情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
<都内某所>
[いかにも不機嫌と言った仏頂面で、どこかへ向かってのしのしと歩く青年が一人。]
……
…………
[手には妹が作ったケーキの入った箱を持っており、機嫌の悪さで荒々しくなった歩調と言えども中身を崩さないよう注意は怠らなかった。]
……あいつは何してんのかね。
[ぼそりと呟いた言葉は誰にも届かず。一瞬脳裏を過ぎった嫌な想像を振り払うように歩く速度を速めた。
目的地は、彼女の家。]
[そろそろ彼女の家も近くなった頃だろうか。帝は一度立ち止まり、ポケットから携帯電話を取り出すとメールを打ち始めた。]
『To:月子
Sub:家にいるか?
――――――――――
市のやつがケーキを作り過ぎたらしくてな…お裾分けしに向かってんだが、今家にいるか?
いるなら鍵開けてくれ、後3(5)分くらいで着くと思うからよ。』
……よし。
[文面を作成し、宛先と文章に不機嫌さが滲み出ていない事を確認すると送信ボタンを押す。
送信完了の画面が表示されたのを見て、携帯電話をポケットへ突っ込むと再び歩き出した。]**
[シンデレラ、白雪姫、眠り姫、竹取物語、瓜子姫…
物語のお姫様は、決まって類まれない容姿の持ち主。
権力者たちは、一目ぼれをして求婚をする。
物語の結末はいつも、「そして素敵な王子様と結婚して、末永く幸せに暮らしました。」
けど、おもう。]
ほんとうに、一生愛してもらえたのかな…年を取って、美しさが損なわれても、きちんと大事にしてもらえたのかな…
[先ほど来たメールの内容を思い出す。]
―月ちゃんへ。―
[所属している部活動の先輩からのメール。
そこには、一緒に活動をしていて、やさしさ、ひたむきに練習する姿にどんどん惹かれていったという旨が書かれていた。
が、]
…ねえ、一番大きいのはそっちでしょう?
[どんなに言葉を尽くして内面を褒められても、わかってしまう。]
私よりも一生懸命練習してる人、たくさんいるし、私よりも優しい人も、いくらでもいる。けど、その中から私を選んだのは
♪fly me to the moon and let me sing among those stars〜♪
[注視していた携帯電話が歌い始め、びくりと肩を震わせる。]
…おかあさん?
[細かな鳴り分け設定の中で、この曲が流れるカテゴリーは、]
…あ。帝君だった。
『To:月子
Sub:家にいるか?
――――――――――
市のやつがケーキを作り過ぎたらしくてな…お裾分けしに向かってんだが、今家にいるか?
いるなら鍵開けてくれ、後3分くらいで着くと思うからよ。』
市ちゃんのケーキかぁ。
[ふんわりとした、マシュマロのような雰囲気の彼女を思い浮かべながら、リビングに走ってゆき、インターフォンからつながっているモニターをいじって、マンションのエントランスのドアを開けた。]
『To:上総先輩
Sub:いるよー。
―――――――――
わあ。市ちゃんのケーキかぁ。楽しみ。
今日親二人ともいないから、こっちは午後ティーくらいしか出せないかも。ごめんね。』
/*因みに、
部活関係:「How High The Moon」
クラスメイト:「Moonlight Saving Time」
中学までの同級生:「Moon Liver」
家族:「Fly Me To The Moon」
その他:「Moon Light Serenade」
恋人同士になったらどうしようかな…*/
[丁度マンションの前に着いた頃だろうか。ポケットの中の携帯が音楽を響かせ、持ち主にメールの到着を知らせた。]
…ん、もう返事来たのか?早ぇな…
[ポケットから取り出してメールを読む。それとほぼ同時に、エントランスのロックが解除される音がした。]
『To:上総先輩
Sub:いるよー。
―――――――――
わあ。市ちゃんのケーキかぁ。楽しみ。
今日親二人ともいないから、こっちは午後ティーくらいしか出せないかも。ごめんね。』
……相変わらず真面目だな。
[マンションの中へと入りつつ、片手でメールを作成して送信した。]
