人狼物語(瓜科国)


1950 理想の村


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不動産屋 エセ に 6人が投票した。
絵本作家 イノマタ に 1人が投票した。

不動産屋 エセ は村人達の手により処刑された。


次の日の朝、絵本作家 イノマタ が無残な姿で発見された。


闇が村を覆い、村人達は自らの過ちに気付いた。人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。


魔女 三日月猫

短い戦いだった。

カネコミズキは死んで、
ミカズキネコも殺される。

魔女の支配する島、そんな事を信じさせていたのに、最期を決めるときに私はそれを皆に頼った、任せた、押し付けた、逃げた。

やってる事が正しいか、迷ったことは無い。
人が消えていくことは悲しいに違いないから、
その悲しみを救えるなら自分の身など気にしていなかった。

限界と侵略者、どちらが先に迎えに来るか、それだけの話だったのかもしれない。

( 0 ) 2020/03/29(日) 01:15:12

二代目 ヨダカ

食堂から出ていく人影が一つ。
大空という天蓋に瞬く星。その星灯の元、夜鷹は立っている。
気品漂う振る舞いのまま、皆を見下ろすように彼女はそこに在った。

「……チェックメイト、か」
ふう、と小さくため息を吐いて、流し目を向ける。その先にあるのは、大小様々なレリック達。

始まりは私の手からだった。
彼へ救いの手を差し伸べたのは、私だったのだから。
だが、終わりは運命という名の他者の手の元に。

レリックを駒に用いたゲームに白黒の決着が着いた。
今は再会の喜びを、今日という良き日を迎え入れよう。

夜道を音もなく歩いて行く。
その先に居るのは────────。

( 1 ) 2020/03/29(日) 01:36:26

二代目 ヨダカ

>>カネコ

「こんばんは、カネコくん。
……いいや。こんな陳腐な挨拶なんかより、今は君の健闘を讃えるべきかな?お疲れ様、”三日月猫”」
真紅の唇は弧を描き、残酷なほどに美しく微笑んだ。さながら、童話に出てくる悪い魔女のように、ヨダカの瞳は鋭く細められる。

( 2 ) 2020/03/29(日) 01:36:34

魔女 三日月猫

>>2 二代目 ヨダカ

「……ヨダカさん。」
切れ味のいい皮肉に改めて悔しさを噛み締める。

「人の心配するフリですか?1人で満足してたあの頃とは大違いですね。

【彼のこと、ここに連れてきたのヨダカさんですよね?】
本当はまだあの時のこと引きずってるだけじゃないんですか?いい趣味してますね、【二代目】の魔女は。」

助けてあげた、なんて恩を売るつもりはないが平穏を邪魔されたくはなかった。それは小さな願いだったはずなのに。

彼と向き合ったときから全て気づいてた、彼をあの灯台から解放できるのは先代のこの魔女だけだ、と。

それでも、許せない、なんて怒れないのはなんでだろう。
今まで皆が積み上げてきた当たり前の幸せが無くなっちゃうのに。

「何が目的なんですか、この島を消して、何がしたいんですか?」

( 3 ) 2020/03/29(日) 01:46:05

不動産屋 エセ


感情のコントロールが上手くなった高校生の春。綺麗な黒髪をひとすくいして耳にかけ、しんと静まる図書室で本を読む彼女に恋をした。一目惚れだった。

ダメだとわかっていても、目でおってしまう。近付いてはいけないと、何とか自制しても止まらない心。
なるべく姿を見ないように1年間過ごして次の春。同じクラスになってしまった。席が近く、徐々に会話してしまった。抑えていた恋心は芽を出し蕾となる。

仲良くなるのに時間はかからなかった。共に過ごす時間は増え、親友と呼んで差し支えない関係になった。けれど、その立ち位置ほど残酷なものは無い。

親密な関係になればなるほど、彼女のことが好きになる。どんどん惹かれていくのに現実は甘くない。『彼氏が出来たの』なんて頬を赤らめて報告する彼女を、祝福せねばいけないのだから。

ああ、あの幸せそうな笑顔は、わたしが作りたかったのに。悔しい。どうしてわたしは男では無いのだろう。気持ちを押し殺しながら、恋愛相談に乗る時間ほど、消えたいと思ったことは無い。それでも傍にいられるなら、それでも良いと思える恋だった。

