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[お玉を使い、フライパンに広げて焼いていく。
膨らみ易い粉なのか、全体的に疎らなきつね色がついていく。
小さめのパンケーキを72枚焼くと、ポコが戻ってきた。]
コルドさんの依頼の品、わかったら後で教えて貰おう。
[身軽な男だから命綱一本で下っていけるような場所にいるものが依頼の品とは、青年は思いもよらない。
鉄板で焼くというから、ほ乳類の肉だろうか、なんてとっても幸せな想像をしている]
鉄板なら魚も美味しいよね。
ああ、あれは網焼きか〜
[以前オノンとも話したか、生魚の話し。
幼い頃は漁師の町に暮らしていた。だから生魚も焼き魚も食べたことがある……危険種は、さすがに子供には無理な相手だ。
性格は、全く漁師に影響されずにこんなだけれど]
早く安全に漁できるようにしてあげたいな。
[北の方の空を見上げた。
ヘロイーズの家はもうすぐか。
青年は時計を見る。
北の割れ谷に立つこと、招待状をくれた彼女にはきちんと話しておかなければ行けないと思う。
おみやげでも何か、などと考えてしまう青年は、やっぱりどこまでいってものんき者だ*]
― 朝・自宅前 ―
ふんふんふーん。
ふんふーん♪
ふふふふーん♪
[小さい割烹着を着て、
でたらめな歌を歌いながら、
自宅前の道を箒で掃いている。]
ふんふんふーん♪
ふふふふー。
[さっさ、さっさ、さっさ]
おはよーございます!
今日もいー天気なのだー。
[頭のあれには、周囲にゴムを通した
小さな白い帽子が被せられていた。]
― 朝・自宅前 ―
トニーくん、おはよーございます!
今日はどこへお出かけなのだ?
[人間だけでなく、犬にも朝の挨拶。]
お隣さんも掃いておきましょー。
さっさ、さっさ、さっさ。
キレイキレイです。
うふふー。
[くるるん]
[無事に崖下まで下り、マンゲツガニを待つ。
やはりクラブローパーの影響もあるのだろう、なかなか姿を現さなかったものの、一晩粘って4(6)匹は手に入れることが出来た。
あとはこれを持ち帰るだけだが――]
そう簡単には終わらせてもらえないか。
[匂いを嗅ぎつけたか、壁で蠢くものがあった。
ざわざわと這い出して来たのは、フナムシを大きくしたような生き物だ。
危険種としては小型サイズだが、噛まれればかなり痛いだろうし、何より依頼の品を傷付けられては困る]
流石に全部は相手してられないな……!
[ロープを掴むと、登るというより跳ぶ動きで、崖を上がって行く。
途中フナムシに取り付かれそうになると、手や足で素早く払った。
ようやく縁に手が届くかという所で、上からも折り重なるように落ちて来る影が見えた]
邪魔だ!
[ロープを片手に持ち直し、開いた右手でクロスボウを引き抜く。
狙いを定め引金を引くと、数匹が矢で貫かれ、更に近くの数匹が余波で吹っ飛んだ。
群れの密度が下がったタイミングに、一気に登り切る]
ここまで来れば一安心だな。
[4匹のカニの重みを感じつつ、一息ついた。
このまま何事もなければ、翌日の朝までには、依頼の品をコルドの所へ届けることが出来るだろう**]
(巨大な影、とはあれのことか)
[向こう側の湖畔に見つけたそれに、赤い目を合わせる。
キリリと音が鳴る――機巧仕掛けの赤い目で焦点を合わせ、細部の形状を、動作の特徴を確かめる。
暗い影はその全体が細かく蠢き、羽ばたきと草を踏む微かな音と、わめきの混ざったような響きを伝える。
木々の間まで分け入って広がる、異様に巨大な影]
(これは、巨大生物ではない、
生物の集合体だ――――)
!!
[気付かれた。
ほんの微かな機巧音に耳ざとく反応したか、遠くから視認されたのか。
どちらかは判らないが、どちらにせよ、樹海内の生物にこの距離で反応されることは今まであまりなかったことだった。
素早く飛んでくる一羽はヴィロバード。その後から同種の危険種が続いてくる]
[今は逃げるのが得策。
咄嗟にそう判断したロッテは、ヴェルから受け取った火薬と硫黄の玉を一つウエストポーチから取り出し、
素 手 の 爪 で 強く擦り、投げ込んだ。
それからすぐに、その場から離れる。
ヴィロバードたちは煙にまかれたのか、けたたましい鳴き声と羽音は聞こえても、追ってくる気配はない]
[黒い湖と、先程まで居たキャンプ地と、その中間辺りの位置まで逃げてきた。
先程に比べれば幾分かは安全な状況、といっていいところだ]
あれは一体どうしたものか。
この一帯の危険種を広く引き寄せる何かでもあるのかね。
妙に反応が過敏であるような―――刺激されている?