『To:月子
Sub:着いたぞ
――――――――――
今マンション着いた。もうちょい待ってろ。
茶はなくても平気だから問題ねーよ。』
[1(3)分後、香屋家の住む部屋の前に到着した。]
おーい月子ー、俺だー。着いたぞー
[扉の外側から、近所迷惑にならない程度の声で呼び掛けた。]
[メールを送り、少しして再びFly Me To The Moonが流れる。]
「問題ない」って言われてもねー。
[相変わらず、そういうことに関しては無頓着だと思いながら、]
やっぱり、美味しいケーキにはいい紅茶だと思うんだよね。
[棚からlupiciaと書いてある缶を取り出す。]
ええと、まずカップをお湯で暖めて…
[なれない手つきで紅茶を淹れ始めたところで外から声が聞こえる。]
[いつもそうだ。マンションの建物の入り口にも、自宅の入り口にもインターフォンは備え付けられているのに、彼はそれを使わない。]
はぁい。ちょっと待って。
[応えながら、茶葉を淹れ、湯を入れたポットに布を被せ、玄関に向かうところで、ふと、自分の今の格好に気づく。]
[上下淡い水色のジャージ。おまけに、邪魔な前髪は三日月のラインストーンのついたピンでとめており、腰まである髪もひとつにまとめてあげてある。とてもじゃないが外を出歩けない格好。
しかし、]
帝くんだからいっか。
[気にせず、玄関の鍵を開けた**]
[少しの間の後、すぐに中から返事が聞こえて鍵が開けられる。]
……
[取っ手に手をかけた瞬間、『嫌な想像』が脳裏に蘇った。
――月子に告白した輩がいるとの噂。これは紛れもない事実であるようだ。
もし、彼女がそれを受けたとしたら―――。
その考えは、何度振り払おうとしても完璧に拭い去る事ができない。
しかし、だからと言って不機嫌な態度を彼女の前で見せるのは憚られた。自身が嫌われるのはもっと嫌だったからである。
帝はあくまでも普段通りであるように装い、扉を開けて中に入った。]
よぉ、邪魔するぜ。
[鍵を開けてから一歩下がり、扉が開かれる、その一瞬で、備え付けの姿見で顔を見る。
いつもより頬や目が僅かに赤いか。
けど、大丈夫。笑顔はきちんと作れているし、頬や目の赤みは、暖房のついた部屋で長時間机に向かっていたからに違いない。]
わざわざありがとー。
市ちゃんのケーキ、おいしいよねー。
[彼だけには知られたくなかった。
それは単に、自分が一番愚痴を言ってしまいそうな人だから。
迷惑をかけたくない。
ただそれだけ。
ほんとうに、それだけ。]
気にすんなよ。いつものこったろ。
むしろ市がケーキを多く作るのは確信犯だ……
[ケーキの入った箱を差し出すが、迎えてくれた月子の様子がいつもと違う事に気づく。]
……月子?
[彼女頬や目が、いつもよりも赤みを増しているように見える。何かあったのではないか、と直感的に感じた。]
確信犯?
なにそれ。
[くすくす笑いながら箱を受けとる。]
ん?なあに?
[顔を覗きこまれて、]
さっき携帯確認してビックリしたんだけどさ、もう夕方なんだねー。
部活帰ってからずっと暖房ついた部屋で勉強してたから、時間感覚狂ってた。
そういえば、明日から古文でやるの知ってる?
竹取り物語なんだよ。笑っちゃうよねー。
[早口に言い、くるりと背を向けてリビングへ歩く。]
まぁ、市の事は気にすんなってこった。
しっかし竹取物語ねー……懐かしいぜ。お前好きだったもんな。
[月子の後に続いてリビングへと移動する。]
……携帯、ね……
[歩きながらひとりごちる。彼女の様子がおかしい原因は、ほぼ間違いなく例の輩のせいだろう。直感的にそう悟った。]
……なぁ月子。お前、なんか言いたい事溜めこんでねぇか?
[直接尋ねた所で、彼女が素直に答えてくれるだろうか。誘導するように、遠回しに尋ねてみた。]
…?
そう?
ねー。あの絵本、実はまだうちにあるんだよー。
[言いながら、こたつに箱を置き、ソファーからクッションをとってこたつの周りへ。]
紅茶、淹れたんだー。
渋かったらごめんね。
[言いながらキッチンへ向かいかけたところで、話しかけられる。]
んー?溜めてることー?
