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― ソフィア・パーク? ―
[入坂結理人の声がしたよう>>178だった。]
おに…ちゃ……?
[瓦礫の隙間から空を見上げる。赤い空を。]
こ、こ……わた… は、フランは、ここだ…よ!!!!
[フランは、壊れてしまった銀の懐中時計を手に持つと、
瓦礫の隙間から外に見えるように動かす。
反射角度で鏡のように信号を送ろうとしたのだった。]
おに―――ちゃ―――…
[フランが振り翳した拳は、赤い空を叩くかのようにあげられた。
けれど、当たり前ではあるけれど、拳が空を割ることはない。]
よ、お帰りテルオ。
そんで、行ってら!!
[気楽そうに手を挙げて、テルオを出迎え返す手で見送った]
――ルッカ、悪い。折角案をもらって何だけどよ。
やっぱ俺こっち手伝ってから行くわ。
向こうはそりゃ心配だし、こっちで俺の出来る事ってパワードスーツ乗ってる割にはホント小さなことしかないかも知れねーけどよ。
こっちはこっちでほっとけねーし……向こうにも主なジンロボ乗りは残ってる。
堪えきれるのをいの……じゃなくて、信じる。
[先に、神頼みは最後の手段>>184と言われたのを思い出して改めて言い直す。
そしてそれぞれがそれぞれの役目を果たす場所へと駆けて行くのを見送り]
お前も、行かなきゃなんねーんじゃねーの。
OK,OK,それなら問題なし!通信以上!
[ああ、通信終わってなかったんだ、とほっと一息。確認も出来たし――]
そんじゃいってみよーか!……はぁ……っ。
はー、ふー…………。
[息切らせながら中央通りまで駆けつけ、呼吸を整え、北西の角へと立ち、杖を頭上へと掲げ準備へと入る。
まずは、いつもの詠唱――最大の難関は、むしろ此処であった。
二人の同行者はこの詠唱をどう思うだろうか。]
――我、古の盟約を引き継ぐ者なり
――我、世界を憂うものなり
――我――セカイを手にするモノ、エリーの名において命ずる。陽の光よ、集え、熱を火へと変えよ!
[しかし、それには気づかず、杖の先に集まる陽の光を火へと転ずる。
そのまま両の杖を地面に下ろし、線を引くように南東へと走る。杖の通った跡から火が燃え盛っていく――]
[フェイトに諭されれば、くすりと笑い。]
頑張りなさいよ?
そう言う事と、大抵大仕事が待ってるんだから。
[軽くフェイトの肩を叩いてから、自分の持ち場…
歌う場所へと走って行った。
…小さく何かを呟きながら。]
…ねぇ。
エリーは『誰』を落としたい?
[ソレは、因子に惹かれて居るのか単純な好奇心か。
何処か歪な響きの声は、とても静かに響いただろう。]
/*
…メタなとこ行くと、
新武器確保したテルオ君辺りが落とし所なんだよね。
なんせ、機体も武器も確保してるから向こう行っても戦える。
(ま、そんときはついでにシームルグ機内のコンテナも落とすけど。
…色んな意味で酷いからね。渡したのパイルバンカーだし。)
*/
[機内のデータファイル(フェイト用メモ)にはルッカ達をシェルターへと護衛した後にキシヤマという人物と庁舎二階の危機管理課へ行き、課長の元で哨戒。そう記録してあった]
ん。
当たり前だろ、哨戒ぐらいどって事ぁねえよ。
お前こそ音程外した歌を歌ったりすんじゃねーぞ。後でそっちの連中からしっかり話聞いてやっからよ。
…って、え、ちょ、おま……
おぉい、ルッカぁぁぁお前一人で行くなって!!
俺の仕事早速取ってくんじゃねえ!!