[偵察の道中、この時期であれば中立種に等しい筈の蛇に絡まれ、追い払ったこともまた思い出す。
そういえば先刻会ったヘロイーズたちや他の冒険者たちは特に何か異変を察していた風ではなかった。
そのことも含めて、思考を廻らせる。
何にせよ、「無茶はしない」で偵察を終えることができた。
そういえば合流地点を定めていなかった気もするが、この辺りで様子を見ていれば大丈夫か、と考えていた]
[ちなみにロッテには「体内時計」というものはなく、あまり広く話したことは無いが、眠気も起こらない。
数秒、数分程度ならある程度は細かく意識することはできるし、流石に陽の光を見ての昼夜の区別はできるのだが、冒険者になりたての頃に一度「洞窟をちょっと見てきた心算が気が付いたら3日経っていた」という事件があった程度には、月日に対する体感は常人よりも薄い。
だから、ヘロイーズたちに樹海で遭遇したのが何時のことかというのも、はっきりとは察してはいないの*だった*]
[ポコににっこり頷く。
72枚のパンケーキを、
12枚重ね1セットにしてお皿に積み上げる。
オンカの花と果実のジャムと、昨日採ってきたばかりの斑蜂の蜂蜜を、頂辺からとろーっとたっぷり垂らした。]
「みゅ、みゅっ」
[ヘロイーズの頭の上のリトが、お腹が空いたとせっつく。]
「ぴぃ…」
[リトが頭の上でゆさゆさし始める。お皿が持てない。
なので、たっぷり蜂蜜のついた蜂蜜棒をリトに差し出した。
やがて、蜂蜜棒が奪い去られるように手から離れる。
リトの注意が逸れたうちに、果実保管場所から、ナリヤバナナを5(6)本、綺羅綺羅としたブリリアント型の果実を取り出して。]
―樹海奥―
[薬草の採取は順調に進んだが、最初に聞いていた以上に森は危険だったようだ。ヴェルから採取を指示された薬草のいくつかは、自分の分も取り分けておいた。
あれで最後>>50、と指差した先を見やる。オノン>>55から声をかけられ]
ふむ。あの高さなら問題ない。
量が必要なら何往復かしなければならんが……
どの位取ってくれば良いのかね?
必要なのはどこの部位かも教えてくれ。
[軽く肩を回して体をほぐし、ステッキを構える。体にかかる重力を周囲の魔素に肩代わりさせればふわり、と宙に浮いた。
大人の腰程の高さでいったん浮上を止める]
もう一人連れて上がることはできる。手伝ってくれるか?
[と手を差し出した。頷く者がいれば腰の後ろあたりを掴み、自分と同じように重力のくびきを緩めただろう。
首を横に振られれば、単身さらに浮かびあがるだろう]
[崖を前に宙に浮くのは魔術師一人であったか、連れがいたか。
どちらにしても、薬草の生えている高度まで浮かんだら今度は崖に向かって進む。
見えない手のように魔素を操り、大気をかいて進む。同時に崖にも魔素の手を伸ばし、ぐい、と引いて体を寄せる]
さて、手早く片付けてしまおう。
[一人であれば、片手で集められる量をそっと集めて地上と崖とを往復する。二人で来ていたなら、同行者に採集を任せて魔法の制御に専念し、細心の注意で地上まで送り届けるだろう]
……この位で足りるだろうか。
[ヴェルに向かってお伺いを立てた**]
[酒場の主人へ、旧友である鍛冶師の青年の依頼を受ける旨と長丁場になるのでしばらく留守にする旨を伝えた]
エルバンの事、よろしく頼む!