( 4 ) 2020/03/29(日) 03:30:01

不動産屋 エセ


自制しながらも、彼女の恋愛相談に乗る。恋人になれずとも、一番の理解者になろう。そんな風に思ってきた。『そんな男やめておけ。』『わたしなら幸せに出来るのに。』『もっといい人がいるよ。』彼女が欲しい言葉は全部与えた。全部叶えた。だからその一言に、希望を見いだしてしまったんだ。

『心絃が恋人なら良かったのに』

恋が実るのではないか。恋人になれるのではないか。彼女となら、幸せになれるのではないか。
思い上がるわたしは、胸中を吐露してしまう。絶対に言わないと決めていた言葉。絶対に秘密にすると誓いを自ら破った。

けれど、思っていた反応とは違っていた。困ったような顔で本当なのか冗談なのか見極める顔をしていた。違う。違う違う違う。わたしが見たかった顔は、そんな顔じゃなかった。そんな目で見ないで。

「なんて、嘘だけどね!」

いたたまれなくなったわたしは、信じた?と明るくおどけるしかなかった。隣に居られなくなるくらいなら、自分を押し殺していい。恋心なんて飼い殺してやればいい。心境とは真逆の感情を偽装して、何とか笑った。

彼女の心から安堵した表情は、今でも忘れられない。

( 5 ) 2020/03/29(日) 03:32:21

不動産屋 エセ


月日は流れ、社会人になった。それでも、彼女の親友として肩を並べられて。あの時の恋心は芽吹いたまま、何年も偽って過ごして。彼女の幸せを願っていた。

頑張って異性と付き合ったこともある。貴女が4人でデートしたいと言ったから。失恋を慰めたこともある。仕事よりも大事だった。貴女が1番で、ずっと好きで。大好きで。だから、無理だった。


貴女のウエディングドレス姿なんて、見たくない。わたしは、貴女が誰かのものになるなんて、耐えられなかった。貴女が幸せなら良かった。良いはずだったのに。

出来ない。わたしは、祝福のスピーチが、出来ない。貴女からの頼まれ事はなんだって叶えてきたのに。これだけが、出来ない。
それでも、笑顔でおめでとうを伝えたくて

そんな時、知らない番号から電話があったんだ。

( 6 ) 2020/03/29(日) 03:43:46

不動産屋 エセ

「……わあお」

捨てたわたし、おかえり。

( 7 ) 2020/03/29(日) 03:45:44

写真館店主 タニグチ

「どうやら終わったようだな…。

腕を組んで仁王立ちする黒のクイーンことタニグチサカエは寒風吹き荒ぶ噴水広場で呟いた。」

吹き荒んでいない。快晴である。

「思うところは色々あるだろうけど。
黒への文句は俺に言え!!」

大好きだったものたちとの訣別の時が、今始まった。

( 8 ) 2020/03/29(日) 08:42:34

ドロップ クラタ

私達の正義は認められた。

「ありがと。ひーちゃん、タニグチさん、モリタ君。きっと、あたし一人じゃ成し遂げられなかった」

そう言って、私は笑った。

( 9 ) 2020/03/29(日) 09:26:40

家庭教師 ハフリベ

屠ると祝るは同じものだという。お前はまた間違えんだ、という声が脳内に響く。
暴漢ではなくハフリベケイが選ばれた間違い。
先輩ではなくハフリベケイが生きていた間違い。
カワモトリツやナガオアサオではなくハフリベケイがここにいる間違い。

なんだか酷く疲れていた。
でも、気持ちは荒れなかった。

この島が認められず、彼女たちが正しくなったというだけだ。

( 10 ) 2020/03/29(日) 09:45:21

二代目 ヨダカ

>>3 三日月猫

棘のある言葉に口の端を上げた。稚拙なことだ、年下でなければ笑い飛ばしてしまうほどに。

「……そこまでお見通しなら、もう分かっているだろう?
『平穏な生活を』だなんて言っておきながら、その実は臆病な少女が見え隠れしてさ。いつまでも自分の殻に篭ってばかり。
だから、彼との対話が必要だと思ってね」
在り方の違う魔女二人は相対する。
瞳には互いの姿が写し出されていた。