[一人でシェルターへと向かうルッカの後を追うが、彼女が必要としないと言うのであればそのまま市庁舎二階へと向かうつもりではある。]
……ある意味私?……なんてね。
それは冗談として――。
むしろ――ここにいない戦力、かもね。
テルオは詩論へ向かうと決めた。
フェイトはとどまると決めた。……市長は、多分そろそろ私と対峙する事になる。
……例の通信相手のフランを救えなかった、ってのも、洒落が効いてると思わない?
問題は位置座標だけど……
[その場にいた誰かだったか、あるいは監視兼護衛を任せた職員からだったか。
テルオ少年が戻り、そして決心したらしいことを聞き取った。
危険であることが分かりきっている仕事だ。できることなら任せたくはない。やらずに済めばそれに越したことはない。そう考えていた期待が外れたことを悟り、ほんの一瞬だけ瞑目した]
…元々エリーに渡した通信機は、テルオ君が持ってるはずよね…。
[エリーが新しくインカムを渡されたということは、そういうことであるはずだ。即座にその回線を開き、通信を送る]
『もしもしテルオ君?決めたのね?…とは聞かないわ。ただ、決めた以上、君ならできるってあたしは信じる。君も、君自身の決心を信じなさい。それが一番の武器で、一番の盾になるはずよ』
[通信機越しにどこまで通じるかは分からないまでも、真摯な声をテルオ少年に送る]
/*
…でも、フランは最後まで残る希望してんだよねぇ。
そう簡単にゃ落せんよ。明確な理由なく落としたら恨まれるだろうし(さらに言うならそっちに狼居ないし)。
ま、一番の問題はシームルグ飛べない事なんだよね。(メイン装備的な意味で)
*/
『できる限りそっちに向かう『お客さん』は足止めするけど、外に向かうなら包囲を外れてくるやつがいるはずよ。
武器はその都度、護身のために使いなさい。攻めようと思っちゃ駄目よ。
あなたの目的…首都に向かうことを忘れないで。
今から連絡つけて、Fブロック…ダイシチョーの左足付け根の辺りからはしけを出させるわ。
テルオ君はそこに向かって走って。はしけが十分に街から離れたら飛び移って頂戴。
後はちゃんと送り届けさせるから。
それじゃ、がんばってきなさいっ!』
[最後に大きく、気迫を込めた激励で言葉を締めくくる。
切った通信を繋ぎ換え、はしけを管理する交通管理課へと連絡をつけた]
― ソフィア・パーク?/瓦礫の下 ―
ケホッ、…コホッ……ぃちゃん…。
[嫌な匂い。瓦礫の表面には煤が付いているようだった。]
あつい……やなにおい………
[恐怖を抑えるように、身体を小さくしようとするが動けない。
ただ、待つだけ。]
―――――
[生理的現象で涙が流れる。]
[作業ロボットの2人に動揺が走る。
独断で、エリーに関して、本当に大丈夫なのかと連絡が入る。
それを知らずにエリーはさらに詠唱を重ねる。
線で燃え上がった炎が、自分で操らずとも燃えている間に、再び今度は炎として操作しなおす為に]
――我、古の盟約を引き継ぐ者なり
――我、世界を憂うものなり
――我――セカイを手にするモノ、エリーの名において命ずる。炎よ、上がれ、上がれ、そびえ立て、他を排せよ、境界となれ!
[炎は燃え盛る。壁のごとく。文字通り、境界となる。
近くで操作する以上、熱く、のども渇く――。維持できない程度ではない、が。
その様子を彼らは、作業ロボの人員はどんな目で見ているだろうか?]
…もし襲う先が無いんだったら…
テルオ君でも良いかもね。
[テルオの木刀はエリーには天敵だろう。
だったら、放置していては危ない気がする。
…けれど、襲って良いものかどうか分からなくて悪魔で提案するだけにした。]
アタシは一人で行けるよー。
多分怨念ゴーレムもちょっかい出してこないだろうし、
一応逃げ足は速いしねっ!