[と、後輩の事を口にしたなら、今度は酒場の主人ではなく周りの冒険者から「ばっちり鍛えといてやるから、帰ってきたら一杯奢れよ!」なんていう軽口が飛んできた。
次は中央広場のアブラハムの店に向かい、留守にする旨とその際の代役の段取りを伝える。
それが終われば官憲の詰所へと向かっただろう]
――官憲の詰め所
[出立する事と、長期の遠出である事を伝えると詰め所内は騒然となった。
最終目的地である西方の火山地帯が火属性の強い場所という事と、旧友からの依頼である事を告げれば、特に詮索される事もなかった……のだが。
どうやら、ジェスロを頭数として認識していた者が結構な数いたようで、何故か予定表まで組まれていたらしい]
…………
[穴が開いた勤務表を手に、埋め合わせを誰がするか、今から都合がつくかとてんやわんやといった様子で――…さすがのジェスロも、これには絶句するしかなかった**]
― 朝 タウン・ナリヤ ―
[マンゲツガニ入りの網を片手に朝焼けの中を歩き続け、街に辿り着いたのは太陽がすっかり顔を出した頃。
朝の早いコルドに依頼の品を渡し、月夜の魔素を吸収する珍しいカニであること、調理方法が特殊であること、この街に居るイスルギがその方法を見付けたこと、などを説明した。
コルドは大喜びで報奨金を弾んでくれ、懐が大分温まる。
と言っても、大半は来たるべき討伐の準備で費やされるのだろうが]
ま、割れ谷の生き物で手に入れた金だし、割れ谷のために使うのが正しい使い方だよな。
[そんなことを思いながら、街をぶらついている]
― 朝・自宅 ―
[ナリヤバナナは、食べ易い大きさに全て切る。
3本分をパンケーキ6セットに飾りつけ。
ナリヤバナナ2本分とブリリアント型の果実は、リトの分。
魔素予報士マシューから少し包んでもらったキリカ茶を、
ヘロイーズとポコの小さなカップに、こぽこぽと注いで、朝食準備は完了。]
「はくっ」「ん」
[リトが専用のクッションにぺたんとなり、ナリヤバナナをもくもく食べる。
ヘロイーズとポコは隣り合って座り、
パンケーキは、ヘロイーズは5皿でポコは1皿。]
[撃ち落とした獲物の方にふと足を向けていた訳は――。
似たような形状、似たような動き、そして(多分)似たような羽音を持ちながら、ガガーともヴィロバードとも異なる羽の色を其処に見た気がしたからだ]
この色には見覚えが無い。
変異種か?あるいは全くの未知種―――。
[一瞬、イスルギからの依頼に適う食材に成り得るかと考えたが、「自信あり」と言い切れるかと言えばそうでもなかった。
何にせよ、この謎の危険種を持って帰ることに変わりはなかった。
……当のイスルギは今頃別のレアな食材で腕を振るっているころだろうか、などとも『めしや』に居て得た情報から思いもしていた。
尤も彼女が何を作ろうとしていると知ったとしても、それをロッテが他の誰かに話すことは基本的に無い。
話すならば炎の料理人本人の方が適任だろうし、「企業秘密」の概念は、良く知っているものだった]
ヘロちゃん、
今日の新聞何かあったー?
[割烹着と帽子はもう脱いで、
パンケーキをんしょんしょ切ってもくもく。]
今日の予定はー
中央広場とクラットさんなのですっ。
しっかり食べよーね!
[フォークに刺したパンケーキをあーん。]
−崖下−
したらオレが行っでもいいがぃ?
[もう一人>>73、と聞いて立候補。
草の採り方もそこそこに心得ているつもりだし、空中で仮に何か(例えばガガーやヴィロバードが出てきたり)があっても、それなりに対処はできるだろうと]
はぁ〜、魔術師ってのは器用なもんだぃねぇ
[ぶらりと体をエドワーズに任せ、ゆっくりと遠ざかる地面と近づいてくる崖上とを見比べながら、感嘆の声を漏らす]
おぉ、ちゃちゃっと済ませるべなぁ
[高所であることやエドワーズに魔法で支えられていることに対する警戒心は地上にでも置き忘れてきたような気軽さでがけへと手を伸ばし、乱暴にならないよう、かと言って丁寧でもない手つきで手早く薬草を採取していく]
ん、こんなもんでねが?
[根絶やしにならない程度の株をその場に残し、エドワーズに頷く。
それから、またふわふわと、空中浮遊を楽しんで地上に戻って―――]
― 朝・自宅 ―
[朝食が終わると中央広場へ出発準備。
普段着の格好に、短刀とナイフだけ装備した軽装。
今日は三輪の自転車で中央広場へ向かう。
ポコを肩車し、リトは頭の定位置に。
後ろの荷台には、薬草83個と火薬類の薬草は勿論のこと、
昨日納品出来なかったものや在庫の素材を乗せている。
今日は今日で回る所があるのだ。
ポーチに、メモ帳と鉛筆が入っているのを確認し、いざ自転車のペダルを踏み込んだ。]
したらよ、帰り道にに要る分以外の荷物はオレに預けてくれっがぃ?
