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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
安全性の担保は取れていたはずだ。
実地でのデータは不足していたが、こればかりはな。
[画面に映し出されるデータを目で追う。]
…早すぎたのは承知だ。
でも、時間がないんだ。
[「サラ」でいる時間がどんどん短くなっている。
予想より変化が急激だ。]
[破棄される寸前ではあったが、その後に
どうにか機神を得たことにより、破棄を免れる。
それでも、そう簡単に事は終わらなかった。
外敵の侵略。
初めて駆り出されたその戦地。
防衛に成功した、その代償として
ひとつの街が消え、パイロットが死んだ。
インターフェイスの暴走。
それ以外の、何でもない。
故に]
いや
記録を洗い直してバックアップ体制の充実を図れ。
シグ改の調整を急がせろよ。
その上で、次の準備にもかかれ。
「次、ですと?」
そうだ。エルに持たせた「あれ」の改良を。
そしてシグ改もまだ性能向上は可能だ。
「この戦力をもってしても事態は収束しない可能性があると?」
…常に次の手を打つ。そうしてここは動いてきたはずだ。そして、現行の体制ならそれが可能なはず。頼むぞ。
「…まだ忙しさからは開放されませんか」
いつも率先して寝ずに過ごすのはお前だろうが。
睡眠は取れと言うのに。
「ふ…能率は落としておりませんよ。お任せを」
嫌ぁああああああああああああ!!
[響くのは悲鳴]
[裁定は下される。
『他のインターフェイスに悪影響が出る前に』
『少しなりとも使える余地があるなら』
『記憶を───消せ』
視界には何もない。
ただ、声が続いていた]
[敵機の映像。状況に舌打ちし、とにかく回避行動を取ろうと操作する。
が、動きが鈍い。バランスが崩れる。ポップアップする警告。オキセンシェルナの異常]
……しっかり、つかまっておれよ。
[戦斧を、刃を横にし前に構える。防御の構え。
あの攻撃は、避けられまい]
「次に、未知のHMの方ですが」
未知のHMは、以後社内では「インフルエンザ」と呼称する。
ややこしいが、隠語だと思え。
「は、当社ではインフルエンザの研究もされておりますが」
インフルエンザとだけ呼ぶことはほとんどあるまい。
「了解しました。今回確認されたインフルエンザの映像を出します。現在インフルエンザ同士で交戦中のはずなのですが、こちらは干渉が強くなかなかまともに映像が入ってきません」
そうか。仕方ない。可能な限りデータは取れよ。
「もちろんです」
[相変わらず、なんという力。]
…急がなくてはな。
[呟き、自室へ足を向ける。
途中、「リル」のための施設が目に入る。
く、と胸が痛む。
二人は、無事だろうか…]
[黒の上に描かれていた金の光が弱まる。
インターフェイスの弱体化を示すかのごとく。
それでもパイロットとの接続はどうにか保たれているのだろう。
水平に構えた戦斧、けれどこの状態で
あの狂攻を受け止め切れるかは定かではない]
…… ァ
[襲う熱の波に、何処か恍惚とした炎がリルの双眸に宿る。
形相の変わったフィリップを見詰める。
ポールアクスを避けろと言う命令に頷いたのか、どうか。]
[真紅の球体軍は、淡い金色の光に包まれた半獣の機体を容赦なく破壊する。戦斧に弾かれても爆球は連続して続き、真紅の闇の向こうに、漆黒のその機体を覗かせない程。
ロッドがフィリップの突き刺すような命を受けて、紅い流線型を描く鋭利で巨大な長槍に変化した。
──ラミアは巨大な槍を掲げる。