[それに、門を開く所を見られても面倒だし。
と小さく呟いたのは聞えただろうか?
フェイトが自分から離れた後少し足を止め、何処に行くかをしばし考える。]
……妨害因子ってのもあったっけ?
確かに、一人になるなら……排除しておいたほうが合理的。
……ルッカ自身にも関わるなら――構わない。
[けれど、その後をどうするのか、その方策は、今なかった。]
個人的には、ひとつ期待はあったんだけどねー……
[そんな呟きは、遠く遠く。]
[一度だけ、後方に僅かに顔を傾けようとした。
けれどまた視界の端に光る信号を捉えれば、すぐさま意識は其方へと]
―― ソフィア・パーク?・地上部 ――
フラン!
[地表まで高度を落とし、光の見えた瓦礫の傍へと舞い降りた。
酷く、煙たい。目まで霞むかと思ってしまう程、煙たい。
その中で少女を下敷きにしている瓦礫の存在を目の当たりにした。無事か、と言葉に出そうとした声は発せられることなく呑み込まれて]
……出来る。俺なら、どかせる。
今、助ける!それまで、堪えろ……堪えて、くれっ、
[普通の人間にはない力。機械の力。悪魔の力。
酷い言い方をするならば――まさに、馬鹿力。
それを用いて瓦礫を持ち上げようと、二丁の銃器をその場に投げ出してから、瓦礫を両手で掴んだ]
/*
誤字修正:悪魔で→あくまで
そして今気が付いた。
シティ詩論の宇宙怪獣、アタシの天敵だ。
(通信機内臓=ジャミング直撃=常時ダメージ)
*/
…や、あの木刀が危ないかもと思っただけだけど…
そういや妨害因子って有ったんだよね。
冷静に考えたら、襲撃失敗の可能性もあるのか…
[考える。
考える。
考える…]
交通管理課?あたしよ。
首都の救援に、有志のロボットが向かってくれることになったわ。
Fブロックから本土に向けて、はしけを出させて頂戴。
加速は適切かつ打倒に、ロボットが乗り移れるように、『お客さん』にまとわりつかれないようにね。
任せたわよ。
[難しい注文ではあったが、通信機越しに返ってくる返事は威勢がいい。前線で防衛を続ける街に住む、海の男の心意気だろうか]
派手にやってるわねぇ…
[遠目に、陽光が集められた光>>222を眺めながら、ぽつりと呟きが零れた。
通信を入れ、周囲の状況、入ってくる報告に耳を傾けながら、クラッカーを鳴らすジンロボの手を休めることはない。周囲の職員が手に手に掲げた魔よけやら縁起物やらと連携して、徐々に、けれど確実に、包囲網を狭めていく]
木刀?あー……私が期待してたのはむしろそれ、なんだよね……
確かに食らうとまずいし、最終手段だけどさ。
現状では総合的に妨害因子の方が厄介なのよ。
[メガマリオンの許へ向かう途中、通信機から聞こえて来た声。>>223
焦ることもなく、それを耳に当て]
あ、明朱佳さん――
[呟き、彼女の声に耳を傾ける。
所々で、はい、はい、と真剣な声音で返事を挟みながら]
――はい。オレも、信じます。
[アドバイス>>226の言葉もしっかり記憶に留め。
そして、これからやるべき事を聞く]
わかりました。頑張ります!
[通信が切れたのを合図に、指示された通りFブロックに向けて走り出す。
ポケットの中で、少年とメガマリオンを繋ぐ、小さな機械が弾んでいた]
チッ…ほんとムチャすんなよ!?
お前通信出来るもの持ってねーんだろ、なんかあったら思いっきり叫べ、いいなー!!!