オレが…そぉなぁ…ヴェルさんの店に、まとめで届げさせてもらうがらよ
みんな乗せで…っつーわげにもいがねし、たぶんそれが一番速ぇべ
[盾に触るわけにはいかないジェスロもいるし、なにより全員載せて、荷物も積んで、という芸当ができるほど盾が広いわけでもない。
ならば、荷物の運搬だけを自分が担当し、皆には身軽になってもらって道を急ぐのがよいのではないか、という提案だ。
ロッテとの合流は、できるだけ急ぎたかった]
―キャンプ地・回想―
[半ば軽口のような訂正に、丁寧に頭を下げられる>>72。けれど顔を上げた時に視線が合い、こちらの顔をみて、エドワーズが笑みを浮かべる]
はい。是非、いらしてください。
[最初にあれほどびくびくしていたのが不思議なほど、自然に笑顔を返した]
―回想・了―
― 朝・中央広場 ―
[朝からも中央広場は人が多い。
中央広場が始まる辺りで三輪の自転車から降り、押して歩く。
ポコも降りて、ぴったり引っ付くように歩いている。
確かに、噴水のすぐ傍に、異国情緒溢れる老人が昨日なかった露店を開いていた。]
[ポーチからメモ帳と鉛筆を出そうとする。]
「いらっしゃい!」
[その手を止め、威勢の良い声>>29に、にこっとした。]
「どれが見たいのかね?」
[ふるふると顔を振る。
露店の商品を見るつもりだが、先ずは依頼を受注しに来た。
町の普段着の姿をして、短刀とナイフを携帯しているが、冒険者と見られるかどうかは分からない。]
―自警団詰め所―
[充分な薬草を集め終えたらタウン・ナリヤに帰還する。道中は何事か起こっただろうか。
樹海の異変を報告しておこうと詰め所に立ち寄った]
やあ、自警団諸君。お勤めご苦労。
……ああ、何もお礼参りに来た訳でも連行されて来た訳でも無いぞ。
[面倒そうにひらひらと手を振る。ジェスロが取り成してくれればややこしい話にはならなかっただろう。
本来奥地に生息する危険種が森の外辺に現れたこと>>2:63
黒い湖の巨大な影の正体を見届けにロッテが向かったこと等を簡単に報告する]
ここに来たばかりの私には普段の様子との差は分からぬがな。
何か起きた時に動ける心構えは必要であろうよ。
[ベテラン冒険者たちの懸念を伝えて詰め所を後にした]
[合流してきた面々の姿を捉えることができたならば、黒い湖の偵察状況>>56>>66>>67>>68を簡潔に――求められれば、可能な限り詳細に話すだろう。
つまるところ、湖で目撃された「巨大な影」は一個の巨大生物ではなく、多数の危険種の集合体であったこと。
またそれら危険種、時に中立種の反応が、鋭敏であったり荒くなっていたりしたこと(これは既に相手も把握しているかもしれなかったが)。それ故に湖から退避してきたという顛末。
そして本来の生息範囲から外れている種をも引き寄せ、また刺激する何かが、湖かその付近に存在する可能性]
[ここで、昨日酒場に居たエルバン>>2:65が居るのに気付く。礼儀正しく真面目そうな冒険者だったが、何処か頼りなさもあった青年だった。ふと昨日、酒場で自分がメモを使っていた事、今普段着である事に頭を巡らせた結果、エルバンが、紙とペンを持ち出してくる展開(>>29)がありありと想像出来、ヘロイーズは先手に出た。]
『冒険者ヘロイーズ・ヴァルサールです。
依頼を受けに来ました。』
[既にそう書いているメモページを見せた。
こういった定型文を書いたメモは他にもある。
これは渡すものではなく、見せるためのものだ。]
[依頼>>0:161は3つ。採取、採取、お手伝い。]
『薬草83個と
火薬を生み出す薬草を持っています。』
[こちらは新たにメモに書いた。]
―樹海―
[崖の中腹の薬草。上まで上がるルートがないではないのだが、崖というのは登るよりも降りる方が危険だ。
最初はオノンの盾があれば大丈夫かと思ったけれど、彼の盾は高く飛べるものではないらしい。しかしオノンに答えて、エドワーズが崖に寄る>>73]
え?ええ、と…必要なのは、茎と葉の部分…根っこは、そのままでお願いします。ねっこさえ残せば、また、はえてくるから…
[そう説明すると、分かったというように頷くと、エドワーズがステッキを複雑に動かした]
…わぁ…
[みるみる間に宙に浮き上がり、驚いている間にエドワーズの要請に答えてオノンが共に浮かび上がる]
……ちょっと、試してみたかった、かも?
[同じく地上に残されたジェスロがぎりぎり聞こえるくらいの声で小さく呟いた]
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