赤黒く禍々しい気が流出する。
その槍は、憎しみの記憶を突き立てるごとく、爆心地に立つリュースを貫く。]
[装甲の外で弾ける複数の球体。
その振動は内部へも伝わる。
腕に繋がったままのケーブルが、数本切れた。
だらりと、腕に刺さったままのプラグからしな垂れ落ちる]
…じーさん、
[離脱させたい、と思う。
自分の勝手で巻き込んでしまった老兵。
見つけさえしなければ、もっと気楽な余生をおくれていたはずで]
[装甲は悲鳴を上げている、といってよかった。
接続は既に危うい。
戦斧を水平に構えていられる
その両腕が在ることすら既に奇跡といって良い。
迫る赤黒の槍、それは過去の憾みを果たすかのように
的確に黒金を貫いた]
[視界が赤く染まっている。額から流れ出る血。
警告音が沸き立つコックピットでオキセンシェルナに声を掛けられ、ポルッカは声を返す]
おう、征くぞ。
[手はしっかりと操縦桿を掴み、目は前を。絶体絶命の時にあっても、戦意は未だ失われず。
コンソールを操作する。
赤黒の槍が自機に命中する寸前、敵機に向かって、リュースに戦斧を投げさせた]
───……、…
[震える。
けれどそれは、恐怖からではなく]
ああ
[短い声。
そこにある感情は、感謝とそれから]
征こう
[微かに滲む金色]
[呼吸が荒れる。両腕を激痛が支配する。
否、もしかしたらこの激痛がフィリップを支配しているのかもしれない。
古代の【フィリップ】という存在の記憶と憎悪。ラミアから伝わってくるその濁流が体を駆け巡る。
目、口、鼻、耳、その全てから暴風が駆け抜けていく、そんな感覚に陥っている。
そして、フィリップ・ミラーはその濁流に身を任せている]
リル、とどめだ。
[途切れ途切れの呼吸で、リルの名を呼ぶ]
──…ッ
[フィルと名前を呼びかけて、眉を寄せて頷く。
激痛に耐えている彼の腕に両の手を重ねながら、リルは、リュースを貫く槍を持つラミアとの接続を深くした。]
[槍はリュースの機体にズブズブと埋まりながら、破壊部を広げるように波打つその形状を変化させる。狂気に似た憎しみの槍先は幾つにも分かたれ、半獣の四肢を内部から引裂いた。
淡い金色を放つ漆黒の優美な機体を、黒紅は蹂躙し尽くす。]
[──最後に。
ポルッカが放ったポールアクスだけが、鋭い軌跡を描いてラミアの胸に飛び込んで来た。
黒蒼の機体と対峙した時も現出したリフレクトシールドが、僅かに遅れたのは何故だろうか。重い斬撃は、薄紅色のシールドによって幾分緩和されては居たが。
ラミアの胸に黄金纏う刃が、突き刺さる。
その衝撃はフィリップではなく、接続を更に緊密にしていたインターフェイスであるリルへと。]
[狂槍を受け止めるべきであった戦斧は
繰り手の選択によって閃く。
金色の願い──一発殴る、それを叶えようとしたようにも
どこか見えた。
その瞬間、確かに黒には再び金が奔る。
金色は、狂槍の貫きによって
半人半馬が破壊され、ただの骸となる
その瞬間まで確かに黒の上で輝き続けていた───**]
ふはははははh!!宿敵リュース、これが貴様の最後だ!!
[憎悪が体を駆け巡る。
望みは叶った。
だが、その後ろ・・・・・・リルに異変が起きる]
・・・・・・
[体の中のエーテルの流れが変化する。
”自分とは何だ?”
【フィリップ】なのか?
それとも、”フィリップ・ミラー”なのか?
魂は、どちらだ?]
[次の瞬間、瞳の充血は消え、体を満たしていた濁流は緩やかになっていた。
正気に戻ったが、嘔吐。体の中で起きている変化に体が着いていけない。
だが、やらなければいけない事がある]
リル・・・・・・!