[ルッカから少し離れた所で立ち止まり、そして踵を返して市庁舎二階に向かって駆けて行った。
あまりにも急ごうとしたものだから…彼女が何事かを呟いていた事には全く、気付いていなかった。
ただ、ハニエルそのものだけがその声を聞き届け、再び淡い光を機内に灯していたのだが、それが何を意味するものなのか男には全く理解は出来なかった]
そう言えば、呪い払いってのも有るか。
あの木刀。
[小さく呟くが、足は止めない。
ひっそりと、人間離れした膂力で駆けていく…]
…ま、いざとなったら…凌ぐでしょ。
…正直、アレに長く暴れられると面倒だしね…
[小さく呟いて、はしけへと走る。
ジンロボや怨念ゴーレムの様な大きな物ならともかく、
人サイズの自分は殆ど気付かれないだろう…
例え人に出せない速度で駆けていたとしても。]
・・・ゴメンね?
テルオ君には恨み無いけど、機体の方が問題だから…
[そう呟いて、はしけの近くに豆粒ほどの門を開いた。
この前のように、一気に飲み込ませるために。]
/*
ややこしいけど、
エリーの方は襲撃委任でお願い。
いざとなったら封印アタシにかけてなんとかなるように。(効果有るのかどうかは不明
*/
― ソフィア・パーク?/瓦礫の下 ―
おに…ちゃ……ん…
[影が見えたように思えた。
黒い人影のように見えた。
瓦礫を持ち上げる音が聞こえる。
軋む音が聞こえる。煙が流れてくる。
身体にかかった重さが軽くなってゆく。
誰かを思って後ろを向いた事、それをフランを知る事はあっただろうか?ただ、フランは救出されるのを待つだけだ。]
来て…… たんだ … 。
……ちゃん。
[咳き込みながら嗄れた喉で言葉を紡ぐ。]
[ルッカの元を離れた男は早速市庁舎二階の危機管理課へと向かい、大変面倒な所属をつらつらと述べた]
えっと…
詩論シティのジンロボパイロット……えぇい訓練機関のシルヴァクロックアカデミー、パワードスーツ科訓練生のフェイト・ローグリアン。
石神市長からこっちの手伝いを頼まれ……たわけじゃねーけど、手伝いに来た。
[やはりいきなり中途半端な女性型のパワードスーツが現れたと思えば中から男、しかも説明がとてつもなく曖昧。
訝しげな視線の真っ只中で市長の名刺を差し出し、一先ずハニエルの機能を使って一帯の集音と索敵を引き受ける事になった]
ええい、―――………
[ぶつぶつ、となにやら呟きながら、汗を流し、『お客さんたち』が通過していくのを待つ。
……なぜか、火へと、否、”エリー”へと触れようとする『お客さん』が、いる。
土くれの手が、炎で焼けながら、伸ばされようとする。]
っち!けど、離れるわけにも――!
[自分の陽光の炎の壁と、そして、背後にいる二人が動くと信じて、持ち場を離れようとは、しない。
一人は、戸惑い、一人は、反射的にクラッカーを鳴らし、追い払う。]
――ん、ありがとう……
[振り向けないが、一言、軽く頭を下げて礼を告げる。
けれどもコレで終わるわけがない。まだまだ続く交通整理。
少しはやっていけるだろうか――]
[はしけに向かって駆ける、その自分に先回りした人間が居た事には気付かなかった。
ただ、フランの許に向かいたいという一心だけがあり――]
[少し軽くできる程度には、持ち上げられた。が――]
(なんだ、これ……重過ぎ、ないか?)
[思うように、瓦礫は持ち上がらない。
焦る。苛立つ。手には黒い煤が纏わりつく。
外部から、熱が入り込む。飛んでいる内は気にしてもいなかったが、今になって、少しずつそれが意識を苛んでいる]
ぐ、……っ、
[諦めそうになる。胸の奥で、あきらめてしまえ、と聞こえてくる]
[きらり。滲んで光る滴が、見えた。
咳交じりに、呼びかける嗄れた声が、聞こえた]
……………
(守るんだ)
(――生き残るん、だ)
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