「別に何も?島を消すのが目的なんじゃない。
魔法の本質を知る私は君の魔法の在り方が見ていられなかった。ただ、それだけさ」
今まで隠していた事を洗いざらいに吐く。
憑き物が落ちたかのような夜鷹の表情は、どこか晴れやかだった。

「…………結果、こうなってしまった事は残念だけどね」
ポツリと、静けさの中に心の内が溶け込んだ。
島が消えるという事は……嫌な予感がしていた。それでも、私がやらなきゃ誰もやらないってわかっているから。

この子には、もう先生がいない。魔女とは孤独で醜くて……本当に、悲しい生き物だ。

( 11 ) 2020/03/29(日) 10:06:07

バーのママ マスジョウ

直前まで寝転がっていたから。
天井が無くなったことにすぐに気がついた。

飛び込んできたのは抜けるような青空と、久しぶりに感じるお天道様のあたたかい光。

その眩しさに、空に一度手をかざして……半身を起こす

「久しぶりのシャバってやつかしらね」

ああ、ここは見慣れた島で。
彼女たちが勝ったのだと、すぐに理解した。

ふらりと立ち上がって、ゆっくり噴水広場に向かう。
友達を弔ってあげたかった。
殺したのは自分だとしても、お礼がしたかったのだ。

( 12 ) 2020/03/29(日) 10:50:56

魔女 三日月猫

>>11 ヨダカ

「私は覚悟をして、魔女になった。スイセンを倒して三日月猫になった。彼に選択肢を与えるつもりはなかった。」

けれどこうなった以上、世界の終わり、という結論が決まった対話が必要だ。
「ハルカさんとお母さんの事は詳しくは知りません。でも、何か思うことかあって過去の精算をしたくてこんな事をしたのなら。
感謝はしないけど、咎めもしません。」

二代目 魔女 スイセン、と始祖の魔女。
その間に何があったかは知らない、でも、魔女の力が受け継がれる条件だけは知っていた。

「それじゃ、私は彼と話してきます。」

この島で何も捨ててないのは、この人だけ。その彼女は平等な顔でずっと食堂を営み続けた。
イートハーブは濁り者の暖かい絶望を包み続けた。私にお母さんのように私は料理が出来なかったから。
その点に、ありがとうと言えないのは私の弱さだ。

「さようなら。」

2代目魔女でも、これが今生の別れだとはわからなかっただろう。

( 13 ) 2020/03/29(日) 11:03:49

バーのママ マスジョウ

まだ、取り出されていないレリックは展示されている。

無惨に引き裂かれて、綿が出ているピョン太を間近で見るのは初めてで。
胸が痛かったけれど、導かれるように手を伸ばす。

そっと持ち上げたら首がもげそうだったけれど。両手で綿も全て持ち上げて、そっとそれを左手に移す。
ああ、大人の男で良かった、と思った。大きくなった手のひらに、小さなピョン太はお利口に乗ってくれる。

少し震える右手で、そっと、ピョン太の頭を撫でる。

「……ゴメンね。全部、『俺』と、『アタシ』のせい。いつも助けてくれたのに、いつも一緒にいてくれたのに……痛かったでしょう。

もう一緒に居られないかもしれないけど、もう少しだけ。
アナタは怒っているかもしれないけど、もう少しだけ、一緒に居て欲しい。
今までも、今もずっと、ありがとう。言えなくてゴメン」

人の目なんか気にしないで、1番の親友にそう伝えたのだった。

( 14 ) 2020/03/29(日) 11:05:53

ピアニスト アマノ

「もう、このままでいいのに」

負けを悟って、それでも広場を訪れる。
私のレリックはまだ綺麗なまま飾られている。触れたくない、ここにずっと飾られているうちは無事なのでしょう?

どうせ、弾けないのだから。
チェロ奏者がいない? そんなのただの言い訳で、私は弾けない楽譜を書いた。見栄を虚勢を、理想を形にしてしまった。

( 15 ) 2020/03/29(日) 11:09:59

バーのママ マスジョウ

>>15 アマノ
広場にやってきた影を見て、小さく手を振った。

「アマノちゃん……長いことお疲れさま。
たくさんお仕事して、疲れたでしょう?