大丈夫だよー。
ありがと。
[笑顔で流した。]
[今回の件は私一人で解決できます。なので触れないで。そう言外に含めながら。**]
へー、まだあんのか。すげーな……俺が読んでやろうか?なんてな。
茶なんかいらねーっつったのに…ま、淹れて貰ったんなら有り難く貰うさ。サンキュ……ん。うまい。
[月子の淹れてくれた紅茶を飲む。外を歩いて来て冷えた身体が内側から温まるようだった。]
……お前がそう言うならそうなんだろうな。思い違いみたいで良かったぜ。でもな、もしもなんかあったらいつでも俺を頼れよ。良いな?
[軽く笑ってそう言うと、月子の頭をくしゃくしゃと撫でた。]
6人目、大河内聡。
大河内聡は、求婚者 を希望しました。
-市街地-
[空は遠く明るい。快晴である。
にも関わらず、外気の温度は極端に低い。]
・・・寒い。
[冬の朝。男は雪道に足を滑らせないよう注意しつつ、隣家の門をくぐった。]
[名は大河内 聡。齢21歳の大学生。]
あいつ、また寝坊か?
[15歳の時に両親を亡くし、頼る縁も無く、
以来隣家の雛乃家に色々な世話をしてもらいながら一人暮らしをしている。]
[インターフォンに手を伸ばす。]
おはようございます、大河内です。
[それだけで相手は事情を察したようで、インターフォン越しに大きな声が聞こえる。
ふっ、と顔を綻ばせ、ささやかな緊張に思わず身嗜みを整えようとする。
もっとも、冬用のコートを着用しているために、できる事は少なかったが。]
7人目、雛乃カスイ。
雛乃カスイは、おまかせ を希望しました。
―― 自宅 ――
“カスイー!聡くん来てるわよー!”
[扉の向こうから聞こえる母親の声に、布団を蹴り上げて飛び起きる。
慌てて時計を見れば、“アイツ”が迎えに来る時間だ。]
嘘!!
[急いで洗面所で顔を洗い、昨日の内に用意しておいた服に着替える。髪の毛はぼさぼさのままだ。]
…ちょっとだけ。
[流石にこの髪型で顔を合わせるのは、恥ずかしい。
相手は幼なじみとはいえ、少しだけ…本当に少しだけ、意識している相手なのだから。
鏡の前に立って手櫛で髪を梳かせば、先ほどよりは幾分かマシになった。]
よしっ。
[ハンガーに掛けてあったコートを着込み、タータンチェック柄の赤いマフラーを首に巻く。
鞄を手に玄関へ向かえば、ひやりと冷たい空気に身を震わせる。
靴箱に並べてある靴から可愛らしいブーツを選んで履き、一度深呼吸をしてから目の前の扉を開いた。]
…べ、別に寝坊したわけじゃないんだから!!
[口から飛び出す言葉は、いつでも素直になれない。
ごめんと一言謝れれば可愛いのだろうけれど、それをすることは、出来なかった。]
おはようございます、お嬢様。如何なお目覚めでしょうか。
[ニヤリとした表情と同時に、わざとらしく大仰に一礼してみせた。
本人は冷静におどけているつもりなのだが、傍目から見ると明らかに照れが出ている。
照れの理由はこの大げさな動作ではない。目の前にいる人物、雛乃花穂のためだ。]
な、何やってるのよ!馬鹿!!
[出迎えた聡の行動に真っ赤になって慌てながら、ぺちりと頭を叩く。周りから見れば明らかに照れている聡の様子に、カスイが気づくことはない。]
如何なお目覚めって…飛び起きたわよ、もう!
[そう答えてから、ハッとする。先ほど寝坊したわけではないと言ったばかりではないか。]
…寝坊してないからね。
[むすりと頬を膨らませ、ぷいっと顔を背けた。その頬は、林檎のように赤い。]
[ぺちりと頭を叩かれ、頭を上げる。]
ははは、カスイがお寝坊さんな事なんて今更隠すことでもないだろう?
[寝起き間もないカスイの事は、大河内の目にはとても眩しく映っている。思わずすこしだけ顔を背けながら、]
さ、行こうか。
[玄関の奥から顔を覗かせている雛乃家の親御さんにぺこりと挨拶し、二人で大学への道を歩き始めた。]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新