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次の日の朝、城管理人 アーヴァイン が無残な姿で発見された。
……そして、全員が完全に理解した。この不思議な力が満ちた城では平常時の常識が通じないであろうことを。
見分けの付かない人狼を排するため、1日1人ずつ疑わしい者を処刑する。誰を処刑するかは全員の投票によって決める……
無辜の者も犠牲になるが、やむを得ない……
そして、人間と人狼の暗く静かな戦いが始まった。
現在の生存者は、歴史学者の娘 メイ、書生 ハーヴェイ、富豪の娘 シャーロット、吟遊詩人 コーネリアス、流れ者 クインジー、鍛冶弟子 ユージーン、投稿記者 ゾフィー、小説家 モーガン、風来坊 ナサニエル、皮肉屋 セシリア、伝道師 ルーサー、旅芸人 カミーラの12名。
[ロケットをじっと見つめ続ける。]
[やがて低い声で、ロケットに向かって囁く。]
──何時の魂は血を吸っているや否や?
[と同時に、ロケットを吊した糸がピンと張った。]
[髪の毛が数本しか入っていないはずのロケットは、糸を引きちぎると、テーブルの上に落下した。]
……これは……。
[ロケットの蓋を開ける。ルーサーの髪の毛しか入っていなかったロケットから
血がドロリと流れ出した。]
……ルーサーさんは人狼だったようだな。
すまんが 少し失礼する
[いきなり ルーサーの手を掴んだ]
すぐに終わるさ
[ぴかぴかに磨きあげた十字架の形をしたナイフを取り出し 磨かれた刃先で すっと 人差し指を横撫する]
ぷつっ 赤い血の粒が指先に溜まる
[その指の血を ナイフの刃にぽとりと落とす つうっと血の塊が 銀色の刃の上を流れる]
ナイフに変化は見えない…これは人の血だ
ルーサーは人間だったみたいだな
綺麗に切った傷はすぐに癒えるから
[そういうと 手を離した]
あ痛あ、でも何だろ。
床もなんだか濡れてる。
[暗い中目を凝らす。]
[床をぬらす液体は、どす黒く粘りけを帯び、
詰めたくなった人の体くらいの何かが転がり]
え、いや、
──────!!!!!!──────
[言葉にならない絶叫を*あげた。*]
ん?
[血で濡れたナイフを拭きながら]
ウェンの声か? なにか あったのか?!
[広間から凄い勢いで飛び出すリックの後を追った]
[主塔の二階に入ると、まず目に入ったのがウェンの姿]
どうしたの、大丈夫?
[駆け寄ろうとして、不意に何かの力で扉の方に押しやられる
床の扉が静かに開くのを見る。異様な冷気が扉から流れ出る]
え、なんで。
[扉の横に父親の死体があるのに気が付く]
お父さん――?
ここに、入れろって、こんな所に、お父さんを?
[何かに押されるようにして父親の死体の横に立つ
震える手を伸ばすと、死体は扉に飲まれ――何事も無かったかのように静かに閉まった
呆然としたまま、ウェンの隣にぺたんと座り込む]
[二つに分かれた占いの結果を暗い顔で聞いていると突然走り出すリック、後を追う占い師二人を見送って]
追えば…足手まといかもしれないわね…
不吉な予感がする…
[不安げな女性達の顔を作った笑顔で見ながら]
ゾフィさんも…凍えて帰ってくるでしょう
そう…お茶、お茶の用意でも
[一人で耐えきれない恐怖を隠し、震える足取りでキッチンへ]
クイン…もう、側には居てはくれないのね…
髪取ったり血を採ったり、伝道師先生寝てるっつーのにおめえら、散々だな。
まあしょうがねえけどよ。
にしても…いきなり言ってることが違うとはな。
どっちかが、嘘ついてるってわけだ。
ナサニエルのほうが本当なら、
狼が見つかったってえのはいい話だが。
…リック?
[ナサニエルとクインジー、メイが出て行ったのを認めて
、一瞬残ったほうがいいかと躊躇するが、
気ばかりあせるのに辛抱かねて、少し遅れて主塔2階へ]
[息を弾ませて主塔二階に飛び込む。そこに感じた気配に顔をしかめる]
ナサニエルさん?
リックとウェンが居るの?
ここから早く連れ出そう。
今ここものすごく酷い瘴気が篭ってる。
[気絶しているウェンをそっと抱き上げ扉を一瞥すると広間へと戻る]
可愛そうに。アーヴァインさん‥‥。
[側にいるクインジーに]
旦那、リックを頼むわ。俺はウェンを運ぶ。
[倒れたウェンを抱え上げると、床の血の海に気付いた。]
これは……。
さみいな…。明かり持ってきたからつけるぜ。
[ウェンディとリック、そして血を認識し]
…おい、こりゃ、ただ事じゃねえ…。
どうしたってんだ?
ウェンディがやられた、ってのか…?
[すぐに違うとわかり安堵するが]
あんまここにゃ、いたくねえな…
[先に来た者が双子を背負っていくのに]
あんま役にたてんかったようだな。
しかしこりゃ…なんだ。
さっき来たときはこんなもん、無かったはずだが…
こいつらのじゃないとすると……
[頭を振って]
ここはだめだ。戻らんと。
[広間へと戻る]
[手にしたお盆には、紅茶・ブランデー・ミルクと砂糖、13人分のティカップ]
珈琲は…
[と、一抱えも有りそうな薬缶を困った顔で見つめる]
[ナサニエルにリックを頼まれるが…呆然とした様子で]
リック・・・今 お前なにをした?
今 アーヴィングを?
その扉の穴に
落としたのか
[夢で見ていたことだったがやはりショックは隠せずに]
これが…
[抱き上げたウェンを広間の暖炉の前のソファーにそっと寝かす
鼻にポケットから取り出した嗅ぎ塩をあて、ウェンが意識を取り戻したのを確認する]
もう大丈夫だからね。
[横に座り込んでそっと髪をなでている]
[抱えられてきた双子や、皆の表情から事態を察し]
………アーヴァインさんが襲われていたんだね……
……そう、夢でもそうだったように、幕を開けるしかないんだね。
[呆けたように座り込むリックの姿をみると・・・
何もいえず
抱え上げ 広間へと運び ウェンの側のソファーへ座らせた]
あの扉が 例の穴か…ということは お前達の父親は…狼に
[リックに尋ねた]
[シャーロットに尋ねられると自分の顔に手を当てて]
そうすか。いや…
ちびどもはどっちも別状ないみてえすけど、
塔の2階の床が…
[一瞬躊躇するが他の言い方も思いつかず]
血まみれで。
また夢でも見たみてえな感じで…。
そう…夢の通りだったのね…
[ちらっと双子の方へ視線を向けて]
夢では、この城の管理人には手を出さないと狼は言っていたけど…
可哀想に…まだ、子供なのに…
[ユージーンに、少しブランデー多めの紅茶を手渡す]
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