ゴメンなさいね、さっさと居なくなっちゃったわ」

( 16 ) 2020/03/29(日) 11:12:25

侵略者

全てが終わって、1人の魔女は女子高生に戻る。
「降伏宣言、してくれる?」
負けてもなお凛々しい彼女は気を抜いたら噛み付いてきそうな野良猫みたいだ。

【残った人格達に苗字を思い出させた。】

エピローグに繋がる第一歩、成長に必要な足がかり。
自分に帰るといった結末が決まった葛藤だけど止まった時計はちょっとずつ進み始める。

「まずは謝って欲しいな、ずっと閉じ込めてごめんなさい、って。
いいや、それより前に【捨ててごめんなさい】だね。」

俺は濁り者だけど、濁り者ために戦った訳では無い。
ただ、このバカを説得するために、1発ぶん殴るために世界を滅ぼしに来た。

カネコミズキが作った最初の濁り者、カネコミズキが最初に対話を諦めた人格。

【彼女が捨てたのは自分に優しい人格だ。】

俺はカネコミズキに優しい人格、魔法の本質を知っている俺は"自分に優しくするため"三日月猫に挑んだ。

( 17 ) 2020/03/29(日) 11:29:57

ピアニスト アマノ

>>16 マスジョウ
「…不運だったわね」

控えめに手を振りかえす。
きっとこれは幻覚か夢。自分の作りだした何かなら、何を言っても構わないわ。

「ほんと、聞いて? 私難しいこと考えるのは苦手なの。逃げてたらこんなことになっちゃって」

( 18 ) 2020/03/29(日) 11:45:19

二代目 ヨダカ

>>13 三日月猫

「……覚悟というのは、意図も容易く踏み躙られるものさ。そう、今もね」
魔女だから、万能の力を手に入れたからとて全てが上手くいくとは限らない。
いずれ訪れる破滅は、せめて優しいものに。

「ふふ、あの人によく似て頑固者になったなあ。
君のそんなところが、嫌いで好きだよ」
三日月猫の背に、誰か別の人を見て泣きそうになりながらも微笑む。

本当に、大きくなったね。
親戚のおばちゃんのような一言が言えるビジョンはとうの昔になくなった。
あの人が死んでから、忘れ形見である彼女に純粋な愛を向ける自信なんてなかったから。

「……さようなら、瑞希ちゃん」
この時の私は、私のした行いがどのような意味をもつかも知らず。ただ、別れの挨拶を口にしていた。

( 19 ) 2020/03/29(日) 11:48:24

バーのママ マスジョウ

>>18 アマノ
不運、というアマノに肩をすくめる。

「うーん、アタシの目が節穴だったのよ」

「仕方ないわ。アタシもそっちに居たら、白のルークが最初に消える、なんて考えないもの。
あ、でも、アナタはうちの店に貼ったメニュー見て、アタシが消える気無かったの分かってくれてたでしょ。アレ嬉しかったわよ」

目を細めて微笑んだ。

「アナタは逃げてない。ちゃんと自分の役目を果たしていた。自分を褒めてあげなさいな」

( 20 ) 2020/03/29(日) 11:48:55

ピアニスト アマノ

>>20 マスジョウ
「そんなことないわ。誰も悪くない」

続いた言葉には寂しげに笑った。

「そうね、気づいてた。なのに私ったらバカだから、上辺だけ見てそんなこと有り得ないって思ってしまったのよね。
間違えた。私じゃなかったら、間違えなかったかもしれないわ」

