れて。]
も、もう、知りません。
後は、ほのかさま、食べてしまってください!
[ばっ、と、ほのかにスプーンを押し付けようとする。
そして横を向いて、唇を尖らせている。]
[座ったままボールをつかんでいる]
・・・ちょーし出ねェなァ・・・
次は絶対レギュラー取りてェんだよな・・・。
[すくっと立ち上がり、ドリブルを始める]
[膨れたセリナに、少し慌てて立ち上がったが、すぐに、冷静にその表情を見ておかしくなったらしく、少しにやけて。]
美味しい! 本当に美味しいよ、セリナ君。
ちょっと……いや、大分見直した!
よく頑張ったなあ。君には、花丸だ!
[べた褒めを始め。机ごしに手を伸ばし、よしよし、と、言葉の勢いとは裏腹に優しくセリナの頭を撫でようとする。]
(ガコンッ、と音を立てて再びリムに弾かれたボールを見て)
・・・ちっ。
(今日はもう終わりだと言わんばかりにボールを拾い上げて更衣室に向かっていく)
[突然のユリウスの言動に、一瞬ぽかんとして…やがて小さくくすくすくす…と笑いが溢れてくる。]
い、嫌だ、ユリウスさま…。
もう、もう。
…と、とまら、ない……苦しい…。
[笑いをこらえようとして、こらえ切れず、口を押さえて笑っている。
初めて「お腹の底から」の笑いかもしれなかった。しばらく笑ってやっと落ち着くと。]
ユリウスさま…。
「その」ユリウスさまを見たのは、たったの数日前でしたね…。
嬉しい、ユリウスさまはちゃんと、私を特別に扱ってくれているのですね。
[ユリウスを正面から見て、微笑んだ。]
……
…ぷっ、 ふふ…… ふ…
[自分でも、あざとすぎた。と感じた。その上に相手が笑いだせば、こちらも笑わざるを得ない。つられ笑いを起こして、笑いをかみ殺す。
こちらも落ち付いてから、セリナを見つめ返す。]
…
「その」?
… 特別さ。勿論、特別さ。
君が特別じゃなかったら、昨日……。
[ふと視線が僅かに上がる。昨日の接吻が脳裏に浮かび、僅かに紅くなる。]
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