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ニッキーは俺様にとって、この世で最も尊い存在だよ。
ニッキーの代わりになるものなんてどこにもない。
だから、ここに連れて来た。
─ 大河内は主人からのまさかの申し出に目を見開いた。
お嬢様!家を無くして、どう…
─ 抗議の言葉を口にしかけた瞬間、大河内が硬直する。
─ 咳き込んだカスイの口尻から、血が垂れていた。
まさか、お嬢様は、もう。
─ ご主人の申し出の真の意味を理解した大河内は決意する。
承知しました。ですが、私にそのようなものは必要ありません。
お嬢様の志を最後まで遂げる腹積もりでございます。では、直ちに。
[一礼して屋敷を飛び出した。]
そして「誰にとっても尊いものなら、誰もが守りたがるから。決して失われたりしないはずだ」と。そう思っていたこともあった。
たとえば。
平穏な暮らしや良き隣人。
大切な家族。
誰もが尊ぶ、大切なものだ。そうだろ?
だが「誰にとっても」尊いものは、
それを奪い合うための争いがおきる。
それを侵されるのではないかという恐怖心から。
そうでなければ、今よりもなお尊いものをほしがって。
なんのことはない。
みなが「生きていこう」としているだけなのだ。
─ 小高い丘で街と屋敷を眺めているカスイの元へ、土地の権利書の売却を済ませた大河内が駆け寄る。
─ 一刻の猶予もないと売却だけ済ませ、全速力で戻ってきたのだ。さすがの大河内でも息が切れている。
ただいま…戻りました…。
[街の方を眺め、呟く。]
美しい、街ですね。
幸福の王子は、石像だ。生きていくために必要なものはなにもない。あの病気の娘も――
[カスイを見やり]
生きる必要を感じていない。
スワローもそうだな。あの娘の望みを叶えるほかのことを望んでいない。
だからこそ、綺麗に生きられる。
高みで下界を見下ろしている神の目から見たら、ああいう魂こそが「尊い」ものだということになるのかもしれんな。
─ 主人の指示により接してきた街の人々の事を思い出す。
─ 皆それぞれ夢があり、希望があり、生きている。
─ そのような人々の済む世界が、美しくないはずがない。
[夕日の舞台効果で朱くライトアップされているカスイのほうをちらり見て、小さく呟く。]
…そう、世界は美しい。
とても、綺麗…ぅ…
[胸を押さえる。げほげほと何度か咳き込み、そしてそのまま前へと倒れ込んだ。
その拍子にリングケースが地面に落ち、蓋が開く。転がって行こうとする指輪を震える手で掴んで、目を閉じる。]
大河内、いままで、ありがとう…もう、限界みたい…げほっ、
私、最後にあなたに、つたえたいことが…あって…
聡…、私は…あなたのことが、好きです。
[それは、“お嬢様”の言葉ではない、“雛乃カスイ”の言葉。聡は、それに気づくだろうか。
最後の一言を大河内に伝えると、彼女は静かに息を引き取った。]
[大河内は台本通りにカスイのもとへ駆け寄ろうとするが、指輪を見て驚く。]
[この指輪は、大河内聡と雛乃花穂が幼い頃に将来を誓って購入したおもちゃのガラスの指輪。]
な…。どうして。
[自身も同じ指輪を取り出し、カスイに見せる。肌身離さず持ち歩いていることを知られるのが恥ずかしく、決してカスイの前では出さずにいた。]
[幼い頃に二人で購入した指輪を、この場で見せ合うのは台本通り。しかし。]
指輪の事…。覚えているだけなく、まだ持っていたなんて…。
[指輪は各自で用意する事。とされたこの指輪の話は、大河内聡と雛乃花穂がかつて実際の話をなぞったもの。]
カスイ…。
[進行上では滞りなく進む。ただ呼び方だけが違う。]
俺も…。カスイを、愛している。
[何故か涙が出ている大河内は、視線を感じて上を見上げる。]
私は、貴方を導く者。
この世界で、最も尊いもの。
ガラスの指輪に込められた女性の魂。貴方と共に在りたいという想い。
そして貴方の、女性に対する想い。
――しかと、受け止めました。
[大河内は筋肉むきむきになれる空気をいれるおもちゃに息を吹き込み]
─ スワロー大河内は銃弾を筋肉ではねかし、燕尾服に秘められた燕パワーを放出して、跳躍により天界へ逃げようとする天使を追いかた。
─ 天界で大暴れした結果、うんざりした神様が提示したカスイの蘇生を条件に停戦を飲み、
─ 神様の不思議な力により蘇生したお嬢様は、病も無くなり、
─ 土地を売却して残ったお金をもとに、心にゆとりを持つことができた町民たちと共に、二人で仲良く慎ましやかに暮らしていきました。
─ 二人は、幸福です。
[閉幕。]
_、_
( ,_ノ` ) n
⌒`γ´⌒`ヽ( E) 時間なくなっちゃった。
( .人 .人 γ / めんご☆
=(こ/こ/ `^´
)に/こ(
くっ、はは・・・ハハハハ
ヒャーッハハハッハ! これは痛快!
[ソドは手を打って大笑いをしはじめる]
これは面白かった。素晴らしい台本だ。
あのな。
俺はな、「幸福の王子」という物語が【大嫌い】だったんだよ。
[嬉しそうに]
この脚本を選んできたとき、ニッキーのためじゃなかったらすぐに変えろといいたかったぐらいだ。
だがこんな「幸福の王子」は初めてだ。いや「幸福【な】王子」だったな。
ニッキーも夢中になって見ていた。
気に入ったよ、カスイ、スワロー。
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