つ、、と頬に涙が伝う。

「ねぇ、ママ。最後に、もう一回だけ手料理食べたかったわ。もっと話せば良かった。」

せめて、xxになればよかった。

( 21 ) 2020/03/29(日) 11:55:00

二代目 ヨダカ

レリック、人のもつ命の奔流の形。
命の輝きとも言える物体を持つ彼らが可愛らしくて、同時に羨ましかった。

きっと、そんな住人の、島のことを含めて清算があるのかもしれない。
信念のぶつかり合いの果てに生まれた勝者が、このまま何もしない訳がない。

だが、最初から持たざる者である私はそんなことには微塵も興味が湧くはずもなく。
最初から最後まで、私は観戦者だ。
指し手を少し煽っただけの、ただの部外者。

純粋な勝負には決着がついた。
後は審判の日を待つだけ。

私は、逃げも隠れもしない。
ただ、自分の在り処でその時を待とう。

( 22 ) 2020/03/29(日) 12:00:19

二代目 ヨダカ、食堂へと戻った。

( A0 ) 2020/03/29(日) 12:00:32

バーのママ マスジョウ

>>21 アマノ
「あら、優しい……アリガト」

寂しげに笑う彼女に、困ったような笑顔を向ける。

「ちょっとォ、さっきアマノちゃんが言ったのよ?誰も悪くないって。
あ、ほらほら泣かないで?大丈……」

大丈夫だから、と、涙を拭おうとして頬に手を伸ばして……触れないことに気がついた。
どうやら、レリックが壊された者は、幽霊のようになっているんだろうと察する。

「……困ったわね、今のアタシじゃアナタの涙を拭いてあげることも出来ない。

そうね。アタシも……もう一度お店を開きたかった。もうそれも叶わないんでしょうね。
でも、まだもう少しくらいはお話出来るわよ。アタシお話大好きだから、もっとお話しましょ?」

( 23 ) 2020/03/29(日) 12:39:51

ピアニスト アマノ

>>23 マスジョウ
「だって、私なんて………」

ただの強がりな女なのよ。
そう続けようとした言葉が止まる。
ママの指が私をすり抜けて、こんなの、まるで幽霊みたいじゃない。

「生き返るはず、ないものね。仕方ないわね。」

自分で涙を拭う。ファンデーションが指についた。こんな時まで、私は化粧をしないと外に出られない。本当に愚かね。

「ええ。…座っていい?」

返事を待たずに、広場の端のベンチへと向かった。

( 24 ) 2020/03/29(日) 12:47:30

バーのママ マスジョウ

>>24 アマノ
アマノがベンチに腰掛けるのを待って、隣に座る。
腕を組んで、ついでに足も組んだ。

「こうして隣に座るのは新鮮ね。いつもカウンター越しだもの」

隣から、少し顔を傾け、彼女の横顔を見た。

「で、日頃の感謝の気持ちでもお聞かせいただけるのかしら?