[体に力が入らない。だが、シートから乗り出すように、リルへと手を伸ばす]
[ Side Li9 記録時期 不明 ]
[それは、繰り返し書き込みと削除が行われた所為で、断片化されたデータだ。目的を達成するまでの道のりの長さ、困難さ、制作者の執念を表すかのごとく。
開示された記憶と連動して、現在のリルのインターフェイスの処理速度が一時低下。それがポールアクスを完全回避出来なかった要因。
読み取れるものは、非常に少ない。]
[軋む。
悲鳴を上げているのは自分の体ではなく、機神。
それがはっきりとわかるからこそ、前を向く。
怖いとか、そんなことを思うよりも先に
金色の脳裏に浮かぶのは]
…ありがと
[サッカーボールほどの大きさのキューブを抱きしめる。
そっと撫でて、もう一度感謝の言葉を囁く。
リュースと明確に繋がる澄んだ金色のそれを抱きしめたまま
たくさんのことを思う。
老兵の脱出を。
出来なくとも、せめて息があるようにと。
サルーンにはいけなかった。ジャズも聴けないままだ]
[ 装甲に食い込む斧は、戦士の軌跡 ]
[ あるいは金のインターフェイスの意思 ]
[ かつて装置を破壊したのと同じ、ポールアクス ]
[やがてそれも、リュースから光が失われると地上に落下する。]
じーさん、ありがと
[ぽつりと呟く。
まだ、彼の息はあるのだろうか。
繋がる機神は既に息絶えようとしている。
それは繋がる自分もまた、同じ事。
沈んでいく記憶の中で、頬に触れたキューブの冷たさが
不意にひとつの手を思い出させた。
冷たいけれど、とても綺麗な手。
その名前を震える唇が呼ぶよりも先に
耳に届いたのは機神が四散する音。
季節外れの金色の花火を打ち上げるかのような───**]
[フィリップの腕に添えていた両手が離れる。自身の胸に斧の刃を受けたように、リルの肢体が衝撃に傾いて滑り落ちる。
眉を顰め、悲鳴を噛み殺しながら、接続を減らそうとする。
リルの肌に浮かんでいた淡色の幾何学紋様は瞬時に色を失って消えた。]
… ──ァ
[リュースが四散する音に、聴覚は合っている。耳鳴り。
殲滅が完了したならば、次はパイロット状態の確認。遠方の戦局次第で、移動もしくは離脱を選択しなければ成らない状況。音声も映像も現在は入れていないが。]
すまんな……。
何も教えてやれんかった。
[機体はもはや動かない。そして、自らの意識も薄れていく。
コックピットに最後に残った意思が、彼を脱出させようと動いたかも知れない。しかし、彼は結果としてそこに残っていた。
彼の身体はもはや操縦席になく、指一本動かすこともできず、床へと倒れていた]
……ありがとう。
[最後の呟きは、小さく。
かつて英雄と呼ばれた傭兵、ポルッカ・ヘヴンベルは、息を引き取った**]
Side Li9 記録時期 不明
[ レナイ ]
[ 広大な ウ宙ニ ]
[ ──────────────────ガ、 ]
[ 一欠片で モ が、
存在する 限リ ]
[ トモ ニ ]
くそっ!
[シートから崩れ落ちたリルの体を抱く。
フィリップの眼には、ラミアのコクピットの中が赤い液体で満たされているように見える。このままだと溺れてしまうような。
アラームが鳴る。何に対してのアラームかは判らないが、敵に対してのアラームではなさそうだ。このラミア自体か、もしくはリルの状態に対してのアラームなのだろう。
先ほどの狂乱状態からは抜けている。
ともかく、一度体勢を立て直さなければ]
リル、聞こえるかリル!
一度戻るぞ。
[何処へ?]
・・・・・・ Endeavour社に。
[他に心当たりなど無いのだから。
もはや感覚すら怪しい両腕をさらに酷使する。
リルのサポート無しにラミアをEndeavour社へと向かわせる]
[内部からの時間計測不能な、空白が有った。
フィリップの腕の中で、目蓋を揺らす。]
──……
フィル?