……なんてね」

( 25 ) 2020/03/29(日) 12:52:25

魔女 三日月猫

顔を見た時からズキリと痛いんでいた。
いつも自分に降り注ぐ慢性的な痛みとは違った。
魔法には常に対価が存在した。

人格を捨てて島に住まわせるには、心臓となる部分がもう1つ生まれる。
魔女がカネコミズキと自覚させないためには、魔女の存在が絶対化される。

彼らの時間を止める分だけ自分の時間が早く進む。

他人の事故を回避した時には代わりの苦痛が降り注ぐ。
他人の負の感情を昇華した時には代わりの心労が降り注ぐ。

慣れてしまった「みんなの痛み」とは違った、自分の痛みが気付けになった。

「うん、いろいろごめんなさいだね。カネコミズキさん。」

この島を作るには彼を捨てる必要があった。
私の大嫌いな私を。
だけど、彼は大好きなんだ、私のことが。
だって、自分に優しくする、それが彼の存在意義なんだから。

( 26 ) 2020/03/29(日) 12:55:56

魔女 三日月猫

だけどきっと彼は知らない。
私が1つだけ自分に魔法をかけていることも、その対価も。

「試合は君の勝ち、文句ない。」

だけど分かってないよ、君は。
魔女は絶対に幸せにはなれない。
君がどんなに私を救おうとしても、私はもう救えない場所に落ちている。

「私ね、不老不死なの。」

それは悲しい魔法、終わらない魔法。

( 27 ) 2020/03/29(日) 12:56:05

男子寮手伝い カワモト

空気が僅かに揺れる音に、自分たちの敗北を知る。

世界の終わりの始まりは、思っていたよりもずっと、静かなものだった。

隣に居る彼は、どんな表情をして、何処を見て、何を思っていたのだろう。

自分はきっと。酷く情けない表情をしていたのだろう。

誰かに、彼に、寄り掛かりたくなるような思いを。それでも、あの日。隣に立つことを決めたのは確かに“僕”だったから。

過去から、現在から、逃げ出したくなる自分ごと握り締めて。最期のその瞬間に、彼の隣に立つことのできる自分であってほしいと、どうしようもなく願い空を仰いだ。


勝者へと照らされる眩い光は、同時に。敗者へと仄暗い影を落とすのか。

( 28 ) 2020/03/29(日) 13:03:17

書記アシザワ

ミラと名付けられた手元にある星は、以前より輝きが鈍くなった気がする。
なにと呼応しているかは分からない。
だけど、確実に弱くなっている。

「この輝きも...なくなっちゃうの。」

私のヒーローはヒーローで、××で便箋を貰った人は狂っていた。

( 29 ) 2020/03/29(日) 13:07:32

不動産屋 エセ

公園でビール片手に世界が終わることを待ち、やはり世界は終わっていた。手癖でもう一杯……としようとして、触れられないことに気づく。そして、わたしが村に来た頃。
“鏡 心絃”を模倣して死にたくなったこと、“鏡 心絃”の幻影に取り憑かれ、死にたくなったことを思い出す。

自殺したいと思っていた気持ちは、いつの間にか『アルコール欲しい』という欲求に変わり、わたしは今まで過ごしていた。てっきり、お酒に逃げるダメなわたしなのだとばかり思っていたのに。

「かーれしっ」

あの少女マンガの白王子の真似をして、愛しの恋人を呼ぶ。おい、彼女様がお呼びだぞ。秒で来い秒で

( 30 ) 2020/03/29(日) 13:18:50

侵略者

「お前……。」

魔女の魔法には対価がある。
端的に言えば誰かの病気を治せば自分が病気になる。

不老不死、その言葉は余りに強大だから、
その裏の対価が怖くなった。
聞きたくもなかった。

もしかしたら僕は、俺は、取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれない。

彼女を助けくて彼女を殺してしまうのかもしれない。

「全て、話してくれ」

( 31 ) 2020/03/29(日) 13:37:58

魔女 三日月猫

ベンチを用意して適当に座った。
全てを話す、それは物語のオチには必要不可欠なことだ。
彼も疲れを隠せないで隣に座る。
自分と自分が座る、それは変な光景だった。

「みんなを拾うにあたって、成長を止める必要があったの。じゃないと、また誰かが何かを捨ててしまうかもしれないから。でも1人の成長を止めると私の成長が倍で進む、これじゃ元も子もない。
だから、私はそれをカバーするために不老不死になった。」

危険な手段ってことは分かっていた。でも痛みを伴う成長を私は認めたくなかった。だって、ここにいるみんなはあんなに幸せそうだったから。

「不老不死の対価は、【誰かに必要とされること、心から生きたいと思うこと、この両方が満たされた時に死が訪れる。】」
これは誰にも話していなかったこと。
誰にも話してはいけなかったこと。

「今まではずっと辛かった、例えば誰かの事故を救えばはち切れそうな痛みがあったし、それよりみんなの負の感情がずっと私の中で蠢いてるほうが辛かったな。」

( 32 ) 2020/03/29(日) 13:51:29

魔女 三日月猫

「でも、あなたは私から魔女の力を奪った。
私は誰の痛みも悲しみも怒りも背負えなくなった。」

少し泣けてくる。
義務として背負ってきたもので自分の人生にブレーキをかけていた。
それに見兼ねて彼が私を助けに来て、それでも私は救えなくって。

「ほんとに馬鹿。

こんなんじゃ私、生きてたくなっちゃうじゃん。」

彼の存在は常に私を必要としている。
そして、私は生きたいと願ってしまった。

「だから、私は死ぬよ。この島と一緒に。」

涙は止まらないけど、思いっきり笑ってやった。

試合に勝って勝負に負けたもう1人の私に向かって。

( 33 ) 2020/03/29(日) 13:51:31

侵略者

捨てられた時点からずっと灯台に幽閉されていた。
暗黒の中で、ずっと「カネコミズキに優しくしなければ」という観念に迫られていた。
久しぶりに光を見たのは数日前で、目の前には先代の魔女がいた。

僕はやっと自分の生きる役割を果たせるようになった。

なのに。
「じゃあ、じゃあ!!!
…俺はどうすればよかったんだ。

俺はお前に捨てられた、そして生まれた、自分に優しくするために。

その結果でお前が死ぬんだったら、そんな事になるんだったら。

俺はなんでこんなことをしたんだよ、
俺は、なんで生きているんだよ、
俺は、なんで、産まれたんだよ。」

どうすれば良かったんだ、何が正解だった?
俺がずっと閉じ込められているべきだっか。彼女が苦しむのを闇の底で知らないフリをすべきだったのか。

( 34 ) 2020/03/29(日) 14:18:16

侵略者

自分に優しくしたい俺は、この手で自分に厳しい彼女を殺す。

これが今回の結末。
零した涙だけじゃ答えにならないから、言葉を振り絞る。

「俺は本当にお前を愛してるんだ。」

( 35 ) 2020/03/29(日) 14:18:20

侵略者

彼女は席を立つ。
こちらを見ることもなく、すすり泣く声だけが聞こえる。

こうやって泣かせてしまうんだ。
自分に優しくするのは、難しい。

「本当にお疲れ様、頑張ったな。」

元魔女の小さな小さな背中を見ていると、自分の生きている意味を思い出す。取り返しがつかなくても、かけられる言葉がある。

もし、立場が逆なら「頑張ってね」なんて言葉が送れたのかもしれない。

たった1文字の為の戦争だった。
その為に、数万の言葉が歌われた。


猫は死ぬ時、その姿を誰にも見せない。
自分以外の、誰にも見せない。

( 36 ) 2020/03/29(日) 14:26:24

魔女 三日月猫

いつの間にこんなに私と私は離れてしまったんだろう。
「人は仰いで鳥を見るとき、その背景の空を見落とさないであろうか」
いつかどこか誰か偉い人の言葉。私の一番嫌いな言葉。
彼の1番好きな言葉。

彼だけはこの島で唯一、空の美しさを見つめてくれた。
全てを捨てて魔女の概念と戦う私を、幸せを創る機械に堕ちていく私を見落とさなかった。

「どうしようも無かったんだよ。でも、あなたはどうにかしようと戦ってくれた。
最初はふざけんなって殴りたくなったけど、今じゃ必要なことだったんだな、ってわかった。」
やろうと思えば、彼の存在を完全に消す魔法すら使えた。しかし、それができなかったのは自分がやってる事に対しての迷いが心のどこかで存在してたから。

「罵倒も感謝も死ぬほど送りたいけど、本当に死んじゃうから端的に伝えるよ。

ありがとうね、ばか。」

さて、私は死ぬ準備をしないとな。
タニグチが撮ったモノクロの写真を持つ、遺影にはピッタリだけど誰も死んだことに気づけないから葬式なんかない。

どこに行ったものかな、なんて迷ってると背中から恥ずかしい告白が聞こえた。

( 37 ) 2020/03/29(日) 14:42:23

魔女 三日月猫

自分に厳しい私は、自分に優しい彼に殺される。

これが今回の結末。
零した涙だけじゃ答えにならないから、言葉を振り絞る。

「私は本当にあなたが大嫌いだよ。」

( 38 ) 2020/03/29(日) 14:42:26

バーのママ マスジョウ

休憩所になりたかった。


ベンチに腰掛けて、空を見上げる。
行き場をなくした人格達が身を寄せあって過ごすこの島で、もうひとつ暖かい場所になってみたかった。
全てを肯定してくれるのに、きっとどこかで自分を否定してしまう人たちを、さらに肯定してあげたかった。

たとえ、その本質が、自分が二度と捨てられないようにするための、エゴであっても。
その気持ちは本当だった。

本当はどこかで分かっていた。
いつまでも休憩してはいられないと。
いつかは席を立たなければいけない。
それでも、それは、もう少し。穏やかなものだと思っていた。
いきなり椅子も机も片付けられて、ドアの前まで連れていかれるようなものだとは思わなかった。


「……やっぱり、久しぶりの太陽は眩しいわね」

( 39 ) 2020/03/29(日) 15:02:00

アナウンスの声(村建て人)

魔女の日記

( #0 ) 2020/03/29(日) 15:16:17

アナウンスの声(村建て人)