[ラミアが移動しているのは分かる。
何処へと、問うように、まだ少し焦点の合わないぼんやりとした瞳でフィリップを見上げた。]
・・・・・・リル。
[だが。
体の中に滞留する、罪の意識。
眼を背けていた現実が、全て紐づいてしまった。
そして、僕は。
彼女を、殺したのだ。過去に]
[ラミアとの接続が徐々に戻ってくる。
フィリップが激痛が走る腕でラミアを移動させている事に気付いて、コントロールを切り替えた。
移動先は、元のEndeavour社──ラボ。]
[程なくして、Endeavour社の元いたラボに到着する。
リルを抱えて、コクピットから出る。
一刻も早くコクピットから出たかった。
近くにいるクルーを呼びとめ、緊急で医療を受けられるようにお願いをする]
─ Endeavour社ラボ ─
[痛む個所を弛緩させる為に、胸を仰け反らせている。
瞬き。浅く喘ぐ息で、フィリップに告げる。]
──フィ、ル。
恐らく、私のダメージは
緊急度Dと言った所だ。
[コックピットを出ると、医療用ベッドが運ばれてくるのが視界の隅に入った。]
殺した、な。
[浅い呼吸の隙間、ぽつりと零す。
リュースとそのインターフェイス、オキセンシェルナだけではなく。パイロットのポルッカ ヘヴンベルを。]
今は喋らなくていい。
[治療が行われると告げられ、リルの手を離す。
運ばれてきたベッドへリルを横たえると、フィルをおいて、医療チームがリルを奥へと連れて行こうとする]
リル・・・・・・
[言葉が、かけられない。これ以上]
[はっ、と息を呑む。
彼女の問いかけが、真意とは違うものに聞こえてしまった]
僕は・・・・・・
僕は、君を、殺してしまった。
[涙を流していた]
フィ、ル?
[投げ掛けた言葉と返答が食違っている。
咄嗟にベッドから身を起こしかけて、点滴他の装置をリルに接続しようとしていた白衣の者に遮られた。]
何を、
言っ ──…ッ
・・・・・・
[最後にリルが何か言おうとした声は、既にフィリップには届かない。
医療スタッフがリルを連れ去ろうとするのを、ただ呆然と見ていることしか出来ない]
[リルの身体に震えが走る。
肢体が飛び起きようとして、ベッドから落ちそうになり、白衣の者達が止める。]
…… 嫌 だ。
フィ、ル
私の 傍を、離れる な────ッ
[白衣達は顔を見合わせる。二人の会話を続けさせる事が、インターフェイスの損傷に繋がると判断したのか、涙を流しているフィリップをその場に残して、ベッドは奥の施設へと運ばれて行く**。]
・・・・・・
[すっ、とリルに背中を向ける。
そうだ、そうだったんだ。
リルが愛した対象は、僕ではないのだ。
それを、【フィリップ】の都合で書き換えてしまったのだ。
いつも一緒にいて、ずっと傍らにいて。
でも、どこか遠く離れているような気がして。
それは、これが原因だったのか]
[自分の中で、揺れている。
今、自分という固体はフィリップ・ミラーなのだ。
だが、記憶と記録は【フィリップ】のものになっている。
ちぐはぐな存在。
ただ、ひとつだけ確実な事がある。それはフィリップ・ミラーも、そして【フィリップ】もこの地上で生まれた存在ではないのだ。
故郷の星に残された皆の為に戦う。夢幻のように感じるようで、でも手の届く現実のようにも思える。
【フィリップ】の記憶に沈むのは怖い。
だが、彼の願いを拒絶も出来ない。
これは既に同情では無くなっている。今のフィリップ・ミラーにとっても、この肩に重くのしかかる現実なのである。
遠くにある星。その星の住人の命。無視は出来ない。出来れば救いたいと思っている。
きっとそこにはまだ思い出せてない家族や友人がいるのだろう。見殺しには出来ない]
[だが。
ラミアに乗ることによる恐怖。
そして、リルに対しての背徳感。
握りこぶしに力が篭る。
そして、フィリップは静かに研究所を去った**]
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