幸せは、いつまでも続くと思っていた。
そこに確かな保証も、確信もないけれど。満ち足りた日々に希望を見出していた。

その希望は、意図も容易く奪われる。

あの人が、学校に来なくなった。
嫌な予感が背筋に伝って、その日は先生全員にあの人の行方を聞いて回った。
誰に聞いても同じのしょっぱい返答に、授業すらも投げ出して愛の巣へと駆け出す。そこすらも、もぬけの殻なのを見たのを最後に、わたしの意識は黒に塗り潰された。

次に目覚めたのは病院だった。
倒れていたのを、親切な通行人が世話を焼いてくれたらしい。

「何で助けたの?いっそのこと、見殺しにしてくれればよかったのに」

恨みがましい一言を放つ。
周囲から侮蔑と、失望の眼差しを向けられながら、わたしは退院した。

それからは絶望の日々だった。

( #1 ) 2020/03/29(日) 15:16:22

アナウンスの声(村建て人)

あの人がいない世界に意味なんてないから、もう消えてしまおうか。
初めて、遺書を書いた。あの人が綺麗だと褒めてくれた字で、定型文を綴っていく。

どうせ死ぬなら、ここがいいな。
空っぽの国語準備室に、ホームセンターで買った太い縄を下げた。縄の結びは、ちょっと調べればすぐに出てきた。

机の上に遺書を置いて、後は踏み台を蹴るだけ。

その時、誰もいなかったはずなのに。目の前に見知らぬ少女が現れた。
無機質な瞳で、こちらを見つめてくる女の子。
わたしが何かを言う前に、凛とした声が響く。

「やあ、死にたがり」

「お前に預かり物を渡しに来た」

「聞いて驚くなよ、差出人は……」

────その日。わたしは、わたしであることを辞めた。

( #2 ) 2020/03/29(日) 15:16:27

侵略者

>>30 エセ

「そんなみっともない姿を見れるのは彼氏の特権かな?」

地球外生命体もアルコールを摂取してフワフワしたがるんだな、なんてくだらない話はもうおしまいで。

それでもカウントダウンの中でお酒に溺れてる彼女がどこか惨めで悲しく思えた。

「ちょっと野暮用で秒では来れなかったけど分では来たから許してくれ」

互いに特に何も求めない言葉の上の関係は何も生まなかった、エセはそこに何を見ていたのか。

それはきっと、聞かない方がいい。

「で、何?お酒付き合え、って話かな。」

( 40 ) 2020/03/29(日) 15:37:33

写真館店主 タニグチ

頭の中で、失われた何かが記憶を繋ぐ音がした。

「…その時タニグチに電流走る…!!
いや、どっちかと言うとニュータイプ的な…。」

ぶつぶつと呟く。

「そんなこと言ってる場合じゃなかった。
……思い出した。私は『イズミ』。
イズミサカエだ…。」

┈┈┈┈┈┈┈
谷口は、私の好きな漫画の主人公。
名門野球部からごく普通の中学校の野球部に転校してきた少年。二軍の補欠だった谷口は、新しい学校ではのんびり楽しく野球がしたかった。
しかしそのことを言い出せないまま、持て囃され、期待を背負わされてしまった谷口は挫けそうになりながらも影の努力で実力を身に付けた。
キャプテンになった谷口は、強豪との試合を『ただ頑張ること』で勝ち進んでいく。
┈┈┈┈┈┈┈

( 41 ) 2020/03/29(日) 16:21:53

写真館店主 タニグチ

泉栄の青春は充実していたと思う。
同じ趣味の友達に囲まれて、中学、高校、大学時代を過ごした。

ふと思い至る。

私は『二軍の補欠』ではなかったかと。

私の過ごした青春はそれでよかったのかと。

レリックの『集合写真』は、泉栄の失われた青春をモチーフにしている。

社会人になった泉栄は、それまで特に縁のなかった恋愛事に巻き込まれる。外面を整え、マニアな部分を隠して過ごしていた泉栄は同僚に告白された。
『二軍の補欠』から脱却出来るかもしれない。
そう思った。そう思ってしまったのだ。

そして泉栄は電話をとる。

( 42 ) 2020/03/29(日) 16:22:01


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